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[[ファイル:Augustins - Le Massage. Scène de hammam - Edouard Debat-Ponsan 1883.jpg|thumb|19世紀に描かれたマッサージの絵画]]
{{出典の明記|date=2013年6月}}
{{国際化|領域=日本|date=2013年11月}}
[[ファイル:Le massagr au Hamam par Edouard Debat-Ponsan 1883.jpg|thumb|19世紀に描かれたマッサージの絵画]]
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[[ファイル:Massage Frankfurt.jpg|thumb|ドイツ、[[フランクフルト]]におけるマッサージ]]
[[ファイル:Thaimassage.jpg|thumb|[[タイ王国|タイ]]におけるマッサージ]]
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[[ファイル:Sogno.jpg|thumb|日本の[[マッサージチェア]]文化。マッサージ機]]
[[ファイル:Sogno.jpg|thumb|日本の[[マッサージチェア]]文化。マッサージ機]]
[[ファイル:Sargent, John Singer (1856-1925) - 1890-91 - Massage in a bath house.jpg|thumb|Massage in a bath house (1890-1891) John Singer Sargent (1856-1925) ]]
[[ファイル:Sargent, John Singer (1856-1925) - 1890-91 - Massage in a bath house.jpg|thumb|Massage in a bath house (1890-1891) John Singer Sargent (1856-1925) ]]
'''マッサージ'''({{lang-fr-short|massage}}、'''[[按摩]]''')は、[[皮膚]]に求心的に施術することにより主に[[静脈]]系[[血液]]循環の改善や[[リンパ]]循環の改善を目的にした手技療法である。マッサージは、[[フランス]]で生まれた手技療法({{lang-fr-short|massage}}、マサージュ)を指すが、同様の効果を得られるものとして[[タイ古式マッサージ|タイ式]]や朝鮮式のマッサージ({{lang|ko|안마}}「按摩」と呼ばれるものは除く)も便宜的に「マッサージ」と呼ばれる。<!--狭義のマッサージを「医療マッサージ」と呼ぶこともある。:定義の出典は?-->
'''マッサージ'''({{lang-en-short|Massage}})は、[[皮膚]]に求心的に施術することにより主に[[静脈]]系[[血液]]循環の改善や[[リンパ]]循環の改善を目的にした[[手技療法]]。マッサージは、[[フランス]]で生まれた手技療法({{lang-fr-short|Massage}}、マサージュ)を指すが、同様の効果を得られるものとして[[タイ古式マッサージ|タイ式]]や朝鮮式のマッサージ(アンマ({{lang|ko|안마}}と呼ばれるものは除く)も便宜的に「マッサージ」と呼ばれる。現在日本では、[[治療]]目的で反復継続の意思をもって行うには[[国家資格]]である[[あん摩マッサージ指圧師]][[免許]]が必要であるが、現実のマッサージ業者は無資格が多数である。


== 概説 ==
マッサージには[[静脈]]・[[リンパ]]循環を促進する効果がある。スポーツ・運動時前後には、[[筋肉]]緊張をほぐしたりするためにマッサージが用いられる。他にマッサージによる(適度な)刺激などにより、緊張の緩和をもたらし、筋肉痛を和らげる、排便を促す、気分が和らぎ眠りを誘う、等がある。
マッサージはヨーロッパ発祥の手技療法である<ref name="color186">仙頭正四郎『カラー図解 東洋医学基本としくみ』西東社、2011年、186頁</ref>。マッサージは厳密には指先などの末梢部から心臓に向かって施術を行う([[按摩]]の施術はその逆となる)<ref name="color186" />。マッサージには[[静脈]]や[[リンパ]]の滞りを改善しその流れを促進する効果がある<ref name="color186" />。


スポーツ・運動時前後には、[[筋肉]]緊張をほぐしたりするためにマッサージが用いられる。他にマッサージによる(適度な)刺激などにより、緊張の緩和をもたらし、筋肉痛を和らげる、排便を促す、気分が和らぎ眠りを誘う、等がある。
現在、マッサージは通常医療の場でも([[リハビリテーション]]等々)、[[代替医療]]の場でも、様々な健康増進目的で個々人が自分自身に行う形(セルフマッサージ)でも行われている。


マッサージは通常医療の場でも([[リハビリテーション]]等々)、[[代替医療]]の場でも、様々な健康増進目的で個々人が自分自身に行う形(セルフマッサージ)でも行われている。
==歴史==
マッサージは[[ギリシャ語]]のマッシー(揉む)、[[ラテン語]]の手、[[アラビア語]]のマス(押す)、[[ヘブライ語]]の触るが語源とされる。


マッサージは[[ギリシャ語]]のマッシー(揉む)、[[ラテン語]]の手、[[アラビア語]]のマス(押す)、[[ヘブライ語]]の触るが語源とされる。近世以降、科学的にマッサージが手技療法として医学的に応用する価値があると提唱したのはフランスの[[アンブロワーズ・パレ]](Ambroise Paré)であった<ref name="history" />。マッサージはヨーロッパに発生したものではあるが、手技療法は命を守るための本能的な行為であり、古代インドのYogavade、古代中国の導引按蹻(自己体操法、按摩法)、トンガ諸島のtoogi-toogi、サンドウィッチ諸島のlomi-lomiなど世界各地に手技療法はみられる<ref name="history" />(各地の手技療法については[[按摩]]や[[ロミロミ]]など個別記事を参照)。
紀元前4世紀頃、ギリシャの医聖[[ヒポクラテス]]が他の医師たちに対し、「マッサージの研究をすべきである」と必要性を説いた。しかし、その後医学としてのマッサージが伝わる事はなく、民間療法として止まった。


== 西洋 ==
16世紀後期、[[フランス]]の医師である、'''[[アンブロワーズ・パレ]]'''がマッサージの効能や必要性、医療術を研究し、フランス中にマッサージの効力を強く、主張するに至った。この主張によって、マッサージ療法は、医療法としてだんだん見直されるようになり、医療として広まっていった。
=== 歴史 ===
古代ギリシャの医師であった[[ヒポクラテス]]は医学を志す者に対してマッサージ技術の習得を奨励していた<ref name="color186" />。


先述のように、16世紀になりフランスのアンブロワーズ・パレ(Ambroise Paré)が科学的にマッサージが手技療法として医学的に応用する価値があると提唱した<ref name="history" />。その後、19世紀にかけて解剖学や生理学の進歩とともに、スウェーデンでの治療体操法、オランダでのマッサージ研究、ドイツやオーストリアでのマッサージの施術効果などによってマッサージ療法は医療として確立されることになった<ref name="history">{{Cite journal|和書|author=和久田哲司 |date=1998-03 |url=https://hdl.handle.net/10460/394 |title=歴史にみるマッサージの効果 |journal=筑波技術短期大学テクノレポート |ISSN=1341-7142 |publisher=筑波技術短期大学研究委員会 |volume=5 |pages=33-35 |id={{CRID|1050564287382835328}} |hdl=10460/394 |naid=120003042666}}</ref>。
18世紀~19世紀頃になると、[[スウェーデン]]の'''[[パー・ヘンリック・リン]]'''が治療体操を用いてマッサージについても研究をし、スウェーデンマッサージの基礎を作り上げる。これをもとにマッサージは[[オランダ]]、[[ドイツ]]、[[フランス]]、[[ポルトガル]]など、[[ヨーロッパ|欧州]]に広まっていった。


=== スウェーデンマッサージ ===
その後、マッサージ医療が医療術の一つとして現在に至っている。
スウェーデンでは、19世紀にスウェーデン体操の創始者でもある{{仮リンク|ペール・ヘンリック・リング|en|Pehr Henrik Ling}}によって医療とマッサージを一つにしたシステムが作られ、このマッサージはスウェーデンマッサージと呼ばれるようになった<ref name="mirai">{{PDFlink|[http://www.ifeng.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2012/03/h21_63.pdf 公益財団法人未来工学研究所「VI-3.欧州における代替医療実態調査」]}} (2021年10月21日閲覧)</ref>。


スウェーデンマッサージはヨーロッパの古典的マッサージに比べて、深部の筋などの組織へのアプローチを重視し、少量のオイルやクリームを使う特徴がある<ref name="mirai" />。スウェーデンマッサージは、富裕層を対象とする贅沢なものとみられていたが、医療領域、スポーツ領域、美容領域にも普及してきている<ref name="mirai" />。米国ではスウェーデンマッサージが手技療法の主流の一つになっている<ref name="mirai" />。
===日本===

[[日本]]においては元々'''[[按摩]]'''が用いられてきた。
=== タクティールマッサージ ===
スウェーデンでは皮膚に軽い刺激を与えることで接触受容体を活性化し、それが痛覚受容体よりも早く脳に信号が送られることで痛みが軽減されるタクティールマッサージも開発された<ref name="mirai" />。タクティールマッサージには体全体に安心感をもたらす[[オキシトシン]]の分泌を促す効果があり、不安等にも効果があるとされ、[[認知症]]へのケアなど医療・福祉現場で積極的に取り入れられるようになっている<ref name="mirai" />。タクティールマッサージは医療機関や高齢者福祉施設のほか保育所などでも導入されており、各地で認定タクティールケア師がケアを行っている<ref name="mirai" />。特に認知症の患者のケアでは認知症の周辺症状の緩和効果がみられ、高齢者の精神状態が改善され不穏行動も少なくなることで、ケアワーカーの負担も減ったと報告されている<ref name="mirai" />。

== 日本 ==
=== 歴史 ===
[[日本]]においては元々'''[[按摩]]'''(あんま)が用いられてきた。


[[明治時代]]、軍医である橋本乗晃がフランスのマッサージを視察し、研究した。その後、日本にマッサージを医療法の一つとして導入された。
[[明治時代]]、軍医である橋本乗晃がフランスのマッサージを視察し、研究した。その後、日本にマッサージを医療法の一つとして導入された。

現在、運動前後に[[筋肉]]を解す為にマッサージをすることも多い。


現在の「[[あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律]]」において、[[あん摩マッサージ指圧師]]免許もしくは[[医師]]免許(共に国家資格)がなければ日本においてマッサージを業として行うことはできない、とされている。
現在の「[[あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律]]」において、[[あん摩マッサージ指圧師]]免許もしくは[[医師]]免許(共に国家資格)がなければ日本においてマッサージを業として行うことはできない、とされている。


==手技、機器==
=== 法令 ===
{{main|マッサージチェア}}
==== 厚生労働省見解のマッサージの定義 ====
看護師に関して、マッサージは臨地実習において看護学生が安楽確保の技術として、教員や看護師の助言・指導により学生が単独で実施できるものとして検討会で出され、看護師の基礎教育の中で行うことが望ましいとされている<ref>https://www.mhlw.go.jp/shingi/2003/01/s0127-8a.html</ref>。
*マッサージチェア([[自動マッサージ機]]とも呼ばれる)とは、内蔵された突起が稼動し、手指によるマッサージに近い動きをする。市販されている他、おもに銭湯・温泉などに有料で設置されている事が多い。腰掛けて背中をマッサージする椅子型や、足を入れて足裏をマッサージするもの等がある。近年ではプログラムが高度になり、細かく様々な揉みかたをするようになった。

==日本での扱い==
日本の法令でマッサージの厳密な技術定義は規定されていない。しかしマッサージが欧米より日本に伝わって以降、手技自体ははっきりと技術体系化されている。現法律策定時にもマッサージの技術定義は文章化できなくとも、日本国民は当然の如く理解していた事であった。法定義されていない理由として、当時手技を使って人体表面を刺激する他の手技療法が、あん摩マツサージ指圧師が行う手技療法以外日本国内には存在せず、わざわざ「[[あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律]]」で法定義をする必要が無かったのがその理由である。


法律での定義はされていないが、無資格者マッサージ施術で「エーワン」(経営者は、[[あん摩マッサージ指圧師]]の有資格者)を摘発するにあたり、厚生労働省はマッサージの定義を「体重をかけ、対象者が痛みを感じる強さで行う行為」と回答している。
===厚生労働省見解のマッサージの定義===
法律での定義はされて無いが、無資格者マッサージ施術で「エーワン」(経営者は、[[あん摩マッサージ指圧師]]の有資格者)を摘発するにあたり、厚生労働省はマッサージの定義を「体重をかけ、対象者が痛みを感じる強さで行う行為」と回答している。


また厚生労働省(旧厚生省)は、無免許あん摩師の取り締まりの疑義紹介とあん摩マッサージの定義について下記の通り公文書にて回答している。
また[[厚生労働省]](旧厚生省は、無免許あん摩師の取り締まりの疑義紹介とあん摩マッサージの定義について下記の通り公文書にて回答している。


{{Quotation|法第一条に規定するあん摩とは、人体についての病的状態の除去又は疲労の回復という生理的効果の実現を目的として行なわれ、かつ、その効果を生ずることが可能な、もむ、おす、たたく、摩擦するなどの行為の総称である。|昭和38年1月9日医発第8-2号(抜粋)}}
{{Quotation|法第一条に規定するあん摩とは、人体についての病的状態の除去又は疲労の回復という生理的効果の実現を目的として行なわれ、かつ、その効果を生ずることが可能な、もむ、おす、たたく、摩擦するなどの行為の総称である。|昭和38年1月9日医発第8-2号(抜粋)}}
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御照会の事例については、その行為の強度、時間等によっては、同条のあん摩マッサージ指圧に該当する場合もあると考えられるが、御照会の内容だけでは判断できない。<br>しかし、施術者の体重をかけて対象者が痛みを感じるほどの相当程度の強さをもって行うなど、あん摩マッサージ指圧師が行わなければ、人体に危害を及ぼし、又は及ぼすおそれのある行為については、同条のあん摩マッサージ指圧に該当するので、無資格者がこれを業として行っている場合には、厳正な対応を行うようお願いする。<br>また、同条のあん摩マッサージ指圧が行われていない施術において、「マッサージ」と広告することについては、あん摩マッサージ指圧師でなければ行えないあん摩マッサージ指圧が行われていると一般人が誤認するおそれがあり、公衆衛生上も看過できないものであるので、このような広告を行わないよう指導されたい。|「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」に関する疑義照会について(回答) 平成15年11月18日 医政医発第1118001号}}
御照会の事例については、その行為の強度、時間等によっては、同条のあん摩マッサージ指圧に該当する場合もあると考えられるが、御照会の内容だけでは判断できない。<br>しかし、施術者の体重をかけて対象者が痛みを感じるほどの相当程度の強さをもって行うなど、あん摩マッサージ指圧師が行わなければ、人体に危害を及ぼし、又は及ぼすおそれのある行為については、同条のあん摩マッサージ指圧に該当するので、無資格者がこれを業として行っている場合には、厳正な対応を行うようお願いする。<br>また、同条のあん摩マッサージ指圧が行われていない施術において、「マッサージ」と広告することについては、あん摩マッサージ指圧師でなければ行えないあん摩マッサージ指圧が行われていると一般人が誤認するおそれがあり、公衆衛生上も看過できないものであるので、このような広告を行わないよう指導されたい。|「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」に関する疑義照会について(回答) 平成15年11月18日 医政医発第1118001号}}


===判例上の定義===
==== 判例上の定義 ====

清水簡易裁判所/判決/昭和34年(ろ)50号(下級裁判所刑事裁判例集1巻10号2144頁)においては次のように判示している。
清水簡易裁判所/判決/昭和34年(ろ)50号(下級裁判所刑事裁判例集1巻10号2144頁)においては次のように判示している。


{{Quotation|第一、あん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法(以下単に法と略称する。)の第一条にいう「あん摩」とは、慰安または医療補助の目的をもって、身体を摩さつし、押し、もみ、またはたたく等の行為と解すべきところ、前掲各証拠によると被告人の本件各所為は、いずれも右あん摩に該当するものであること明らかであるから、この点に関する被告人の主張は採用できない。}}
{{Quotation|第一、あん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法(以下単に法と略称する。)の第一条にいう「あん摩」とは、慰安または医療補助の目的をもって、身体を摩さつし、押し、もみ、またはたたく等の行為と解すべきところ、前掲各証拠によると被告人の本件各所為は、いずれも右あん摩に該当するものであること明らかであるから、この点に関する被告人の主張は採用できない。}}


=== 保険適用 ===
マッサージ治療は医師が認めた場合に限り健康保険の適用がある<ref name="kobe">{{Cite web|和書|url=https://www.kobe-kikai-kenpo.org/sinnkyuu_3point.pdf|title=はりきゅう・マッサージにかかるときの3つのポイント |publisher=神戸機械金属健康保険組合|accessdate=2019-05-25}}</ref>。はじめて治療を受ける場合には医師の同意書または診断書が必要で、以後3か月ごとに医師の再同意が必要となる<ref name="kobe" />。


また、保険適用の対象は筋麻痺や関節拘縮などの症状がみられる場合のみに限られる<ref name="kobe" />。


===法的な問題点===
===法的な問題点===
65行目: 68行目:
|あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律}}
|あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律}}
しかし、[[あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律]]には、「あん摩」や「マッサージ」の行為・方法の定義がされていない為、職業選択の自由もあり「[[整体]]」や「[[カイロプラクティック]]」「のツボ療法(リフレクソロジーを含む)」「リラクゼーション」などの看板を掲げ、無資格でマッサージ類似行為をする者が後を絶たず、また、[[柔道整復師]]による保険を利用した激安マッサージも問題になっている。
しかし、[[あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律]]には、「あん摩」や「マッサージ」の行為・方法の定義がされていない為、職業選択の自由もあり「[[整体]]」や「足」「リラクゼーション」などの看板を掲げ、無資格でマッサージ類似行為をする者が後を絶たず、また、[[柔道整復師]]による保険を利用した激安マッサージも問題になっている。


====施術名称問題====
====施術名称問題====
81行目: 84行目:
[[柔道整復師]]、[[理学療法士]]及び[[助産師]]が行うマッサージに関しては''「[[手技療法]]」''を参照。
[[柔道整復師]]、[[理学療法士]]及び[[助産師]]が行うマッサージに関しては''「[[手技療法]]」''を参照。


== タイ ==
===各種マッサージ===
[[タイ王国]]にはスコータイ王朝時代に確立されたといわれる[[タイ古式マッサージ]]がある<ref>『ハローアジア2017 タイ版』48頁</ref>。
*クイックマッサージ - 短時間を売り物にするマッサージ。10分、15分等の施術時間が主流である。
{{see also|タイ古式マッサージ}}
*スポーツマッサージ - スポーツ選手または、スポーツ愛好家に対するマッサージ。ただし、独自のマッサージ方法がある訳ではない。

*エステマッサージ - 主に[[エステティック]]に伴うマッサージ。エステティック店に勤務するあん摩マッサージ指圧師が施術する。
== マッサージチェア ==
*フェイスマッサージ - これも主にエステティック店で行われるマッサージ。エステマッサージのサービスコースの1つにあげられる。
{{main|マッサージチェア}}
*アロママッサージ - これも主にエステティック店で行われるマッサージ。[[アロマセラピー]]を併用したマッサージである。エステマッサージのサービスコースの1つにあげられる。
マッサージチェア([[自動マッサージ機]]とも呼ばれる)とは、内蔵された突起が稼動し、手指によるマッサージに近い動きをする。市販されている他、おもに銭湯・温泉などに有料で設置されている事が多い。腰掛けて背中をマッサージする椅子型や、足を入れて足裏をマッサージするもの等がある。近年ではプログラムが高度になり、細かく様々な揉みかたをするようになった。
*乳房マッサージ - 医師又は助産師が妊婦又はじょく婦に対して行うものである。[[助産師]]は保健指導の範囲でのみ行なえる。
*[[指圧#足つぼマッサージ|足ツボマッサージ]]([[リフレクソロジー]]:足裏反射療法) - 足裏のツボ(もしくは身体各部位の反射区)を刺激するマッサージ。
*リンパ浮腫マッサージ - [[乳癌|乳がん]]や[[子宮癌|子宮がん]]などの手術によってリンパ節を切除したためなどの理由で生じる[[浮腫]]の手技的緩和措置<ref>[http://www.jclt.jp/lt リンパ浮腫療法士(LT)とは]</ref>。


==脚注==
==脚注==
{{脚注ヘルプ}}
{{脚注ヘルプ}}
{{reflist}}
{{reflist}}

==関連文献==
===論文、学会発表 類===
* {{Cite journal|和書|author=小宮秀明, 前田順一, 竹宮隆 |date=1995-12 |title=140.筋硬度からみた局所筋運動後のマッサージ効果について |journal=体力科學 |ISSN=0039906X |publisher=日本体力医学会 |volume=44 |issue=6 |page=676 |id={{CRID|1572261551732433920}} |naid=110001946538 |ref=harv}}
* {{Cite journal|和書|author=須藤明治, 赤崎房生, 角田直也 |date=2005-12 |url=https://search.jamas.or.jp/link/ui/2006118437 |title=146.アクアマッサージ中の筋組織血液動態(呼吸・循環,一般口演,第60回 日本体力医学会大会) |journal=体力科學 |ISSN=0039906X |publisher=日本体力医学会 |volume=54 |issue=6 |pages=491 |id={{CRID|1570009751908044672}} |naid=110005851495 }} {{要購読}}
** {{Cite journal|和書|author=須藤明治, 角田直也, 渡辺剛 |date=2007 |url=http://id.nii.ac.jp/1410/00005012/ |title=アクアマッサージ中の筋組織血液動態の変化 |journal=国士舘大学体育研究所報 |ISSN=0389-2247 |publisher=国士舘大学体育学部附属体育研究所 |volume=25 |pages=31-42 |id={{CRID|1050282812690254464}}}}
* {{Cite journal|和書|author=北爪加代子, 井田みつ江, 黒崎公代, 小林めぐみ, 木村恵理子, 中澤仁美, 伊藤綾乃, 山川初恵 date=2006-11 |url=https://hdl.handle.net/10087/4291 |title=1. 緩和ケア患者のコミュニケーション手段としてアロママッサージ導入を試みて(第13回群馬緩和医療研究会) |journal=北関東医学 |ISSN=1343-2826 |publisher=北関東医学会 |volume=56 |issue=4 |pages=361-361 |id={{CRID|1050282812640523264}} |hdl=10087/4291 |naid=110004852954 |ref=harv}}
* {{Cite journal|和書|author=佐藤都也子 |date=2006 |url=https://doi.org/10.34429/00003666 |title=<原著>健康な成人女性におけるハンドマッサージの自律神経活動および気分への影響 |journal=山梨大学看護学会誌= 山梨大学看護学会誌 |ISSN=1347-7714 |publisher=山梨大学看護学会 |volume=4 |issue=2 |pages=25-32 |doi=10.34429/00003666 |id={{CRID|1390853649747171072}} |naid=110006163965 |ref=harv}}

===書籍類===
*『イラストでみるスポーツマッサージ―スポーツ選手の実践的コンディショニング法』大修館書店、1997、ISBN 4469263729
*『マッサージのしくみ―肩こり・腰痛を治す!』宝島社新書、2000、ISBN 4796617485
*岡本佐智子『根拠がわかる看護マッサージ 患者を癒やすリラクセーション技術』中央法規出版、2017、ISBN 978-4-8058-5564-5
*安斎 康寛『リンパマッサージ&アロマテラピー―のんびり癒し時間』高橋書店、2003、ISBN 447103216X
*マイケル・W. フォックス『フォックス先生の犬マッサージ』洋泉社、2004、ISBN 4896918576
*百々 雅子『自分でできるアロママッサージ』PHP研究所、2004、ISBN 4569638031
*邱 淑恵『手もみ・足もみツボマッサージ』成美堂出版、2004、ISBN 4415026389
*ナレンドラ メータ 『インディアンヘッドマッサージ―世界的第一人者のチャンピサージ・テクニック公開』産調出版、2004、ISBN 4882823926
*大槻 一博『タイマッサージ・バイブル―ワットポースタイル』BABジャパン出版局、 2005、ISBN 4894229226
*福田 稔『爪もみ&経絡マッサージ』日本実業出版社、2005、ISBN 453403928X
*森松 昭雄, 中山 明善『図解 ホームマッサージ―すぐに使える部位別・症状別・セルフマッサージ』 山海堂、2006、ISBN 4381086406
*森田 玲子『赤ちゃんもママもしあわせ〓ベビーマッサージ』、ベネッセ・ムック―たまひよブックス、2006、ISBN 4828862528
*『スウェーデン・マッサージ入門』医道の日本社、2007、ISBN 4752930838
*下 正宗, 加川 豊『家庭でできるリハビリとマッサージ―イラストでよくわかる』成美堂出版、2008、ISBN 4415303323
*Amelia D. Auckett, ''Baby Massage:Parent-Child Bonding Through Touch'', 1989, ISBN 1557040222
*Vimala Schneider McClure, ''Infant Massage:A Handbook for Loving Parents'', 2000, ISBN 0553380567
===厚生労働省===
*[https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/i-anzen/hourei/061115-1.html 「無資格者によるあん摩マッサージ指圧業等の防止について」]
*[https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/i-anzen/hourei/061115-1a.html 「医業類似行為に対する取扱いについて」]


==関連項目==
==関連項目==
{{Commons|Category:Massage}}
{{Commons|Category:Massage}}
{{wiktionary|massage}}
{{wiktionary|マッサージ}}
;マッサージに関連するもの
;マッサージに関連するもの
*[[手技療法]]
*[[手技療法]]
105行目: 136行目:
;医療の法制上、関連するもの
;医療の法制上、関連するもの
*[[医師]]
*[[医師]]
*[[看護|看護師]]
*[[理学療法士]]
*[[理学療法士]]
*[[柔道整復師]]、 [[柔道整復術]]
*[[柔道整復師]]、 [[柔道整復術]]
115行目: 147行目:
*[[オステオパシー]]
*[[オステオパシー]]


== 外部リンク ==
==関連文献==
* {{Kotobank|2=ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典}}
===論文、学会発表 類===
{{Normdaten}}
*小宮秀明, 前田順一, 竹宮隆、1995「筋硬度からみた局所筋運動後のマッサージ効果について 」体力科學、Vol.44, No.6(19951201) p. 676 http://ci.nii.ac.jp/naid/110001946538/
*須藤明治, 赤崎房生, 角田直也 「アクアマッサージ中の筋組織血液動態」 (呼吸・循環, 一般口演, 第 60 回 日本体力医学会大会) 体力科學, 2005 http://ci.nii.ac.jp/naid/110005851495/
*北爪 加代子、井田 みつ江、黒崎 公代、小林 めぐみ、木村 恵理子、中澤 仁美、伊藤 綾乃、山川 初恵 2006「緩和ケア患者のコミュニケーション手段としてアロママッサージ導入を試みて」 The Kitakanto medical journal, 2006
*佐藤都也子「健康な成人女性におけるハンドマッサージの自律神経活動および気分への影響, Yamanashi Nursing Journal, No.4, No.2, 2006

===書籍類===
*『イラストでみるスポーツマッサージ―スポーツ選手の実践的コンディショニング法』大修館書店、1997、ISBN 4469263729
*『マッサージのしくみ―肩こり・腰痛を治す!』宝島社新書、2000、ISBN 4796617485
*安斎 康寛『リンパマッサージ&アロマテラピー―のんびり癒し時間』高橋書店、2003、ISBN 447103216X
*マイケル・W. フォックス『フォックス先生の犬マッサージ』洋泉社、2004、ISBN 4896918576
*百々 雅子『自分でできるアロママッサージ』PHP研究所、2004、ISBN 4569638031
*邱 淑恵『手もみ・足もみツボマッサージ』成美堂出版、2004、ISBN 4415026389
*ナレンドラ メータ 『インディアンヘッドマッサージ―世界的第一人者のチャンピサージ・テクニック公開』産調出版、2004、ISBN 4882823926
*大槻 一博『タイマッサージ・バイブル―ワットポースタイル』BABジャパン出版局、 2005、ISBN 4894229226
*福田 稔『爪もみ&経絡マッサージ』日本実業出版社、2005、ISBN 453403928X
*森松 昭雄, 中山 明善『図解 ホームマッサージ―すぐに使える部位別・症状別・セルフマッサージ』 山海堂、2006、ISBN 4381086406
*森田 玲子『赤ちゃんもママもしあわせ〓ベビーマッサージ』、ベネッセ・ムック―たまひよブックス、2006、ISBN 4828862528
*『スウェーデン・マッサージ入門』医道の日本社、2007、ISBN 4752930838
*下 正宗, 加川 豊『家庭でできるリハビリとマッサージ―イラストでよくわかる』成美堂出版、2008、ISBN 4415303323
*Amelia D. Auckett, ''Baby Massage:Parent-Child Bonding Through Touch'', 1989, ISBN 1557040222
*Vimala Schneider McClure, ''Infant Massage:A Handbook for Loving Parents'', 2000, ISBN 0553380567
===厚生労働省===
*[http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/i-anzen/hourei/061115-1.html 「無資格者によるあん摩マッサージ指圧業等の防止について」]
*[http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/i-anzen/hourei/061115-1a.html 「医業類似行為に対する取扱いについて」]


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2024年9月22日 (日) 13:21時点における最新版

19世紀に描かれたマッサージの絵画
ドイツ、フランクフルトにおけるマッサージ
タイにおけるマッサージ
インドのヘッドマッサージ
日本のマッサージチェア文化。マッサージ機
Massage in a bath house (1890-1891) John Singer Sargent (1856-1925)

マッサージ: Massage)は、皮膚に求心的に施術することにより主に静脈血液循環の改善やリンパ循環の改善を目的にした手技療法。マッサージは、フランスで生まれた手技療法(: Massage、マサージュ)を指すが、同様の効果を得られるものとしてタイ式や朝鮮式のマッサージ(アンマ(안마)と呼ばれるものは除く)も便宜的に「マッサージ」と呼ばれる。現在の日本では、治療目的で反復継続の意思をもって行うには国家資格であるあん摩マッサージ指圧師免許が必要であるが、現実のマッサージ業者は無資格が多数である。

概説

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マッサージはヨーロッパ発祥の手技療法である[1]。マッサージは厳密には指先などの末梢部から心臓に向かって施術を行う(按摩の施術はその逆となる)[1]。マッサージには静脈リンパの滞りを改善しその流れを促進する効果がある[1]

スポーツ・運動時前後には、筋肉緊張をほぐしたりするためにマッサージが用いられる。他にマッサージによる(適度な)刺激などにより、緊張の緩和をもたらし、筋肉痛を和らげる、排便を促す、気分が和らぎ眠りを誘う、等がある。

マッサージは通常医療の場でも(リハビリテーション等々)、代替医療の場でも、様々な健康増進目的で個々人が自分自身に行う形(セルフマッサージ)でも行われている。

マッサージはギリシャ語のマッシー(揉む)、ラテン語の手、アラビア語のマス(押す)、ヘブライ語の触るが語源とされる。近世以降、科学的にマッサージが手技療法として医学的に応用する価値があると提唱したのはフランスのアンブロワーズ・パレ(Ambroise Paré)であった[2]。マッサージはヨーロッパに発生したものではあるが、手技療法は命を守るための本能的な行為であり、古代インドのYogavade、古代中国の導引按蹻(自己体操法、按摩法)、トンガ諸島のtoogi-toogi、サンドウィッチ諸島のlomi-lomiなど世界各地に手技療法はみられる[2](各地の手技療法については按摩ロミロミなど個別記事を参照)。

西洋

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歴史

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古代ギリシャの医師であったヒポクラテスは医学を志す者に対してマッサージ技術の習得を奨励していた[1]

先述のように、16世紀になりフランスのアンブロワーズ・パレ(Ambroise Paré)が科学的にマッサージが手技療法として医学的に応用する価値があると提唱した[2]。その後、19世紀にかけて解剖学や生理学の進歩とともに、スウェーデンでの治療体操法、オランダでのマッサージ研究、ドイツやオーストリアでのマッサージの施術効果などによってマッサージ療法は医療として確立されることになった[2]

スウェーデンマッサージ

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スウェーデンでは、19世紀にスウェーデン体操の創始者でもあるペール・ヘンリック・リング英語版によって医療とマッサージを一つにしたシステムが作られ、このマッサージはスウェーデンマッサージと呼ばれるようになった[3]

スウェーデンマッサージはヨーロッパの古典的マッサージに比べて、深部の筋などの組織へのアプローチを重視し、少量のオイルやクリームを使う特徴がある[3]。スウェーデンマッサージは、富裕層を対象とする贅沢なものとみられていたが、医療領域、スポーツ領域、美容領域にも普及してきている[3]。米国ではスウェーデンマッサージが手技療法の主流の一つになっている[3]

タクティールマッサージ

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スウェーデンでは皮膚に軽い刺激を与えることで接触受容体を活性化し、それが痛覚受容体よりも早く脳に信号が送られることで痛みが軽減されるタクティールマッサージも開発された[3]。タクティールマッサージには体全体に安心感をもたらすオキシトシンの分泌を促す効果があり、不安等にも効果があるとされ、認知症へのケアなど医療・福祉現場で積極的に取り入れられるようになっている[3]。タクティールマッサージは医療機関や高齢者福祉施設のほか保育所などでも導入されており、各地で認定タクティールケア師がケアを行っている[3]。特に認知症の患者のケアでは認知症の周辺症状の緩和効果がみられ、高齢者の精神状態が改善され不穏行動も少なくなることで、ケアワーカーの負担も減ったと報告されている[3]

日本

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歴史

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日本においては元々按摩(あんま)が用いられてきた。

明治時代、軍医である橋本乗晃がフランスのマッサージを視察し、研究した。その後、日本にマッサージを医療法の一つとして導入された。

現在の「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」において、あん摩マッサージ指圧師免許もしくは医師免許(共に国家資格)がなければ日本においてマッサージを業として行うことはできない、とされている。

法令

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厚生労働省見解のマッサージの定義

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看護師に関して、マッサージは臨地実習において看護学生が安楽確保の技術として、教員や看護師の助言・指導により学生が単独で実施できるものとして検討会で出され、看護師の基礎教育の中で行うことが望ましいとされている[4]

法律での定義はされていないが、無資格者マッサージ施術で「エーワン」(経営者は、あん摩マッサージ指圧師の有資格者)を摘発するにあたり、厚生労働省はマッサージの定義を「体重をかけ、対象者が痛みを感じる強さで行う行為」と回答している。

また厚生労働省(旧厚生省)は、無免許あん摩師の取り締まりの疑義紹介とあん摩マッサージの定義について下記の通り公文書にて回答している。

法第一条に規定するあん摩とは、人体についての病的状態の除去又は疲労の回復という生理的効果の実現を目的として行なわれ、かつ、その効果を生ずることが可能な、もむ、おす、たたく、摩擦するなどの行為の総称である。 — 昭和38年1月9日医発第8-2号(抜粋)
特定の揉む、叩く等の行為が、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(昭和22年法律第217号)第1条のあん摩マッサージ指圧に該当するか否かについては、当該行為の具体的な態様から総合的に判断されるものである。 御照会の事例については、その行為の強度、時間等によっては、同条のあん摩マッサージ指圧に該当する場合もあると考えられるが、御照会の内容だけでは判断できない。
しかし、施術者の体重をかけて対象者が痛みを感じるほどの相当程度の強さをもって行うなど、あん摩マッサージ指圧師が行わなければ、人体に危害を及ぼし、又は及ぼすおそれのある行為については、同条のあん摩マッサージ指圧に該当するので、無資格者がこれを業として行っている場合には、厳正な対応を行うようお願いする。
また、同条のあん摩マッサージ指圧が行われていない施術において、「マッサージ」と広告することについては、あん摩マッサージ指圧師でなければ行えないあん摩マッサージ指圧が行われていると一般人が誤認するおそれがあり、公衆衛生上も看過できないものであるので、このような広告を行わないよう指導されたい。 — 「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」に関する疑義照会について(回答) 平成15年11月18日 医政医発第1118001号

判例上の定義

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清水簡易裁判所/判決/昭和34年(ろ)50号(下級裁判所刑事裁判例集1巻10号2144頁)においては次のように判示している。

第一、あん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法(以下単に法と略称する。)の第一条にいう「あん摩」とは、慰安または医療補助の目的をもって、身体を摩さつし、押し、もみ、またはたたく等の行為と解すべきところ、前掲各証拠によると被告人の本件各所為は、いずれも右あん摩に該当するものであること明らかであるから、この点に関する被告人の主張は採用できない。

保険適用

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マッサージ治療は医師が認めた場合に限り健康保険の適用がある[5]。はじめて治療を受ける場合には医師の同意書または診断書が必要で、以後3か月ごとに医師の再同意が必要となる[5]

また、保険適用の対象は筋麻痺や関節拘縮などの症状がみられる場合のみに限られる[5]

法的な問題点

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施術免許無資格者問題

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名称の如何に関わらずマッサージを業とできる者は、医師以外では「あん摩マッサージ指圧師」の有資格者のみである。

第一条 医師以外の者で、あん摩、マツサージ若しくは指圧、はり又はきゆうを業としようとする者は、それぞれ、あん摩マツサージ指圧師免許、はり師免許又はきゆう師免許(以下免許という。)を受けなければならない。
第十二条  何人も、第一条に掲げるものを除く外、医業類似行為を業としてはならない。ただし、柔道整復を業とする場合については、柔道整復師法 (昭和四十五年法律第十九号)の定めるところによる。 — あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律

しかし、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律には、「あん摩」や「マッサージ」の行為・方法の定義がされていない為、職業選択の自由もあり「整体」や「整足」「リラクゼーション」などの看板を掲げ、無資格でマッサージ類似行為をする者が後を絶たず、また、柔道整復師による保険を利用した激安マッサージも問題になっている。

施術名称問題

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上記で注意が必要なのは、厚生労働省通達によると施術行為自体で違法とはならずとも、あん摩・マッサージ・指圧を標榜して類似行為を行えば「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」の違反となる見解を示している。

第七条 あん摩業、マツサージ業、指圧業、はり業若しくはきゆう業又はこれらの施術所に関しては、何人も、いかなる方法によるを問わず、左に掲げる事項以外の事項について、広告をしてはならない。
  •  一 施術者である旨並びに施術者の氏名及び住所
  •  二 第一条に規定する業務の種類
  •  三 施術所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項
  •  四 施術日又は施術時間
  •  五 その他厚生労働大臣が指定する事項
  • ② 前項第一号乃至第三号に掲げる事項について広告をする場合にも、その内容は、施術者の技能、施術方法又は経歴に関する事項にわたつてはならない。 — あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律

柔道整復師理学療法士及び助産師が行うマッサージに関しては手技療法を参照。

タイ

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タイ王国にはスコータイ王朝時代に確立されたといわれるタイ古式マッサージがある[6]

マッサージチェア

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マッサージチェア(自動マッサージ機とも呼ばれる)とは、内蔵された突起が稼動し、手指によるマッサージに近い動きをする。市販されている他、おもに銭湯・温泉などに有料で設置されている事が多い。腰掛けて背中をマッサージする椅子型や、足を入れて足裏をマッサージするもの等がある。近年ではプログラムが高度になり、細かく様々な揉みかたをするようになった。

脚注

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  1. ^ a b c d 仙頭正四郎『カラー図解 東洋医学基本としくみ』西東社、2011年、186頁
  2. ^ a b c d 和久田哲司「歴史にみるマッサージの効果」『筑波技術短期大学テクノレポート』第5巻、筑波技術短期大学研究委員会、1998年3月、33-35頁、hdl:10460/394ISSN 1341-7142NAID 120003042666CRID 1050564287382835328 
  3. ^ a b c d e f g h 公益財団法人未来工学研究所「VI-3.欧州における代替医療実態調査」 (PDF) (2021年10月21日閲覧)
  4. ^ https://www.mhlw.go.jp/shingi/2003/01/s0127-8a.html
  5. ^ a b c はりきゅう・マッサージにかかるときの3つのポイント”. 神戸機械金属健康保険組合. 2019年5月25日閲覧。
  6. ^ 『ハローアジア2017 タイ版』48頁

関連文献

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論文、学会発表 類

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書籍類

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  • 『イラストでみるスポーツマッサージ―スポーツ選手の実践的コンディショニング法』大修館書店、1997、ISBN 4469263729
  • 『マッサージのしくみ―肩こり・腰痛を治す!』宝島社新書、2000、ISBN 4796617485
  • 岡本佐智子『根拠がわかる看護マッサージ 患者を癒やすリラクセーション技術』中央法規出版、2017、ISBN 978-4-8058-5564-5
  • 安斎 康寛『リンパマッサージ&アロマテラピー―のんびり癒し時間』高橋書店、2003、ISBN 447103216X
  • マイケル・W. フォックス『フォックス先生の犬マッサージ』洋泉社、2004、ISBN 4896918576
  • 百々 雅子『自分でできるアロママッサージ』PHP研究所、2004、ISBN 4569638031
  • 邱 淑恵『手もみ・足もみツボマッサージ』成美堂出版、2004、ISBN 4415026389
  • ナレンドラ メータ 『インディアンヘッドマッサージ―世界的第一人者のチャンピサージ・テクニック公開』産調出版、2004、ISBN 4882823926
  • 大槻 一博『タイマッサージ・バイブル―ワットポースタイル』BABジャパン出版局、 2005、ISBN 4894229226
  • 福田 稔『爪もみ&経絡マッサージ』日本実業出版社、2005、ISBN 453403928X
  • 森松 昭雄, 中山 明善『図解 ホームマッサージ―すぐに使える部位別・症状別・セルフマッサージ』 山海堂、2006、ISBN 4381086406
  • 森田 玲子『赤ちゃんもママもしあわせ〓ベビーマッサージ』、ベネッセ・ムック―たまひよブックス、2006、ISBN 4828862528
  • 『スウェーデン・マッサージ入門』医道の日本社、2007、ISBN 4752930838
  • 下 正宗, 加川 豊『家庭でできるリハビリとマッサージ―イラストでよくわかる』成美堂出版、2008、ISBN 4415303323
  • Amelia D. Auckett, Baby Massage:Parent-Child Bonding Through Touch, 1989, ISBN 1557040222
  • Vimala Schneider McClure, Infant Massage:A Handbook for Loving Parents, 2000, ISBN 0553380567

厚生労働省

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関連項目

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マッサージに関連するもの
医療の法制上、関連するもの
あん摩マッサージ指圧師免許の法制上、問題が提起されているもの

外部リンク

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