コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

「パンティー」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
ZairanTD (会話 | 投稿記録)
編集の要約なし
タグ: モバイル編集 モバイルウェブ編集
編集の要約なし
 
(68人の利用者による、間の148版が非表示)
1行目: 1行目:
{{出典の明記|date=2022年8月6日 (土) 03:56 (UTC)}}
[[File:Knickers1.jpg|thumb|250px|可愛らしい色相のパンティー]]
[[File:Girl in bra and panties - black and white cropped.jpg|thumb|right|200px|パンティーを履いている女の腰部]]
[[File:Knickers1.jpg|thumb|250px|様々な色合いの女性用パンティー]]
[[File:Girl in bra and panties - black and white cropped.jpg|thumb|right|250px|パンティーを履いている女性の腰部。]]
[[ファイル:Japanese_girl_in_a_white_E70_bra.jpg|right|thumb|200px|ブラジャーとパンティーのコーディネイト。色とデザインを統一するのが基本]]
'''パンティー'''({{lang-en-us|panties}}は、女性用の下半身用の[[下着]]の一種。「パンティ」とも呼ばれる。
'''パンティー'''({{lang-en-us|panties}}もしくはpanty)は、女性用の下半身用の[[下着]]の一種。「パンティ」とも呼ばれる。


==概要==
== 概要 ==
女性用の下着のうち、下半身に直接身につけるもの。防寒および、[[下り物|帯下]]や残尿などで衣服が汚れるのを防止するために着用される。布の覆う面積は基本的に[[女性器]]から[[尻|臀部]]、おおむね脚の付け根からへその下までを覆い隠すような形状、および丈になっている。形状及び覆う面積は多岐にわたる。詳しくは後述。
主に女性用の下着のうち、下半身に直接身につけるもの。防寒および、[[下り物|帯下]]や残尿などで衣服が汚れるのを防止するために着用される。布の覆う面積は基本的に[[女性器]]から[[尻|臀部]]、おおむね脚の付け根からへその下までを覆い隠すような形状、および丈になっている。形状及び覆う面積は多岐にわたる。詳しくは後述。


中には絵や文字がプリントされているものもあり、[[プリントパンティ]]と呼ばれるものもある。
中には絵や文字がプリントされている、[[プリントパンティ]]と呼ばれるものもある。


==呼び方==
== 呼び方 ==
[[アメリカ英語]]では一般的に'''パンティーズ'''または'''ブリーフス'''({{lang|en-US|briefs}})等と呼ばれる。[[イギリス英語]]では'''ニッカーズ'''({{lang|en-UK|knickers}})と呼ばれる。一着なのに全て[[複数形]]だが、これは脚が左右二本通るからで、pants([[パンツ]])、drawers([[ズロース]])、shorts([[ショーツ]])、bloomers([[ブルマー]])そしてhips([[尻]])も同じ。
[[アメリカ英語]]では一般的に'''パンティーズ'''または'''ブリーフ(ブリーフス'''({{lang|en-US|briefs}})等と呼ばれる。[[イギリス英語]]では'''ニッカーズ'''({{lang|en-UK|knickers}})と呼ばれる。一着なのに全て[[複数形]]だが、これは脚が左右二本通るからで、pants([[パンツ]])、drawers([[ズロース]])、shorts([[ショーツ]])、bloomers([[ブルマー]])そしてhips([[尻]])も同じ。


日本でも1990年代の前半頃までは普通に「パンティー」と呼称されていたが、下着業界が販売戦略のため「ショーツ」という言葉を普及させ、近年は特に若年層の女性の会話などにおいては「'''ショーツ'''」または単純に「'''パンツ'''」という呼称が一般的になっており、[[口語]]において「パンティー」という語が使用されることはほぼない。しかし英語会話「パンティ」は一般的であり、それに影響されパンティー」と呼称する女性もいるうえ、日本の女性肌着専門会社「[[ピーチジョン]]」では商品名で「ショーツ」、「パンツ」でなく「パンティ」の名称で販売している。ショーツとアメリカ英語で男子の[[半ズボン]]のことであるがイギスなどでは短い下着を指すことがあり、長いものは[[パンツ]]と呼ばれる
日本でも1990年代の前半頃までは普通に「パンティー」と呼称されていたが、下着業界が販売戦略のため「ショーツ」という言葉を普及させ、近年は特に若年層の女性の会話などにおいては「'''ショーツ'''」または単純に「'''パンツ'''」という呼称が一般的になっており、[[口語]]において「パンティー」という語が使用されることはほぼない。1999年の段階、既に「パンティ」([[ママ (引用)|原文ママ]])という語は「若者は使わない言葉になっていたという指摘もあ<ref>[[加藤主税]]『日本語七変化』[[中央公論新社]]、1999年、19-21頁。ISBN 4-12-002933-6</ref>。「ショーツ」は英語で[[半ズボン]]を指し[[アメカ英語]]では主に下着を指す<ref>"short, adj., n., and adv." ''OED Online'', Oxford University Press, December 2022, www.oed.com/view/Entry/178579. Accessed 14 January 2023.</ref>

[[ワコール]]が自社ウェブサービスの会員を対象として行ったアンケートでは、パンツが69 [[パーセント|%]](3,329人)、ショーツが25 %(1,187人)、パンティが5 %(223人)、その他が1 %(50人)という結果であった<ref name="wacol">{{Cite book |和書 |author=ブラパン編集部 |title=ブラパン100 -聞きたくても聞けない、下着のホンネ- |publisher=[[ワコール]] |date=2017-03-25 |pages=102-103 |isbn=978-4-8025-1056-1}}</ref>。単語そのものの意味としてパンツでは広義すぎるとわかっていても、パンティやショーツと呼ぶことに恥ずかしさを感じる人が多いようである<ref name="wacol"/>。


== 構造 ==
== 構造 ==
18行目: 20行目:


== 歴史 ==
== 歴史 ==
紀元前3000年ごろが起源とされる。普及した場所は[[イタリア]]。ルーブル美術館所蔵のメソポタミア南部シュメールのテラコッタ像とレリーフに、パンティーをはいた女性と腰布を巻いた女性の姿がある。これらは羊の皮で作られ、ウェストにベルトをまいている。太ももの間にまとわりつく腰布の端を固定したのがパンティーの始まりだと考えられている<ref>セシル・サンローラン著、[[深井晃子]]訳 『女の下着の歴史』文化出版局 1981年、6頁</ref>
紀元前3000年ごろが起源とされる。普及した場所は[[イタリア]]。ルーブル美術館所蔵のメソポタミア南部シュメールのテラコッタ像とレリーフに、パンティーをはいた女性と腰布を巻いた女性の姿がある。これらは羊の皮で作られ、ウェストにベルトをまいている。太ももの間にまとわりつく腰布の端を固定したのがパンティーの始まりだと考えられている<ref>セシル・サンローラン著、[[深井晃子]]訳 『女の下着の歴史』文化出版局 1981年、6頁</ref>

== パンティーの選び方 ==
[[File:Japanese girl in a white E70 bra.jpg|thumb|250px|お揃いの色、デザインのパンティーとブラジャーを着用した女性。]]
下着自体をファッションと捉える風潮が一般的となっている。

近年パンティーは多岐にわたる色やデザインのものが存在し、好みの色や、レースデザインなどに加え、よりシンプルな無地タイプがある。好みや、着けたときの肌触り、TPOに合わせて、複数そろえる人が多い。

またコーディネートとして、白の[[ブラジャー]]を着けるなら白のパンティー、黒のブラなら黒のパンティーと、ブラとパンティーは色とデザインを統一するのが基本である。

[[ワコール]]はMサイズが生産枚数の6割~7割を占めているが、店頭で見ているとほとんどの女性が、自分のサイズより一回り小さめのショーツを求めていく、自己満足と引き締まって見えるという心理が働くようだと分析していて、このためブランドによっては大きいサイズの商品も開発しているが、在庫を抱え込みたくないという事情で、店によっては大きめのサイズを置いていない店舗もあるとコメントしている<ref name="名前なし-20230316103232">中日新聞1990年2月6日26面</ref>。
これについて日本ボディファッション協会は日本女性は小さめ小さめを求めるので、メーカーも当然売れ筋を狙うとコメントしている<ref name="名前なし-20230316103232"/>。


下着売り場では、コーディネートできるように、ブラと揃いの色、デザインのパンティーが上下にセットで並べられていることがある。
==パンティーの選び方==
下着自体をファッションととらえる風潮が一般的となっている。近年パンティーは多岐にわたる色やデザインのものが存在し、好みの色や、レースデザインなどに加え、よりシンプルな無地タイプがある。好みや、着けたときの肌触り、TPOに合わせて、複数そろえる人が多い。またコーディネートとして、白の[[ブラジャー]]を着けるなら白のパンティー、黒のブラなら黒のパンティーと、ブラとパンティーは色とデザインを統一するのが基本である。下着売り場ではコーディネートできるよう、ブラとそろいの色、デザインのパンティーが上下に並べられている。


== パンティーの身生地 ==
== パンティーの身生地 ==
28行目: 40行目:
繊細ないしセクシーなテイストのものでは、「透け感」を与えるため[[チュールネット]]、[[オーガンジー]]、[[パワーネット]]などが、また、光沢感を与えるため、[[サテン]]や[[絹|シルク]]などが用いられる。
繊細ないしセクシーなテイストのものでは、「透け感」を与えるため[[チュールネット]]、[[オーガンジー]]、[[パワーネット]]などが、また、光沢感を与えるため、[[サテン]]や[[絹|シルク]]などが用いられる。


また、しなやかな手触りをもつ、極細繊維糸を用いた[[マイクロファイバー]]素材のものもある。クロッチの二重部分の裏地は帯下・尿などで汚れやすい事から、木綿で白色である場合が多いが、身生地と同じ色・生地である場合や、総柄では身生地と同じ総柄の裏面である場合もある。
また、しなやかな手触りをもつ、極細繊維糸を用いた[[マイクロファイバー]]素材のものもある。クロッチの二重部分の裏地は、身生地と同じ色・生地である場合や、総柄の場合では身生地と同じ総柄の裏面である場合もある。


== 分類 ==
== 分類 ==
===一般用===
=== 一般用 ===
====素材、丈による分類====
==== 素材、丈による分類 ====
*[[シームレス (下着)|シームレス]] - 立体編みにより、継ぎ目や縫い目がないもの
*[[シームレス (下着)|シームレス]] - 立体編みにより、継ぎ目や縫い目がないもの
*[[バックレース]] - バックの裾がレース素材のもの
*[[バックレース]] - バックの裾がレース素材のもの
41行目: 53行目:
*壱分長 - ボーイレッグとほぼ同じ丈のもの
*壱分長 - ボーイレッグとほぼ同じ丈のもの


====ラインによる分類====
==== ラインによる分類 ====
[[画像:designs_of_shorts.jpg|thumb|right|300px|女性用ショーツ・パンティーのデザインの種類]]
[[画像:designs_of_shorts.jpg|thumb|right|300px|女性用ショーツ・パンティーのデザインの種類]]
*[[ローレグ]] - カットが非常に浅いデザイン
*[[ローレグ]] - カットが非常に浅いデザイン
*[[ハイレグ]](ハイカット) - 脚ぐりのカットが高い位置にあるタイプ。カットの深いデザイン
*[[ハイレグ]](ハイカット) - 脚ぐりのカットが高い位置にあるタイプ。カットの深いデザイン
50行目: 62行目:
*[[スキャンティー]] - 股上が極端に浅くサイドが狭いデザイン
*[[スキャンティー]] - 股上が極端に浅くサイドが狭いデザイン


====バックスタイルによる分類====
==== バックスタイルによる分類 ====
*[[フルバック (下着)|フルバック]] - バック(お尻)全体をすっぽり覆うデザイン
*[[フルバック (下着)|フルバック]] - バック(お尻)全体をすっぽり覆うデザイン
*[[ブラジリアンカット]] - ハイカットでバックが1/2カットのデザイン
*[[ブラジリアンカット]] - ハイカットでバックが1/2カットのデザイン
60行目: 72行目:
*[[Cストリング]] - フロントとバックがI字型、サイドのひもが無いデザイン
*[[Cストリング]] - フロントとバックがI字型、サイドのひもが無いデザイン


====その他の分類====
==== その他の分類 ====
*[[ひもパン]] - サイドを紐やリボンで結ぶタイプのもの
*[[ユニセックス]] - 女性、男性どちらでも使用できるデザイン
*[[サニタリーショーツ]] - 生理期間を快適に過ごすのに必要な機能を付加したデザイン
*[[サスペンダーショーツ]] - サスペンダー式のGストリング
*[[サスペンダーショーツ]] - サスペンダー式のGストリング
*[[ふんどし#女性の褌|パンドルショーツ]] - 女性用の褌
*[[オープンショーツ]] - クロッチ(股下部分)にスリットが入ったデザイン
*[[オープンショーツ]] - クロッチ(股下部分)にスリットが入ったデザイン
*[[ホールショーツ]] - バック中央部またはフロント中央部に穴のあいたデザイン
*[[ホールショーツ]] - バック中央部またはフロント中央部に穴のあいたデザイン
*[[ペア]] - [[ブラジャー]]や[[キャミソール]]などトップ(上半身)と同一デザイン
*[[ペア]] - [[ブラジャー]]や[[キャミソール]]などトップ(上半身)と同一デザイン
*[[パール付きショーツ]] - ショーツの[[外陰部]]に接する部分に[[真珠|パール]]や[[ビーズ]]等の球体が付いておりそれらが外陰部に押し当てられたり、擦れたりすることによって[[性的快感]]を得ることができる機能を付加したデザイ
*[[パール付きショーツ]] - [[真珠|パール]]や[[ビーズ]]等の球体が付いているセクシーラジェリーの一種
*[[ユニセックス]] - 女性、男性どちらでも使用できるデザイン
*[[ふんどし#女性の褌|パンドルショーツ]] - 女性用の褌


===子供用===
=== 子供用 ===
*[[女児ショーツ]]
*女児ショーツ - 160-165cmサイズ(腰囲82-90cm)程度までの女児を対象に発売されている。サイズ表記はJISL4003(少女用衣料のサイズ)。女児向けにデザインされ、中には女児をターゲットにしたキャラクターをデザインした製品もあり、特に130cmサイズ(腰囲66-74cm)程度までの女児向けに発売されている。最近は170サイズ(身長165~175cmに相当)<ref>[https://store.shopping.yahoo.co.jp/twin-dimple/gsh-21.html 子供肌着専門店Twin Dimple 女の子 下着パンツ]</ref>もあり、[[ティーン]]向けとも表記している<ref>[https://item.rakuten.co.jp/moteshitagi/gj414296/?variantId=gj414296-check-4 【楽天市場】女児ショーツ]</ref>のでメーカー側は[[母子及び父子並びに寡婦福祉法]]における広義の[[女児]](20歳未満)を想定して販売していると考えられる。実際に女児ショーツを穿いた[[女子高生]]は存在する。
*[[ジュニアショーツ]]
*[[ジュニアショーツ]]
*[[ブルマー]] - 男女関係なく[[ブルマー]]が[[体操着|指定体操服]]として採用されていない学校(具体例として、男女関係なく[[短パン]]([[短パン|体操ズボン]])が[[体操服|指定体操服]]として採用されている学校)では、'''[[パンツ]]([[女児ショーツ|ショーツ]]または[[男児ブリーフ|ブリーフ]])の上から着用する形で、[[ブルマー]][[ブルマー#肌着としての活用|を肌着として活用している]]'''場合がある。

===その他===
*[[排尿障害]](更年期以降の[[尿失禁]])用に、局部に[[尿吸収パッド]]を内蔵したものがある。<!--(女性用、男性用とも)-->
*[[水着]]の下に穿くショツ(スイムショーツなど)や[[レオタード]]の下に穿くショーツレオタードショーツなど)などがある。


=== 特殊用途のパンティー ===
==参考文献==
*[[サニタリーショーツ]]
*[[上野千鶴子]]『スカートの下の劇場 - ひとはどうしてパンティにこだわるのか -』 [[河出書房新社]] 1989年
*スポーツ用 - [[スポーツ]]・[[体育]]授業など[[スポーツ|運動]]時に適したショーツ、スポーツショーツなど
*水着用 - [[水着]]の下に穿くショーツ、スイムショーツ、スイムガードルなど
*レオタド用 - [[レオタード]]の下に穿くショーツレオタードショーツなど
など


== 脚注 ==
== 脚注 ==
{{Reflist}}
<references/>


==関連項目==
== 参考文献 ==
* [[上野千鶴子]] 『スカートの下の劇場 - ひとはどうしてパンティにこだわるのか -』 [[河出書房新社]] 1989年
** のちに文庫 河出文庫 1992年 ISBN 978-4309472416

== 関連項目 ==
{{Commons|Category:Women's knickers}}
{{Commons|Category:Women's knickers}}
{{Wiktionary|パンティー}}
*[[下着]]
*[[下着]]
*[[ランジェリー]]
*[[ランジェリー]]
*[[ファウンデーション (服飾)|ファウンデーション]]
*[[ファウンデーション (服飾)|ファウンデーション]]
*[[Tバック]]
*[[Tバック]]
*[[ブリーフ]]
*[[パンツ]]
*[[パンツ]]
*[[ブルマー]]
*[[ブルマー]]
*[[パンチラ]]
*[[パンチラ]]
*[[パンティーライン]]
*[[パンティーライン]]
*[[ノーパン]]
*[[見せパン]]
*[[見せパン]]
*[[パンティー狩り]]
*[[パンティー狩り]]


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
* [https://www.excite.co.jp/news/article/00091149437596/ 紀元前までパンツの歴史を追う | エキサイトニュース]
* [http://stack-style.org/2007-01-08-04.html パンツとパンツの違いについて]
* [http://www.excite.co.jp/News/bit/00091149437596.html 紀元前までパンツの歴史を追う | エキサイトニュース]
* [http://www.toyama-cmt.ac.jp/~kanagawa/gogen.html パンティ学・入門~語源学・仮入門]


{{インナーウェア}}
{{インナーウェア}}
{{被服}}
{{被服}}

{{DEFAULTSORT:はんていい}}
{{DEFAULTSORT:はんていい}}
[[Category:下着]]
[[Category:女性用下着]]
{{Fashion-stub}}

2024年10月5日 (土) 10:48時点における最新版

様々な色合いの女性用パンティー。
パンティーを履いている女性の腰部。

パンティーアメリカ英語: pantiesもしくはpanty)は、女性用の下半身用の下着の一種。「パンティ」とも呼ばれる。

概要

[編集]

主に女性用の下着のうち、下半身に直接身につけるもの。防寒および、帯下や残尿などで衣服が汚れるのを防止するために着用される。布の覆う面積は基本的に女性器から臀部、おおむね脚の付け根からへその下までを覆い隠すような形状、および丈になっている。形状及び覆う面積は多岐にわたる。詳しくは後述。

中には絵や文字がプリントされている、プリントパンティと呼ばれるものもある。

呼び方

[編集]

アメリカ英語では、一般的にパンティーズまたはブリーフ(ブリーフス)briefs)等と呼ばれる。イギリス英語ではニッカーズknickers)と呼ばれる。一着なのに全て複数形だが、これは脚が左右二本通るからで、pants(パンツ)、drawers(ズロース)、shorts(ショーツ)、bloomers(ブルマー)そしてhips()も同じ。

日本でも1990年代の前半頃までは普通に「パンティー」と呼称されていたが、下着業界が販売戦略のため「ショーツ」という言葉を普及させ、近年は特に若年層の女性の会話などにおいては「ショーツ」または単純に「パンツ」という呼称が一般的になっており、口語において「パンティー」という語が使用されることはほぼない。1999年の段階で、既に「パンティ」(原文ママ)という語は「若者は使わない言葉」になっていたという指摘もある[1]。「ショーツ」は英語では半ズボンを指し、アメリカ英語では主に下着を指す[2]

ワコールが自社ウェブサービスの会員を対象として行ったアンケートでは、パンツが69 %(3,329人)、ショーツが25 %(1,187人)、パンティが5 %(223人)、その他が1 %(50人)という結果であった[3]。単語そのものの意味としてパンツでは広義すぎるとわかっていても、パンティやショーツと呼ぶことに恥ずかしさを感じる人が多いようである[3]

構造

[編集]

フロント(前身頃)とバック(後身頃)、それを繋ぐクロッチ(股布)というシンプルな構成である。前後ろの区別がつきやすいように前面にリボンが付いているものもある。

歴史

[編集]

紀元前3000年ごろが起源とされる。普及した場所は、イタリア。ルーブル美術館所蔵のメソポタミア南部シュメールのテラコッタ像とレリーフに、パンティーをはいた女性と腰布を巻いた女性の姿がある。これらは羊の皮で作られ、ウェストにベルトをまいている。太ももの間にまとわりつく腰布の端を固定したのが、パンティーの始まりだと考えられている[4]

パンティーの選び方

[編集]
お揃いの色、デザインのパンティーとブラジャーを着用した女性。

下着自体をファッションと捉える風潮が一般的となっている。

近年パンティーは多岐にわたる色やデザインのものが存在し、好みの色や、レースデザインなどに加え、よりシンプルな無地タイプがある。好みや、着けたときの肌触り、TPOに合わせて、複数そろえる人が多い。

またコーディネートとして、白のブラジャーを着けるなら白のパンティー、黒のブラなら黒のパンティーと、ブラとパンティーは色とデザインを統一するのが基本である。

ワコールはMサイズが生産枚数の6割~7割を占めているが、店頭で見ているとほとんどの女性が、自分のサイズより一回り小さめのショーツを求めていく、自己満足と引き締まって見えるという心理が働くようだと分析していて、このためブランドによっては大きいサイズの商品も開発しているが、在庫を抱え込みたくないという事情で、店によっては大きめのサイズを置いていない店舗もあるとコメントしている[5]。 これについて日本ボディファッション協会は日本女性は小さめ小さめを求めるので、メーカーも当然売れ筋を狙うとコメントしている[5]

下着売り場では、コーディネートできるように、ブラと揃いの色、デザインのパンティーが上下にセットで並べられていることがある。

パンティーの身生地

[編集]

パンティーは、一般に前身ごろに比べて後ろ身ごろには伸張性が必要なので、前身ごろには、天竺ベア天竺フライストリコットを、また後ろ身ごろには、綿ポリウレタン混紡のストレッチ天竺フライスツーウェイトリコットパワーネットなどが使用される。

繊細ないしセクシーなテイストのものでは、「透け感」を与えるためチュールネットオーガンジーパワーネットなどが、また、光沢感を与えるため、サテンシルクなどが用いられる。

また、しなやかな手触りをもつ、極細繊維糸を用いたマイクロファイバー素材のものもある。クロッチの二重部分の裏地は、身生地と同じ色・生地である場合や、総柄の場合では、身生地と同じ総柄の裏面である場合もある。

分類

[編集]

一般用

[編集]

素材、丈による分類

[編集]
  • シームレス - 立体編みにより、継ぎ目や縫い目がないもの
  • バックレース - バックの裾がレース素材のもの
  • ヘム - レースや縫い目なしに端を処理したもの
  • シースルー - ネットやレースなどの透ける素材のもの
  • 五分長 - 膝上丈のもの
  • 三分長 - 膝より半分の短さのもの
  • 壱分長 - ボーイレッグとほぼ同じ丈のもの

ラインによる分類

[編集]
女性用ショーツ・パンティーのデザインの種類。
  • ローレグ - カットが非常に浅いデザイン
  • ハイレグ(ハイカット) - 脚ぐりのカットが高い位置にあるタイプ。カットの深いデザイン
  • ビキニ - 股上が浅くサイドが狭いデザイン。はきこみ丈がウエストより低い位置にくる、最も一般的なタイプ
  • ローライズ(ヒップハンガー) -腰骨の位置ではく、股上が浅いデザイン。ローライズパンツに適している
  • ボーイレッグ - 脚ぐりが水平になったデザイン
  • スキャンティー - 股上が極端に浅くサイドが狭いデザイン

バックスタイルによる分類

[編集]
  • フルバック - バック(お尻)全体をすっぽり覆うデザイン
  • ブラジリアンカット - ハイカットでバックが1/2カットのデザイン
  • リオカット - よりハイカットでバックが1/2カットのデザイン
  • Tバック - バックがT字型のデザイン
  • ソング - バックがT字型のデザイン
  • タンガ - フロントとバックがV字型、サイドがひも状のデザイン
  • Gストリング - フロントがV字型、バックとサイドが細いひも状のデザイン
  • Cストリング - フロントとバックがI字型、サイドのひもが無いデザイン

その他の分類

[編集]

子供用

[編集]
  • 女児ショーツ - 160-165cmサイズ(腰囲82-90cm)程度までの女児を対象に発売されている。サイズ表記はJISL4003(少女用衣料のサイズ)。女児向けにデザインされ、中には女児をターゲットにしたキャラクターをデザインした製品もあり、特に130cmサイズ(腰囲66-74cm)程度までの女児向けに発売されている。最近は170サイズ(身長165~175cmに相当)[6]もあり、ティーン向けとも表記している[7]のでメーカー側は母子及び父子並びに寡婦福祉法における広義の女児(20歳未満)を想定して販売していると考えられる。実際に女児ショーツを穿いた女子高生は存在する。
  • ジュニアショーツ

特殊用途のパンティー

[編集]

など

脚注

[編集]
  1. ^ 加藤主税『日本語七変化』中央公論新社、1999年、19-21頁。ISBN 4-12-002933-6
  2. ^ "short, adj., n., and adv." OED Online, Oxford University Press, December 2022, www.oed.com/view/Entry/178579. Accessed 14 January 2023.
  3. ^ a b ブラパン編集部『ブラパン100 -聞きたくても聞けない、下着のホンネ-』ワコール、2017年3月25日、102-103頁。ISBN 978-4-8025-1056-1 
  4. ^ セシル・サンローラン著、深井晃子訳 『女の下着の歴史』文化出版局 1981年、6頁
  5. ^ a b 中日新聞1990年2月6日26面
  6. ^ 子供肌着専門店Twin Dimple 女の子 下着パンツ
  7. ^ 【楽天市場】女児ショーツ

参考文献

[編集]

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]