「脆弱X症候群」の版間の差分
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X染色体中には[[脳]]の発達に必須な[[遺伝子]]の一つFMR1遺伝子が含まれる。FMR1遺伝子は通常6-45のCGG[[コドン]]のリピート(繰り返し配列)を持つが、脆弱X症候群、特に全変異例ではリピートが200を越す。そうなると正常なタンパク質(脆弱X蛋白)が合成されなくなり、脳の発達に異常を来す。なかには前変異状態で、染色体に異常はあるものの症状を示さない場合もある(保因者)。 |
X染色体中には[[脳]]の発達に必須な[[遺伝子]]の一つFMR1遺伝子が含まれる。FMR1遺伝子は通常6-45のCGG[[コドン]]のリピート(繰り返し配列)を持つが、脆弱X症候群、特に全変異例ではリピートが200を越す。そうなると正常なタンパク質(脆弱X蛋白)が合成されなくなり、脳の発達に異常を来す。なかには前変異状態で、染色体に異常はあるものの症状を示さない場合もある(保因者)。 |
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脆弱X症候群のDNA診断は1992年に確立され、どの医師でも保因者、全変異例共発見できるようになった。現在のところ治療法はなく、患者に適した指導を行いできるだけ良い生活が送れるようにすることが重要である。 |
脆弱X症候群のDNA診断は1992年に確立され、どの医師でも保因者、全変異例共発見できるようになった。現在のところ承認された治療法はなく、患者に適した指導を行いできるだけ良い生活が送れるようにすることが重要である。 |
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== 治療 == |
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[[ミノサイクリン]]は、異なる2つの[[臨床試験]]([[二重盲検法]]・[[偽薬|プラセボ]][[陰性対照|対照]]・[[ランダム化比較試験]])で成功が示されている<ref>[https://doi.org/10.3389/fnsyn.2017.00015 The Search for an Effective Therapy to Treat Fragile X Syndrome: Dream or Reality? (06 Nov 2017)]</ref>。 |
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== 資料 == |
== 資料 == |
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*[http://www.tokyo-med.ac.jp/genet/frax/whatfrxj.html 脆弱X症候群とは?] - [[東京医科大学]]小児科遺伝医学研究室の治療支援研究サイト |
*[http://www.tokyo-med.ac.jp/genet/frax/whatfrxj.html 脆弱X症候群とは?] - [[東京医科大学]]小児科遺伝医学研究室の治療支援研究サイト |
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*Verkerk, A.J., et al. Identification of a gene (FMR-1) containing a CGG repeat coincident with a breakpoint cluster region exhibiting length variation in fragile X syndrome. Cell. 65, 905-914, 1991 |
*Verkerk, A.J., et al. Identification of a gene (FMR-1) containing a CGG repeat coincident with a breakpoint cluster region exhibiting length variation in fragile X syndrome. Cell. 65, 905-914, 1991 |
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== 出典 == |
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2017年11月19日 (日) 02:17時点における版
脆弱X症候群 | |
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症候を抱える男児 | |
概要 | |
診療科 | 遺伝医学, 小児科学, 神経学 |
頻度 | Lua エラー モジュール:PrevalenceData 内、28 行目: attempt to perform arithmetic on field 'lowerBound' (a nil value) |
分類および外部参照情報 | |
ICD-10 | Q99.2 |
ICD-9-CM | 759.83 |
OMIM | 300624 |
DiseasesDB | 4973 |
MedlinePlus | 001668 |
eMedicine | ped/800 |
Patient UK | 脆弱X症候群 |
MeSH | D005600 |
脆弱X症候群(ぜいじゃくエックスしょうこうぐん、フラジャイルエックスしょうこうぐん)は、2006年現在唯一遺伝性であることが確認されている知的障害である。英語ではfragile X syndrome。「フラジャイル」はfragile(脆い、の意)のカタカナ書き。
概要
X染色体の異常に起因する疾患で、精神発達障害(場合によっては知的障害)、情緒不安定、注意欠陥と多動性、自閉症様症状、長い顔・大きな耳・扁平な足、関節(特に手指)の過伸展を伴う。男性の方が女性より症状が重く、大部分が精神発達遅滞をみせる。全人口中1000 - 2500人に1人と頻度の高い疾患である。
X染色体中には脳の発達に必須な遺伝子の一つFMR1遺伝子が含まれる。FMR1遺伝子は通常6-45のCGGコドンのリピート(繰り返し配列)を持つが、脆弱X症候群、特に全変異例ではリピートが200を越す。そうなると正常なタンパク質(脆弱X蛋白)が合成されなくなり、脳の発達に異常を来す。なかには前変異状態で、染色体に異常はあるものの症状を示さない場合もある(保因者)。
脆弱X症候群のDNA診断は1992年に確立され、どの医師でも保因者、全変異例共発見できるようになった。現在のところ承認された治療法はなく、患者に適した指導を行いできるだけ良い生活が送れるようにすることが重要である。
治療
ミノサイクリンは、異なる2つの臨床試験(二重盲検法・プラセボ対照・ランダム化比較試験)で成功が示されている[1]。
資料
- 脆弱X症候群とは? - 東京医科大学小児科遺伝医学研究室の治療支援研究サイト
- Verkerk, A.J., et al. Identification of a gene (FMR-1) containing a CGG repeat coincident with a breakpoint cluster region exhibiting length variation in fragile X syndrome. Cell. 65, 905-914, 1991
出典