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「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス」の版間の差分

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== クリエイティブ・コモンズ・ライセンスを適用したコンテンツを公開している主なプロジェクト ==
== クリエイティブ・コモンズ・ライセンスを適用したコンテンツを公開している主なプロジェクト ==
* [[インターネットアーカイブ]](数種類)
* [[インターネットアーカイブ]](数種類)
* [[アナトモグラフィー]](CC BY-SA)
* [[アナトモグラフィー]](CC BY-SA)
* {{仮リンク|アソシエーション・フォー・プログレッシブ・コミュニケーション|en|Association for Progressive Communications}}(CC BY-SA)
* {{仮リンク|アソシエーション・フォー・プログレッシブ・コミュニケーション|en|Association for Progressive Communications}}(CC BY-SA)

2017年9月4日 (月) 16:58時点における版

このビデオではクリエイティブ・コモンズ・ライセンスを商用ライセンス契約と組み合わせて使用する方法が説明されている

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス英語: Creative Commons license)とは著作権のある著作物の配布を許可する数種類あるパブリック・ライセンス英語版の一つである。このライセンスが使用されるのは作者が自作品を他者に共有、使用、二次創作の権利を付与したい場合である。クリエイティブ・コモンズは作者に対して柔軟(例として自作品を非商用のみでの使用許可を選ぶことが出来る)に提供し、著作物を使用、再分布するユーザーを守っているので、作者が指定した条件を守る限り著作権侵害を心配する必要がない。

このライセンスは数種類あり、いくつかの頒布条件の組み合わせで異なる。2001年に設立した、アメリカ合衆国非営利団体であるクリエイティブ・コモンズ2002年12月16日に最初のリリースを行った。

オリジナルライセンス

2011年7月現在、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスは世界50以上の異なる管轄地域で適用されているが、ライセンススイートバージョン4.0の準備を始めているため新たな適用は行なっていない[1]

ライセンスのオリジナルセットは全て、著作権がある著作物を無料で配布する権利といった「基準となる権利」を承諾している[2]。バージョンに依存し、4つの条件を選択できる各ライセンスの詳細は以下の通り。

表示 表示
(Attribution, BY)
作品を複製、頒布、展示、実演を行うにあたり、著作権者の表示を要求する。
非営利 非営利
(Noncommercial, NC)
作品を複製、頒布、展示、実演を行うにあたり、非営利目的での利用に限定する。
改変禁止 改変禁止
(No Derivative Works, ND)
作品を複製、頒布、展示、実演を行うにあたり、いかなる改変も禁止する。
継承 継承
(Share Alike, SA)
クリエイティブ・コモンズのライセンスが付与された作品を改変・変形・加工してできた作品についても、元になった作品のライセンスを継承させた上で頒布を認める。

組み合わせ

これらの条件の混合や整合で16の組み合わせが可能であるが、このうち11の組み合わせが正当なクリエイティブ・コモンズ・ライセンスで残りの5つは適合しない。その5つの不適合な組み合わせとは相互に排他的な「nd」と「sa」条件を組み合わせた4つやどの条項も含まない残り1つである。対する11の適合する組み合わせのうち「by」の無い5つはライセンサーの98%がウェブサイト上でのリファレンスを利用可能なままにするために表示を求めているため廃止されている[3][4][5]。以下6つのライセンスが通常使用されている。

•表示(by)
•表示+改変禁止(by-nd)
•表示+継承(by-sa)
•表示+非営利(by-nc)
•表示+非営利+改変禁止(by-nc-nd)
•表示+非営利+継承(by-nc-sa)

例として表示(BY)ライセンスは原作者の表示をする限り商用利用であっても共有や改変(二次創作物の製作)が許容される[6]

表示

2004年改定のバージョン2.0以降は、全ライセンスにおいて原作者の表示が義務付けられている[4]。この「表示」は「利用可能な情報を使用する最大限の能力」に付与しなくてはならない[7]。通常、次のようなことを意味している。

  • 著作権情報を含ませる(該当する場合) - もし著作物に著作権所持者による著作権情報が含まれている場合、それらの情報はその状態で保持するか著作物を再出版する時にメディアに合理的な方法で再現する必要がある。
  • 作者名、芸名、ユーザーIDなどを引用する - もしインターネット上で公開する場合、作者名の所で(ある場合)その人物のプロフィールページにリンクした方がいい。
  • 著作物のタイトルもしくは名前を引用する(該当する場合)、もしある場合。 - もしインターネット上で公開する場合、タイトルもしくは名前をオリジナル作品に直接リンクしたほうがいい。
  • 著作者の下に特定のCCライセンスを引用する - もしインターネット上で公開する場合、ライセンスの引用をクリエイティブ・コモンズのライセンスページにリンクしたほうがいい。
  • もし二次創作物もしくは翻案である場合に告知する - 上記に加えて、著作物が二次創作物であることを識別する必要がある。例として「これは[作者]の[原作品]の完訳版です」「[作者]の[原作品]を元にした脚本です」など。

非商用ライセンス

いくつかのクリエイティブ・コモンズ・ライセンスに含まれる「非商用」条件は定義をめぐって議論になっている[8]。非商用のセッティングやアプリケーションと考えられるものの制限は他の寛容なフリーソフトウェアライセンス英語版を推進しているオープンコンテントの根幹とは異なるため時々その定義が不明瞭になっている[9]

該当する作品

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下でライセンスされた著作物は適用できる著作権法に準拠され[10]、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスが書籍、演劇、映画、音楽、記事、写真、ブログ、ウェブサイトといった著作権の概念があるすべての著作物に適用させることが出来る。しかしクリエイティブ・コモンズはクリエイティブ・コモンズ・ライセンスをソフトウェアに適用させることは推奨していない[11]

留意点

  • バージョンによって利用許諾条項の文章が一部異なるため、条件の解釈が変わる可能性がある[12]
  • 国によっては、特定の条件を満たすと著作権者の権利が一部制限されることがあるため、提示したライセンスに反して著作物が使用されてしまうことがある[14][15][16]
  • 二次的著作物には、コピーコントロール機能などの著作権に関する世界知的所有権機関条約で定義される技術的保護手段を講じることができない[17][18] 。例えば、テレビ放送する場合はコピー・ワンスダビング10などのコピー制御機能を使用することが違法となる可能性がある。ただし二次的著作物が編集著作物・データベースの著作物に該当する場合は、二次的著作物の部分以外には技術的保護手段を講じることができる[19]
  • 改変禁止が付けられた著作物では、著作物を編集して使用することはできない。例えば音楽の場合、1コーラス・イントロ部分のみ使用する、時間調整のために編集して長さを変更する、音楽を途中でフェードイン・フェードアウトする、音楽をBGMにしてしゃべる等の行為は一般的によく行われるが、元の著作物の改変となってしまい利用許諾条項に反する。画像の場合は、サイズ変更、トリミング、色相・明度・彩度調整、文字載せ等もできない。
  • 改変禁止が付けられた著作物には、それに同期する著作物を組み合わせることができない。たとえば改変禁止の条件がつけられた音楽で踊ったり、動画をつけたりすることはできない[20]。これはアメリカ・フランスなどで Synchronization Rights(シンクロ権)として認められている権利で、日本の著作権法では録音権の一部と解釈されている[21]
  • 継承が付けられた著作物を利用して二次著作物を作った場合、他者が二次著作物を元の著作物と同条件で利用することを無条件で許諾しなければならない。いわゆるライセンス感染が起きてしまう。

過去のライセンス

廃止もしくは批判があったことが原因で過去に提供されていたクリエイティブ・コモンズ・ライセンスで使われなくなり[22][3]、新たな著作物に適用させることが推奨されなくなったものがある。CC0以外で表示要素が無い全てのライセンスを含むこれらの過去のライセンスは以下の通り。

  • 発展途上国ライセンス発展途上国ライセンスとは世界銀行が所得が高くないと見なしている国にのみ適用されるライセンスである。他国の人々には完全な著作権制限が適用される[23]
  • サンプリング:著作物の一部を宣伝行為を除きいかなる目的であろうと使用出来るが、著作物全体をコピーしたり改変することはできない[24]
  • サンプリングプラス:著作物の一部を宣伝行為を除きいかなる目的であろうとコピーしたり改変できる。また著作物全体を非商用目的に限りコピーできる[25]
  • 非商用サンプリングプラス:著作物の全体もしくは一部を非商用目的にコピーしたり改変できる[26]

パブリックドメイン

ライセンスの他にクリエイティブ・コモンズは素材をCC0[27]に通してパブリックドメインとして公開する方法を提供している。CC0とは法的に可能な限りの多くの権利を世界的に放棄するための法的ツールであり2007年より開発を始め[28]、2009年にツールを公開した[29][30]

2010年、クリエイティブ・コモンズは既にパブリックドメインになっている著作物に適用されるパブリックドメインマークを発表した[31]。CC0とパブリックドメインマークは共に、アメリカ合衆国中心にアプローチし全く別なオペレーションを共に混合する「Public Domain Dedication and Certification(PDDC:公有献呈証明)」[32]を置き換えるものである。

2011年、フリーソフトウェア財団はフリーソフトウェア・ライセンスにCC0を追加し、ソフトウェアをパブリックドメインにする推奨の方法としている[33]

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスを適用したコンテンツを公開している主なプロジェクト

脚注

  1. ^ CC Affiliate Network”. Creative Commons. July 8, 2011閲覧。
  2. ^ Baseline Rights”. Creative Commons (June 12, 2008). February 22, 2010閲覧。
  3. ^ a b Retired Legal Tools”. Creative Commons. May 31, 2012閲覧。
  4. ^ a b Announcing(and explaining) our new 2.0 licenses
  5. ^ Creative Commons Licenses”. Creative Commons. February 22, 2010閲覧。
  6. ^ Creative Commons — Attribution 3.0 United States”. Creative Commons (November 16, 2009). February 22, 2010閲覧。
  7. ^ Frequently Frequently Asked Questions”. Creative Commons (February 2, 2010). February 22, 2010閲覧。
  8. ^ Defining Noncommercial report published"
  9. ^ The Case for Free Use: Reasons Not to Use a Creative Commons -NC License
  10. ^ Creative Commons Legal Code”. Creative Commons (January 9, 2008). February 22, 2010閲覧。
  11. ^ Creative Commons FAQ: Can I use a Creative Commons license for software?
  12. ^ 特にバージョン2.5からバージョン3.0への改定にあたっては利用許諾条項の文章が刷新され、「表示」の付加が義務付けられる、特定の許諾条件の変更・免除することができる等の変更があった。
  13. ^ a b Wikipedia:クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 3.0 非移植
  14. ^ 各ライセンスのMiscellaneousの項に“this License is not intended to restrict the license of any rights under applicable law.”(参考訳:このライセンスは、適用法令において許可されているいかなる権利をも、制限することはありません。[13]))とあり、ライセンスよりも著作権法における「著作権の制限」が優先して適用される。
  15. ^ クリエイティブ・コモンズ・ジャパン FAQ 詳細版 権利制限除外規定にはどんなことが書いてあるのですか?
  16. ^ 著作物が自由に使える場合は? 公益社団法人著作権情報センター
  17. ^ 各ライセンスのRestrictionsの項で規定
  18. ^ クリエイティブ・コモンズ・ジャパン FAQ 詳細版 誰かが、CCライセンスで提供されている作品をDRM(デジタル著作権管理)のツールで保護しようとしたら、どうなりますか?
  19. ^ 各ライセンスの第1条 Definitionsを参照。
  20. ^ 各ライセンスのバージョン3.0の第1条に“For the avoidance of doubt, where the Work is a musical work, performance or phonogram, the synchronization of the Work in timed-relation with a moving image ("synching") will be considered an Adaptation for the purpose of this License.”(参考訳:錯誤回避のため詳述すると、作品が音楽作品、上演、レコード、動画像と同時性を持たせた作品の同期物(以下動画と呼ぶ)はこのライセンスの目的において二次的著作物であると考えられます。[13])とある。
  21. ^ Rittor Music Magazine Web 音楽著作権ベーシック講座 第9回:映像に海外の楽曲を付けてYouTubeにアップするとき気をつけなきゃいけない「シンクロ権」ってなんですか?
  22. ^ Lessig, Lawrence (June 4, 2007). “Retiring standalone DevNations and one Sampling license”. Creative Commons. July 5, 2007閲覧。
  23. ^ Developing Nations License”. Creative Commons. 9 April 2012閲覧。
  24. ^ Sampling 1.0”. Creative Commons. 9 April 2012閲覧。
  25. ^ Sampling Plus 1.0”. Creative Commons (November 13, 2009). 9 April 2012閲覧。
  26. ^ NonCommercial Sampling Plus 1.0”. Creative Commons (November 13, 2009). 9 April 2012閲覧。
  27. ^ CC0”. Creative Commons. February 22, 2010閲覧。
  28. ^ "Creative Commons Launches CC0 and CC+ Programs" (Press release). Creative Commons. 17 December 2007. 2010年2月22日閲覧
  29. ^ Baker, Gavin (January 16, 2009). “Report from CC board meeting”. Open Access News. February 22, 2010閲覧。
  30. ^ Expanding the Public Domain: Part Zero
  31. ^ Marking and Tagging the Public Domain: An Invitation to Comment
  32. ^ Copyright-Only Dedication (based on United States law) or Public Domain Certification”. Creative Commons (August 20. 2009). February 22, 2010閲覧。
  33. ^ Using CC0 for public domain software”. Creative Commons (April 15. 2011). May 10, 2011閲覧。

関連項目

外部リンク