FC2
種類 | 株式会社 |
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本社所在地 |
アメリカ合衆国 ネバダ州ラスベガス (4730 South Fort Apache Road Suite 300 Las Vegas, NV89147) |
設立 | 1999年7月20日 |
業種 | 情報・通信業 |
事業内容 | ドメイン名販売・ウェブホスティング・アプリケーション開発 |
代表者 | DEREK G ROWLEY |
主要株主 | 高橋理洋[1] |
外部リンク | http://fc2.com/ |
URL | http://fc2.com/ |
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言語 | 日本語、英語、中国語、タイ語、韓国語、ドイツ語、スペイン語、ロシア語、フランス語、インドネシア語、ポルトガル語、ベトナム語[2]。 |
運営者 | FC2, INC. |
収益 | 広告、有料閲覧システム |
営利性 | あり |
登録 | 必要 |
開始 | 1999年 |
現在の状態 | 運営中 |
FC2(エフシーツー)は日本人の高橋理洋が代表、CEO[3][4]を務めるホスティングサービス、及びウェブサービスを展開する会社。本社はネバダ州ラスベガス。日本を中心に事業展開を行なっている。社名のFC2は「ファンタスティック・クピ・クピ」の略である[5]。
事業
レンタルサーバ、ドメイン、ブログ、チャット、アクセス解析、掲示板、日記、アクセスカウンタ、SNSなど、日本語を始め様々な言語で無料・有料の各種ウェブサービスを提供。
FC2IDというユーザ管理システムを採用しており、ID登録をすると、ブログやアクセスカウンタなどでそれぞれ別々のIDを取得する必要がなくなり、全てのサービスで同一のIDとパスワードが使える。サービス追加もID1つで簡単に登録できるのが特徴。FC2動画の利用者は男性の割合が多く2013年時点で2260万人。国内の動画サイト動向では三番目の利用者数となっている[6]。
運営会社
FC2は米国法人とされているが、2006年の雑誌『Yahoo! Internet Guide』5月号に掲載された代表の高橋理洋のインタビュー記事によると、2006年時点では兄の高橋理洋と弟の高橋人文の2人が中心になって運営がされており、正社員は17名で、ほかに非常勤スタッフが約30名いるとしている[4]。
Webサービスのアクセス数の95%は日本からである[7]。広告代理店は株式会社ホームページシステムである[8]。
歴史
沿革
権利侵害の放置
本部がアメリカにあるとしているため、ブログやサイトには国内法が及ばず、そのため不適切な記述の削除要請が難しかった。 しかし、2012年に民事訴訟法が改正され、日本国内で事業を展開している場合、会社が国外にあっても訴訟が可能となり、2013年にはブログ投稿者の情報開示命令が出ている[12]。 FC2の利用者は1500万人を超えるとみられ、本社やサーバーが米国にあり法的な手段を取るのが難しく、法律に違反する投稿、権利を侵害する投稿が放置されるケースがみられると報道されている[13]。 ネット業界の一部には“無法地帯”との呼び名で呼ばれてもいる[12][14][15]。
同サービスを利用して開設されたブログで、ある人物への悪質な誹謗中傷が相次いで投稿された[7]。 中傷を受けた人物は警察に相談した。担当弁護士が警察側から聞いた話によれば、FC2は当初捜査および記事の削除に協力していたが、投稿者は次々新しいブログを作って、同様の中傷を続ける中、途中からこれを拒否したという[7]。 警察はICPOを通じ、ネバダ州のサーバーを捜査しようとしたが、地元警察が強制捜査を断り、事態は手詰まりになった。そこで弁護士らは、2012年改正された民事訴訟法の新規定を元に、プロバイダ責任制限法に基づき、FC2に情報開示の仮処分申し立てを行った[7]。
2013年、FC2に対して発信者情報開示の仮処分を申請した担当弁護士によると「会社自体は、ネバダ州にありますが、おそらくペーパーカンパニーです。実質的な運営主体が日本国内にあることは間違いないと思いますが、その運営実態は依然不明なままです」と発言しているのに対して、FC2側は「当社は、ネバダ州内に、オフィスを賃借し、従業員を雇用しております。また、アメリカ内にデータセンターを設置しサービスを運営しており、アメリカの法律に従い、アメリカで納税もしております」と反論した[7]。
事件・裁判
FC2動画
コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)や日本国際映画著作権協会(JIMCA)の告発により、逮捕者が出ている。
- 2013年
- 2014年
FC2動画アダルト
- 2013年
- 3月 - カリビアンコムなど複数のアダルトサイトの運営・著作権管理を行うDreamroom Productions社はFC2を米国のカリフォルニア中央地区連邦地方裁判所に著作権侵害で提訴した。翌年3月、裁判所は原被告双方に和解勧告を提案した[30]
- 5月 - 無修正わいせつ動画投稿により逮捕[31][リンク切れ]。
- 10月 - 知的財産振興協会のアダルトメーカー7社は、「FC2動画アダルト」を運営するFC2に対し、複製権及び公衆送信を行う権利を侵害する主体であるとし、各社が著作権を持つ映像著作物の公衆送信・送信可能化の停止、複製物の削除、及び損害賠償合計約6,500万円を求める訴訟を東京地方裁判所に提起したと発表した[32]。
- 11月 - 下半身の映像を投稿し逮捕[33][リンク切れ]。
- 2014年
- 1月 - 下半身の映像を投稿し逮捕[34]。
- 6月 - ライブ中継中に現行犯逮捕[35]。
- 6月 Dreamroom Productions社とFC2社で争われていた裁判は現地時間10日に和解が成立した。和解の内容は公表されていないが、Dreamroom Productions社は侵害の差し止め命令と弁護士費用を含む1.79億ドル(約180億円)の賠償を求めていた[36][リンク切れ]。
- 7月 - ライブ中継で2件目の逮捕[37]。
- 7月 - FC2動画に自慰行為をアップロードし高校2年の男子生徒(16歳)が逮捕[38]。
- 9月 - 京都府警がFC2の実質的運営会社「ホームページシステム」(大阪府)を強制捜査[39]。
FC2動画の摘発を進めている団体
- 一般社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会 (ACCS)
- 主に著作権侵害によるFC2ユーザの逮捕でFC2関連では国内の映像ソフトやTVアニメ作品の不正アップロードを摘発。
- 映像の不正アップロード情報を受け付けるフォームの選択肢に「YouTube」「ニコニコ動画」「FC2」「その他」となっている[40]。
- 日本国際映画著作権協会 (JIMCA)
- 主に海外映画会社5社の作品不正アップロード及び海賊版を摘発。著作権侵害のFC2ユーザの摘発件数ではでは最多。
- NO MORE 映画泥棒で知られる劇場のマナーキャンペーンを主催している。
- 一般社団法人本映像ソフト協会 (JVA)
- 6月の協会会報で「無許諾アップロード事件化に係わる各警察からの問い合わせや鑑定の依頼は増加傾向にあることから、サイバースペースにおける取締りの範囲として、FC2動画が「ポストP2P」候補の1つとなる可能性がある。」と言及[41]。
- AT-X (CS放送局)
- 2014年9月にACCSがFC2動画への違法動画投稿者を検挙した際の告訴者。
- 2012年よりHP上に違法投稿への警告文が記載されており権利侵害の申し立てによる動画削除にも積極的であった[42]。
- アフィリエイト目的の大量投稿を悪質と判断し刑事告発に踏み切る。
FC2動画への一斉摘発
- 2014年9月25日警視庁と大阪府警などの3府県警と合同で全国16人のFC2ユーザー一斉摘発が行われた。
- 警視庁サイバー犯罪対策課は同日、FC2動画の運営元であるFC2,INC.に対し、違法な動画投稿を防止する措置を講じるよう文書で要請[43]。
- 民間放送連盟は今回の摘発に対して今後も継続して違法配信対策を行っていくと声明を発表[44]。
「ホームページシステム」(大阪府)を家宅捜査
- 2014年9月30日京都府警を含む5府県警は公然わいせつほう助と風営法違反(無許可営業)で大阪市北区にある「ホームページシステム」を含むFC2関連企業を家宅捜索。
- FC2米国本社はダミーカンパニーで事実上の業務は「ホームページシステム」が行い、意図的に違法行為を見逃して多額の利益を得たと判断し強制捜査に乗り出す[45]。
- 立件を視野に調べを進めており、FC2創業者も捜査を受けたと報道。
- FC2の運営が事実上不可能になれば2012年にFBIによって摘発されたMEGAUPLOAD以来の大規模なオンラインサービスの閉鎖となる[46]。
サービスの一覧
- ブログランキング
- ホームページ
- レンタルサーバ
- バーチャル・プライベート・サーバ
- 専用サーバー
- ドメイン
- ショッピング・カート
- ショッピングモール
- アフィリエイト
- レンタルフォーム
- 投票
- アクセスカウンター
- 拍手
- プロフ
- 携帯ホームページ
- 小説
- ノウハウ
- ソーシャル・ネットワーキング・サービス
- ミニブログ
- 掲示板
- アクセス解析
- アクセスランキング
- テキスト広告
脚注
- ^ FC2創業者で同社の支配株主 [1] (PDF) P8参照
- ^ a b c d FC2. “会社概要”. 2013年2月27日閲覧。
- ^ デジタルハリウッド株式会社の2008年プレスルーム
- ^ a b ヤフー・インターネット・ガイド、2006、「毎月2,000人がユーザー登録 FC2ブログ急成長の理由」、『Yahoo! Internet Guide』11巻5号(2006年5月号(通巻124号))、ソフトバンククリエイティブ pp. 20-21
- ^ 持丸 浩二郎『さすが!と言わせる FC2ブログ徹底攻略術 第2版』C&R研究所、2008年、p.14頁。
- ^ 【日本の動画サイト利用動向】Google・ドワンゴ・FC2の3強、年齢層に違い
- ^ a b c d e “FC2の本拠は米国にあるのか 会社側はペーパーカンパニー説に強く反論”. J-CASTニュース (2013年2月26日). 2013年2月26日閲覧。
- ^ “株式会社ホームページシステム”. 2014年3月22日閲覧。
- ^ FC2総合インフォメーション (2012年4月10日). “アキナジスタ株式会社の親会社となりまし”. 2013年2月27日閲覧。
- ^ FC2総合インフォメーション (2012年8月1日). “掲示板サービス「ザ掲示板」の運営について”. 2013年2月27日閲覧。
- ^ FC2総合インフォメーション 【ライブ】ネットラジオサービス「ねとらじ」の運営について
- ^ a b ““無法地帯”FC2に情報開示命令 民事法改正後初の事例か”. ITmedia. (2013年2月20日) 2013年2月20日閲覧。
- ^ NHK「かぶん」 (2013年2月24日). “海外のブログ運営会社に情報開示命令”. NHK「かぶん」ブログ 2013年4月10日閲覧。
- ^ 斎藤栄孝 (2013年3月10日). “““無法地帯”FC2が「出会い系アプリ」に本格参入!!? スタンプ機能も搭載の「FC2 Talk」が話題に”. EXドロイド(バカと暇人のためのアンドロイドアプリ情報発信基地 エックスドロイド) 2013年3月10日閲覧。
- ^ EXドロイド編集部 (2013年3月3日). “ニコ動にそっくりの“寄生型動画サイト” 「ひまわり動画」アプリの危険な内容”. EXドロイド(バカと暇人のためのアンドロイドアプリ情報発信基地 エックスドロイド) 2013年4月10日閲覧。
- ^ “動画配信サイトを通じてアニメ映像を違法アップロード、男性を送致”. コンピュータソフトウェア著作権協会. 2013年6月10日閲覧。
- ^ “今年4件目!! 動画投稿サイト「FC2動画」への違法アップロード者を逮捕。”. 日本国際映画著作権協会 (2013年7月23日). 2014年3月22日閲覧。
- ^ a b “埼玉県警が5件連続で摘発した「FC2動画」への違法アップロード者すべてが有罪確定(埼玉県警察本部 サイバー犯罪対策課/大宮署)”. 日本国際映画著作権協会 (2013年12月11日). 2014年3月22日閲覧。
- ^ “FC2動画 違法アップロード者に有罪判決”. 日本国際映画著作権協会 (2013年8月2日). 2014年3月22日閲覧。
- ^ “埼玉県警が5人目の逮捕! 「FC2動画」への違法アップロード者。”. 日本国際映画著作権協会 (2013年10月9日). 2014年3月22日閲覧。
- ^ “6人目の逮捕者”. NHKニュース. 2013年11月25日閲覧。
- ^ “ACCSの通報からの通報でユーザを逮捕”. コンピュータソフトウェア著作権協会. 2014年1月28日閲覧。
- ^ “盗撮映画の投稿でユーザ逮捕”. 毎日新聞. 2014年2月22日閲覧。
- ^ “共有ソフト:違法配信で一斉摘発、19人逮捕”. 毎日新聞. 2014年3月22日閲覧。
- ^ “FC2動画にアニメ作品を違法アップロードした男性が送致”. CNET JAPAN. 2014年6月24日閲覧。
- ^ “「FC2動画」への違法アップロード者を逮捕”. 日本国際映画著作権協会(JIMCA)プレースリリース. 2014年7月2日閲覧。
- ^ “「FC2動画」を通じてアニメを違法アップロード、男性を送致”. 一般社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)プレースリリース. 2014年9月17日閲覧。
- ^ “「FC2動画」無職男性を逮捕”. 毎日新聞. 2014年9月24日閲覧。
- ^ “「FC2」投稿者、全国一斉摘発”. Yahooトピックス. 2014年9月25日閲覧。
- ^ “Dreamroom Productions Inc. v. FC2 Inc. et al”. RFC Express. 2014年3月22日閲覧。
- ^ “米配信サイトにわいせつ動画投稿容疑”. 産経ニュース. 2013年6月3日閲覧。
- ^ “FC2,Incに対する訴訟提起に関するお知らせ”. 知的財産振興協会. (2013年10月)
- ^ “FC2にわいせつ動画投稿容疑、会社員逮捕”. 産経ニュース. 2013年11月30日閲覧。
- ^ “自分の下半身の動画をインターネットで公開した阪大院生の男を逮捕”. 産経ニュース. 2014年1月7日閲覧。
- ^ “容疑の男女を現行犯逮捕”. 時事通信. 2014年6月4日閲覧。
- ^ “Dreamroom Productions社とFC2社和解”. XBIZ.com. 2014年6月12日閲覧。
- ^ “ネットでわいせつ行為中継 「1億稼いだ」3人逮捕”. 産経ニュース. 2014年7月5日閲覧。
- ^ “自慰行為をネット公開の高校2年生送検”. 産経ニュース. 2014年7月15日閲覧。
- ^ “「犯罪のインフラ」FC2にメス”. 産経ニュース. 2014年9月30日閲覧。
- ^ “インターネット上の不正アップロード通報フォーム(ACCS)”. 一般社団法人 日本映像ソフト協会. 2014年7月19日閲覧。
- ^ “「FC2動画」への集中取り締まりへ”. 日本映像ソフト協会 会報6月号. 2014年7月19日閲覧。
- ^ “違法動画に関するAT-Xからのお知らせ”. AT-X(HPより). 2014年9月17日閲覧。
- ^ “時事通信ニュース”. 時事通信社. 2014年9月25日閲覧。
- ^ “大量摘発に関する民放連会長コメント”. 民放連報道発表資料. 2014年9月25日閲覧。
- ^ “「FC2」国内会社捜索”. 時事通信. 2014年9月30日閲覧。
- ^ “「Megaupload」閉鎖”. GIGAZINE. 2014年10月2日閲覧。
参考文献
- 持丸 浩二郎 『さすが!と言わせる FC2ブログ徹底攻略術 第2版 』 2008年C&R研究所 ISBN 978-4863540033
- 『ヤフー・インターネット・ガイド 2006年 05月号 』2006年 ソフトバンク クリエイティブ ASIN B000F3SYKA