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「コロイド」の版間の差分

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なお、水を分散媒とする分散コロイドの区分で電解質の投入により沈殿しやすいものを'''疎水コロイド'''、沈殿しにくいものを'''親水コロイド'''と呼び分ける場合がある。また、親水コロイドの中には疎水コロイドを取り囲んで凝析を防ぐものがあり、この様な状態のコロイドを'''保護コロイド'''と呼ぶこともある。
なお、水を分散媒とする分散コロイドの区分で電解質の投入により沈殿しやすいものを'''疎水コロイド'''、沈殿しにくいものを'''親水コロイド'''と呼び分ける場合がある。また、親水コロイドの中には疎水コロイドを取り囲んで凝析を防ぐものがあり、この様な状態のコロイドを'''保護コロイド'''と呼ぶこともある。


[[1900年代]]の初期、[[酵素学]]が確立する以前には、コロイドが[[酵素]]作用の鍵であるとみなされたことがあった。すなわち、大量の水系のなかに酵素はほんのわずか存在するだけで特性を変えるところが、コロイドと似ているとされたのである。それも、[[ATPase|ATP分解酵素]]は[[アデノシン三リン酸|ATP]]のみを分解するといった酵素の[[基質]]特異性が発見されると否定されることになる。さらに、生命自身もコロイドが凝集することで[[細胞組織]]が生成したと説明することも可能である。このような生命の起源については生物学や生化学に詳しい。もちろん今日では(酵素作用)のコロイド説は巨大分子論([[たんぱく質]]説)に取って代わられ、単純な動作のみを持つが、水分子の中を自由に動き回って適合する基質に作用する数多くの種類の巨大分子の集団で、謎めいた要素はなくむしろ色々な機械がそろった工場のように酵素は説明されている。としての水のは換え難く、色々な溶質が存在することに起因して浸透性が変化するという、溶媒である水の特性は他に代用できるものは見出し難い。
[[1900年代]]の初期、[[酵素学]]が確立する以前には、コロイドが[[酵素]]作用の鍵であるとみなされたことがあった。すなわち、大量の水系のなかに酵素はほんのわずか存在するだけで特性を変えるところが、コロイドと似ているとされたのである。それも、[[ATPase|ATP分解酵素]]は[[アデノシン三リン酸|ATP]]のみを分解するといった酵素の[[基質]]特異性が発見されると否定されることになる。さらに、生命自身もコロイドが凝集することで[[細胞組織]]が生成したと説明することも可能である。このような生命の起源については生物学や生化学に詳しい。もちろん今日では(酵素作用)のコロイド説は巨大分子論([[たんぱく質]]説)に取って代わられ、単純な動作のみを持つが、水分子の中を自由に動き回って適合する基質に作用する数多くの種類の巨大分子の集団で、謎めいた要素はなくむしろ色々な機械がそろった工場のように酵素は説明されている。色々な溶質が存在することに起因して浸透性が変化するという、溶媒である水の特性は他に代用できるものは見出し難い。


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==

2007年2月13日 (火) 04:36時点における版

ミルク 水溶液の中に脂肪が分散したコロイド
チンダル現象の一例 気体の中に水滴が分散したコロイドであるもやでもチンダル現象が起こる

コロイド(colloid)またはコロイド分散体(colloidal dispersion)は、一方が微小な液滴あるいは微粒子を形成し(分散相)、他方に分散した2組の相から構成された物質状態の総称である。また、コロイド膠質と呼ぶこともある。

このように永続的な2つの相から形成されるコロイドは相コロイド(phase colloid)とも呼ばれ、巨大分子自身が分散相となり、他の相の分散媒(dispersion medium)に永続的に分散している状態の分子コロイド(molecular colloid)と対比して使用される。一般的な物では、バター、牛乳、クリーム、霧、スモッグ、煙、アスファルト、インク、塗料、のりそして海の泡などがコロイドである。この分野は1861年にスコットランドの化学者トマス・グラハム(Thomas Graham.)により創始され、コロイド化学と呼ばれる。今日では界面化学として発展している。

コロイドは分散系に一般的な性質を示す。例えばコロイドはチンダル現象により発色したり光を散乱したりする。記事分散系に詳しい。

構造的安定化と静電的安定化の二つの機構により、コロイドは永続的な安定性を保っている。静電的安定化は同種電荷の相互反発に起因する。異なった相は一般的に異なる帯電性を持っている。それ故、界面においては電気二重層(charge double-layer)を形成する。粒子サイズが減少するにつれて表面積は拡大して行くので、静電的安定化はコロイドにおいては非常に増強されている。分散相粒子の質量では浮力や速度エネルギーはほんのわずかなもので、分散媒の電荷層同士が静電反発する力が大勢を占めている。(分散媒の電荷層により)コロイドは、一方の電極に引き寄せられるので帯電しているとみなすことができ、その場合は全ての粒子は同じ電荷に帯電したように振舞う。

分散コロイドは加熱や電解質の投入により凝集することができ、それは凝固物(coagulation)と呼ばれる。加熱により粒子の速度エネルギーが増大するので、コロイドの電気層を貫通できるようになり粒子は凝集し、これが繰り返されることで沈殿するまでに粒子は成長する。また電解質は(引き寄せられたイオンが)電気層の電荷を打ち消すので凝集できるようになる。

なお、水を分散媒とする分散コロイドの区分で電解質の投入により沈殿しやすいものを疎水コロイド、沈殿しにくいものを親水コロイドと呼び分ける場合がある。また、親水コロイドの中には疎水コロイドを取り囲んで凝析を防ぐものがあり、この様な状態のコロイドを保護コロイドと呼ぶこともある。

1900年代の初期、酵素学が確立する以前には、コロイドが酵素作用の鍵であるとみなされたことがあった。すなわち、大量の水系のなかに酵素はほんのわずか存在するだけで特性を変えるところが、コロイドと似ているとされたのである。それも、ATP分解酵素ATPのみを分解するといった酵素の基質特異性が発見されると否定されることになる。さらに、生命自身もコロイドが凝集することで細胞組織が生成したと説明することも可能である。このような生命の起源については生物学や生化学に詳しい。もちろん今日では(酵素作用)のコロイド説は巨大分子論(たんぱく質説)に取って代わられ、単純な動作のみを持つが、水分子の中を自由に動き回って適合する基質に作用する数多くの種類の巨大分子の集団で、謎めいた要素はなくむしろ色々な機械がそろった工場のように酵素は説明されている。色々な溶質が存在することに起因して浸透性が変化するという、溶媒である水の特性は他に代用できるものは見出し難い。

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