コンテンツにスキップ

電気二重層

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Duck775 (会話 | 投稿記録) による 2018年2月19日 (月) 21:18個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (Sankasi (会話) による ID:67446042 の版を取り消し)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

電気二重層の模式図。荷電粒子が界面近傍に最も近づいたときにできる面をシュテルン面、それより界面側をシュテルン層またはヘルムホルツ層、外側をグイ・チャップマン層と呼ぶ。

電気二重層(でんきにじゅうそう)は、荷電粒子が比較的自由に動ける系に電位が与えられたとき、電場にしたがって荷電粒子が移動した結果、界面に正負の荷電粒子が対を形成して層状に並んだもの。

仕事関数の違いや帯電の影響によって、2つの異なる物質が接する界面には、一般的にある程度の電位差が生じる。このため、どちらかの物質中で荷電粒子が移動可能であれば、界面には必ず電気二重層が形成される。具体的には、電気分解を行う際の電解液電極界面コロイド粒子と分散媒の界面、半導体pn接合面などについて考えられることが多い。

電気二重層は、微小なスケールでの物質の運動に大きな影響を与えるため、ほとんどの電気化学現象のほか、コロイドの安定性や、Micro-TASでの流体力学などを考える際に重要となる。

電極と電解液の界面

電解液に電極から電位が印加されると、電場によって電解液中のイオンが移動し、陽極にはアニオンが、陰極にはカチオンが集まり、最終的に電極との界面に整列する。この状態は誘電体に外部電位を与えた状態にも似ており、静電容量を持つことから、一定の電荷が充電されることになる。この現象は電気二重層コンデンサキャパシタ)に利用されている。

電気二重層は、電極近傍でのイオンの挙動に大きな影響を与えるため、電気化学などの分野では重要な意味を持つ。電気二重層の物理的なモデルとしては、ヘルムホルツのモデル、グイチャップマンのモデル、シュテルンのモデルなどが知られる。

関連項目