「エホバの証人とホロコースト」の版間の差分
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ものみの塔聖書冊子協会はナチス政権宛の手紙の中で、ナチス政権に「協調」する態度を示している。ゆえに、同協会はドイツのエホバの証人の迫害を無視していた。この手紙では、ものみの塔協会はナチ政権と一部同じ思想を持っていると述べているに過ぎない。エホバの証人は「宗教」(ここではエホバの証人以外の宗教を意味する。今日では「偽りの宗教」、「大いなるバビロン」と呼ばれる)を敵視していたし、「ユダヤ人」から資金援助を受けたことはなかった。こうした点ではナチ政権と態度が一致していたので記述しているに過ぎない。このように部分的な共通点を探る証言の仕方は、使徒パウロがアグリッパ王に共通点を証言した点と似ている。(使徒26:25-28)勿論彼らは預言書を信じていることでは一致していたが、パウロがアグリッパ王の思想とか不道徳な生活とかを支持していなかったことは明らかである。 |
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== 参考文献 == |
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2007年5月13日 (日) 09:55時点における版
エホバの証人とホロコースト(エホバのしょうにんとホロコースト)には、大きな関連がある。
ドイツのエホバの証人は、ワイマール憲法で宗教組織としての諸権利を保障されていたにもかかわらず、1920年代から1945年まで迫害されていた。彼らは当時、エルンステ・ビーベルフォルシェル(「誠心聖書研究者」の意)またはビーベルフォルシェル(「聖書研究者」の意)と呼ばれていた。エホバの証人はナチ党に忠誠を示さず、当時の人種法に従うことをせず、軍隊の徴兵を拒んだため、ホロコーストの間、強制収容所に留置されたのである。およそ2,500人のエホバの証人(第二次世界大戦前のドイツにおける信者数の約10%)が、特別に標章されたパープル・トライアングル(紫の三角印)を強制的に付けられ、強制収容所に送られた。エホバの証人すべては失職し、多くが本格的な監獄に送られた。
1921年初頭、政治的、宗教的な党派者がエホバの証人を、政治転覆運動としてユダヤ人に関連付けて告発した。聖書研究者は危険分子、ボルシェビキ、"ユダヤ人のくず"という烙印を押された。その返答として、(今日の「目ざめよ!」誌の前身)「黄金時代」誌、1930年4月15日号のドイツ語版はこう陳述した。「われわれは侮辱としてこの誤った告発を考慮する必要はない。むしろ、ユダヤ人は名ばかりのクリスチャンと同じく価値ある人間なのだと確信している。われわれは、我々の業を福音のためではなくユダヤ人のためであるとして非難しているゆえに、教会のタブロイド版新聞を退ける。」
ヒトラー政権の明確な敵意があったにもかかわらず、エホバの証人は1933年6月25日、ドイツ、ベルリンで大会を組織した。7,000人もの人が集まった。彼らは自分たちの態度を公に明確化した。「我々の組織はいかなる意味においても政治的なものではない。我々はただエホバ神の言葉を人々に教え、妨害なしにそうすることを主張する」。1934年、エホバの証人は満場一致で 「多くの国の人民を搾取し、虐げる手段として大企業を作り上げ、運営してきたのは、英米帝国の営利主義的な考えを持つユダヤ人である」と信じており、「政治的な事柄には全く関心がなく、むしろ王キリストの下にある神の王国に一身をささげている」との決議文をヒトラーに送った。1936年、このグループへの激しい迫害がある中、世界中のエホバの証人がナチ政権を強く非難する決議文を送った。
強制刑務所内にはエホバの証人がたくさんいた。彼らは兵役拒否者としてヒムラーから死刑を言い渡された。彼らは勤勉で、信頼のおける作業員で、看視なしでも作業に送り出せたが、戦争に関わりあることは全て頑迷に拒否した。気を付けもしなければ、靴の踵をあわせることもせず、両手をズボンの縫い目に合わせもせず、脱帽もしなかった。彼らは徴兵検査も完全に拒否した。女性信者たちは、応急手当用の包帯巻きも拒んだ。彼らが、「国際聖書研究者協会から脱退し、国家のあらゆる規則と法を承認し、守る義務を負うことを誓約し、新しい信者を獲得することはいっさいしない」というBifo.と呼ばれる誓約書に署名すれば、直ちに釈放されることになっていた。しかし、ほとんどのエホバの証人はこれに応じなかった。
元アウシュビッツ収容所所長ルドルフ・ヘスによると、ヒムラーとアイケはいろいろな機会に彼らの信仰の”熱狂性”を見習うべきで、彼らがエホバに不動の信仰を寄せるのと同様、親衛隊員はナチズムの理想とアドルフ・ヒトラーを信じねばならない、と述べたという。また、彼らの死刑の様子を見たものは全て感動し、刑執行者たちも激しく心を動かされたという。
反証
ものみの塔聖書冊子協会はナチス政権宛の手紙の中で、ナチス政権に「協調」する態度を示している。ゆえに、同協会はドイツのエホバの証人の迫害を無視していた。この手紙では、ものみの塔協会はナチ政権と一部同じ思想を持っていると述べているに過ぎない。エホバの証人は「宗教」(ここではエホバの証人以外の宗教を意味する。今日では「偽りの宗教」、「大いなるバビロン」と呼ばれる)を敵視していたし、「ユダヤ人」から資金援助を受けたことはなかった。こうした点ではナチ政権と態度が一致していたので記述しているに過ぎない。このように部分的な共通点を探る証言の仕方は、使徒パウロがアグリッパ王に共通点を証言した点と似ている。(使徒26:25-28)勿論彼らは預言書を信じていることでは一致していたが、パウロがアグリッパ王の思想とか不道徳な生活とかを支持していなかったことは明らかである。
参考文献
- 『アウシュヴィッツ収容所』(ルドルフ・ヘス著、片岡啓治訳、講談社)ISBN 9784061593909 p179-185
- 『キリスト教の二〇〇〇年』下巻(ポール・ジョンソン著、別宮貞徳訳、共同通信社)ISBN 4764104199
- 『恐怖の中で見つけた希望』(マックス・リープスター著、麻布プロデュース)ISBN 4900710040
- 『ピンク・トライアングルの男たち―ナチ強制収容所を生き残ったあるゲイの記録 1939‐1945』(ハインツ・ベーカー著、伊藤明子訳)ISBN 9784768477755
- 『ホロコースト大事典』(ウォルター・ラカー編、井上茂子他訳、柏書房)ISBN 9784760124138
- 『ホロコースト全史』(マイケル・ヘーレンバウム著、石川順子・高橋宏訳、創元社)ISBN 9784422300320
- 『ライオンに立ち向かって―ナチ占領下で良心に従って生きた少女の記録』(シモーヌ・アーノルド・リーブスター著、麻布プロデュース)ISBN 4900710024
外部リンク
- 以下2つは「エホバの証人情報センター」より(ノート:エホバの証人とホロコーストにて議論中)