「タキシン」の版間の差分
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2019年4月13日 (土) 10:39時点における版
タキシン | |
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識別情報 | |
CAS登録番号 | 12607-93-1, 108812-64-2(硫酸塩) |
特性 | |
融点 |
121-124 °C |
水への溶解度 | ほぼ不溶 |
比旋光度 [α]D | +95.7° (c = 4.59, EtOH) |
危険性 | |
半数致死量 LD50 | 硫酸塩として 19.7 mg/kg(マウス、経口) 21.9 mg/kg(マウス、腹腔) 20.2 mg/kg(ラット、皮下) |
出典 | |
Merck Index[1]. LD50[2] | |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
Taxine A | |
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(αR,βS)-β-(Dimethylamino)-α-hydroxy benzenepropanoic acid (1S,2R,3E,5S,7S,8S,10R,13S)-2,13-bis(acetyloxy)-7,10-dihydroxy-8,12,15,15-tetramethyl-9-oxotricyclo[9.3.1.14,8]hexadeca-3,11-dien-5-yl ester | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 1361-49-5 |
PubChem | 5281829 |
日化辞番号 | J704.299J |
特性 | |
化学式 | C35H47NO10 |
モル質量 | 641.75 g mol−1 |
融点 |
204-206 °C |
水への溶解度 | ほぼ不溶 |
比旋光度 [α]D | −140° (CHCl3) |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
タキシン (taxine) は、主にイチイ属の植物に含まれるテルペンアルカロイドの混合物である。外観は粒状の粉末で、CAS登録番号は [12607-93-1]。Taxine A (C35H47NO10、 [1361-49-5])、taxine B (C33H45NO8、[1361-51-9]) などが含まれる。『イチイ』の意であるラテン語『taxus』から名が取られた[3]。1950年代から1960年代にかけて分離と構造決定の研究がなされた[4]。
タキシンAおよびBのヨーロッパイチイ (Taxus baccata L.) 由来のタキシン中の含量はそれぞれ30%、1.8%である[5]。抗がん剤パクリタキセル(タキソール)の含量は0.01%と非常に低い。
毒性
心臓毒の一種であり、症状としては末梢神経性循環障害食欲廃絶、筋力低下、四肢の振戦、呼吸困難、心臓麻痺、心拍数減少、血圧低下、体温低下、痙攣、硬直など様々なものが挙げられる[6]。 症状が急速に進むため、死ぬ寸前まで気付かないことも稀では無く検死などで毒物検査を行って初めて異常な量の摂取が発覚することもある。
タキシンはカルシウムチャネルおよびナトリウムチャネルのアンタゴニストであり、心臓のイオンチャネルに対して選択性を示す[5]。
タキシン中の主要な成分はタキシンBであり、タキシンBはその他の成分よりも高い毒性を示すため、タキシンの毒性の大部分はタキシンBによるものであると考えられている[5]。
アガサ・クリスティのポケットにライ麦をでは、タキシンを用いた殺人事件が登場する。
医薬品としての利用
昔、イチイを天日干しにしたものが医薬品として使われていたことがあるが、効果の程は不明。医薬品として用いるならば、同じイチイから取れるタキサンやパクリタキセルの方が有用である。
脚注
- ^ Merck Index 14th ed., 9078.
- ^ Tekol, Y. (1991). “Acute toxicity of taxine in mice and rats”. Vet. Hum. Toxicol. 33 (4): 337-338. PMID 1897127.
- ^ 英語で『毒素』を表す『toxin』はイチイと語源を同じくする。
古代ギリシア語: τόξον(taxos、弓)→τοξικός(toksikos、弓に関する)→τοξικόν(toksikon、矢毒)→ラテン語: toxicum(毒、矢毒)→toxin。イチイの学名Taxus は、イチイが弓の材料として古くから用いられていたため。 - ^ Miller, R. W. (1980). “A Brief Survey of Taxus Alkaloids and Other Taxane Derivatives”. J. Nat. Prod. 43 (4): 425-437. doi:10.1021/np50010a001.
- ^ a b c 総説:Wilson, C. R.; Sauer, J.; Hooser, S. B. (2001). “Taxines: a review of the mechanism and toxicity of yew (Taxus spp.) alkaloids”. Toxicon 39 (2-3): 175-85. doi:10.1016/S0041-0101(00)00146-X. PMID 10978734.
- ^ 米国国立医学図書館 (National Library of Medicine) (2009年1月5日). “TAXINE” (英語). TOXNET: Toxicology Data Network. 2010年10月23日閲覧。
関連項目