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結城明日奈

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結城 明日奈/アスナ
戸松遥
性別
生年月日 2007年9月7日[1]
年齢 15歳(SAO開始時点)、17歳(SAOクリア時点)[1]
出身地 京都[2]
身長 ???cm
体重 ???kg
スリーサイズ B?? W?? H??
嫌いなもの 怪談等[1]
趣味 料理[1]
特技 VRゲーム[1]
武器 ランベントライト(細剣)など[1]
キャラクターデザイン abec
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結城 明日奈(ゆうき あすな、アスナ)は、ライトノベル『ソードアート・オンライン』シリーズのメインヒロインである[1]

作中においては優秀な剣士の少女であり、ゲーム内有数のギルドの「血盟騎士団」の副団長というキャラクターである[3]。閉じ込められた仮想世界において、同作品の主人公のキリトと知り合い、交流を経て恋人となったという経緯を持つ[3]

作中における来歴

京都の大財閥・結城家の生まれであり[3]、母の結城京子は大学の経済学部教授である[4]。お嬢様育ちであるが[2]、種々のコンプレックスに悩まされていた[5]

兄のナーブギアを借りたという偶然から、デスゲームの「SAO」に参加することとなった[5]。「SAO」に囚われたことで、現実世界でのエリートコースから外れてしまい、そのことを気に病んだ反動で、『攻略の鬼』と呼ばれるほどゲーム攻略に情熱を注ぐ[3]。さらに、ギルド「血盟騎士団」の副団長ともなり、「閃光」の通称で呼ばれる剣技に秀でた細剣使いとなった[1]

上述のように生真面目な性格だったが、同ゲームでキリトと出会うことで変わっていく[5]。キリトの相棒として戦い[1]、彼の影響で温厚な性格に戻るとともに、彼に惹かれ、愛情を持つようになる[3]。その後、現実世界に戻った後も、キリトのそばにいることになった[1]

続編の舞台「ALO」「ALO」では「ティターニア」と呼ばれ、妖精王オベイロンに監禁されていた[5]。解放後は、ウンディーネとなり、回復魔法でキリトたちを支援しつつも、剣技を用いて戦うこともある[5]。そのため、「バーサクヒーラー」とも呼ばれている[3]

アリシゼーション編では、アンダーワールドにスーパーアカウント「創世神ステイシア」としてログインし[6]、ALOとは逆に、アスナがキリトを助けに行くことになる[7]。この際、別のヒロイン・アリスとキリトをめぐって対立した[6]

「劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア」では、アインクラッドを舞台に、クラスメイトの少女であるオリジナルキャラクター・ミトとアスナの友情が描かれる[8]

キャラクター設定

才色兼備で[2]、『SAO』の中ではトップ5に入る美少女だった[3]。体のプロポーションも良く、ビキニの水着が似合うとされる[9]

ゲーム内では戦闘で高い実力を誇る一方、料理スキルも極めており、キリトに対して披露した[10]。現実世界においても、料理上手であることが描写されている[10]。ただし、現実世界においては、結城家の食事は使用人が作っているという事情もあり、ゲーム世界ほど料理に習熟しているわけではないとされる[11]

性格面では、朗らかで穏やかな、女性らしい人物である[3]。キリトに対する一途な愛情が強調される他、リズベットやユウキに対する友情の描写が特徴となっており[12]、また、人工知能の少女ユイに対して向ける母性愛なども描かれている[12]

怪談が苦手であり、幽霊などのモンスターが出るフィールドの攻略には参加しないこともある[3]

名前は作者が「明日」(あす)の2文字を使うことを決めていて、「あすか」「あすみ」などいくつかの候補の中からアスナを選んだ[11]。ゲーム内のアバターと本名が一緒なのは、アスナがゲームの素人であるという背景から、そのまま本名を使うだろうという想定によるものである[11]。また、武器をレイピアとしているのは、少女が使う武器ならレイピアだろうという発想で選んでおり、安直な発想だったと後悔していると述べている[11]

作者が可能な限り「いい女」感を出そうとして作り出したキャラクターであり、特定のモデルはいないものの、作者が好きな女優の栗山千明との類似点はあるとされる[13]

展開

漫画・ゲーム

ソードアート・オンラインのコミカライズ作品は多数あり、漫画ごとにアスナも様々に描かれている[14]

例えば、『ソードアート・オンライン プログレッシブ 冥き夕闇のスケルツォ』(作画:ぷよちゃ)では、SAO開始二ヶ月後のアインクラッド第五層時代のアスナが登場しており、強くなる前の未熟なアスナの感情の変化が描かれている[14]。逆に、劇場版コミカライズの『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』(作画:Isll)は、SAO事件終了から2年が経過した物語であり、現実世界のアスナのARゲームでの活躍や入浴シーンなどが描かれた[14]

一方、『ソードアート・オンライン キス・アンド・フライ』(作画:べっこうリコ)では、アスナとキリトの恋愛に重点が置かれており、『ソードアート・オンライン キリトの千夜一夜騒動』(作画:黒毛和牛)では、性的なエピソードを強調してアスナを描いている[14]

ゲーム版では、原作と異なりSAOクリアと同時に現実世界に戻っている[3]。水着やバスタオル姿といった刺激的な衣装がある他[15]、原作ではログインしていないフェイタル・バレットの衣装など、原作と異なるデザインの服装がある[16]

また、格闘ゲーム『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX』でもプレイアブルキャラクターとして登場しており、ユウキとの再会が描かれている[17]

アニメ

アニメは原作を時系列順に描いており、その再構成にあたり、アニメプロデューサーの柏田真一郎は、アスナがキリトを好きになるという感情の変化が理解できないことを危惧した[18]。そこで、原作者の川原や伊藤智彦監督らと相談の上、アスナについて、キリトを好きになる過程を修正して描写している[18]

アスナを演じる声優は戸松遥であり、戸松の代表作の一つである[19]。戸松は、テレビシリーズから「劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア」までの9年間アスナを演じており、当初は年上の強く美しい姉を演じているようだったのが、次第に自然体で演じられるようになったと述べている[19]。2021年には、雑誌『週刊SPA!』11月2日号において、アスナと戸松遥が表紙に並んで取り上げられた[20]

アスナのアプリ用合成音声を作成した技術者の倉田宜典は、戸松の演じるアスナの声は、高さ・トーン・演技幅が安定しており、録り直しを行ってもほぼ変化がないほどの力量だったと評している[21]

コスプレ

アスナのコスプレ

2018年の「TOKYOアニメツーリズム2018」のキックオフイベントでは、『ソードアート・オンライン』公式コスプレイヤーとしてえなこが登場し、へそ出しの白いワンピース姿を着て、「フェアリィ・ダンス」編のアスナのコスプレを披露した[22]。なお、このイベントでは、東京都知事の小池百合子が、アスナおよびキリトの缶バッチをつけて登壇している[22]

この他、2021年にはコスプレイヤーの猫田あしゅが「アインクラッド編」の装備でアスナのコスプレを行っている[23]

また、コスプレイヤーの紗雪も、レイピアを手にしたアスナのコスプレを行った[24]

音声合成アプリ

2015年にはAndroid用アプリ「めざましマネージャー アスナ」がソニー・ミュージックコミュニケーションズからリリースされている[25]

これはアプリ上のアスナが日常生活を音声でサポートしてくれるというもので、アスナ役の声優・戸松遥の収録音声・合成音声を用いている[26]。このアプリでアスナが起用されたのは、世界観の合うSAOのなかでの人気キャラだったこと、および万人受けしやすいキャラだったためであるという[27]

また、「Xperia Ear Duo(アスナ)」として、ワイヤレスイヤフォン「Xperia Ear Duo」のアシスタント音声をアスナの声にするプラグインが、ソニーモバイルコミュニケーションズから発売された[28]

評価

アスナは、ソードアート・オンラインのシリーズ全体のメインヒロインであり、同作のキャラクターの中では抜群の人気がある[23]。2000年代にはいわゆるツンデレのヒロインが人気だったが、そうしたなかでアスナはツンデレではないメインヒロインとして人気を博し、その後、ツンデレヒロインは廃れていった[29]

宝島社の『このライトノベルがすごい!』では、2012年にキャラクター女性部門で3位となってランクインした後、2013年・2014年に2位となり、2015年以降も10位以内にランクインしている[30]

また、「アニメ!アニメ!」で2021年に行われた「好きな“カップル”キャラといえば?」アンケートでは、お互いを支え合う関係性が人気となり、アスナとキリトのカップルが2位に選ばれている[31]

脚注

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j 「『SAO』メインヒロイン・アスナ32P総力特集」、8頁。
  2. ^ a b c 「『SAO』メインヒロイン・アスナ32P総力特集」、24頁。
  3. ^ a b c d e f g h i j 『ゲーム『ソードアート・オンライン』5周年記念 公式設定資料集』、72頁
  4. ^ 「『SAO』メインヒロイン・アスナ32P総力特集」、33頁。
  5. ^ a b c d e 「『ソードアート・オンライン』キャラクターブック Vol.2 アスナ」、1頁
  6. ^ a b 「刃折れ矢尽きても――ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld」、19頁。
  7. ^ 「刃折れ矢尽きても――ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld」、15頁。
  8. ^ 水瀬いのり:念願の「SAO」出演 ミトのもろさ、弱さも隠さずに 「ドキドキ」も” (2021年10月27日). 2021年10月28日閲覧。
  9. ^ 「『SAO』メインヒロイン・アスナ32P総力特集」、9頁。
  10. ^ a b 「『SAO』メインヒロイン・アスナ32P総力特集」、25頁。
  11. ^ a b c d 「『ソードアート・オンライン』キャラクターブック Vol.2 アスナ」、2頁
  12. ^ a b 「『SAO』メインヒロイン・アスナ32P総力特集」、26頁。
  13. ^ アスナのモデルは栗山千明? デートムービーにもオススメ? 川原礫氏&映画ソムリエが語る『劇場版SAO』の隠れた魅力”. ファミ通.com. KADOKAWA (2017年4月13日). 2020年8月7日閲覧。
  14. ^ a b c d 「『SAO』メインヒロイン・アスナ32P総力特集」、34-35頁。
  15. ^ 『ゲーム『ソードアート・オンライン』5周年記念 公式設定資料集』、73頁
  16. ^ 『ゲーム『ソードアート・オンライン』5周年記念 公式設定資料集』、76頁
  17. ^ 石井ぜんじ (2015年12月29日). “アスナとユウキをまた巡り合わせたかった――「電撃文庫 FIGHTING CLIMAX IGNITION」を生んだセガゲームスと電撃文庫編集部に聞く,飽くなき原作へのこだわり”. 4Gamer.net. 2021年10月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月28日閲覧。
  18. ^ a b 『ゲーム『ソードアート・オンライン』5周年記念 公式設定資料集』、490-491頁
  19. ^ a b 戸松遥:「SAO」 私とアスナ 9年の変化 「劇場版 SAO プログレッシブ」で感じたこと”. MANTAN WEB. 株式会社MANTAN (2021年10月25日). 2021年10月28日閲覧。
  20. ^ SAO:アスナ&戸松遥が「週刊SPA!」表紙に”. MANTAN WEB. 株式会社MANTAN. 2021年10月28日閲覧。
  21. ^ 佐藤和也 (2015年8月3日). “「めざましマネージャー アスナ」開発者に聞く“俺の嫁”が日常に溶け込む未来”. CNET Japan. 朝日インタラクティブ. p. 3. 2021年9月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月8日閲覧。
  22. ^ a b 国分洋平. “えなこ、“アスナ”コスで登場!SAOスタンプラリーキックオフイベント開催”. 東京ウォーカー(全国版). 2021年9月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月7日閲覧。
  23. ^ a b 人気コスプレイヤー・猫田あしゅ、「SAO」アスナのコスプレに反響続々「閃光すぎる!」「まさに2.5次元」”. ABEMA TIMES (2021年1月27日). 2021年9月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月7日閲覧。
  24. ^ 「キリトくんは私が守る」コスプレイヤー紗雪が『SAO』アスナのコスに「クオリティがすごい」の声”. マイナビニュース (2021年8月19日). 2021年9月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月7日閲覧。
  25. ^ 盛田諒 (2015年6月26日). “ソニーの天才「アスナは俺の嫁」めざましマネージャー開発者がアツすぎ:Live2D Creators Conference 2015 alive”. 週刊アスキー. 2021年9月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年9月8日閲覧。
  26. ^ 佐藤和也 (2015年8月3日). “「めざましマネージャー アスナ」開発者に聞く“俺の嫁”が日常に溶け込む未来”. CNET Japan. 朝日インタラクティブ. p. 1. 2021年9月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月8日閲覧。
  27. ^ 佐藤和也 (2015年8月3日). “「めざましマネージャー アスナ」開発者に聞く“俺の嫁”が日常に溶け込む未来”. CNET Japan. 朝日インタラクティブ. p. 2. 2021年9月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月8日閲覧。
  28. ^ 庄司亮一 (2018年12月20日). “SAOのアスナがXperia Ear Duoの音声アシスタントに。特別パッケージも”. AV WATCH. 株式会社インプレス. 2021年10月28日閲覧。
  29. ^ 飯田一史 (2020年12月25日). “『涼宮ハルヒの直観』なぜ“本格ミステリ”な作風に? 17年続く人気シリーズの文脈を紐解く”. RealSound. 株式会社blueprint. 2021年7月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月22日閲覧。
  30. ^ 歴代『このライトノベルがすごい!』”. ブックオフ. 2021年8月4日閲覧。
  31. ^ 好きな“カップル”キャラといえば? 2位「SAO」キリトとアスナ、1位は…”. アニメ! アニメ!. 株式会社イード (2021年6月12日). 2021年10月29日閲覧。

参考文献

  • 電撃PlayStation編集部『ゲーム『ソードアート・オンライン』5周年記念 公式設定資料集』KADOKAWA、2018年。
  • 電撃文庫文庫編集部「『ソードアート・オンライン』キャラクターブック Vol.2 アスナ」(『電撃文庫MAGAZINE Vol.55』2017年5月号附録、KADOKAWA)
  • 「『SAO』メインヒロイン・アスナ32P総力特集」高野希義編『電撃G’s magazine』2020年6月号、KADOKAWA、6-37頁。
  • 「刃折れ矢尽きても――ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld」角清人編『月刊ニュータイプ』2020年8月号、KADOKAWA、12-25頁。