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'''高橋 睦郎'''(たかはし むつお、[[1937年]][[12月15日]] - )は、日本の[[詩人]]、[[歌人]]、[[俳人]]
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'''高橋 睦郎'''(たかはし むつお、[[1937年]][[12月15日]] - )は、日本の[[詩人]]である


==経歴==
==経歴==
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[[福岡県]][[八幡市]](現[[北九州市]]生まれ。貧しい母子家庭に育ち、新聞配達と奨学金で[[福岡県立門司高等学校|福岡県立門司東高等学校]]に学ぶ<ref>『友達の作り方』p.58-59</ref>。高卒後は就職を希望していたが母子家庭ゆえに就職試験で落とされ、家庭教師のアルバイトをしつつ[[福岡教育大学]]教育学部国語科に学ぶ<ref>『友達の作り方』p.59</ref>。学卒業半年前に[[肺結核]]と診断され、生活保護を受けて結核療養所に入り、2年間の療養生活を送る<ref>『友達の作り方』p.59</ref>。1961年に快癒して療養所を出たが、結核歴のために教員への道を閉ざされ<ref>『友達の作り方』p.62</ref>大学卒業後、[[1962年]]上京し、[[日本デザインセンター]]にアルバイトで雇われ、1966年には[[サン・アド]]に移る。以後、40歳代半ばまで[[コピーライター]]として広告会社に勤務。


詩のみならず、[[俳句]]、[[短歌]]、[[オペラ]]、[[新作能]]などの分野で精力的に芸術活動を続ける。詩の[[朗読]]でも知られる。また[[古典文学]]に関心が深く、[[ギリシャ悲劇]]「[[王女メディア]]」「[[オイディプス王]]」の[[蜷川幸雄]]による上演の台本を作成した。
中学時代から「毎日中学生新聞」に作文・・短歌・俳句を投稿<ref>『現代俳句大事典』p.326</ref>。在学中、処女詩集『ミノ・あたし雄牛』を自費出版。また[[現代詩手帖]]』に作品を投稿し採用される。1974年、学生時代の俳句をまとめた句集『舊句帖』の出版を機に[[安東次男]]に師事<ref>『現代俳句大事典』p.326</ref>。現代詩も短歌・俳句の伝統詩も同じく詩であるという立場から各ジャンルを平行して制作<ref>『現代俳句大事典』p.326</ref>。「非個性の詩、普遍的な詩」を志し、作風は端正かつ放胆<ref>『現代俳句大事典』p.326</ref>。伝統詩においては定型を守りつつ、時代を超えた悠然とした詩作を試みる<ref>『現代の俳人101』p.185</ref>。詩のみならず、[[オペラ]]、[[新作能]]などの分野で精力的に芸術活動を続ける。詩の[[朗読]]でも知られる。また[[古典文学]]に関心が深く、[[ギリシャ悲劇]]「[[王女メディア]]」「[[オイディプス王]]」の[[蜷川幸雄]]による上演の台本を作成した。


==受賞歴==
== 受賞歴 ==
*[[1982年]]『王国の構造』で[[藤村記念歴程賞]]
*[[1982年]]『王国の構造』で[[藤村記念歴程賞]]
*[[1988年]]稽古飲食で[[読売文学賞]]、兎の庭で[[高見順賞]]
*[[1988年]] 句歌集『稽古飲食で[[読売文学賞]]、兎の庭で[[高見順賞]]
*[[1993年]]『旅の絵』で[[現代詩花椿賞]]
*[[1993年]]『旅の絵』で[[現代詩花椿賞]]
*[[1996年]]『姉の島』で[[詩歌文学館賞]]
*[[1996年]]『姉の島』で[[詩歌文学館賞]]
*[[2000年]]度[[紫綬褒章]]受章
*[[2000年]]度[[紫綬褒章]]受章
*[[2007年]][[織部賞]]を受賞
*[[2007年]] [[織部賞]]を受賞
*[[2010年]]永遠までで[[現代詩人賞]]受賞
*[[2010年]]永遠までで[[現代詩人賞]]受賞
*[[2014年]]和音羅読―詩人が読むラテン文学』で[[鮎川信夫賞]]詩論集部門受賞
*[[2014年]]和音羅読―詩人が読むラテン文学』で[[鮎川信夫賞]]詩論集部門受賞
*[[2015年]]稽古飲食などの業績で[[現代俳句大賞]]受賞
*[[2015年]]稽古飲食などの業績で[[現代俳句大賞]]受賞


==著作==
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==脚注==
==脚注==
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== 参考文献 ==
*高橋睦郎 『友達の作り方 高橋睦郎のfriends index』 マガジンハウス 1993年
*金子兜太編 『現代の俳人101』 新書館 2004年
*稲畑汀子、大岡信、鷹羽狩行監修 『現代俳句大事典』 三省堂 2005年

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2015年2月18日 (水) 10:22時点における版

高橋 睦郎(たかはし むつお、1937年12月15日 - )は、日本の詩人歌人俳人

経歴

福岡県八幡市(現北九州市)生まれ。貧しい母子家庭に育ち、新聞配達と奨学金で福岡県立門司東高等学校に学ぶ[1]。高卒後は就職を希望していたが母子家庭ゆえに就職試験で落とされ、家庭教師のアルバイトをしつつ福岡教育大学教育学部国語科に学ぶ[2]。大学卒業半年前に肺結核と診断され、生活保護を受けて結核療養所に入り、2年間の療養生活を送る[3]。1961年に快癒して療養所を出たが、結核歴のために教員への道を閉ざされる[4]。大学卒業後、1962年上京し、日本デザインセンターにアルバイトで雇われ、1966年にはサン・アドに移る。以後、40歳代半ばまでコピーライターとして広告会社に勤務。

中学時代から「毎日中学生新聞」に作文・詩・短歌・俳句を投稿[5]。在学中、処女詩集『ミノ・あたしの雄牛』を自費出版。また、『現代詩手帖』に作品を投稿し、採用される。1974年、学生時代の俳句をまとめた句集『舊句帖』の出版を機に安東次男に師事[6]。現代詩も短歌・俳句の伝統詩も同じく詩であるという立場から各ジャンルを平行して制作[7]。「非個性の詩、普遍的な詩」を志し、作風は端正かつ放胆[8]。伝統詩においては定型を守りつつ、時代を超えた悠然とした詩作を試みる[9]。詩のみならず、オペラ新作能などの分野で精力的に芸術活動を続ける。詩の朗読でも知られる。また古典文学に関心が深く、ギリシャ悲劇王女メディア」「オイディプス王」の蜷川幸雄による上演の台本を作成した。

受賞歴

著作

  • ミノ・あたしの雄牛 砂漠詩人集団,私家版 1959
  • がらすのお城 降旗美術印刷 1963
  • 薔薇の木 にせの恋人たち 現代詩工房 1964
  • 眠りと犯しと落下と 草月アートセンター 1965
  • 愛の教室 新書館 1965
  • 汚れたる者はさらに汚れたることをなせ 思潮社 1966
  • 17のこもりうた 新光美術 1966
  • 高橋睦郎詩集 思潮社(現代詩文庫)1969 
  • 十二の遠景 中央公論社 1970
  • 頌 ほめうた 思潮社 1971
  • 暦の王 思潮社 1972
  • 日本芸能独断 附戯曲「美しかりしわれらがヘレン」 大和書房 1972
  • 聖三角形 新潮社 1972
  • 動詞 1 思潮社 1974
  • 語り手と聞き手ともうひとり 女子パウロ会 1974
  • 善の遍歴 新潮社 1974
  • 私 林檎屋 1975
  • 詩人の血 小沢書店 1977
  • 詩から無限に遠く 思潮社 1977
  • 球体の息子 小沢書店 1978
  • 男の解剖学 角川書店 1978
  • 地獄を読む 駸々堂出版 1978
  • 風にいろをぬりたいな 偕成社 1978
  • 動詞 2 思潮社 1978
  • 聖という場 小沢書店 1978
  • 言葉の王国へ 小沢書店 1979
  • 新選高橋睦郎詩集 思潮社 1980 (新選現代詩文庫)
  • 王国の構造 小沢書店 1982
  • 鍵束 書肆山田 1982
  • 花遊び 小沢書店 1984
  • 分光器 思潮社 1985
  • 兎の庭 書肆山田 1987
  • 稽古飲食 私家版 1987
    • 同 不識書院 1988
  • 恋のヒント 小沢書店 1989
  • 詩人の食卓 平凡社 1990
  • 鷹井 筑摩書房 1991
  • 球体の神話学 河出書房新社 1991
  • 爾比麻久良 思潮社 1992
  • 青春を読む 日本の近代詩二十七人 小沢書店 1992
  • 旅の絵 書肆山田 1992
  • 私自身のための俳句入門 新潮選書 1992
  • 友達の作り方 高橋睦郎のfriends index マガジンハウス 1993
  • 加賀百景 筑摩書房 1993
  • 金沢百句 筑摩書房 1993
  • 詩人の買物帖 平凡社 1993
  • 遠い帆 オペラ支倉常長 小沢書店 1995
  • 姉の島 宗像神話による家族史の試み 集英社 1995
  • 旅の身仕度 創樹社 1995
  • 続・高橋睦郎詩集 思潮社 1995 (現代詩文庫)
  • 読みなおし日本文学史 歌の漂泊 岩波新書 1998
  • この世あるいは箱の人 思潮社 1998
  • 百人一句 俳句とは何か 中公新書 1999
  • 日本二十六聖人殉教者への連祷 すえもりブックス 1999
  • 花行 ふらんす堂文庫 2000
  • 倣古抄 邑心文庫 2001
  • 恢復期 書肆山田 2001
  • 小枝を持って 書肆山田 2002
  • 十二夜 闇と罪の王朝文学史 集英社 2003
  • 百人一首 恋する宮廷 中公新書 2003
  • すらすら読める伊勢物語 講談社 2004
  • 起きあがる人 書肆山田 2004
  • 歌枕合 書肆山田 2005
  • 語らざる者をして語らしめよ 思潮社 2005
  • 未来者たちに みすず書房 2005
  • 漢詩百首 日本語を豊かに 中公新書 2007
  • 遊ぶ日本-神あそぶゆえ人あそぶ 集英社 2008
  • 永遠まで 思潮社 2009.7
  • 季語百話 中公新書 2011.1、巻末に川瀬敏郎との対談
  • 詩心二千年 岩波書店 2011.12
  • 和音羅読 詩人が読むラテン文学 幻戯書房 2013.7
  • 歳時記百話 中公新書 2013.12
  • 高橋睦郎歌集 待たな終末 短歌研究社 2014.10

翻訳(再構成)

脚注

  1. ^ 『友達の作り方』p.58-59
  2. ^ 『友達の作り方』p.59
  3. ^ 『友達の作り方』p.59
  4. ^ 『友達の作り方』p.62
  5. ^ 『現代俳句大事典』p.326
  6. ^ 『現代俳句大事典』p.326
  7. ^ 『現代俳句大事典』p.326
  8. ^ 『現代俳句大事典』p.326
  9. ^ 『現代の俳人101』p.185

参考文献

  • 高橋睦郎 『友達の作り方 高橋睦郎のfriends index』 マガジンハウス 1993年
  • 金子兜太編 『現代の俳人101』 新書館 2004年
  • 稲畑汀子、大岡信、鷹羽狩行監修 『現代俳句大事典』 三省堂 2005年