甲浦信号場
甲浦信号場 | |
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甲浦駅時代の駅舎とホーム入口(DMV乗り入れ改修工事前) | |
かんのうら Kannoura | |
◄宍喰 (2.5 km) | |
所在地 | 高知県安芸郡東洋町大字河内661-3 |
所属事業者 | 阿佐海岸鉄道 |
所属路線 | ■阿佐東線 |
キロ程 | 10.0 km(阿波海南信号場起点) |
電報略号 | カン |
開業年月日 | 2020年(令和2年)10月23日* |
備考 | 隣接してDMVの甲浦駅停留所(地上)あり |
甲浦信号場(かんのうらしんごうじょう)は、高知県安芸郡東洋町大字河内にある、阿佐海岸鉄道阿佐東線の信号場である。同線の終点。
概要
[編集]開業当初は鉄道駅の甲浦駅(かんのうらえき)として営業しており、阿佐東線の終着駅となっていた。また、高知県内に属する鉄道駅では最も東に位置していた。
2021年の阿佐東線におけるデュアル・モード・ビークル(DMV)運行開始に伴い改修工事が実施され、駅から信号場に変更されるとともに[1]、鉄道モード・バスモードの切り替えを行うモードインターチェンジが設けられた。また、既存の駅ホームは供用廃止となり、代わって駅舎前に設けられたバス停留所(バスモード区間にあるため、阿佐東線の施設ではない)で旅客の乗降を取り扱う形となった。
当駅から室戸岬を経て奈半利駅(土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線として開業)までの間には、鉄道敷設法による予定鉄道線路(改正鉄道敷設法別表)により鉄道を敷設する計画が定められていた(未成線)が、国鉄再建法によって事業が凍結されたのち、国鉄分割民営化に伴う法令施行に伴い鉄道敷設法が廃止され、法的な根拠をもった路線計画は消滅した。なお、DMVは系統の1つ(海南室戸線)が室戸岬方面まで運行している。
普通鉄道車両運行時代の甲浦駅の駅番号はAK30であった。
歴史
[編集]- 1992年(平成4年)3月26日:阿佐東線の終着駅として甲浦駅が開業[2]。
- 2019年(平成31年)1月10日:DMV導入による当駅駅舎ならびに線路改築工事開始のため、利用客駐車場とバス乗り場を50メートル南に移転[3]。
- 2020年(令和2年)
- 2021年(令和3年)12月25日:DMV運行開始[7][8]により、モードインターチェンジの供用を開始。駅前にDMV「甲浦駅」バス停留所が設置される。
信号場構造
[編集]阿佐東線の高架上にDMVのモードインターチェンジが設けられており、ここで一旦停車して鉄車輪の出し入れを行う。線路はここで終端となり、モードインターチェンジの先には駅舎前に降りる専用スロープ(道路区間であり阿佐東線には含まれない)が設けられている。
DMVは駅前に設置されたバス停留所で旅客の乗降を取り扱う。詳細は後述。
DMV乗り入れ以前のホームへの立ち入りはできなくなっているが、ホームに向かう階段には入ることができ、モードチェンジの様子を横から見ることができる。
DMV乗り入れ前
[編集]DMV乗り入れ前は高架上(現在のモードインターチェンジ手前)に単式ホーム1面1線を有する形態(高架駅)であり、「1番線」のホーム番号も設定されていた。ホームと地上は階段で連絡していた。列車の夜間滞泊はなく、最終列車到着後は車庫のある宍喰駅に回送され、翌朝再度同駅から回送され当駅始発列車となっていた。室戸・奈半利方面へ延伸できるような構造となっており、その構造を活かしてDMVのモードインターチェンジが設置された。当時の駅名標には東洋町が観光案内板などで使用しているキャラクターがあしらわれていた[9]。
駅舎は線路脇に設置されており、DMV化後も存続している。甲浦婦人会が売店の営業と乗車券の販売を受託していた[10][11]ほか、駅構内にてレンタサイクルの営業も行っている[12]。
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線路終端部の車止め
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線路終端部
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高架時代の駅名標
利用状況
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周辺
[編集]- 行政機関
- 東洋町役場甲浦支所
- 東洋町シルバー人材センター
- 室戸警察署甲浦駐在所
- 教育機関
- 東洋町立甲浦中学校
- 東洋町立甲浦小学校
- 東洋町立甲浦保育園
- 東洋町立甲浦公民館
- 東洋町青少年旅行村
- 金融機関・郵便局
- 宿泊施設
- 東洋白浜リゾートホテル(旧名称・白浜ホワイトビーチホテル。白浜海水浴場北側に隣接)
- その他
- 道路
バス路線
[編集]- 阿佐海岸鉄道
- 甲浦信号場から地上におりた場所に甲浦駅バス停が存在する。
※〈〉はDMVの鉄道区間に位置する鉄道駅。
- 徳島バス
※阿南駅 - 甲浦間のみ途中乗降可能。
- その他
- かつては高知東部交通と徳島バス南部の路線バスが乗り入れていたが、現在はいずれも乗り入れを取り止めている。
- 高知東部交通は2021年12月24日まで乗り入れていたが、翌25日のDMVの運行開始に合わせて乗り入れを終了。以降、阿佐海岸鉄道のDMVとは海の駅東洋町バス停にて接続する形に改められた[13]。徳島バス南部はDMV開業後も暫くは乗り入れを続けていたが、2022年2月1日のダイヤ改正に伴いこちらも乗り入れを終了し、同様に海の駅東洋町バス停での接続に変更された。
- 甲浦信号場に近い高知東部交通や徳島バス南部のバス停は、甲浦学校前バス停・甲浦口バス停・海の駅東洋町バス停などである。
隣の駅
[編集]- 阿佐海岸鉄道
- ■阿佐東線
- ※( )括弧内表記はDMVバスモード区間における停留所
- 宍喰駅 - 甲浦信号場( - 甲浦駅停留所 - 海の駅東洋町停留所)
- ※( )括弧内表記はDMVバスモード区間における停留所
脚注
[編集]- ^ 『DMVに関する技術評価検討会』(PDF)(プレスリリース)国土交通省、2020年12月18日。オリジナルの2020年12月20日時点におけるアーカイブ 。2021年1月16日閲覧。
- ^ 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』JTB、1998年、664頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ “◆ 甲浦駅駐車場・バス停移転のお知らせ”. 阿佐海岸鉄道. 2019年2月28日閲覧。
- ^ 『令和3年度 鉄道要覧』174頁。
- ^ “阿佐東線、DMV対応工事で12月から全線運休 バス代行輸送”. レイルラボ(RailLab). 2020年12月2日閲覧。
- ^ “時刻表”. 阿佐海岸鉄道. 2021年1月26日閲覧。
- ^ “線路も道路も走るDMV 世界初12月25日から運行 阿佐海岸鉄道”. 毎日新聞 (毎日新聞). (2021年11月10日). オリジナルの2021年11月10日時点におけるアーカイブ。 2021年11月10日閲覧。
- ^ “【PDF速報】世界初DMV発進 線路も道路も走ります! 阿佐海岸鉄道・海陽町―高知県東洋町|徳島の話題|徳島ニュース|徳島新聞電子版”. 徳島新聞電子版. 2021年12月25日閲覧。
- ^ “新駅名標の紹介”. 阿佐海岸鉄道. 2015年12月9日閲覧。
- ^ “ぷらっと沿線紀行:その先は 潮騒の中 阿佐海岸鉄道”. 朝日新聞社. asahi.com (2008年11月29日). 2013年4月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年10月25日閲覧。
- ^ 外部リンク参照。(2012年12月31日閲覧)
- ^ “甲浦婦人会 レンタサイクル”. レンタサイクルナビ. エコサイクルシナジー. 2012年12月31日閲覧。
- ^ kochitobu_kotsuの2021年11月25日のツイート、2021年12月4日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 甲浦駅 - 阿佐海岸鉄道