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'''蚤の市'''(のみのいち |
'''蚤の市'''(のみのいち、[[フランス語|仏語]]: ''marché aux puces'')は、町の広場などで開かれる古物市。'''フリーマーケット'''ともいう。 |
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[[蚤]]の市 ( {{Lang|en|''Flea market''}} ) は、[[フランス語]]の {{Lang|fr|''marché aux puces''}}(マルシェ・オ・ピュス)に由来する<ref name="one-theme">畑中ひろこ『ワンテーマ指さし会話 パリ×アンティーク: とっておきの出会い方シリーズ(電子書籍)』情報センター出版局、2011年(part2.蚤の市とは?)</ref>。このピュス ( {{Lang|fr|puces}} ) が日本語で蚤を意味し、英語ではこれを直訳して蚤を意味する {{Lang|en|''flea''}} からこれを {{Lang|en|''Flea market''}} と呼んでいる<ref name="one-theme" />。なお、フランス語における「蚤」の由来には諸説ある(後述)。日本語も直訳で、これを初めて用いて紹介したのは柔道家の[[石黒敬七]]とされる<ref>[https://archive.is/20160326235052/https://www.jti.co.jp/tobacco-world/journal/chronicle/2009/09/01.html 1.それは“がらくた”か“珍品”か? > 文化/たばこクロニクル > たばこジャーナル > たばこワールド](2016年3月26日時点の[[archive.is|アーカイブ]])</ref>。 |
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日本語では、[[片仮名]]での「フリー」がもともとの「蚤 ( {{Lang|en|''flea''}} )」から「自由 ( {{Lang|en|''free''}} )」と混同されてしまった。日本フリーマーケット協会では、日本において蚤の市を開催するにあたり「誰もが気軽に参加出来るように」との思いを込めて本来の「flea market」に代わりより親しみやすい「Free market」の英文表記をあえて採用し、同協会の[[商標]]ならびに[[サービスマーク]]としている<ref>{{Cite web|和書|url=http://freemarket-go.com/about.html |title=フリーマーケットとは |website=日本フリーマーケット協会 |accessdate=2018-06-28}}</ref>。なお、英語で {{Lang|en|''Free market''}} とは、本来は経済学における[[自由市場]]を意味する単語である。 |
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同種の市は、日本でも最近はあちこちで催されているが、蚤の市という呼び名は、「蚤」の持っている不潔なイメージから、歴史のある古物市ではガラクタ市、[[ボロ市]]([[世田谷区]]など)といった名称が使われ、最近の若者・ファミリー向けの大規模イベントとして開催されるものは、「フリーマーケット」というケースが多い。 |
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歴史のある古物市では蚤の市の代わりに[[ガラクタ市]]、[[ボロ市]]([[世田谷区]]など)といった名称が使われることもある。また、[[アメリカ合衆国西海岸|アメリカ西海岸]]では「Swap meet(スワップ・ミート: 交換会)」「Open air market(オープン・エア・マーケット: [[青空市場]])」などと呼ばれることも多い。 |
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特に掘り出し物の中には、古美術などが含まれることが多く、出品者がそれと知らずに所有していた有名画家の[[絵画]]が発見されることもある。 |
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== 各国における歴史 == |
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[[アメリカ合衆国|アメリカ]]西海岸では「スワップ・ミート(Swap Meet)」と呼ばれることも多い。 |
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=== フランス === |
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フランスのパリでは19世紀後半には捨てられた物から売れそうなものを選別して商いをするシフォニエと呼ばれる人々がいた<ref name="one-theme" />。しかし、1870年の改革でシフォニエと呼ばれる人々はパリの街を追われ、北部の[[サン=トゥアン]]で古物を取引する[[ヴィラ]]を作って拠点とし活動範囲を広げていった<ref name="one-theme" />。一説にはサン=トゥアンに古物を買いに訪れた者が、城壁の上から山積みになったガラクタを眺めていたとき「これは蚤の市だ!」と叫んだことが語源といわれている<ref name="one-theme" />。そして1885年に正式名称として''marché aux puces''(マルシェ・オ・ピュス)と名付けられたという<ref name="one-theme" />。 |
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パリ近郊ではクリニャンクール、[[ヴァンヴ]]、[[モントルイユ (セーヌ=サン=ドニ県)|モントルイユ]]の蚤の市が有名である<ref name="one-theme" />。 |
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==フリーマーケット== |
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日本の場合、「''flea market''」ではなく、自由参加出来ることから「''free market''」という意味の単語として使用される場合が多い。''free market'' とは、本来「蚤の市」と全く別の意味の経済学用語([[自由市場]]のこと)なので注意が必要である<ref>{{要出典|date=2013年6月}}主催者によっては「蚤の市」と「自由市場」の違いを認識しつつ、自由参加を強調するため、あえて[[和製英語]]的に ''free market'' と表記することがある。</ref>。 |
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[[昭和9年]](1934年)[[9月29日]]より「第1回蚤の市」が銀座[[松坂屋]]で開催された<ref>{{Cite web|和書|url=https://shashi.shibusawa.or.jp/details_nenpyo.php?sid=8210&query=&class=&d=all&page=36|title=(株)松坂屋『松坂屋百年史』(2010.02)|accessdate=2022-11-04}}</ref>。[[巴里会]]の発案によるものである<ref name="野口">{{Cite book|和書|title=銀座カフェー興亡史|author=野口孝一|authorlink=野口孝一|year=2018|publisher=[[平凡社]]|isbn=978-4582544619|chapter=蚤の市}}</ref>。第1回蚤の市は好評に終わり、翌[[昭和10年]]3月には第2回が開催されたほか、4月28日より[[増上寺]]境内でも蚤の市が開催されるようになった{{R|野口}}<ref>{{Cite news|和書|title=「蚤の市」繁昌 賑う増上寺|newspaper=朝日新聞|date=1935-04-29|edition=夕刊|page=2}}</ref>。 |
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日本各地で行われる蚤の市やガラクタ市は、1990年代以降若者・ファミリー向けの「フリーマーケット」(略称: フリマ)と呼ばれるものが多くなった。 |
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近年、[[インターネット]]上でもフリーマーケットが開催される場合が多くなってきている。主に、古くなった生活用品を出すケースが多く、幼児服など短期間しか身につけられなかったものを出品するケースが多い。これらの衣類、生活用品の中には[[キャラクター]]商品なども含まれ、特に人気のあったキャラクター商品の場合、製造元がすでに生産を終了している場合が多く、販売価格も高騰し、新品購入時とほぼ変わらないかそれ以上の値段で取引されるものも多い。 |
近年、[[インターネット]]上でもフリーマーケットが開催される場合が多くなってきている。主に、古くなった生活用品を出すケースが多く、幼児服など短期間しか身につけられなかったものを出品するケースが多い。これらの衣類、生活用品の中には[[キャラクター]]商品なども含まれ、特に人気のあったキャラクター商品の場合、製造元がすでに生産を終了している場合が多く、販売価格も高騰し、新品購入時とほぼ変わらないかそれ以上の値段で取引されるものも多い。 |
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== 骨董市 == |
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== 脚注 == |
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==関連項目== |
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== 外部リンク == |
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* [https://www.fleamarkets.org/ アメリカフリーマーケット協会](英語) |
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*[http://www.freemarket-go.com/ 日本フリーマーケット協会] |
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2024年9月13日 (金) 05:31時点における最新版
蚤の市(のみのいち、仏語: marché aux puces)は、町の広場などで開かれる古物市。フリーマーケットともいう。
概要
[編集]蚤の市 ( Flea market ) は、フランス語の marché aux puces(マルシェ・オ・ピュス)に由来する[1]。このピュス ( puces ) が日本語で蚤を意味し、英語ではこれを直訳して蚤を意味する flea からこれを Flea market と呼んでいる[1]。なお、フランス語における「蚤」の由来には諸説ある(後述)。日本語も直訳で、これを初めて用いて紹介したのは柔道家の石黒敬七とされる[2]。
日本語では、片仮名での「フリー」がもともとの「蚤 ( flea )」から「自由 ( free )」と混同されてしまった。日本フリーマーケット協会では、日本において蚤の市を開催するにあたり「誰もが気軽に参加出来るように」との思いを込めて本来の「flea market」に代わりより親しみやすい「Free market」の英文表記をあえて採用し、同協会の商標ならびにサービスマークとしている[3]。なお、英語で Free market とは、本来は経済学における自由市場を意味する単語である。
歴史のある古物市では蚤の市の代わりにガラクタ市、ボロ市(世田谷区など)といった名称が使われることもある。また、アメリカ西海岸では「Swap meet(スワップ・ミート: 交換会)」「Open air market(オープン・エア・マーケット: 青空市場)」などと呼ばれることも多い。
各国における歴史
[編集]フランス
[編集]フランスのパリでは19世紀後半には捨てられた物から売れそうなものを選別して商いをするシフォニエと呼ばれる人々がいた[1]。しかし、1870年の改革でシフォニエと呼ばれる人々はパリの街を追われ、北部のサン=トゥアンで古物を取引するヴィラを作って拠点とし活動範囲を広げていった[1]。一説にはサン=トゥアンに古物を買いに訪れた者が、城壁の上から山積みになったガラクタを眺めていたとき「これは蚤の市だ!」と叫んだことが語源といわれている[1]。そして1885年に正式名称としてmarché aux puces(マルシェ・オ・ピュス)と名付けられたという[1]。
パリ近郊ではクリニャンクール、ヴァンヴ、モントルイユの蚤の市が有名である[1]。
日本
[編集]昭和9年(1934年)9月29日より「第1回蚤の市」が銀座松坂屋で開催された[4]。巴里会の発案によるものである[5]。第1回蚤の市は好評に終わり、翌昭和10年3月には第2回が開催されたほか、4月28日より増上寺境内でも蚤の市が開催されるようになった[5][6]。
日本各地で行われる蚤の市やガラクタ市は、1990年代以降若者・ファミリー向けの「フリーマーケット」(略称: フリマ)と呼ばれるものが多くなった。
従来の「蚤の市」は、神社などの境内で縁日に併せて行われることが多いが、フリーマーケットと称する催しは、主に、競馬場やサッカー場などの駐車場、大規模公園などの一角で行われることが多い。
東京都の場合は明治公園、代々木公園、大井競馬場、秋葉原UDXなどで行われるものが規模が大きいといわれる。なお、日本で同種の市を開催する場合、形態によっては主催者に古物商取引の許可(鑑札取得)が必要な場合がある、
近年、インターネット上でもフリーマーケットが開催される場合が多くなってきている。主に、古くなった生活用品を出すケースが多く、幼児服など短期間しか身につけられなかったものを出品するケースが多い。これらの衣類、生活用品の中にはキャラクター商品なども含まれ、特に人気のあったキャラクター商品の場合、製造元がすでに生産を終了している場合が多く、販売価格も高騰し、新品購入時とほぼ変わらないかそれ以上の値段で取引されるものも多い。
骨董市
[編集]骨董市(こっとういち)は、神社仏閣の縁日やお祭りに合わせて、食べ物の屋台などとは別に、骨董の市がたち、各所から骨董商やアマチュアなどが品物を持ち寄り開いたりするもの。今日、フリーマーケットとほとんど見分けがつかなくなったりしている。
骨董ジャンボリー、全国古民具骨董祭り、東京蚤の市のような規模の大きなものから、地方都市の小さな規模のものまで多種多様にある。関東地方では乃木神社骨董市が最も歴史ある市である。
近年では東京蚤の市をはじめ出店業者や販売内容は同様でも、骨董市、蚤の市、アンティークフェアなど名称は多様化の傾向がある[7]
参考文献
[編集]- 莊仲平 (2010年1月21日ISBN 978-986-656-569-4 ) [2010] (中国語). 《世界著名跳蚤市場與古董市集》(Exploring the World Famous Flea & Antique Markets). 台北: 藝術家. pp. 224頁.
- 安野光雅『《蚤の市》』童話屋、日本、1983年10月1日ISBN 492-468-415-5。
- 安野光雅(Mitsumasa Anno) (2010年3月1日ISBN 957-969-157-6 ) [1991] (中国語). 《跳蚤市場》. 台北: 上誼文化實業. pp. 41頁.
(原著1983年)、40頁頁。 - Hernández, Paloma Albalá (January 1, 2000) [2000] (スペイン語). Americanismos en las Indias del Poniente: Voces de origen indígena Americano en las lenguas del Pacífico. Lingüística Iberoamericana. IX. Iberoamericana Vervuert. pp. 272頁. ISBN 978-849-510-752-7
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g 畑中ひろこ『ワンテーマ指さし会話 パリ×アンティーク: とっておきの出会い方シリーズ(電子書籍)』情報センター出版局、2011年(part2.蚤の市とは?)
- ^ 1.それは“がらくた”か“珍品”か? > 文化/たばこクロニクル > たばこジャーナル > たばこワールド(2016年3月26日時点のアーカイブ)
- ^ “フリーマーケットとは”. 日本フリーマーケット協会. 2018年6月28日閲覧。
- ^ “(株)松坂屋『松坂屋百年史』(2010.02)”. 2022年11月4日閲覧。
- ^ a b 野口孝一「蚤の市」『銀座カフェー興亡史』平凡社、2018年。ISBN 978-4582544619。
- ^ 「「蚤の市」繁昌 賑う増上寺」『朝日新聞』1935年4月29日、夕刊、2面。
- ^ 生活骨董50年 竹日 忠司(著)