「タイツ」の版間の差分
表示
削除された内容 追加された内容
m編集の要約なし |
編集の要約なし タグ: モバイル編集 モバイルウェブ編集 |
||
2行目: | 2行目: | ||
[[ファイル:Ballet-dancer 01.jpg|thumb|right|200px|タイツ(白色)]] |
[[ファイル:Ballet-dancer 01.jpg|thumb|right|200px|タイツ(白色)]] |
||
[[ファイル:AN Sierra Sinn 1.jpg|thumb|right|200px|タイツ(網柄)]] |
[[ファイル:AN Sierra Sinn 1.jpg|thumb|right|200px|タイツ(網柄)]] |
||
'''タイツ''' |
'''タイツ'''(tights)は、一般的にはストレッチ[[サテン]]地、[[ナイロン]]地など伸縮性を持たせた[[布]]地で縫製されたフィット性のある[[ズボン]]。 |
||
保温を目的とした衣類の一種で、腰から足のつま先までを覆う[[パンティストッキング]](以下は「パンスト」とする)型状のフーターと呼ばれる製品が多い。また、タイツは衣服であり、[[靴下]]ではない。 |
保温を目的とした衣類の一種で、腰から足のつま先までを覆う[[パンティストッキング]](以下は「パンスト」とする)型状のフーターと呼ばれる製品が多い。また、タイツは衣服であり、[[靴下]]ではない。 |
2017年2月7日 (火) 22:18時点における版
タイツ(tights)は、一般的にはストレッチサテン地、ナイロン地など伸縮性を持たせた布地で縫製されたフィット性のあるズボン。
保温を目的とした衣類の一種で、腰から足のつま先までを覆うパンティストッキング(以下は「パンスト」とする)型状のフーターと呼ばれる製品が多い。また、タイツは衣服であり、靴下ではない。
概要
- 19世紀のフランスで舞台衣裳として発明される。
- 日本においては、靴下に分類されているパンティストッキングより厚手のものがタイツと呼ばれているが、日本国外では一般的に両者は区別されていない。タイツはイギリスでの統一した呼び方で、アメリカ合衆国ではパンティホース(Pantyhose)と呼ばれる。
- 日本では戦前、戦後はウール糸で編まれた厚手の「バルキータイツ」が流通していた。
- 女性向けのもののほか、前開きなどの男性用もある。
- スポーツ競技やパフォーマンス等で使用することを目的とし、頭部まで覆う全身タイツがある。「ゼンタイ」ともいい、日本が発祥である。日本国外でも「ZENTAI」で通じ、全身タイツはレオタードからの派生である。
- エアロビクス用やレースクイーン用のサポート力の強いタイツもある。
- バレエ用のファンデーション(インナーウェア)として上半身部分のストラップ付のトップと下半身部分のタイツが一体となったボディタイツもある。
- また、1990年代前半からは一部の女子中学生・高校生たちが履いていたが、2000年代以降はタイツを履く機会や関心が戻ってきて、多くの女子中学生・高校生たちの間で流行して履かれるようになった。女子中学生・高校生たち曰く、理由は「女の色気があるから」、「色っぽく見せるため」、「防寒用で履く」、「冠婚葬祭などでも履ける」、「いくらお腹が空いていても履いているだけでお腹が空いていたのが治る」などである。欠点は通気性タイプの上履きを履いている時にパンストやタイツを履くと、あまりの生地の薄さのせいで、逆に脚が冷えることである。
- 網タイツも「タイツ」と呼ばれるが、パンティストッキングに近い。
- 厚さの単位はデニール、着圧の単位はヘクトパスカル。
パンティストッキングとの比較
メリット
デメリット
時代の変化
- かつては衣類の衣替え同様、冬にストッキングからタイツへ、春にタイツからストッキングへ替えることが多かったが、2008年頃から冬に限らず、夏でも冷え性対策としてタイツを着用する若い女性が急増している。2005年以降、着用色別の売り上げは黒色が大多数を占めるが、カラータイツと呼ばれる派手な色のタイツを着用する者もいる。2010年以降の売上は橙色、黄色、桃色系が上位を占める。またチェック柄系やリブ系も人気が急上昇している。
歴史的服飾
- 歴史的には中世ヨーロッパでショース(ホーズ)と呼ばれる下半身を包む股引状の衣服が男性用に広く着用された。これは乗馬や運動のしやすさや防寒性の必要からの形状であり、現代のタイツの元祖といえるものだが、階層によって様々な形状のものが着用された。農民階級には左右が縫い合わせられておらず、通常は紐で腰に結んでおき、労働時には畳んで長靴下状にして激しい運動を行うというもの、商人・都市住民用につま先がないもの等さまざまな形状のホーズが存在し、素材も絹、毛織物から、より粗末な素材と多岐に渡った。イングランドのヘンリー8世の時代には、ショース(ホーズ)のふくらはぎ部分に詰め物をして、足を美しく見せるといった流行もあった。
- 伸縮性を持つ素材がほとんど存在しなかったため、今日のタイツ同様、下半身を一体で包む形状のものは、着用者の体格に合わせて織り上げる高価なものであり、結果的に経済力に余裕のある王族・貴族やギルドの幹部など一部富豪しか着用できなかった。[1]
- 1963年、アメリカで世界初のパンティストッキングが開発され、発売された。これは全米の女性の間で大ブームとなったものの、日本では輸入品だったため、希少かつ高価で庶民には広まらなかった。その後、厚木ナイロン工業(現アツギ)の創業者である堀禄助がアメリカから取り寄せたパンティストッキングを元に開発を進め、1968年に初の国産品の製造に着手する。それ以来、日本の女性の間でも大ブームとなり、透明性と着用感を商品開発の主流として来た。当時は伝線したものを修理する業者なども存在した程、高級品でかつ稀少なものであったが「女性とパンティストッキングは日増しに強くなった」と形容される程、量販態勢になり普及品となり、また技術の進化で伝線や劣化のし難い商品が開発される様になり、社会人女性の通年の防寒用靴下としてや、女子学生制服の冬の寒さ対策として用いられている。
- タイツは1990年代前半まで、女子中学生・高校生にとっての身近なファッションとして愛用されていたが、それ以降の生脚ブームの到来によって社会人女性や一部の学校の制服、冠婚葬祭の場面でしか着用する機会や関心がない時代が続いた(1990年代後半以降においてはルーズソックスブームが到来したことも遠因である)。しかし、近年のパンスト・タイツブームによって再び中学生・高校生から社会人女性のタイツを履く機会や関心が戻って来た。社会人女性の通年の防寒用靴下としてや、女子学生制服の冬の寒さ対策として用いられている。
脚注
- ^ あすなろ書房『中世ヨーロッパ入門(「知」のビジュアル百科)』ISBN 978-4751523254