プレシジョニズム
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この記事のほとんどまたは全てが唯一の出典にのみ基づいています。 (2012年12月) |
プレシジョニズム(英: Precisionism)または精密派(せいみつは)とは、1920年代から1930年代にかけて、アメリカに存在した絵画の様式の名称。キュビスム的リアリズム(Cubo-Realism。クボ・リアリズムまたはキューボ・リアリズム)やイマキュラティズム(Immaculatism。清浄派または純潔派)と呼ばれることもある。
この様式に属する主要な画家は、
- チャールズ・シーラー(Charles Sheeler; 1883年-1965年)
- ジョージ・オールト(George Ault; 1891年-1948年)
- ナイルズ・スペンサー(Niles Spencer; 1893年-1952年)
- ジョージア・オキーフ(Georgia O'Keeffe; 1887年-1986年)
- モートン・シャンバーグ(Morton Livingston Schamberg; 1881年-1918年)
- ジョセフ・ステラ(Joseph Stella = Giuseppe Michele Stella; 1877年-1946年 or 1880年-1946年)
- チャールズ・デムス(チャールズ・デムース、Charles Demuth; 1883年-1935年)
- ラルストン・クローフォード(Ralston Crawford; 1906年-1978年)
などである。
その作品の特徴は、人工的な風景(主として都市の風景や建築物(工場、倉庫、摩天楼など)、機械)を、キュビスムの影響を受けてやや抽象化しつつも(または、抽象化に適するような題材を選択して)、写実的な筆致で描写するもので、のちの、いわゆる「スーパーリアリズム」の作品へとも接続する。特に、チャールズ・シーラーは、写真作品も制作しており、自分の撮影した写真を手本に、絵画作品を制作することもしばしばあった。このことからもわかるように、プレシジョニズムは、グループf/64の一部に見られるようなタイプのストレートフォトグラフィ(自然風景を撮影したものではなく、人工的な風景を撮影した作品)との近接性を持っている。
アメリカにおける近代的な「イズム」のうち、オリジナルなものとしては、もっとも早く成立したものの1つであるといえる。
なお、確たるグループの名称ではないこともあり、その始まりと終わりには諸説ある。始まりについては、1915年や1918年といった1910年代とする考えがあり、終わりについても、1930年には終わっていたとする説がある一方で、1941年頃まで続いているとする考え方もある。
参考文献
- PRECISIONISM IN AMERICA 1915-1941: REORDERING REALITY(Gail Stavitsky, Harry N. Abrams社。1994年。ISBN: 0-8109-3734-4)