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: 続編作品。[[2007年]]から[[ウェブコミック]]として制作され、『[[MiChao!]]』([[講談社]])において連載された。佐々木は、「続編を描くことができるのは、旧作を愛するファンがいるということ」と喜びを語っている<ref>{{Cite web|author=[[佐々木淳子]]|url=http://web.archive.org/web/20100123181930/http://moura.jp/manga/michao/interview/077.html|title=作家インタビュー|work=[[Michao!]]|publisher=[[講談社]]|accessdate=2012-6-24}}([[インターネット |
: 続編作品。[[2007年]]から[[ウェブコミック]]として制作され、『[[MiChao!]]』([[講談社]])において連載された。佐々木は、「続編を描くことができるのは、旧作を愛するファンがいるということ」と喜びを語っている<ref>{{Cite web|author=[[佐々木淳子]]|url=http://web.archive.org/web/20100123181930/http://moura.jp/manga/michao/interview/077.html|title=作家インタビュー|work=[[Michao!]]|publisher=[[講談社]]|accessdate=2012-6-24}}([[インターネットアーカイブ]]による記録)</ref>。 |
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; 『ディメンショングリーン』 |
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: シリーズ第3作。本作連載開始時の構想ではこの3部作構成となっていたが<ref>{{Cite web|author=佐々木淳子|date=2007-03|url=http://www.sasakijunko.com/essay13.htm|title=エッセイ・ピー太の部屋 第13回|work=[http://www.sasakijunko.com/ 佐々木淳子 Official Website]|accessdate=2009年2月14日}}</ref>、単行本最終巻の後書きで、Michao!が終了したこともあって第3作の実現は不明とされており、佐々木も自分自身の作品が近年の漫画と比較して異端なもののため、第3作実現は困難との見方を示していた<ref>{{Cite book|和書|author=佐々木淳子|title=ディープグリーン|year=2009|publisher=講談社|series=ミチャオKC|volume=4|isbn=978-4-06-375860-3|pages=190頁}}</ref>。その後、担当編集者の助言などもあり、[[2010年]]に[[同人誌]]として出版され<ref>{{Cite web|author=佐々木淳子|date=2010-07|url=http://www.sasakijunko.com/essay34.htm |title=エッセイ・ピー太の部屋 第34回|work=佐々木淳子 Official Website|accessdate=2011年2月26日}}</ref>、後に[[電子書籍]]としての販売もされている。 |
: シリーズ第3作。本作連載開始時の構想ではこの3部作構成となっていたが<ref>{{Cite web|author=佐々木淳子|date=2007-03|url=http://www.sasakijunko.com/essay13.htm|title=エッセイ・ピー太の部屋 第13回|work=[http://www.sasakijunko.com/ 佐々木淳子 Official Website]|accessdate=2009年2月14日}}</ref>、単行本最終巻の後書きで、Michao!が終了したこともあって第3作の実現は不明とされており、佐々木も自分自身の作品が近年の漫画と比較して異端なもののため、第3作実現は困難との見方を示していた<ref>{{Cite book|和書|author=佐々木淳子|title=ディープグリーン|year=2009|publisher=講談社|series=ミチャオKC|volume=4|isbn=978-4-06-375860-3|pages=190頁}}</ref>。その後、担当編集者の助言などもあり、[[2010年]]に[[同人誌]]として出版され<ref>{{Cite web|author=佐々木淳子|date=2010-07|url=http://www.sasakijunko.com/essay34.htm |title=エッセイ・ピー太の部屋 第34回|work=佐々木淳子 Official Website|accessdate=2011年2月26日}}</ref>、後に[[電子書籍]]としての販売もされている。 |
2017年9月5日 (火) 00:48時点における版
ダークグリーン | |
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ジャンル | SF漫画 |
漫画 | |
作者 | 佐々木淳子 |
出版社 | 小学館 |
掲載誌 | 週刊少女コミック、コロネット |
レーベル | フラワーコミックス MF文庫 |
発表号 | 1983年第2号 - 1988年2月号 |
巻数 | 全10巻 全5巻(文庫) |
テンプレート - ノート |
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『週刊少女コミック』(小学館)に連載された。1983年第2号から1983年23号までの連載を第1章とし、その後第2章が隔月刊雑誌『コロネット』の1984年4月号から1988年2月号まで連載された。単行本全10巻。後にMF文庫(メディアファクトリー)から全5巻。
概要
「R-ドリーム」と呼ばれる奇妙な夢世界を舞台とし、「ゼル」と呼ばれる怪物たちと人間たちとの戦いを通じ、世界規模での環境問題を訴える意欲作。夢世界を描いた佐々木作品には他に、1980年に『コロネット』創刊号に掲載された『赤い壁』があり(後に東京三世社発行の短編集『Who!』に収録)、両者が比較対象となることも多い[1]。
当初の『週刊少女コミック』での第1章連載末期には、作中で軍隊などが登場する作風が少女漫画らしくなく、雑誌の編集方針にそぐわないとの理由で連載中止を言い渡され、作品序盤にして打ち切りの危機に陥っていた。当時の佐々木はもう一つの連作作品として『ブレーメン5』を『コロネット』に連載していたが、『ブレーメン5』が同様に少女漫画のイメージが少ないにもかかわらず連載が許されているのは『コロネット』の作風が比較的自由だからと知り、『ダークグリーン』の執筆を強く熱望したことから、1984年春時点で『ブレーメン5』を休載。『コロネット』上で『ダークグリーン』第2章の執筆が開始された[2]。
こうして連載が続行された本作は、後に佐々木作品の最高傑作と呼ばれるほどの大作となり[3]、連載中のバレンタインデーには読者から作中の登場人物宛に、仕事場を埋め尽くすほどのチョコレートが届くほどだった[4]。実現はしなかったものの、一時はレコード化、さらにはアニメ化の話もあったという[5]。
あらすじ
198□年12月20日。その日、世界中の人間が同じ夢を見た。
「R-ドリーム」と呼ばれるその夢の中で、人々は「ゼル」と呼ばれる謎の侵略者たちと戦い続ける。R-ドリームから出られなくなった人間は、現実では植物人間状態となり、R-ドリームの中を彷徨う羽目になる。そしてR-ドリームでの死は、現実での死となる。
美大浪人生・西荻北斗は、R-ドリームで戦士ホクトとなり、R-ドリーム最強と言われながらも自分の正体を知らずにR-ドリーム内から出られない少年リュオン、金色の肌の少女ミュロウらと知り合い、共にゼルと戦う。そして彼らはやがて、この世界の秘密へと迫っていく。
登場人物
なおR-ドリームに入れる者は、現実の容姿とは別にR-ドリームでの容姿を持つ。R-ドリームでの容姿は原則として、現実の記憶を持つ者は現実に近い容姿となるが、必ずしも現実そのままの容姿になるとは限らない。
- 西荻 北斗(にしおぎ ほくと)
- 美術大学浪人生、20歳。R-ドリームでは戦士ホクトとなり、その戦力はR-ドリームでも屈強を誇る。リュオンと知り合い、自分の正体を知らずに悲しむ彼の姿を見て、彼の正体を探し始める。
- リュオン
- R-ドリームの中でも最強と言われる少年戦士。現実世界に戻ることはできず、現実での記憶も一切憶えていない。外見は中学生ほど。北斗を慕っており、共にゼルと戦い続ける。
- ミュロウ
- R-ドリームで北斗やリュオンと行動を共にする、黄金の肌を持つ少女戦士。一人称に「僕」を名乗ることを始めとして男のような言葉遣いをする。戦力は北斗と互角。北斗に好意を抱いている。現実世界ではルパート・ダインというイギリス人男性で、ジャーナリスト(カメラマン)。ミュロウは現実での自分の姿を、ルパートはR-ドリームでの自分の姿を共に自覚していないが、後にミュロウの記憶は引き継げるようになった。ミュロウのほうはルパートを認識できないまま。
- ガストン・バロー
- 西ドイツのソルボ大学教授[6]。心理学者で、R-ドリーム研究家でもある。R-ドリームでは甲冑姿の老戦士となる。北斗と知り合い、彼の良き理解者、協力者となる。
- 後に“老”(後述)になる。
- フィーン
- R-ドリームの中で、風を奏でてR-ドリームの秘密を語るという謎の少女。言葉は話せない。武器に手を触れて戦力を失わせる能力を持つ。
- その正体は、産まれた直後にR-ドリーム患者となった赤子(特定の人間ではない)、人間界の精神世界の象徴。
- クレイン
- R-ドリームの北の果てを、10人の騎馬を引き連れて旅する屈強の女戦士。北斗のことを以前から知っているような言動を見せる。現実での記憶は持っているものの、R-ドリーム発生日以来、R-ドリームから出られずにいる。現実世界ではルツ・ヘルマンという16歳の東ドイツ人女性[6]。
- 記憶を封印する前のホクトに従い、ホクトと共にリュオンを産み出した。
- R-ドリーム内でクレインに殺された人間は、R-ドリーム内での記憶、人格を失うが現実世界で目覚めることができる。
- アブドル・アリ・アーメッド
- クレインの部下。29歳のエジプト人。クレインと共に北の果ての旅を続けており、主君であるクレインを愛している。
- 磯貝 はまぐり(いそがい はまぐり)
- 北斗の友人で、美大三浪。21歳。家は金持ちで、浪人生ながら遊び三昧の日々を送っている。R-ドリームには入れないが現実世界に進出してきたゼルを見ることはできる。
- 西荻 すばる[7](にしおぎ すばる)
- 北斗の兄で、サラリーマン。極めて現実主義で、弟の北斗が美術家を目指すことにも否定的で、普通の大学や社会人への道を勧めている。R-ドリームのことも「現実逃避」と呼んで相手にしていない。
- ヘイテス
- R-ドリーム内でゼルに対抗しようと巨大要塞と軍隊組織を造り上げる。自身の英雄化願望もあり、自分の意見に従わなかったリュオン、ホクト、ミュロウたちを監禁し、自分の言いなりに動く傀儡の贋リュオンを仕立てたりもする。
- 自分らが造り上げた対ゼル用兵器や要塞そのものがゼル化してしまう。ヘイテスは自らの誤りを悟ると、要塞を自爆させ、要塞とともに散る。
- ヤグ・ゴーマン
- ヘイテスの副官として登場。ヘイテスの要塞崩壊後もゼルと戦うため、R-ドリームを苦悩しつつ放浪する。
- 放浪の果てに、謎の老人から「これが真理だ」と小さな輝くピラミッド「トゥーポ」を渡される。トゥーポに迷いを問いかけると、即座に返答があり、しかもその答えは常に正しかった。やがてヤグ・ゴーマンは新興宗教トゥーポ教の教主として物語終盤で一大勢力を率いるようになる。
- “老”
- 年老いたR-ドリーム患者で、自然と半ば一体化している。全員で24人が存在しており、全員の“老”が力を合わせることで、人間の精神世界に干渉しリュオンを産み出したり、全世界の人間のバイオリズムを調整し、特定の時間に世界の大多数が自然に眠るように仕向けることもできる。現実世界への干渉を巡って、ゼルとの争いも行っている。
- プランテル
- 正式名称はプランテル・プランティ・プランツェルロウ。ミュロウを養分として産まれた植物の意識と人間の意志の橋渡しができる唯一の存在。ホクトとリュオンを「ダークグリーン」へと導く。
派生作品
単独記事のある作品については、詳細は内部リンク先を参照。
- 『ラデル』
- フルカラーによる外伝作品。連載中の1985年に、隔月刊雑誌『ウィングス』(新書館)上で3回に渡り掲載。後に佐々木のイラスト集『Dark green visual message 夢』(小学館、ISBN 978-4-09-199581-0)に収録され、『ダークグリーン』がメディアファクトリーにより文庫本化された際には第5巻に収録された。
- 『リュオン』
- 2002年に発表された外伝作品。
- 『ディープグリーン』
- 続編作品。2007年からウェブコミックとして制作され、『MiChao!』(講談社)において連載された。佐々木は、「続編を描くことができるのは、旧作を愛するファンがいるということ」と喜びを語っている[8]。
- 『ディメンショングリーン』
- シリーズ第3作。本作連載開始時の構想ではこの3部作構成となっていたが[9]、単行本最終巻の後書きで、Michao!が終了したこともあって第3作の実現は不明とされており、佐々木も自分自身の作品が近年の漫画と比較して異端なもののため、第3作実現は困難との見方を示していた[10]。その後、担当編集者の助言などもあり、2010年に同人誌として出版され[11]、後に電子書籍としての販売もされている。
脚注
- ^ 「特集 佐々木淳子」『ぱふ』第9巻第5号(通巻76号)、雑草社、1983年4月、21-48頁、雑誌 17561-5。
- ^ 佐々木淳子『ダークグリーン』 1巻、メディアファクトリー〈MF文庫〉、2001年、369-370頁頁。ISBN 978-4-8401-0273-5。
- ^ 『ダークグリーン』 1巻、裏表紙頁。
- ^ 佐々木淳子『ダークグリーン』 2巻、メディアファクトリー〈MF文庫〉、2001年、366頁頁。ISBN 978-4-8401-0286-5。
- ^ 佐々木淳子『ダークグリーン』 5巻、メディアファクトリー〈MF文庫〉、2001年、365-366頁頁。ISBN 978-4-8401-0343-5。
- ^ a b 連載当時は東西ドイツ分断時だった。
- ^ 『リュオン』や『ディープグリーン』では漢字表記の「西荻 昴」だが、本作ではひらがな表記。
- ^ 佐々木淳子. “作家インタビュー”. Michao!. 講談社. 2012年6月24日閲覧。(インターネットアーカイブによる記録)
- ^ 佐々木淳子 (2007年3月). “エッセイ・ピー太の部屋 第13回”. 佐々木淳子 Official Website. 2009年2月14日閲覧。
- ^ 佐々木淳子『ディープグリーン』 4巻、講談社〈ミチャオKC〉、2009年、190頁頁。ISBN 978-4-06-375860-3。
- ^ 佐々木淳子 (2010年7月). “エッセイ・ピー太の部屋 第34回”. 佐々木淳子 Official Website. 2011年2月26日閲覧。