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熊野神社 (甲州市)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
熊野神社

本殿(重要文化財)
所在地 山梨県甲州市塩山熊野174番地
位置 北緯35度41分30.8秒 東経138度43分31秒 / 北緯35.691889度 東経138.72528度 / 35.691889; 138.72528座標: 北緯35度41分30.8秒 東経138度43分31秒 / 北緯35.691889度 東経138.72528度 / 35.691889; 138.72528
主祭神 伊弉冊尊
速玉男尊
事解男尊

天忍穂耳尊
瓊瓊杵尊
彦火火出見尊
社格 旧郷社
創建 (伝)大同2年(807年)
本殿の様式 春日造檜皮葺
例祭 10月15日
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熊野神社(くまのじんじゃ)は山梨県甲州市塩山熊野に鎮座する神社で、熊野郷一帯の鎮守社である。また、拝殿・本殿2棟は国の重要文化財に指定されている。

歴史

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神社の創立は明らかではないが、江戸時代後期に成立した『甲斐国志』所収の「社記」によれば、朱鳥年中(686年-701年)紀州の熊野より勧請され、熊野郷の鎮守社として成立したとされるが、10世紀初頭の『延喜式』神名帳には当社に関する記載は見られないことから、朱鳥年中の創立を否定する説もある。

平安時代後期には後白河法皇の勅により、熊野本社の規矩をとって社殿を建立したものと伝えられている。

古来より熊野大権現と呼ばれて、周辺の人々の尊崇を受けてきた。近世には甲斐における熊野四所礼場の一社となる。

祭神

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祭神は、伊弉冊尊速玉男尊・事解男尊天忍穂耳尊瓊瓊杵尊彦火火出見尊の6座を祀っている。

境内

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拝殿

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拝殿(重要文化財)
拝殿(重要文化財)
本殿(重要文化財)
本殿(重要文化財)

拝殿は東西に石垣で3区画された社域の中間部に位置する。桁行五間、梁間三間、一重入母屋造で屋根は茅葺である。柱は面取り角柱で、柱上の組物は舟肘木とし、正面五間のうち中央柱間を大きくとり楣梁(まぐさばり)をいれ、吹き放ちの出入り口となっている。

その他の柱間は腰貫下部を嵌板張りとし、腰貫と内法貫(うちのりぬき)の間を吹き放ち窓にして、その上部は漆喰塗りの壁である。このように開口部はすべて建具を入れず開放的であり、建物の周囲には切目縁をめぐらし、小規模で簡素な建築ではあるが、一重の入母屋造の茅葺屋根とともに美しい姿を見せている。

1549年天文18年)に建立[1]

本殿

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本殿は境内を高低3段に区画された奥の高所に、本殿6棟が東西に並列、南面して建てられている。西から3棟は江戸時代の再建で旧観を失い、次の1棟は再建ができず小祠に替えられ、その東に並ぶ2棟が重要文化財に指定されている本殿である。この2棟は、各一間社隅木入春日造檜皮葺の小規模で簡素な建築である。

この本殿2棟の建立年代は確証を欠くが、構造手法からみて鎌倉時代と考えられ、記録に示す文保2年(1318)の造替のものではないかと推定される。

文化財

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重要文化財(国指定)

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  • 本殿 2棟 - 室町時代中期の建立。一間社隅木入春日造、檜皮葺。昭和24年(1949年)2月18日指定。
  • 拝殿 - 室町時代後期の建立。桁行五間、梁間三間、一重、入母屋造、茅葺。昭和24年(1949年)2月18日指定。

山梨県指定有形文化財

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  • 紙本著色刀八毘沙門天像図 - 平成5年2月15日指定。武田信玄の寄進。
  • 紙本著色飯縄権現像図 - 平成5年2月15日指定。武田信玄の寄進。
  • 紙本著色欹器ノ図 - 平成5年2月15日指定。武田勝頼の寄進。
  • 紙本著色渡唐天神像図 - 平成12年3月2日指定。武田勝頼の寄進。

脚注

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  1. ^ 山梨県の文化財ガイド(建造物)

参考文献

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  • 『熊野神社略誌』
  • 松平定能『甲斐国志』(大日本地誌大系本、佐藤八郎校訂)、雄山閣、昭和43年

外部リンク

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