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商業主義（しょうぎょうしゅぎ、英: commercialism コマーシャリズム^[1]）とは、商業における利潤（利益）を最大化しようとする傾向^[2]。金銭的利益を得ることを第一とする考え方^[3]。他のあらゆる価値よりも営利（利益額）を最優先させる考え。営利主義とも^[4]。

概説

商業主義とは、利潤（利益）を最大化しようとする考え方^[2]や、金銭的利益を得ることを第一とする考え方^[3]である。

商業主義が行き過ぎると、自社（自らの所属する組織）の側の目先の利益額、目先の金銭的利益の額（数字）が大きくなることだけを追い求め、他の重要なことがらや価値を軽視するあまり、法律・法規やルールを無視したり、顧客や消費者をないがしろにしたり、顧客や消費者に損失・損害を与えるようなことをしたり、果ては人命を軽視するようなことや人が死んでしまうようなことまでやりがちである。

報道では企業によって様々な不正や偽装事件が起きるたび、組織にはびこる営利主義（商業主義）が様々な反社会的行為・犯罪行為を生んでいるとも指摘され、営利主義は批判されている。

問題点

企業経営。営利主義の問題点の指摘

人間というのは「（企業組織の経営は）利潤を最大化さえすればよいのだ」などと考えだすと、「市場を独占して暴利をむさぼればいいんだ」^[5]、などと考えたり、「自分以外の人々に不正な方法で損害を与えてでも、自分だけ巨大な利潤を得ればよいのだ」などと考える、とんでもない輩が出てくることがある。

ピーター・ドラッカーは、企業にとって利潤が重要であることは認めてはいるものの、「企業の経営目的は利潤ではなく、顧客の創造である」とも述べている^[5]。

松下幸之助の経営哲学本には、企業の社会性というのは大事なことである、と書かれている^[6]。松下幸之助は「適正利潤の確保」という概念で説明した^[7]。（つまり経営哲学には「（利潤の）最大化」とか「利益最優先」などという愚かな考え方は避けた。 ）

また松下は、企業が納税することは社会にとっても必要である、とした^[7]。なお（民間組織というのはそれができる、と、すでに人々は知っているが）、松下幸之助は、政府というものも、単年度ごとの「予算」などという、不合理な方式で運用せず、民間組織同様に、何年もの運営を視野におさめた複数年の運営方式で、資金を溜めつつ運営すれば、税金を取ることなしに運営できる、と提言した。^[8]、

スポーツにおける商業主義

スポーツの世界でも商業主義が横行してしまっており、スポーツの根幹を蝕む問題になっている^[9]。たとえばオリンピックは、会場では広告看板は見えない（あたかもスポンサリングが行われていないかのような錯覚を生む）が、その舞台裏では莫大な放映権料やスポンサー料がIOCの懐を潤し、競技自体にまで影響を及ぼしている、という実態がある^[10]。

参考文献

土方千代子、惟野裕美子『「経営学」の基本がすべてわかる本』秀和システム、2009
ジェームズミッチェナー『スポーツの危機上―人工化と商業主義横行への総批判』サイマル出版会、1978
小川勝『オリンピックと商業主義』集英社、2012

出典・脚注

^ 広辞苑第六版「商業主義」。「コマーシャリズムに同じ」との解説。
^ ^a ^b Oxford Dictionaries. "Emphasis on the maximizing of profit"
^ ^a ^b 大辞林第三版「営利主義」
^ 広辞苑第六版「コマーシャリズム」
^ ^a ^b 土方千代子; 惟野裕美子『「経営学」の基本がすべてわかる本』、57頁。
^ 松下幸之助『経営にもダムのゆとり』。
^ ^a ^b 松下幸之助『経営にもダムのゆとり』、75-185頁。
^ http://www3.tokai.or.jp/kazuyoshi-giin/koenkai-news-muzei.htm
^ ジェームズミッチェナー『スポーツの危機上―人工化と商業主義横行への総批判』1978
^ 小川勝『オリンピックと商業主義』集英社, 2012年。
^ 小川勝『オリンピックと商業主義』集英社、2012

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-'''商業主義'''（しょうぎょうしゅぎ、{{lang-en-short|commercialism}} コマーシャリズム<ref>広辞苑第六版「商業主義」。「コマーシャリズムに同じ」との解説。</ref>）とは、[[利潤]]（[[利益]]）を最大化しようとする傾向<ref>Oxford Dictionaries. "Emphasis on the maximizing of profit"</ref>。金銭的利益を得ることを第一とする考え方<ref>大辞林第三版「営利主義」</ref>。他のあらゆる価値よりも営利（利益額）を最優先させる考え。'''営利主義'''とも<ref>広辞苑第六版「コマーシャリズム」</ref>。
+'''商業主義'''（しょうぎょうしゅぎ、{{lang-en-short|commercialism}} コマーシャリズム<ref>広辞苑第六版「商業主義」。「コマーシャリズムに同じ」との解説。</ref>）とは、[[商業]]における[[利潤]]（[[利益]]）を最大化しようとする傾向<ref name="#1">Oxford Dictionaries. "Emphasis on the maximizing of profit"</ref>。金銭的利益を得ることを第一とする考え方<ref name="#2">大辞林第三版「営利主義」</ref>。他のあらゆる価値よりも営利（利益額）を最優先させる考え。'''営利主義'''とも<ref>広辞苑第六版「コマーシャリズム」</ref>。
 == 概説 ==
-商業主義とは、[[利潤]]（[[利益]]）を最大化しようとする考え方<ref>Oxford Dictionaries. "Emphasis on the maximizing of profit"</ref>や、金銭的利益を得ることを第一とする考え方<ref>大辞林第三版「営利主義」</ref>である。
+商業主義とは、[[利潤]]（[[利益]]）を最大化しようとする考え方<ref name="#1"/>や、金銭的利益を得ることを第一とする考え方<ref name="#2"/>である。
 商業主義が行き過ぎると、自社（自らの所属する組織）の側の目先の利益額、目先の金銭的利益の額（数字）が大きくなることだけを追い求め、他の重要なことがらや価値を軽視するあまり、法律・法規やルールを無視したり、顧客や消費者をないがしろにしたり、顧客や消費者に損失・損害を与えるようなことをしたり、果ては人命を軽視するようなことや人が死んでしまうようなことまでやりがちである。
-報道では、企業によって様々な不正や偽装事件が起きるたび、組織にはびこる営利主義（商業主義）が様々な反社会的行為・犯罪行為を生んでいるとも指摘され、営利主義は批判されている。
+報道では企業によって様々な不正や偽装事件が起きるたび、組織にはびこる営利主義（商業主義）が様々な反社会的行為・犯罪行為を生んでいるとも指摘され、営利主義は批判されている。
-;企業経営。営利主義の問題点の指摘。
+== 問題点 ==
+;企業経営。営利主義の問題点の指摘
 人間というのは「（企業組織の経営は）利潤を最大化さえすればよいのだ」などと考えだすと、「市場を独占して暴利をむさぼればいいんだ」<ref name="hijikata">{{cite|和書 |author=土方千代子 |author2=惟野裕美子 |title=「経営学」の基本がすべてわかる本 |page=57}}</ref>、などと考えたり、「自分以外の人々に不正な方法で損害を与えてでも、自分だけ巨大な利潤を得ればよいのだ」などと考える、とんでもない輩が出てくることがある。
-[[ピーター・ドラッカー]]は、企業にとって利潤が重要であることは認めてはいるものの、「<u>企業の経営目的は利潤ではなく、[[顧客]]の創造である</u>」とも述べている<ref name="hijikata"/>。
+[[ピーター・ドラッカー]]は、企業にとって利潤が重要であることは認めてはいるものの、「'''企業の経営目的は利潤ではなく、[[顧客]]の創造である'''」とも述べている<ref name="hijikata"/>。
-松下幸之助の経営哲学を解説した本にも、<u>企業の[[社会性]]</u>というのは　いつでも非常に大事なことである、と書かれている<ref>{{cite|和書| author=松下幸之助 |title=経営にもダムのゆとり}}</ref>。
+[[松下幸之助]]の経営哲学本には、企業の[[社会性]]というのは大事なことである、と書かれている<ref>{{cite|和書| author=松下幸之助 |title=経営にもダムのゆとり}}</ref>。松下幸之助は「''<u>適正</u>利潤の確保''」という概念で説明した<ref name="matsushita">{{cite|和書 |author=松下幸之助 |title=経営にもダムのゆとり |page=75-185}}</ref>。（つまり経営哲学には'''「（利潤の）最大化」とか「利益最優先」などという愚かな考え方は避けた。''' ）
-[[松下幸之助]]などは、（「利潤の最大化」などという概念は持ち出さず）「''適正利潤''の確保」という概念で説明した<ref name="matsushita">{{cite|和書 |author=松下幸之助 |title=経営にもダムのゆとり |page=75-185}}</ref>。つまり「（利潤の）最大化」とか「最優先」などという愚かな考え方は避けるのである。
-また松下幸之助は、企業が納税することは社会にとっても必要である、とした<ref name="matsushita" />。国家経済の中で回転している資金の中で、税金を免れる資金額の割合があまりに増えると（社会福祉の原資が減り、充分な再分配が行われず、貧富の差ばかりが拡大し、苦しむ人々の割合ばかりが増え）その資本主義国家は根本から存続の危機に陥ることになる。
+また松下は、企業が納税することは社会にとっても必要である、とした<ref name="matsushita" />。なお（民間組織というのはそれができる、と、すでに人々は知っているが）、松下幸之助は、政府というものも、単年度ごとの「予算」などという、不合理な方式で運用せず、民間組織同様に、何年もの運営を視野におさめた複数年の運営方式で、資金を溜めつつ運営すれば、税金を取ることなしに運営できる、と提言した。<ref>http://www3.tokai.or.jp/kazuyoshi-giin/koenkai-news-muzei.htm</ref>、<!--　次の部分は明らかに独自研究        「明らかに矛盾している。」-->
-;スポーツ
+== スポーツにおける商業主義 ==
-現代では、[[スポーツ]]の世界でも商業主義が横行してしまっており、スポーツの根幹を蝕む問題になっている<ref>ジェームズ ミッチェナー『スポーツの危機 上―人工化と商業主義横行への総批判』1978</ref>。
+[[スポーツ]]の世界でも商業主義が横行してしまっており、スポーツの根幹を蝕む問題になっている<ref>ジェームズ ミッチェナー『スポーツの危機 上―人工化と商業主義横行への総批判』1978</ref>。たとえば[[オリンピック]]は、会場では広告看板は見えない（あたかもスポンサリングが行われていないかのような錯覚を生む）が、その舞台裏では莫大な放映権料やスポンサー料がIOCの懐を潤し、競技自体にまで影響を及ぼしている、という実態がある<ref>小川勝 『オリンピックと商業主義』集英社, 2012年。</ref>。
+<!--
+この「文化における商業主義」は[[独自研究]]。「文化における商業主義」という切り口で研究した学者は確認できない。出典が一切無い。自分で勝手に説を組み立ててはいけない。
+なお出典をつけるとしても、webの得体の知れないものではなく、原則、紙に印刷されている書物や、学者が書いた、執筆・公開日が特定できる、論文のpdf　等にすべし。
+なお「芸術と商業主義」に関する研究はあるので、下の文章は一旦　完全に廃棄して、「芸術と商業主義」の論文をじっくり読みこんで、その内容を紹介するのは、wikipediaのルールとしては可能。「芸術と商業主義」にしても、出典無しのまま、私論を展開してはNG。
+;文化における商業主義
+{{要出典範囲|初期には芸術志向も持っていた[[劇団四季]]が株式会社として、全国で商業主義ミュージカルを年間に多数公演を実施している。これなどは商業主義の典型的な例である。|date=2019年3月}}
+{{要出典範囲|音楽界においては、かつては反抗の音楽と呼ばれたロックが、産業ロックと呼ばれる分野を持つようになったことも、文化面における商業主義だ。|date=2019年3月}}
+-->
 == 関連事象、関連事件 ==
+* 納税の大がかりな回避。[[タックス・ヘイヴン]]。[[パナマ文書]]、[[パラダイス文書]]。
-* [[偽医療]]。[[レーシック手術集団感染事件|銀座眼科事件]]、[[山本病院事件]]
+* スポーツ大会の商業化。[[近代オリンピック#アマチュアリズムの崩壊とプロ化]]<ref>小川勝『オリンピックと商業主義』集英社、2012</ref>
-* [[食の安全#歴史]]。[[残滓牛乳事件]]、[[雪印集団食中毒事件]]、[[雪印牛肉偽装事件]]、[[産地偽装]]、[[船場吉兆#不祥事]]
-* [[労働基準法]]の無視。[[長時間労働]]の強要。[[時間外労働]]の不計算（"[[サービス残業]]"）。[[ブラック企業]]
-* [[日本山岳会#ナイロンザイル事件]]
-* [[オリンピック#商業主義とプロ化]]<ref>小川勝『オリンピックと商業主義』集英社、2012</ref>
 * [[FIFA]]、[[2015年FIFA汚職事件]]
+* いわゆる「[[ブラック企業]]」の諸問題。[[労働基準法]]の無視。[[長時間労働]]の強要。[[時間外労働]]の不計算（"[[サービス残業]]"）　等々。
 * [[構造計算書偽造問題|構造計算書偽造事件]]
 * [[東洋ゴム工業#不祥事]]
 * [[旭化成建材#杭打ちデータ改ざん問題]]
+* [[レオパレス21|レオパレス21の施工不備事件]]
-* [[タックスヘイブン]]。[[パナマ文書]]
+* [[レーシック手術集団感染事件|銀座眼科事件]]、[[山本病院事件]]
-* [[フォルクスワーゲン#不祥事]]
+* [[食の安全#歴史]]。[[残滓牛乳事件]]、[[雪印集団食中毒事件]]、[[雪印牛肉偽装事件]]、[[産地偽装]]、[[船場吉兆#不祥事]]
+* [[日本山岳会#ナイロンザイル事件]]
+* [[セウォル号沈没事故]]
+* [[フォルクスワーゲン#不祥事|フォルクスワーゲンによる排ガス試験すりぬけ工作事件]]
 * [[三菱自動車#燃費試験の不正事件]]
 == 参考文献 ==
-{{参照方法|section=1|date=2016年6月22日 (水) 08:31 (UTC)}}
 * 土方千代子、惟野裕美子 『「経営学」の基本がすべてわかる本』秀和システム、2009
 * ジェームズ ミッチェナー『スポーツの危機 上―人工化と商業主義横行への総批判』サイマル出版会、1978
 * 小川勝『オリンピックと商業主義』集英社、2012
-== 脚注 ==
+== 出典・脚注 ==
 <references />
 == 関連項目 ==
-* [[拝金主義]]、[[物質主義]]
+* [[商業]]
+* [[拝金主義]]
+* [[物質主義]]
 == 関連書 ==
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 {{Normdaten}}
 {{DEFAULTSORT:しようきようしゆき}}
-[[Category:社会問題]]
+[[Category:経営戦略論]]
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