「ブリガード・ド・キュイジーヌ」の版間の差分
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'''ブリゲード・ド・キュイジーヌ'''({{Lang-fr-short|''Brigade de cuisine''}}、「料理団」の意)とは、多くの従業員を雇用するフランスの[[レストラン]]および[[ホテル]]における役職システムである。英語圏の厨房従業員でも一般に使用される。この役職の概念は、[[オーギュスト・エスコフィエ]]が作り上げた。この構造化されたチームのシステムは、特定の業務を専門とする個々人に責任を委任する。 |
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[[ファイル:The Kitchen at Delmonico's, 1902.JPG|境界|右|フレームなし]] |
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'''ブリガード・ド・キュイジーヌ'''({{Lang-fr-short|''Brigade de cuisine''}})は直訳すると「'''料理団'''」であり、主に[[フランス料理]]を提供するレストランおよびホテルの[[厨房]]内に組織されている、役割分担と作業責任が明確に定められた調理師たちの集団である。英語圏の厨房でも一般にこのフランス式の呼称が用いられる。調理工程の効率化を目的にして、19世紀末にフランス人シェフの[[オーギュスト・エスコフィエ]]によって考案された。 |
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従来の厨房では、注文が来る度に手の空いている調理師から取り掛かるという雑然とした作業が行われていたが、エスコフィエは調理作業を複数の部門に分割し、それぞれに専門のシェフを置いた組織構造を導入した。各人の役割と責任を明確に定めたこのアイディアは成功し、特に[[フルコース|フルコースメニュー]]において一定の品質を保った料理を迅速に提供出来るようになった。 |
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== 役職の一覧 == |
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以下は、厨房の役職システムにおける様々な従業人の完全な一覧である。大規模な施設にのみ、これら全種の従業員がいる。多くの従業員を必要としない場合、ある役職の役割は他の役職にて兼任する。 |
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料理団の構成員は、シェフ、副シェフ、部門シェフ、准シェフ、コミ、アプランティといった職位に格付けされた。部門シェフ以下は、ソーシエ(仕上げ)、ロティシュール(主菜)、アントルメティエ(温前菜)、ガルドマンジェ(冷前菜)、パティシエ(菓子)、トゥルナン(控え)の各部門に振り分けられた。なお、下記の職位と部門一覧は古典的かつ代表的な一例であり、実際は厨房ごとに様々な違いが見られる。 |
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;[[シェフ|シェフ・ド・キュイジーヌ]](''Chef de cuisine'') |
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:料理長。厨房の全権責任者である。従業員を監督し、レストランの[[支配人]]と共に[[献立|メニュー]]と新たな[[レシピ]]を作り、食材を購入し、アプランティ(見習い)を訓練し、調理場の清潔で衛生的な環境を維持する<ref name="A_ch_2">Dominé, 32.</ref>。 |
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== 職位 == |
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;スー=シェフ・ド・キュイジーヌ(''Sous-chef de cuisine'') |
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[[ファイル:Cooks 050918 154402.jpg|サムネイル|200x200ピクセル|シェフ]] |
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:副料理長。シェフ・ド・キュイジーヌからの直接の監督下にあり厨房の管理を行う。シェフ・ド・キュイジーヌが出張・休暇などで不在のときに代理を務める<ref name="A_ch_2"/>。 |
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;シェフ・ド・ |
;[[シェフ|シェフ・ド・キュイジーヌ]](''Chef de cuisine'')「シェフ」 |
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:料理長。厨房運営の総責任者であり、メニューの作成から仕入れ管理、スタッフ管理、勤務スケジューリング、衛生チェックなどその職務は多岐に渡る。また、支配人と共に経営や広報といったマネージメント業務にも参画する事がある<ref name="A_ch_2">Dominé, 32.</ref>。大きな料理団のシェフほどマネージメントに重きを置いて、調理現場から離れる傾向もある。 |
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:部門料理長。特定の料理の調理を専門とする厨房の部門管理責任者。それぞれの部門においてキュイジニエ達を統括する<ref name="A_ch_2"/>。より少ない部門で働く場合、一般に'''デミ・シェフ'''(半料理長)と呼ばれる。 |
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;キュイジニエ(''Cuisinier'') |
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;スーシェフ・ド・キュイジーヌ(''Sous-chef de cuisine'')「副シェフ」 |
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:料理人。特定の料理の調理を専門とする厨房に所属しシェフ・ド・パルティの監督を受ける個人である<ref name="A_ch_2"/>。'''キュイジニエ・ド・パルティ'''(部門料理人)とも呼ばれる。 |
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:シェフの補佐役であり、シェフの不在時は代理となる。基本は一人だが大きな料理団では複数名置かれる事もあり、小さな料理団では省略される事もある。全体的な監督とサポートおよび部門シェフ不在時のカバーなど幅広い調理活動を行ってる事が多い。 |
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;コミ(''Commis'') |
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:“使用人”。キュイジニエ同様、特定の部門で働き、シェフ・ド・パルティの直接監督下にあり、各部門の用具を手入れする<ref name="A_ch_2"/>。 |
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; |
;シェフ・ド・パルティ(''Chef de partie'')「部門シェフ」 |
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:厨房内の部門責任者であり、調理師たちを監督する。小さな料理団では准シェフ(綴りは’’''Demi-chef''’’''だけ)と呼ばれる事もあり、これはアメリカでよく見られる。'' |
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:“研修生”。厨房で業務経験を得る。下準備、または掃除を行う<ref name="A_ch_2"/>。英語のアプレンティ(弟子、見習い)と同義。 |
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;プロンジュール(''Plongeur'') |
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;ドミシェフ・ド・パルティ(''Demi-chef de partie'')「部門准シェフ」 |
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:皿と食器を洗い、基本的な下準備を任される。 |
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:部門シェフの補佐役であり、部門内で一つの係を受け持つ。小さな料理団では置かれない事もある。 |
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:;マルミトン(''Marmiton'') |
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::より大きなレストランでは、プロンジェールの代わりに全ての[[鍋|深鍋]]と平鍋を手入れする<ref name="A_ch_3">Dominé, 33.</ref>。 |
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;コミ(''Commis'')「調理師」 |
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: |
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:初年コミは部門シェフの指導を受けながら調理を行う。また調理用具の手入れも行う。熟練コミは一人前扱いとなり、指示された中での任意の調理が許される。 |
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;ソーシエ(''Saucier'') |
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:[[ソース (調味料)|ソース]]、暖かい[[オードブル]]を調理し、肉料理を完成させる。小さなレストランでは魚料理を調理し、[[炒める|ソテー]]を調理する<ref name="A_ch_2"/>。厨房の組織内で最も尊敬される階級のひとつである。 |
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; |
;アプランティ(''Apprenti(e)'')「見習い」 |
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:研修段階の者達であり、厨房内で実務経験を積みながら下準備や清掃などの雑用を行う。 |
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:焙り焼き、直火焼き、揚げ物料理のチームを統括する<ref name="A_ch_2"/>。下の二者がいる場合は統括専門。 |
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:;グリャーダン(''Grillardin'') |
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== 部門 == |
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::より大きな厨房では、ロティシエールの代わりに焼き料理を行う<ref name="A_ch_4">The Culinary Institute of America, 8.</ref>。 |
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;ソーシエ(''Saucier'')「ソース部門」 |
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[[ファイル:Steak with five pepper sauce.jpg|サムネイル|ペッパーソース|180x180ピクセル]] |
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::より大きな厨房では、ロティシエールの代わりに揚げ物料理を行う<ref name="A_ch_4"/>。 |
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:[[ソース (調味料)|ソース]]作りを担当する。肉料理(主菜)の仕上げをして完成させる。[[ソテー|ソテー料理]]も作る。小さな厨房では魚料理も担当する。厨房内で最も名誉な役割とされる<ref name="A_ch_3">Dominé, 33.</ref>。 |
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: |
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;ポワソニエ(''Poissonnier'') |
:;ポワソニエ(''Poissonnier'')「魚料理係」 |
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::魚料理を担当する。小さな厨房ではソーシエが兼任する。レストランによっては部門シェフが監督する一つの部門になってる所もある。 |
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:魚と[[魚介類]]料理を調理する<ref name="A_ch_3"/>。 |
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;アントルメティエ(''Entremetier'') |
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<br/> |
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:肉または魚以外の料理とスープ、野菜料理や卵料理を調理する<ref name="A_ch_2"/>。下の二者がいる場合は卵料理担当。 |
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;ロティシュール(''Rôtisseur'')「肉料理部門」 |
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:;ポタジエ(''Potager'') |
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[[ファイル:Roast beef.jpg|サムネイル|ロースト|180x180ピクセル]] |
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::より大きな厨房ではアントルメティエの監督下にいる階級で、[[スープ]]を調理する<ref name="A_ch_4"/>。 |
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:肉料理を担当する。[[ロースト|遠火焼き]]、[[直火焼き]]、[[揚げ焼き]]といった調理の中で、大きな厨房では直火焼きはグリヤーディンに、揚げ焼きはフリチュリエに分担される。 |
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:;レギュミエ(''Légumier '') |
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:;グリヤーディン(''Grillardin'')「グリル係」 |
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::より大きな厨房ではアントルメティエの監督下にいる階級で、野菜料理を調理する<ref name="A_ch_4"/>。 |
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::[[直火焼き]]を担当する。小さな厨房ではロティシュールが兼任する<ref name="A_ch_4">The Culinary Institute of America, 8.</ref>。 |
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: |
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:;フリチュリエ(''Friturier'')「フライ係」 |
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;ガルド・マンジェ(''Garde manger'') |
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::[[揚げ焼き]]を担当する。小さな厨房ではロティシュールが兼任する。 |
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:冷たい[[オードブル]]調理の責任者で、[[サラダ]]を調理し、大きな宴会の飾り付けを準備し[[シャルキュテリー]]([[:en:Charcuterie]]。[[ハム]]や[[ソーセージ]]など、肉の加工品)を調理する<ref name="A_ch_2"/>。 |
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<br/> |
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;トゥルナン(Tournant) |
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;アントルメティエ(''Entremetier'')「温前菜部門」 |
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:厨房を渡り歩き、他の従業員を支援する。 |
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[[ファイル:Omlette-fold.jpg|サムネイル|オムレツ|180x180ピクセル]] |
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;[[パティシエ]](''Pâtissier'') |
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:[[アントレ]]を担当する。肉と魚以外の温かい料理を専門とし[[卵料理]]、[[スープ|スープ料理]]、[[野菜料理]]などを調理した。大きな厨房ではスープ料理はポタジエに、野菜料理はレギュミエに分担される。 |
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:菓子職人。[[デザート]]および他の食後の菓子を調理し、下の四者がいる場合は彼らを統括する。ブーランジェのいない場所では[[パン]]と他の焼菓子を調理する。レストラン用の[[パスタ]]を調理することもある<ref name="A_ch_3"/>。パティ'''シェ'''は誤記。 |
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:;ポタジエ(''Potager'')「スープ料理係」 |
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:;コンフィズール(''Confiseur'') |
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::[[ポタージュ|スープ料理]]を担当する。小さな厨房ではアントルメティエが兼任する<ref name="A_ch_4" />。 |
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::大きなレストランで、パティシエの代わりに[[キャンディ]]と[[プチフール]]を調理する<ref name="A_ch_4"/>。 |
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:; |
:;レギュミエ(''Légumier'')「野菜料理係」 |
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::[[野菜料理]]を担当する。小さな厨房ではアントルメティエが兼任する。 |
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::大きなレストランで、パティシエの代わりに[[アイスクリーム]]や[[プディング|プリン]]を調理する<ref name="A_ch_4"/>。 |
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<br/> |
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:;デコラテュール(プディング''Décorateur'') |
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;ガルドマンジェ(''Garde manger'')「冷前菜部門」 |
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::大きなレストランで、パティシエの代わりにショーピースと特別ケーキを調理する<ref name="A_ch_5">The Culinary Institute of America, 8,9.</ref>。 |
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[[ファイル:April 2012 Schnittchen nichtvegetarisch.JPG|サムネイル|オードブル|180x180ピクセル]] |
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:;ブーランジェ(''Boulanger '') |
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:[[オードブル]]を担当する。冷たい料理を専門とし[[パテ (料理)|パテ]]、[[テリーヌ]]、[[アスピック]]などを調理した。またサラダも作った。[[ハム]]、[[ソーセージ]]、[[ベーコン]]などの食肉加工品も揃えるが、大きな厨房ではシャルキュトリに分担される。また、それらを盛り付けたディッシュを[[ビュッフェ|ビュッフェテーブル]]に並べてその飾り付けも専門とした。 |
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::パン職人。大きなレストランで、パティシエの代わりに[[パン]]、[[ケーキ]]および朝食[[ペイストリー|ペストリー]]を調理する<ref name="A_ch_3"/>。 |
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:;シャルキュトリ(''Charcuterie'')「食肉加工品係」 |
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: |
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::[[ハム]]、[[ソーセージ]]、[[ベーコン]]などの食肉加工品を担当する。小さな厨房ではガルドマンジェが兼任する。 |
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;ブーシェ(''Boucher'') |
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:;ブーシェ(''Boucher'')「肉切り係」 |
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:肉、家禽、および時々魚を切り分ける。肉や魚に[[パン粉]]をまぶすことを担当することもある<ref name="A_ch_4"/>。 |
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::肉の切り分けを担当する。肉に[[パン粉]]をまぶす下ごしらえも行う。ロティシュール(肉料理部門)にも協力する。ガルドマンジェに属する事が多いが、ここは余り兼任されない。 |
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;アボュール(''Aboyeur'') |
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:テーブルから注文をとり、各部門に分配する。この役職は、スー=シェフが行うことがある<ref name="A_ch_4"/>。 |
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;[[パティシエ]](''Pâtissier'')「デザート部門」 |
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;コミュナール(''Communard'') |
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[[ファイル:Lille Meert2.JPG|サムネイル|ペイストリー|180x180ピクセル]] |
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:レストラン[[賄い料理|従業員の食事]]を調理する<ref name="A_ch_4"/>。 |
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:[[デザート]]を担当する。ブーランジェがいない時は[[パン]]と[[ペイストリー]]も作る。また[[パスタ]]を作る事もある。大きな厨房では菓子一般はコンフィズールに、[[氷菓子]]と[[生菓子]]はグラシエに、[[工芸菓子]]はデコラテュールに分担される。 |
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;ギャルソン・ド・キュイジーヌ(''Garçon de cuisine'') |
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:;ブーランジェ(''Boulanger'')「パン係」 |
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:大きなレストランで準備と補助の仕事を行う[[給仕]]<ref name="A_ch_3"/>。 |
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::[[パン]]作りと[[ペイストリー]]を担当する。小さな厨房ではパティシエが兼任する。 |
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:;コンフィズール(''Confiseur'')「菓子係」 |
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::[[キャンディ]]や[[プチフール]]など菓子一般を担当する。小さな厨房ではパティシエが兼任する。 |
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:;グラシエ(''Glacier'')「冷菓係」 |
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::[[アイスクリーム]]や[[プディング|プリン]]などの氷菓子と生菓子を担当する。小さな厨房ではパティシエが兼任する。 |
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:;デコラテュール(''Décorateur'')「工芸菓子係」 |
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::[[ピエスモンテ]]とショーピースを担当する<ref name="A_ch_5">The Culinary Institute of America, 8,9.</ref>。小さな厨房ではパティシエが兼任する。 |
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;トゥルナン(Tournant)「控え部門」 |
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:各部門を臨機応変にサポートするコミ達がここに置かれた。またその日の調理状況で手の空いたコミ達もここに回された。 |
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== 補助部門 == |
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;コミュナー(''Communard'')「賄い係」 |
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:料理団同僚たちの[[賄い料理]]を作る。大きな厨房では専門のコミ達が置かれた。小さな厨房では各部門の当直がそれぞれ料理を作って同僚全体に提供した。 |
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;プロンジュール(''Plongeur'')「皿洗い係」 |
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[[ファイル:Oredanción de una mesa-Mad ek.jpg|サムネイル|食器|180x180ピクセル]] |
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:食器と調理用具の洗浄を担当する。また調理場の片付けや清掃、厨房開始前の下準備も行う。大きな厨房では鍋器具の洗浄はマルミトンに分担される。初年コミかアプランティの役目となる。 |
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;マルミトン(''Marmiton'')「鍋洗い係」 |
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:深鍋や平鍋などの洗浄を担当する。小さな厨房ではプロンジュールが兼任する。アプランティの役目となる。 |
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;ギャルソン(''Garçon'')「雑用係」 |
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:厨房内外の雑用を行う。アプランティの役目となる。 |
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== その他 == |
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;アボユール(''Aboyeur'')「応待役」 |
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:[[ファイル:Chef préparant une truffe.jpg|サムネイル|180x180ピクセル|迎賓]]来客、賓客にその日のメニュー状況やお薦め品を説明し、また必要に応じて客席とコミュニケーションを取った。客前でパフォーマンスを兼ねた料理の仕上げをする事もある。専らシェフか副シェフが担当し、部門シェフが務める事もあった<ref name="A_ch_4" />。 |
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== 文献 == |
== 文献 == |
2019年2月25日 (月) 12:43時点における版
ブリガード・ド・キュイジーヌ(仏: Brigade de cuisine)は直訳すると「料理団」であり、主にフランス料理を提供するレストランおよびホテルの厨房内に組織されている、役割分担と作業責任が明確に定められた調理師たちの集団である。英語圏の厨房でも一般にこのフランス式の呼称が用いられる。調理工程の効率化を目的にして、19世紀末にフランス人シェフのオーギュスト・エスコフィエによって考案された。
従来の厨房では、注文が来る度に手の空いている調理師から取り掛かるという雑然とした作業が行われていたが、エスコフィエは調理作業を複数の部門に分割し、それぞれに専門のシェフを置いた組織構造を導入した。各人の役割と責任を明確に定めたこのアイディアは成功し、特にフルコースメニューにおいて一定の品質を保った料理を迅速に提供出来るようになった。
料理団の構成員は、シェフ、副シェフ、部門シェフ、准シェフ、コミ、アプランティといった職位に格付けされた。部門シェフ以下は、ソーシエ(仕上げ)、ロティシュール(主菜)、アントルメティエ(温前菜)、ガルドマンジェ(冷前菜)、パティシエ(菓子)、トゥルナン(控え)の各部門に振り分けられた。なお、下記の職位と部門一覧は古典的かつ代表的な一例であり、実際は厨房ごとに様々な違いが見られる。
職位
- シェフ・ド・キュイジーヌ(Chef de cuisine)「シェフ」
- 料理長。厨房運営の総責任者であり、メニューの作成から仕入れ管理、スタッフ管理、勤務スケジューリング、衛生チェックなどその職務は多岐に渡る。また、支配人と共に経営や広報といったマネージメント業務にも参画する事がある[1]。大きな料理団のシェフほどマネージメントに重きを置いて、調理現場から離れる傾向もある。
- スーシェフ・ド・キュイジーヌ(Sous-chef de cuisine)「副シェフ」
- シェフの補佐役であり、シェフの不在時は代理となる。基本は一人だが大きな料理団では複数名置かれる事もあり、小さな料理団では省略される事もある。全体的な監督とサポートおよび部門シェフ不在時のカバーなど幅広い調理活動を行ってる事が多い。
- シェフ・ド・パルティ(Chef de partie)「部門シェフ」
- 厨房内の部門責任者であり、調理師たちを監督する。小さな料理団では准シェフ(綴りは’’Demi-chef’’だけ)と呼ばれる事もあり、これはアメリカでよく見られる。
- ドミシェフ・ド・パルティ(Demi-chef de partie)「部門准シェフ」
- 部門シェフの補佐役であり、部門内で一つの係を受け持つ。小さな料理団では置かれない事もある。
- コミ(Commis)「調理師」
- 初年コミは部門シェフの指導を受けながら調理を行う。また調理用具の手入れも行う。熟練コミは一人前扱いとなり、指示された中での任意の調理が許される。
- アプランティ(Apprenti(e))「見習い」
- 研修段階の者達であり、厨房内で実務経験を積みながら下準備や清掃などの雑用を行う。
部門
- ソーシエ(Saucier)「ソース部門」
- ソース作りを担当する。肉料理(主菜)の仕上げをして完成させる。ソテー料理も作る。小さな厨房では魚料理も担当する。厨房内で最も名誉な役割とされる[2]。
- ポワソニエ(Poissonnier)「魚料理係」
- 魚料理を担当する。小さな厨房ではソーシエが兼任する。レストランによっては部門シェフが監督する一つの部門になってる所もある。
- ロティシュール(Rôtisseur)「肉料理部門」
- アントルメティエ(Entremetier)「温前菜部門」
- ガルドマンジェ(Garde manger)「冷前菜部門」
- オードブルを担当する。冷たい料理を専門としパテ、テリーヌ、アスピックなどを調理した。またサラダも作った。ハム、ソーセージ、ベーコンなどの食肉加工品も揃えるが、大きな厨房ではシャルキュトリに分担される。また、それらを盛り付けたディッシュをビュッフェテーブルに並べてその飾り付けも専門とした。
- パティシエ(Pâtissier)「デザート部門」
- デザートを担当する。ブーランジェがいない時はパンとペイストリーも作る。またパスタを作る事もある。大きな厨房では菓子一般はコンフィズールに、氷菓子と生菓子はグラシエに、工芸菓子はデコラテュールに分担される。
- トゥルナン(Tournant)「控え部門」
- 各部門を臨機応変にサポートするコミ達がここに置かれた。またその日の調理状況で手の空いたコミ達もここに回された。
補助部門
- コミュナー(Communard)「賄い係」
- 料理団同僚たちの賄い料理を作る。大きな厨房では専門のコミ達が置かれた。小さな厨房では各部門の当直がそれぞれ料理を作って同僚全体に提供した。
- プロンジュール(Plongeur)「皿洗い係」
- 食器と調理用具の洗浄を担当する。また調理場の片付けや清掃、厨房開始前の下準備も行う。大きな厨房では鍋器具の洗浄はマルミトンに分担される。初年コミかアプランティの役目となる。
- マルミトン(Marmiton)「鍋洗い係」
- 深鍋や平鍋などの洗浄を担当する。小さな厨房ではプロンジュールが兼任する。アプランティの役目となる。
- ギャルソン(Garçon)「雑用係」
- 厨房内外の雑用を行う。アプランティの役目となる。
その他
- アボユール(Aboyeur)「応待役」
- 来客、賓客にその日のメニュー状況やお薦め品を説明し、また必要に応じて客席とコミュニケーションを取った。客前でパフォーマンスを兼ねた料理の仕上げをする事もある。専らシェフか副シェフが担当し、部門シェフが務める事もあった[3]。
文献
- Dominé, André (ed.). Culinaria France. Cologne: Könemann Verlagsgesellschaft mbh, 1998. ISBN 978-3833111297
- The Culinary Institute of America. The Professional Chef. 8th ed. Hoboken, NJ: John Wiley & Sons, INC, 2006. ISBN 978-0764557347