沼サンゴ
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沼サンゴ(ぬまさんご)とは、千葉県房総半島南端の館山市周辺に形成されたサンゴ礁の化石群。館山市周辺の沼(ぬま)地区での研究が進んでいたことからその名が付けられた。沼地区および同市南条地区、同市香(こうやつ)地区などで見られる。
概要
[編集]およそ6000年前の縄文海進の時期に形成された造礁サンゴ礁であり[1]、海水面の低下や関東大震災時の隆起を経た現在では標高約20-30m(海岸線からは1kmほど内陸)の地点にある。層からはおよそ75-100種のサンゴや貝類などの海棲生物の化石が確認されている[2]。これらの化石からは、造礁当時の南房総が現在よりも温暖な気候で、現在の奄美大島近辺の海域の環境に近い状況にあったことが判明している。
- 沼地区(千葉県指定天然記念物)[3]
- 場所:館山市沼521-3
- 指定年月日:昭和42年3月7日
2008年には「沼のサンゴ層」がちば遺産100選に選ばれた[5]。
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沼サンゴ層露頭が保護されているケージ
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拡大写真。キクメイシの一種
脚注
[編集]- ^ 館山市教育委員会生涯学習課『たてやまスタディ〜知って得する館山ガイド〜』館山市教育委員会、2013年3月31日、16頁。
- ^ 千葉県教育庁教育振興部文化財課『ふさの国の文化財総覧 第1巻』千葉県教育庁教育振興部文化財課、2004年3月26日、44頁。
- ^ 千葉県指定天然記念物
- ^ 館山市の指定文化財(種別)
- ^ “「ちば遺産」100選(7)黒潮と山の恵みのゾーン”. 千葉県教育委員会 (2016年3月1日). 2016年2月14日閲覧。
参考文献
[編集]- “県指定天然記念物”. 千葉県 (2014年2月21日). 2014年3月12日閲覧。
- “館山市の指定文化財(種別)”. 館山市 (2014年3月3日). 2014年3月12日閲覧。
関連項目
[編集]- 造礁サンゴ
- 完新世の気候最温暖期
- 大寺山洞穴遺跡 - 近くにある海蝕洞(遺跡としては古墳時代のもの)
外部リンク
[編集]- 沼サンゴ層(館山市)
- 沼サンゴ層(沼地区)、南条地区 - 南房総データベース
- 沼サンゴ解説 - archive.today(2013年4月27日アーカイブ分)