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2008年5月10日 (土) 16:18時点における版
倒語(とうご)とは、
- 書籍を最終ページから読むこと。
- 統語。言葉を逆の順序で読む言語現象。逆読み。例:「てぶくろ」→「ろくぶて」
などの意味を持つ。本記事では、最後の意味での逆さ読みについて記述する。
発生
逆さ読みを行うことによって、何らかの強調を行おうとする言語活動は、言語や時代を問わず幅広く見られる。逆さ読みした語の語用は、多岐にわたるが、一般的には隠語のような正式な用法とはみなされない状況で使用されることが多い。
日本語においては、江戸時代に流行したことが有名である。(例:「キセル」→「セルキ」)このうち、たとえば「だらしない」などのいくつかの言葉は、逆さ読みをした形の語が、正式な語として定着した。
構造
逆さ読みは、一般に、音素を逆順に呼んだものとは異なり、その言語の音韻構造や音節の影響を受ける。 たとえば、「キセル」/kiseru/の音素を逆順に読むと、/uresik/となるはずだが、実際には「セルキ」/seruki/が「キセル」の逆順として認識される。これは、日本語の音節を単位に逆順に読んだためである。
近年の逆さ読み
ジャズ業界
米軍キャンプなどを営業で回るジャズバンドのバンドマンにおいて、逆さ読みが流行した。この言語現象を、ズージャ語と呼ぶ。
例えば、「C調」(しーちょう)という言葉は、「調子いい」とハ長調(C調)をかけて、軽く調子のいい事を吹聴する人物を指したものである。
これ以外の言葉でも逆さ読みが広まり、「トーシロ」(素人 = 一般人)に悟られないようにするために重宝された。「ワーカー ノ レーナガ ニ ズンタッタ」と言うのがあるが、これの原型は「川の流れに佇んだ」である。
他業界への広まり
一時は下火となっていたが、1980年代後半からハガキ職人上がりの放送作家が急増し、これを面白がり、用いるようになる。特にとんねるずが、自身の番組やライブで頻繁に取り入れていたことから、ギャグの手段として再び注目を浴びるようになった。逆さ読みのさらに逆手を取った木梨憲武の、「スーシー ヲ クーイー ニ イーコーカー」(寿司を食いに行こうか)は秀作として知られる。この時代のものは、面白さを増す目的で、語尾を伸ばす(音引きを入れる)傾向がある。
実例
もともと隠語ゆえ、品性に欠けるものが多く、場所柄を配慮して用いる注意が必要である。また、語尾を伸ばすのは近年の傾向である。
- ザギン = 銀座
- ポンギ = 六本木(ギロッポンはバブル期に造られたもの)
- ブヤ = 渋谷(ブヤシーだと格好悪いため)
- オカジュー = 自由が丘
- ジョージ = 吉祥寺(ブヤと同じ成り立ちだと思われる)
- シータク = タクシー
- クーイ = 行く
- ミーノ = 飲み
- ダータ = タダ(只、漢字を分解したロハも用いられる)
- ラーハ = 腹
- リーヘ = 減る
- シーメ = 飯
- ベルター = 食べる
- マイウー = 美味い
- チョイモー = もうちょい
- シーホー = 欲しい
- ルーネー = 寝る
- クリビツ = びっくり
- テンギョー = 仰天
- イタオドロ = 驚いた
- ルナドッホ = なるほど
- ゲーハー / GH = 禿
- ビーチ = ちび
- パイオツ = おっぱい
- カイデー = でかい
- ビーチク = 乳首
- チャイチ- = 小さい
- シーアー= 脚
- ガイナー = 長い
- ソイホ / ソイホー = 細い
- トイフ / トイフー = 太い
- エーケー = 毛
関連項目
- 音韻論
- 業界用語
- 隠語
- ズージャ語
- サザンオールスターズ - 5thシングル『C調言葉に御用心』