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「テレビドラマ」の版間の差分

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'''テレビドラマ(TV Drama)'''は、フィクション([[架空]])の世界を描いた動画作品のうち主に[[テレビ]]を媒体とするもの。[[テレビ番組]]の1つである。
'''テレビドラマ(TV Drama)'''は、フィクション([[架空]])の世界を描いた動画作品のうち主に[[テレビ]]を媒体とするもの。[[テレビ番組]]の1つである。
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== 2時間ドラマ ==
== 2時間ドラマ ==
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一般に、21時ごろから2時間程度のレギュラー放送されている、中高年向けのドラマ枠を指す。

基本的に、1回の放送でストーリーは完結するが、同じ登場人物と設定による人気シリーズとなった作品が多く、固定ファンと視聴習慣の獲得に繋がっている。内容的にはサスペンスドラマやミステリードラマがほとんど。

[[テレビ朝日]]の『[[土曜ワイド劇場]]』が先駈けとなり、[[1980年代]]以降、各局が競って制作を開始した。一時は週に8本の枠がある活況を示して、[[船越英一郎]]、[[片平なぎさ]]、[[山村紅葉]]ら2時間ドラマを中心に活躍する俳優を生み出した。

近年は全番組とも裏番組に視聴率を押され低迷。[[フジテレビジョン|フジテレビ]]の(「[[金曜エンタテイメント]]」からリニューアルした)『[[金曜プレステージ]]』、[[東京放送|TBS]]の『[[月曜ゴールデン]]』は二時間ドラマ専門の枠ではなく(『月曜ゴールデン』の場合、[[映画]]や[[挌闘技]]等の[[スポーツ]]中継、或いは[[歴史ミステリー番組]]もこの枠内に含まれる)、四半世紀(25年間)の歴史を誇った[[日本テレビ放送網|日本テレビ]]の『[[火曜サスペンス劇場]]』も[[2005年]]から『[[DRAMA COMPLEX|ドラマ・コンプレックス]]』にリニューアルしたが、ドラマの内容が以前の2時間ドラマ枠の視聴者には受けず、新たな視聴者層をも獲得できていない状況であり各番組枠で視聴率の低迷が続いている。『[[DRAMA COMPLEX|ドラマ・コンプレックス]]』は、2006年から『[[火曜ドラマゴールド]]』に再度リニューアルされたものの、視聴率低迷が続いている為、[[2007年]]春で火曜2時間ドラマ枠自体の廃止が決定している。

然し、2時間ドラマを未だに毎週放送しているテレビ朝日や[[テレビ東京]]ではドラマの内容によっては月9等連続ドラマ以上の視聴率を取ることもしばしば出てくるようになっており2時間ドラマが見直され始めている。

一方で昼間の再放送も急激に増加しており、[[子供]]への悪影響を懸念する声が高まっている事実もある。特にサスペンス・刑事ドラマは小さな子供を持つ親や[[学校]]・[[幼稚園]]の教員等教育関係者からの批判が増えている(もっとも、子供を持たない家族や子離れした[[エンプティネスト]]層に対しては全く関係のない話だが)。特に[[長崎県]][[佐世保市]]で[[小学生]]が校内で同級生を殺害した事件以降、サスペンスドラマに対し厳しい意見が相次いでいる(この事件の引き金となったのが[[TBS]]系列で放送している「月曜ミステリーだった」と報道され、サスペンスドラマ・刑事ドラマが大きな社会問題となった)。又サスペンス物の再放送は「1度【リアルタイムで】見た作品をもう1度【再放送で】見るのは[[推理小説]]を後ろから読むのと同じ」と考える視聴者も多い。日曜を除く毎日昼間の再放送を実施している[[テレビ朝日]](BSデジタルの場合ではTBS系のBSデジタル放送局である[[BS-i]]が月曜~金曜の午前11時台、同じく月曜~金曜の午後2時台のほか、稀に土曜、日曜の夕方の時間帯にTBS系で過去に放送した2時間もののサスペンスドラマを放送している)に対しては非常に厳しい非難が相次ぎ、インターネット上では「テレビ朝日のサスペンスを毎日見ていれば簡単に人を殺すことができる」等と叩かれる事も少なくない。

2時間ドラマに関しては上記の批判に加えて台詞の中で現在好ましくない[[差別用語]]が含まれたり、過激な性描写・暴力表現がある1970~80年代に製作された作品の再放送は一部の[[地方局]]を除き敬遠される傾向にある(今再放送されている作品時期は2000年代が最も多く、どんなに古くても1990年代までの作品が主流になっている)。

しかし批判等はあるものの、2時間ドラマには四半世紀以上続いている[[長寿番組]]もあり近年のこれらの批判は単なる責任のこじ付けという意見もある。現在において2時間ドラマ以上に殺人事件を扱う番組は報道番組(例:[[スーパーニュース]]や[[スーパーJチャンネル]]など)であり、今や夕方のニュース番組では事件のニュースを大きく誇張した扱いをしており批判するのであればこういった番組を批判するのが適切であろう。また2時間ドラマ枠を撤退やドラマ以外の番組を放送しても視聴率はあまり取れてもおらず、結局はサスペンスドラマが支持されているとも考えられる。また昼間の再放送に対する批判も多いが今や多チャンネル化等で全ての放送局が再放送を実施しているわけではなく、2時間ドラマを視聴したい視聴者もいるため、全てにおいて子供などを主体に編成すれば放送の公平性を脅かしかねない。よって視聴したくなければほかのチャンネルに変えるなどの対応をすることで対処できるであろう。現に[[日本テレビ]]は現在放送中の[[ザ・ワイド]]が終了する今年9月以降2時間ドラマの再放送に踏み切ることを示唆していることから再放送の動きは今後も続くと予想される。

=== 現在放送中の二時間ドラマ枠 ===
* [[月曜ゴールデン]](TBS) ※ただし、毎週二時間ドラマを放送している訳でなく、[[K-1]]等のスポーツものの番組中継や番組改変期や年末年始には映画もの、ドキュメンタリーものを放送する場合もある。
* [[水曜ミステリー9]](テレビ東京)
* [[金曜プレステージ]](フジテレビ)※ただし毎週2時間サスペンスドラマなどを放送しているのではなく、ドキュメンタリーやノンフィクションドラマを放送する場合もある。
* [[土曜ワイド劇場]](テレビ朝日/[[朝日放送]])
* [[水曜ミステリー9|BSミステリー]]([[BSジャパン]]・水曜ミステリー9の先行放送)

=== 過去に存在した二時間(単発)ドラマ枠 ===
* [[月曜ドラマランド]](フジテレビ)
* ゴールデンワイド劇場(テレビ朝日)
* [[月曜ワイド劇場]](テレビ朝日)
* [[月曜ドラマスペシャル]](TBS)
* [[月曜ミステリー劇場]](TBS)
* [[火曜サスペンス劇場]](日本テレビ)
* [[DRAMA COMPLEX]](日本テレビ)
* [[火曜ドラマゴールド]](日本テレビ)
* [[火曜スーパーワイド]](テレビ朝日/朝日放送)
* [[火曜ミステリー劇場]](テレビ朝日/朝日放送)
* [[木曜ゴールデンドラマ]]([[讀賣テレビ放送|よみうりテレビ]])
* [[水曜グランドロマン]](日本テレビ)
* [[ドラマシティ (2時間ドラマ番組)|ドラマシティ]](よみうりテレビ)
* [[ファミリーワイド|木曜ファミリーワイド]](フジテレビ)
* [[木曜ドラマストリート]](フジテレビ)
* 金曜ファミリーワイド(フジテレビ)
* 金曜女のドラマスペシャル(フジテレビ)
* ザ・ドラマチックナイト(フジテレビ)
* 男と女のミステリー(フジテレビ)
* 金曜ドラマシアター(フジテレビ)
* [[金曜エンタテイメント]](フジテレビ)
* [[月曜ドラマスペシャル]](TBS)
* 恋はミステリー劇場(TBS)
* 水曜ドラマスペシャル(TBS)
* 土曜ドラマスペシャル(TBS)
* [[ドラマチック22]](TBS)
* [[ザ・サスペンス]](TBS)
* [[水曜プレミア]](TBS)
* [[女と愛とミステリー]](テレビ東京)


== 制作会社 ==
== 制作会社 ==

2007年6月22日 (金) 11:33時点における版

テレビドラマ(TV Drama)は、フィクション(架空)の世界を描いた動画作品のうち主にテレビを媒体とするもの。テレビ番組の1つである。

概要

1日を通してテレビドラマは放映されている。中でも午後8時~10時台に放送されるテレビドラマは視聴率が高い、高視聴率帯で予算も高額で他の時間帯に比べ質も高いとされる。時の人気俳優や人気タレントも多く出演し、時の流行やファッション等多方面に渡り社会に大きな影響を及ぼす作品も少なくない。数あるテレビドラマの中でも特にフジテレビ系列で月曜日午後9時から放送されるテレビドラマは「月9(げつく、げっく)」、TBSで日曜日午後9時から放送されるテレビドラマ(日曜劇場)は「日9(にっく)」、日本テレビ系列で土曜日午後9時から放送されるテレビドラマ「土9(ドック)」と呼ばれ、高視聴率を記録した作品を数多く残している。これと同じようにテレビ朝日系列のテレビ朝日・朝日放送金曜9時枠の連続ドラマも「ドラマは金9」と銘打って枠をアピールしている(ただし2007年5月現在、高視聴率を記録した作品はない)。また、午前に放映されるテレビドラマの中でも、NHK総合テレビ連続テレビ小説は人気があり、特に女性俳優(女優)の登龍門といわれる。

NHK教育テレビでは、道徳教育ドラマを就学年齢の児童生徒向けの学校放送や『中学生日記』の時間枠として放送している。またテレビ朝日では、日曜朝7時半から~8時半までの1時間枠を「SUPERヒーロータイム」と称し、未就学児童をコア・ターゲットとしたいわゆる「特撮」ドラマを放送している。

古くから続いているテレビドラマではNHK大河ドラマがある。歴史ドラマを恒常的に毎週放映するのはNHKのみであり、民放は主にトレンディドラマを放映する傾向がある。

また日本テレビの「水曜ドラマ」や上記の「土曜ドラマ」では『光とともに…』・『14才の母』・『ハケンの品格』および『野ブタ。をプロデュース』・『女王の教室』・『マイ☆ボス マイ☆ヒーロー』などといった他局のドラマ枠では余り扱わなく異質でセンセーショナル的なドラマが製作され、それらのドラマ放送時では同クールの月9ドラマよりも高い視聴率を記録することがある。

歴史

撮影機材

1941年にテレビの実験放送で放送された『夕餉前』が日本初のテレビドラマとされ、1953年に本放送が始まってからのテレビドラマはしばらくは生放送で行なわれた。言わばテレビ局のスタジオの一角で行なわれる小規模な芝居の劇場中継である。ビデオは1956年アメリカ合衆国で2インチのビデオが開発され、日本に初輸入されたのも国産のビデオが開発されたのも2年後の1958年だったことによる。その1958年にはKRT(現TBS)がフランキー堺主演の『私は貝になりたい』を放送した。その年の芸術祭に参加し、それまで「電気紙芝居」と酷評されたテレビドラマが初めて人を感動させたとしてテレビドラマ史上に残る名作と位置付けられているこのドラマは、技術的にもビデオ録画が導入された先駈けともなった。当初はビデオ機材もビデオテープも高価だったが、ビデオはやがて普及していき、ドラマも生放送から収録に変わっていった。1970年代までにビデオテープで収録されたテレビドラマの中には、原盤ビデオテープが別の番組撮影に使われ上書きされたことにより、映像が失われたものも少なくない。また、当初は撮影機材は大きく、カメラの感度は低く、照明を煌々と照らしたスタジオ内で演技するより他なく、屋外の情景はスタジオ内でのセットで再現した。どうしても屋外でのロケが必要な場合は、ビデオでの撮影を諦めて、映画フィルムで撮影することもあった。かつて多く制作されたいわゆるホームドラマはこうした技術的制約の苦肉の産物でもあった。NHKのドラマはNHKで全て制作していたのに対して、民放では1950年代から外部の制作会社が制作したテレビドラマを放送した。それらは当初「テレビ映画」とも称され、劇場映画を作ってきたスタッフが制作にあたり、撮影もフィルムで行なわれた。大手では、1959年には東映が出資したテレビ局NETで、1962年には新東宝を前身とする国際放映がTBSでテレビ映画の制作に進出している。特撮ものは合成などのノウハウが蓄積されているフィルムでの撮影が主となっていた。詳しくはテレビ映画を参照。

1970年代も半ばを過ぎると、これまでのビデオカメラのコストと技術的制約もなくなり、フィルムからビデオでの撮影に徐々に移行することとなった。フィルムが必要とする現像の手間以外だけでなく、ビデオ編集用の機材の発達と何よりもコストの問題で、映画会社系の制作会社もビデオ撮影を採用し始め、1990年代後半からフィルムで撮影されたドラマは激減。2000年代初頭には、刑事ドラマ時代劇もビデオ撮影に移行して、フィルム撮影はほぼ姿を消した。2005年現在、地上デジタル放送への移行期を迎えて、ビデオでの撮影もNTSCからハイビジョンで収録するものが増えつつある。そのため最近ではアナログ放送で放送する場合、NHKのドラマ全般(2005年4月~)やテレビ朝日の木曜9時のドラマと金曜ナイトドラマは上下に少し黒帯の付く13:9のワイド画面で放送したりする。また日本テレビ(2005年7月~)とTBS(2004年10月~)やフジテレビ(2004年1月~)などでは上下に若干黒帯が付く(ブラウン管テレビでは見えない)。テレビ朝日の木曜9時ドラマと金曜ナイトドラマ以外については両端をカットして放送しているためアナログ放送の画角4:3画面いっぱいで放送される。またフジテレビでは、アナログ向けとデジタル向けで別の収録テープに分けて放送している(画角に合わせてエンドロール等のテロップの位置を変えてある)そのため地方局での再放送や他系列放送の場合、機材の都合上ハイビジョン製作でも標準画質でしか放送できない。

出演者とスタッフ

  • ラジオ放送を行なっていたNHKと民放テレビ局は、ラジオドラマを制作するために自前の放送劇団を組織して専属の俳優を持っていた。テレビの草創期は芸能プロダクションが未発達だったこともあり、その初期はラジオ時代と同様にNHKが自前でタレントを養成して、ドラマやバラエティに出演させた。また、五社協定により映画会社所属の俳優のテレビ出演に制限があったため、新劇の俳優を多く使って来た。その後は、芸能プロダクションが隆盛。養成機関で演技の訓練を受けていないタレントがドラマに出演したり、人気俳優を抱えるプロダクションが、配役に影響力を及ぼすことも多い。
  • トレンディードラマ時代以降、出演する俳優・タレントは低年齢化傾向にある。その為に逆に演技力に疑問符のつく作品も見られるようになった。無理な脚本や現実にはありえない設定など、作品そのものの評価が低いケースもある。視聴者が若年層に偏る傾向にあり、かつてのように国民的な人気を博すドラマは出にくくなっている。ただし、80年代頃のドラマは主演アイドルファン以外に相手にされておらず、日本の実写映像自体が低く見られていたが、90年代以降、従来映像され得なかった設定や映像表現に他メディアの影響をとり入れた結果、ようやく使い物になったCG技術の導入の結果、若年層に映像として認知されるようになった。
  • 一連の柴門ふみ原作ドラマに見られるように、人気コミックのドラマ化は以前から行われ、好評を博すケースもあったが、近年はことにその比率やヒット作の割合が多く、存在感を増している。人気漫画を原作にすれば、小説と比べても数の多い漫画のファン層の確実な視聴を望めるうえ、コミックの販売部数の増加も期待できるなどの相乗効果が指摘されているが、オリジナルドラマを軽視する傾向は、若手脚本家の育成につながらないとの指摘もあり、安易なコミック原作への依存には批判も多いが。日本テレビでは2006年度は人気コミックからのドラマ化は控えて『14才の母』や『ハケンの品格』などといったオリジナルの高視聴率番組を叩き出したが、前年冬にフジテレビ系列で放送された『のだめカンタービレ』の成功の影響か2007年度4月期は一転コミックもの3本という依存振りである。ただし、原作者の意向もあり近年では中途半端に映像化したものは認知されない為、かなり凝ったつくりのドラマも多い、原作というのはそもそも保証された面白さであり、オリジナルドラマのスタッフにはそれを越える企画力が求められている。

テレビドラマに対する意見

ItMedia「日本のドラマは論外 希薄なテレビ業界の意識」でアメリカ人タレントのデーブ・スペクターは「米国に比べると日本のドラマは論外。演技も良くないし、ストーリーに工夫がない。アクションも白々しい。ドラマの質や現実感とは関係なく人気モデルなどを起用し、力のある芸能プロが売り込む俳優やタレントを使わざるを得ない業界構造がある。それでは本当にいいドラマは作れない」と言っている。「米ドラマは制作に潤沢な予算と時間をかけている。地上波放送やDVD化など先々の展開を考え、最高の脚本家とキャストを集め、完成度の高いドラマを作っている。当然おもしろくなるし、世界中で売れる」という。総じて日本のテレビドラマのレベルが低く、ドラマというよりはタレントやCDの宣伝になっている事を批判している。

ただし、この件について指摘する意見は目新しいものではない。基本的に日本の映像メディア全般が低予算で製作されており、世界に誇るアニメーションにしても実写よりも低予算で製作できるという条件で発展した状況がある。基本的に娯楽を低く見る国民性であり、放送局にしても文化的な映像メディアよりも低予算で視聴率が稼げるバラエティを志向するといった問題もある。また、日本の実写作品はアジア人が出ているというだけで視聴されないという状況もある為、英語圏全体で商売可能(故に潤沢な予算をかける事も可能)なアメリカの状況は単純に比較の対象となりえない。また、前述の都合で英語圏では商売にならない日本のドラマも香港台湾といったアジア各地では視聴されており、『ドク』や『西遊記 (フジテレビ系テレビドラマ)』といったアジア市場を意図した作品も制作されている。

2時間ドラマ

制作会社

系列ごとの番組

TBSテレビ(KRT時代含む)・毎日テレビ系列

テレビ朝日(NET・ANB時代含む)・ABCテレビ系列

テレビ東京(東京12ch時代含む)・テレビ大阪系列

関連項目