Wikipedia:著作権/2008年7月13日までの文書対象
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この文書はウィキペディア日本語版の方針です。多くの利用者に支持されており、すべての利用者が従うべきだと考えられています。変更はコミュニティーの合意を反映している必要があります。 |
注意:著作権侵害の事例が多発しています。 初心者の方はガイドブック 著作権に注意を読み、基本を理解してください。ウェブページや書籍などの文章を転載したり、ウィキペディア内の他の記事の文章をコピー&ペーストで投稿する事例が後を絶ちませんが、これらは著作権を侵害する行為であり、削除の対象となります。著作権侵害が疑われるページを見つけたら、著作権侵害への対処に沿って対応してください。 |
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ウィキペディアの目標は自由に利用可能な百科事典形式の情報源を作成することです。我々が使うライセンスは、フリーソフトウェアのフリーライセンスと同じ意味で、コンテンツへの自由なアクセスを許可するものです。つまりウィキペディアのコンテンツは、他の人々に対して同様の自由を認め、ウィキペディアがそのソースであることを知らせる限りにおいて、複製、改変、再配布することができます。それゆえにウィキペディアの記事は、永遠にフリーであり続けるでしょう。改変や再配布などの利用に際して多少の制約条件はありますが、そのほとんどは、このような自由を保証するためのものです。
上の目標を実現するために、ウィキペディアに投稿されたオリジナルの文章は、GNU Free Documentation License (GFDL) の下に、公衆に対してライセンスされます。このライセンスの全文は Wikipedia:Text of GNU Free Documentation License にあります。
すべてのウィキペディアの素材におけるテキストの複製、配布及び改変は、Free Software Foundationが発行するGNU Free Documentation Licenseのバージョンの1.2以上の条件の下に、許諾されます。変更不可部分 (Invariant Sections)、表表紙テキスト (Front-Cover Texts) 及び背表紙テキスト (Back-Cover Texts) はありません。
また、ウィキペディアの文章が投稿者のオリジナルではなく、他のGFDLソースから素材を受け入れたものである場合があります。この場合、その素材が不可変更部分、表表紙テキスト、裏表紙テキストのいずれをも含んでいない場合には、上記のライセンス表示が適用されますが、そうでない場合には、次のライセンス表示が適用されます。
すべてのウィキペディアの素材におけるテキストの複製、配布及び改変は、Free Software Foundationが発行するGNU Free Documentation Licenseのバージョンの1.2以上の条件の下に、許諾されます。不可変更部分、表表紙テクスト、裏表紙テクストのリストは、下記の通りです。
- 記事名については:
- 不可変更部分
- 「○○」の項「○○○」から「○○○」まで。
- 表表紙テクスト
- なし。
- 裏表紙テクスト
- なし。
(上記は見本です。実例が現れたら見本を抹消して、適宜追加していってください。)
リストは以上です。
GFDLは必ずしも輾転編集型の百科事典を想定したライセンスではないため(GFDL前文3項参照)、これをウィキペディアにおける法関係に適用した場合には、当該ライセンスの解釈に疑問が生じる場合があります。このような解釈上の疑問を解決するため、以下の文章において、当該ライセンスの解釈を宣言します。関連する法令、ウィキペディアの仕様その他の状況が変化した場合には、この解釈も当然それに応じて変更されていくことになります。
総則
GFDLは、他人の著作権、商標権その他の権利を侵害する形での利用を許諾するものと解されてはならず、また、日本国の法令その他一切の関係する法令に牴触する形での利用を許諾するものと解されてはなりません。
以下の記述で前提とされているように、日本語版ウィキペディアにおいては、GFDLにおける許諾の単位となる「文書 (Document)」ないし「著作物 (work)」(1条1項3文)は、記事です。このような理解は、ベルヌ条約における百科事典の理解とも合致しています(ベルヌ条約2条5項)。
日本語版ウィキペディアにおいて、記事とは、見出し(記事名、ノート名、名前空間下の記事名、名前空間下のノート名等)を中心として、メイン・テキスト、その履歴、著作権表示等を含むテキスト群をいいます。何が一つの記事に含まれるかについては、ブラウザにおけるページの単位は一応の目安とはなりますが、履歴が含まれていることからもわかるように、それは記事の単位を決定する決定的な基準とはなりえません。あくまで、見出しを中心として、その見出しに密接に関連するテキストであるかどうかで、ある記事の範囲にあるかどうかが決まります。
日本語版ウィキペディアにおいて、「タイトル・ページ (Title Page)」(GFDL1条8項。以下、GFDLの条文については、条文のみを示します)は、少なくとも記事名、ヘッダ(画面最上部のインターフェース。そこからのリンク先を含む)、画面左右のインターフェース(そこからのリンク先を含む)及びフッタ(画面最下部のインターフェース。そこからのリンク先を含む)を含みます。また、メイン・テキストを記載すべき欄の冒頭にサブページへのリンク等の記述が存在する場合には、その記述(そこからのリンク先を含む)をも含みます。
日本語版ウィキペディアにおいて、GFDL上の「著作権表示 (copyright notice)」は、現状では、フッタに含まれる「All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.」という記述です。
日本語版ウィキペディアにおいて、GFDL上の「ライセンス表示 (license notice)」とは、この記事の冒頭に掲げられた、「すべてのウィキペディアの素材におけるテキストの複製、配布及び改変は、Free Software Foundationが発行するGNU Free Documentation Licenseのバージョンの1.2以上の条件の下に、許諾されます。変更不可部分 (Invariant Sections)、表表紙テクスト (Front-Cover Texts) 及び背表紙テクスト (Back-Cover Texts) はありません。」という表示、又は、「すべてのウィキペディアの素材におけるテキストの複製、配布及び改変は、Free Software Foundationが発行するGNU Free Documentation Licenseのバージョンの1.2以上の条件の下に、許諾されます。不可変更部分、表表紙テクスト、裏表紙テクストのリストは、下記の通りです。(中略)リストは以上です。」という表示です。
日本語版ウィキペディアにおいて、GFDL上の「履歴 (History)」とは、現状では、「変更履歴」という項目名を持つページです。このページは、前述のタイトル・ページの定義により、記事におけるタイトル・ページの一部とみなされます。
以下の説明においては、「あなた」という語は、英語の「you」と同義で用いられます。したがって、これにより指される対象が単数であるか複数であるかを問いません。
複製、改変、再配布などの利用をされる方へ
利用者の権利と義務
他人により作成されたウィキペディアの記事を、あなた自身の本、記事、ウェブサイトその他の著作物(ここでは、以下「当該二次的著作物」と呼びます)で利用することは可能です。この場合、あなたは、GFDLによる義務を負います。特に、次に掲げる諸点に注意してください。なお、あなたの著作物において「タイトル・ページ」がどこであるかは、GFDL1条の定義によって判断してください。
- 当該二次的著作物も同様に GFDL下でライセンスされなければなりません(4条1項1文)。また、あなたは、当該二次的著作物がGFDLによってライセンスされることを明記しなければなりません(4条1項2文D号、E号及びF号)。
- あなたは、関係する記事の「変更履歴」をコピーし、かつ、同様の形式であなた自身の改訂のデータを追加した「履歴 (History)」を作成しなければなりません(4条1項2文I号。あなたがその後更に改変を加えた場合には、その改訂履歴も適切に更新しなければなりません)。あなたは、当該二次的著作物の著作者が誰であるか(あなたの名前と、原著作物たる記事の著作者を最低でも5名(5名未満の場合はすべて)の名前)をタイトル・ページにおいて明記しなければならず(4条1項2文B号)、また、あなたは、当該二次的著作物の出版者ないし公表者が誰であるかをタイトル・ページに明記しなければなりませんが(4条1項2文C号)、この二つの義務は、インターネット上のテクストの場合、当該二次的著作物のタイトル・ページに、あなた自身の作成した「履歴 (History)」へのリンクを含めることにより、満たすことができます。また、あなたは、過去のすべての版に対するリンクを、そのまま記載しなければなりませんが、このような記載は履歴 (History) のセクションにおいてなされてもよいことになっています(4条1項2文J号)。したがって、「変更履歴」のコピーの際には、リンクを外してはなりません。
- 原則としてウィキペディア上のテクストには不可変更部分、表紙テクスト、裏表紙テクストはないと考えられていますが、もしそれが例外的に存在する場合には、あなたは、その完全な一覧を著作権表示のなかにそのまま含めてください(4条1項2文G号)。不可変更部分は、変更してはなりません(4条1項2文L号)。
- GFDLのコピーをそのまま当該二次的著作物に含めてください(4条1項2文H号)。この義務は、インターネット上のテクストの場合、GFDLへの直接のリンクを文書中に含めることでも満たすことができます。
- 日本語版ウィキペディアでは「謝辞 (Acknowledgement)」と題するセクションや「献辞 (Dedication)」と題するセクションを設けることは基本的に受け付けていませんが、もし何らかの事情でこのようなセクションが存在する場合には、そのセクションの題名、内容及び語調に変更を加えてはなりません(4条1項2文K号)。
- ウィキペディア上のテクストに「推薦の辞 (Endorsement)」と題されたセクションが存在する場合には、当該二次的著作物ではそれを削除してください(4条1項2文M号)。また、既存のセクション名を「推薦の辞」と変更しないでください(4条1項2文N号)。但し、当該二次的著作物に対する固有の推薦の辞が存在する場合には、「推薦の辞」と題するセクションを新たに追加することができます(4条3項)。
なお、後述のように、ウィキペディアにおいては、同一の記事名が使用されることに黙示的な許可が与えられていると考えられています(4条1項2文A号参照)。
素材の公正使用と特別な要求
まずは以下の記述をお読みください。
ときおりウィキペディアの記事が、「公正使用(フェア・ユース)」の法理が使われた結果として、外部からの引用画像、引用音声、もしくは引用テキストを含むかもしれません。この場合、その素材は外部のソースにあると考えてください(外部のソースは画像の説明ページ、履歴などしかるべき場所に記載されています)。しかし、我々にとって公正利用になっている引用などでも、あなたの意図するメディアでの利用が公正でない可能性はあります。利用にあたってはご注意ください。
これは例えば、われわれが公正使用の下に利用した画像をあなたが利用する際には、それが公正使用になることをご自分の責任で確認される必要がある、ということです。例えば、ウィキペディアはGFDLなので商業利用が可能なわけですが、ウィキペディアで公正使用されている画像は、商業利用はできない可能性もあります。
ウィキペディアには、GFDLに矛盾しないがウィキペディアでは通常要求していない条件(例えば、改変前の文章や、表紙、背表紙の文字を含まなければならないなどの条件)を要求したいくつかのテキストが利用されている場合もあります。このような素材を利用するとき、あなたは一字一句改変前の素材を含ませる必要があります。
ここで挙げられた公正使用の法理はアメリカ合衆国法上の法理ですが、特に、あなたと外部のソースとの関係にアメリカ合衆国法が適用されると思料される場合には、この点について留意することは重要なことです。
しかし、日本法でも似たようなことは起こり得ます。いくつか例を挙げましょう。
第一に、ウィキペディア上の記事が著作権法32条の引用の要件を満たしていても、あなたが前後の記述を変更することにより、この要件を満たさなくなる場合があり得ます。例えば、あなたが引用の前後にあったソースの記述を抹消してしまったり、リンクを外してしまったり、鍵括弧を外してしまったりすると、引用文そのものには改変を加えなくとも、「公正な慣行に合致」していないために、もはや著作権法32条の引用の要件を満たさなくなるおそれがあります。また、前後の説明文をすべて抹消したり、まったく異なる文脈に変更した場合にも、「引用の目的上正当な範囲内」とはもはやみなされず、やはり著作権法32条の引用の要件を満たさなくなるおそれがあります。
日本法における引用については、各自で条文と判例を熟読した上で、ご自身で判断してください。その際、Wikipediaの記事「引用」が役に立つかもしれません。しかし、この記事は、百科事典の記事の性質上、「引用」に関する一般的な記述でしかあり得ず、ウィキペディアに引用する場合をとりわけて考究したものではあり得ないこと、ウィキペディアの記事は法的なアドヴァイスを提供するものではないこと、及び、ウィキペディアの記事は、内容の正確さ等に関して一切保証されていないことに留意してください。
第二に、ウィキペディアの画像が著作権法46条の要件を満たしていても、あなたの使い方によって著作権法46条の要件を満たさなくなる場合があります。
著作権法46条は、屋外に公開されている美術の著作物等の利用について次のように規定しています。
美術の著作物でその原作品が前条第二項に規定する屋外の場所〔=街路、公園その他一般公衆に開放されている屋外の場所又は建造物の外壁その他一般公衆の見やすい屋外の場所〕に恒常的に設置されているもの又は建築の著作物は、次に掲げる場合を除き、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。
- 彫刻を増製し、又はその増製物の譲渡により公衆に提供する場合
- 建築の著作物を建築により複製し、又はその複製物の譲渡により公衆に提供する場合
- 前条第二項に規定する屋外の場所に恒常的に設置するために複製する場合
- 専ら美術の著作物の複製物の販売を目的として複製し、又はその複製物を販売する場合
この場合、たとえウィキペディア上の画像が著作権法46条の要件を満たしていても、あなたが、この画像を屋外の場所に恒常的に設置したり、専ら販売を目的として複製したり、それを販売したりした場合には、あなたは著作権法46条の要件を満たさないことになります。なお、GFDLがあなたにこのような行為を許諾していないことについては、総則において既に述べました(「GFDLは、他人の著作権、商標権その他の権利を侵害する形での利用を許諾するものと解されてはならず、また、日本国の法令その他一切の関係する法令に牴触する形での利用を許諾するものと解されてはなりません」)。また、そもそも米国著作権法においては上記のような屋外著作物の例外規定は無く、米国における屋外著作物を利用する場合には許諾等が必要になる場合があります。ご注意ください。
第三に、ウィキペディアの記事が著作権法40条に基いて政治上の演説等を利用している場合に、あなたがその部分を改変してしまうと著作権法40条の要件を満たさなくなることがあります。
著作権法40条は政治上の演説等の利用について、次のように規定しています。
- 公開して行なわれた政治上の演説又は陳述及び裁判手続(行政庁の行なう審判その他裁判に準ずる手続を含む。第四十二条において同じ。)における公開の陳述は、同一の著作者のものを編集して利用する場合を除き、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。
- 国若しくは地方公共団体の機関又は独立行政法人において行われた公開の演説又は陳述は、前項の規定によるものを除き、報道の目的上正当と認められる場合には、新聞紙若しくは雑誌に掲載し、又は放送し、若しくは有線放送することができる。
- 前項の規定により放送され、又は有線放送される演説又は陳述は、受信装置を用いて公に伝達することができる。
ところで、著作権法43条を見ると、このような利用については、翻訳は認められていても(2号)、翻案は認められていません(1号参照)。したがって、ウィキペディア上の記事が40条の要件を満たしていても、あなたがこの記事を利用する際にその演説の発言の一部を改変してしまった場合には、著作権法43条の要件を満たさなくなり、著作権法違反となる可能性があります。なお、GFDLがあなたにこのような行為を許諾していないことについては、総則において既に述べました(「GFDLは、他人の著作権、商標権その他の権利を侵害する形での利用を許諾するものと解されてはならず、また、日本国の法令その他一切の関係する法令に牴触する形での利用を許諾するものと解されてはなりません」)。
以上のほかにも、このような場合はいくつもあると考えられます。このような点に留意するのは利用者であるあなた自身の責任です。また、関連する法令が日本の法令のみであるとは限らないことにも留意してください。
メディアファイルのライセンス
画像、音声、動画といったメディアファイルのライセンスの扱いは文章と異なります。Wikipedia:メディアファイルのライセンスをお読みください。
投稿される方へ
寄稿者の権利と義務
もしあなたが、ウィキペディアに素材を提供した場合、あなたはGFDLの元に公共に対して(改変前の原稿や表紙、背表紙の文章の必要性を要求することなしに)利用を許可することになります。それゆえ寄稿のためには、あなたはこのライセンスが意味する
- あなたが自分で素材を作成した結果として、著作権を持っている。または
- たとえば、素材がパブリックドメインに置かれているか、GFDLのもとに出版されている結果として、GFDLのもとにライセンスすることを許されたソースから、あなたが素材を取得した
という位置にいることが重要です。
第一の場合、あなたは自分の記事に対して著作権を保持します。なぜなら、ライセンス上の義務はライセンシー(著作物の利用を認められた者)に対して向けられたものであり、ライセンサー(著作権者)に向けられたものではないからです(1条1項4文)。しかし、日本の著作権法上では、原著作物の著作者は、二次的著作物の利用に関し、二次的著作物の著作者が有する著作者財産権と同一の種類の権利を有することとされており(著作権法28条)、また、共有著作権については、その共有者全員の合意によらなければ、行使することができないこととされています(著作権法65条)。もっとも、判例によれば、「明示の契約が成立していない場合であっても、当該〔二次的著作物〕の利用の中には、その性質上、一方が単独で行い得ることが、両者間で黙示的に合意されていると解することの許されるものも存在する」とされています[1]。ウィキペディアにおいては、後続する執筆者が何ら先行する執筆者と合意をすることなく、後続する執筆者の単独の行為によって、二次的著作物たる最新版記事が公表できる仕組みになっていますから(投稿のボタンを押すことは単独の行為です)、前提として、後続の著作権者の単独の権利行使について、黙示的な合意があると解されます。このため、常にウィキペディアの執筆者は、自らの投稿した版のすべてに対して著作権を保持します。とはいえ、二次的著作物に対する著作権上の保護は、原著者の権利に影響を及ぼしませんから(著作権法 11条)、原著者の権利を侵害するような形で再ライセンスを行うことはできません。ウィキペディアにおいては、版の間の差分が明確に記録されており、前の版との同一部分は明確に確定可能ですから、この部分については、ウィキペディア以外の場所で単独で再ライセンスできるものと解してしまっては、著作者に権利を留保させようとするGFDLの趣旨に反します(前文1項2文参照)。結局、あなたの投稿部分に限っては、あなたは後にそれを別な形で出版して、それをまた別の自分の好きなライセンスで再ライセンスすることができます。しかし、あなたがここで公開した版に対してはGFDLライセンスの適用を撤回することはできません。すなわち素材は永遠にGFDLの下にあります。つまり、たとえウィキペディアで公開した版と同文の版を別の形でライセンスしても、ウィキペディアに同文の版があるのですから、公衆の誰もが、ウィキペディアから同文の版をGFDLの条件の下で用いることができるのです。
第二の場合のうち、もしあなたが外部のGFDLな素材を編入するならば、あなたは、「複製、改変、再配布などの利用をされる方へ」で述べられたところの利用者と同じ立場に立ちます。つまり、あなたは「利用者の権利と義務」や「素材の公正使用と特別な要求」で述べられた義務を果たさなければなりません。ソースの履歴は、「/履歴」というサブページを作成して、過去のすべての版へのリンクを含め、そこに保存してください。そして、コピーした履歴の末尾に「続き」というリンクを設置し、リンク先を当該記事の「変更履歴」にしてください。もし、オリジナルな著作物が改変不可を要求している場合、ウィキペディアの記事でもそれを要求する必要があります(この場合、この記事の冒頭に掲げたライセンス表示の中のリストに追加してください)。しかし、改変不可の素材を伴ったGFDL下の文章を、改変可能なオリジナルなコンテンツに取って代えることはとても魅力的なことです。
投稿者の権利が限定される場合
ウィキペディアでは、GFDLのすべての条項を完全な形で履行することができません。これは、ウィキペディアがGFDL文書の収集のために作られたものではないことに起因します。システムに起因する制限により、GFDLが保証する著作者の権利の一部が限定されることがありますが、投稿者はこれらの制限については投稿時に同意したとみなされます。現在のところ明らかになっている、GFDLと矛盾するシステムの仕様は次のとおりです。この制限事項は、今後システムの改変などにより変更される場合があります。
- 投稿者が履歴を編集することができません。
- GFDL違反の記事を編集することによりGFDLに適合させたとしても、過去の版は管理者が記事全体を削除しない限り誰でも閲覧できてしまいます。
これらのシステムの仕様により制限されるのは、主に著作者の名誉にかかわる部分です。たとえば、記事の移動により、執筆したこともない名の記事の執筆者になっていたり、削除された記事がカットアンドペーストで復旧された結果、自らが執筆したという記録が残らなかったり、ウィキペディア内の他の記事で引用・複写されたにもかかわらず、それが古い版には明示されていなかったりすることがあります。ウィキペディアの投稿者は、ウィキペディア内で履歴表示や著作者名表示が正確に行われない場合があることに同意したものとみなされます。もちろん、可能ならば、記事の最新版や編集内容の要約で原著作者名への言及や引用・複写元記事へリンクすることは認められ、むしろ推奨されます。
ウィキペディアにおける編集
ウィキペディアにおいて他人により作成された記事を編集する行為は、日本語版ウィキペディアにおいてはGFDL4条の改変(modifications)に該ると解されていますが、次に掲げるGFDLの条件は、自動的に満たされると解されます。
- ウィキペディアにおいては、ある記事が同一記事名のまま編集され改変されていくということを前提として記事が投稿されています。したがって、すべての執筆者は、ウィキペディア内であれば、同一の記事名を使うことに暗黙の同意を与えているものと解されます。このため、編集後も、同一記事名を使うことができます(4条1項2文A号参照)。
- ウィキペディアにおいては、記事の執筆に関わったすべての公表者が、自動的に、それぞれの記事の「変更履歴」に登録されます(4条1項2文I号参照)。通常、記事の公表者と著作者は同一です(同一でない場合は、「コピー・アンド・ペースト」の項を参照してください)。また、「変更履歴」にはタイトル・ページから直接のリンクが設けられています。このため、すべての著作者が、タイトル・ページにリストされていることになります(4条1 項2文B号参照)。また、「変更履歴」には、最後の改変版の公表者も自動的にリストされます(4条1項2文C号参照)。また、過去のすべての版に対するリンクの記載は「変更履歴」のセクションになされています(4条1項2文J号参照)。
- 日本語版ウィキペディアにおいては、常に同じ著作権表示が用いられます(4条1項2文D号、E号及びF号参照)。
- 日本語版ウィキペディアにおいては、原則として不可変更部分、表紙テクスト及び裏表紙テクストは存在していません(4条1項2文G号およびL号参照)。
- ウィキペディアにおいては、どの記事も、タイトル・ページにGFDLへの直接のリンクを含んでいます(4条1項2文H号参照)。
次に掲げる義務は、自動的には満たされないため、それぞれの編集者が遵守してください。
- 日本語版ウィキペディアでは「謝辞 (Acknowledgement)」と題するセクションや「献辞 (Dedication)」と題するセクションを設けることを基本的に受け付けていませんが、もし何らかの事情で前の版にそのようなセクションが存在する場合には、そのセクションの題名、内容及び語調に変更を加えてはなりません(4条1項2文K号)。
- 前の版に「推薦の辞 (Endorsement)」と題されたセクションが存在する場合には、新しい版ではそれを削除してください(4条1項2文M号)。また、既存のセクション名を「推薦の辞」と変更しないでください(4条1項2文N号)。但し、新しい版に対する固有の推薦の辞が存在する場合には、「推薦の辞」と題するセクションを新たに追加することができます(4条3項)。
ウィキペディアにおける移動
ウィキペディアにおける「ページの移動」には、日本語版ウィキペディアにおいてはGFDL4条が適用されます。「ウィキペディアにおける編集」と異なるのは、過去の版の記事名を変更する点です。しかし、このことは、GFDL上の義務とは関係のないことです。したがって、「ウィキペディアにおける」編集と同様に考えてください。
ウィキペディアにおけるコピー・アンド・ペースト
ウィキペディアのある記事から他の記事へコピー・アンド・ペーストする場合 (ペースト先記事の新規作成を含む) には、「ウィキペディアにおける編集」とは、次の点で異なります。
- 元の記事と他の記事の記事名が異なります。この点は、いずれにせよGFDLの義務を満たしているので、GFDL上の結論に影響は与えません。
- 履歴が自動的に保存されません。このため、必ず、当該記事内または編集内容の要約欄に必ずコピー・アンド・ペースト元の記事へのリンクを張ってください。当該記事の履歴(自動的に更新されます)と元の記事の履歴を併せ読むことにより、4条1項2文I号、B号、C号及びJ号の義務を満たしているものとみなします。あなたが、その時点での最新版からコピー・アンド・ペーストした場合には、履歴の年月日と時間によりどの版からコピー・アンド・ペーストしたかを確定することが可能ですが、もし過去の版からコピー・アンド・ペーストした場合には、元の版を確定できるように、その版の年月日と時間を明記してください。
コピー・アンド・ペーストは「移動」に較べて、執筆者としてなすべきことがらが増えます。そこで、日本語版ウィキペディアにおいては、単なるログ化の場合には、「移動によるログ化」が推奨されています。これは、次のような手続を践むことにより、「ページの移動」によってログ化を行うものです。
- ログ化したいページを、ログ化先の名前をつけて移動する。
- ログ化元のページのリダイレクトを外す。
- ログ化元のページに、新たな内容を書き込む。
- これをログ化の度に繰り返す。
ウィキペディアにおけるカット・アンド・ペースト
ウィキペディアにおけるカット・アンド・ペーストは、事実上、カット・アンド・ペースト元の記事の編集行為と、カット・アンド・ペースト先へのコピー・アンド・ペースト行為により成り立ちます。それぞれの行為について対応する義務を果たしてください。
ウィキペディアにおける翻訳
ウィキペディアにおいて他言語のウィキペディアの記事を全部又は部分的に翻訳する場合には、理論的には、翻訳のためのコピー・アンド・ペーストが行われ、かつ、翻訳が行われたと分析されます(実際にコピー・アンド・ペーストをしたかどうかは関係ありません)。前者の行為に対しては、GFDL4条が適用され、後者の行為には、GFDL8条によりGFDL4条が準用されます。結局、満たさなければならない義務は、GFDL4条の義務です。
この場合、コピー・アンド・ペーストの場合と同様の理由で、元の記事への言語間リンク(いわゆる「interwiki」)を設置することにより、上記の義務が満たされたと考えます(言語間リンクは、タイトル・ページに含まれます)。翻訳を行う方は、必ず言語間リンクを設置してください。
- ■注記■
- 現時点(2006年8月)では、上記記述にある言語間リンクだけでは不十分だとしてコミュニティーのコンセンサスによって削除される例が発生しています。現在、この方針の改訂について話し合われており、将来改訂される可能性があります。特にこれから翻訳される方は Wikipedia:翻訳のガイドライン、Wikipedia:FAQ 翻訳などのWikipedia空間内の文書、Wikipedia:削除依頼の結果などをご参照の上、作業をおこなってください。
他人の著作物を使うとき
まず、次の文章をお読みください。
もし、あなたがご自分の著作物の一部を公正使用(フェア・ユース)で使う場合、または、あなたが著作権のある仕事を著作者から我々のライセンスの元に使うことを特別に許可されている場合、あなたは、その事実の記録を作るべきです(名前と日付とともに)。私達の目的は、ウィキペディアの素材をできるだけ自由に再配付できるようにしておくことです。それゆえに、元の画像や音声ファイルはGFDLの元にライセンスされているか、パブリックドメインに置かれている方が好まれます。GFDLの条項の下にそれらの仕事の使用許可を求めるための著作権保持者への問い合わせの見本はw:Wikipedia: Boilerplate request for permission(英語版)を見てください。
他人の著作権を侵害するやり方で素材を絶対に使わないでください。それは、法的な責任問題を作り出したり、このプロジェクトを深刻に傷つけることになります。もし、疑いがあるならば、自分自身でそれを書いてください。
著作権法は、アイデアもしくは情報自身ではなく、アイデアの独創的な表現に当てられることを覚えておいてください。それゆえ、百科事典の記事や他の著作を読んで、それをあなた自身の言葉で再構成し、ウィキペディアに提出することは完全に合法です。(どの程度の再構成が一般的状況の下で必要かという議論に関しては剽窃および公正使用を見てください。)
以上は、アメリカ合衆国法上に妥当する議論であり、特に、あなたと外部のソースとの関係にアメリカ合衆国法が適用されると思料される場合には、この点について留意することは重要なことです。
しかし、日本法でも以上のうちの多くのことがらは当てはまります。少なくとも、あなたが著作者からGFDLで公表する許諾を得てGFDLに投稿する場合には、必ず記録を残すべきことや、他人の著作権を侵害してはならないことは、日本法においても当てはまる議論でしょう。
尚、引用については法的に正当なものであってもウィキペディアにおいて認められるとは必ずしも言えません。この件については現在議論中です。詳しくはWikipedia:引用のガイドラインをご参照ください。
外部ページへのリンク
ネット上の表現物には全てそれを作成した人に著作権があります。しかし、それらへリンクすること自体は、その表現物が他のだれかの著作権を侵害していないと一般常識に基づいて判断できる限り、通常問題はありません。
もしそのページが著作権を侵害していると判断したならば、リンクをしないでください。著作権を侵害しているページへリンクすることが、著作権侵害に加担する共同不法行為となるか否かは、現在、法廷で争われている最中です。しかし、この訴訟の結果に関係なく、このようなページへのリンクは、我々の活動にとって好ましくないので、避ける必要があります。
著作権を侵害している投稿について
Wikipedia:著作権侵害への対処を参照してください。なお、調査依頼はWikipedia:著作権問題調査依頼で行っております。
脚注
- ^ 関連する外部リンク:
- 平成11年(ネ)第1602号 出版差止等請求控訴事件(キャンディ・キャンディ事件 控訴審判決) 裁判例(裁判所ウェブサイト)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=13172&hanreiKbn=06
- 平成11年(ネ)第1602号 出版差止等請求控訴事件(キャンディ・キャンディ事件 控訴審判決) 裁判例(裁判所ウェブサイト)
参照
Wikipediaの著作権についての記事
著作権に関する質問に対する詳しい議論
更なる議論は
- Wikipedia:著作権問題
- Wikipedia:Copyright issues(英語版内)
- Wikipedia and copyright issues(英語版内)
- Avoid Copyright Paranoia(メタウィキペディア内)
- Wikipedia:Meinungsbild Urheberrecht(ドイツ語版内):翻訳をWikipedia:ドイツ語版における合意形成 著作権に置いておきます。
を参照してください。
外部リンク
- Webで著作権法講義
- 社団法人 著作権情報センター
- 著作権法 (平成十二年十一月二十九日改正版)
著作権法
第一条 この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
- 一 著作物
- 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。
- 二 著作者
- 著作物を創作する者をいう。
- (略)
- 七 商業用レコード
- 市販の目的をもつて製作されるレコードの複製物をいう。
- 七の二 公衆送信
- 公衆によつて直接受信されることを目的として無線通信又は有線電気通信の送信(有線電気通信設備で、その一の部分の設置の場所が他の部分の設置の場所と同一の構内(その構内が二以上の者の占有に属している場合には、同一の者の占有に属する区域内)にあるものによる送信(プログラムの著作物の送信を除く。)を除く。)を行うことをいう。
- 八 放送
- 公衆送信のうち、公衆によつて同一の内容の送信が同時に受信されることを目的として行う無線通信の送信をいう。
- 九 放送事業者
- 放送を業として行なう者をいう。
- (略)
GFDLの訳語対応表
GFDLは英語版のみが正式ではあるが、理解を深めるために非公式な翻訳が存在する。日本語では八田真行氏によって翻訳されている。ウィキペディア日本語版で用いている訳語と八田氏の訳語は次のように対応している。
GFDL | 「Wikipedia:著作権」での訳 | 八田氏の訳 |
---|---|---|
Invariant Sections | 不可変更部分、変更不可部分 | 改変不可能部 |
Front-Cover Texts | 表表紙テキスト、表表紙テクスト | 表表紙文 |
Back-Cover Texts | 裏表紙テキスト、裏表紙テクスト | 裏表紙文 |
Document | 文書 | 文書 |
work (1条1項3文) | 著作物 | 著作物 |
Title Page | タイトル・ページ | 題名ページ |
History | 履歴 | 履歴 |
Acknowledgement | 謝辞 | 謝辞 |
Dedication | 献辞 | 献辞 |
Endorsement | 推薦の辞 | 推薦文 |
modifications (4条) | 改変 | 改変 |