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「ベンゾトリフルオリド」の版間の差分

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| MeltingPtC = -29.05
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| BoilingPtC = 103.46
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| Solubility = 0.1 g/100 mL (21 ºC)
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| SolubleOther = [[ジエチルエーテル|エーテル]]、[[ベンゼン]]、[[エタノール]]、[[アセトン]]に可溶 <br> [[ヘプタン]], [[四塩化炭素|CCl<sub>4</sub>]]と混和
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| RefractIndex = 1.41486 (13 °C)
| RefractIndex = 1.41486 (13 °C)

2019年4月13日 (土) 10:47時点における版

ベンゾトリフルオリド
識別情報
CAS登録番号 98-08-8 チェック
PubChem 7368
EC番号 202-635-0
特性
化学式 C6H5CF3
モル質量 146.11 g/mol
外観 無色透明液体
匂い 芳香
密度 1.19 g/mL (20 °C)
融点

-29.05 °C, 244 K, -20 °F

沸点

103.46 °C, 377 K, 218 °F

への溶解度 0.1 g/100 mL (21 °C)
溶解度 エーテルベンゼンエタノールアセトンに可溶
ヘプタン, CCl4と混和
屈折率 (nD) 1.41486 (13 °C)
危険性
EU分類 強い可燃性 F 環境への危険性 N
NFPA 704
3
0
0
引火点 12 °C (54 °F; 285 K)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ベンゾトリフルオリドBenzotrifluoride)は化学式C6H5CF3で表される有機化合物である。トリフルオロトルエンTrifluorotoluene)とも呼ばれる。フルオロカーボンの一種であり、無色透明の液体。

有機合成における溶媒、あるいは殺虫剤医薬品前駆体として主に利用されている[1]

合成法

実験室スケールでは、ハロゲン化アリールトリフルオロヨードメタン触媒下でカップリングさせることにより合成できる[2]

ArX + CF3I → Ar-CF3 + CuXI (X = I, Br, Cl)

巨大なスケールでは、ベンゾトリクロリドフッ化水素を加圧下で処理することにより得られる[3]

C6H5CCl3 + 3 HF → C6H5CF3 + 3 HCl

利用法

溶媒としての利用

ベンゾトリフルオリドは、通常溶媒にジクロロメタンを用いるようなアシル化トシル化シリル化の代替溶媒としての利用ができる[4]。ジクロロメタンとベンゾトリフルオリドの比誘電率はそれぞれ9.04と9.18とよく似た値を示し、近い溶媒効果を与えることが予想される。ジクロロメタンの代替溶媒としてベンゾトリフルオリドを用いる利点は、その比較的高い沸点にある(ジクロロメタンは40℃、ベンゾトリフルオリドは102℃)。

合成中間体としての利用

ベンゾトリフルオリド誘導体である3-(トリフルオロメチル)アニリンは、除草剤フルオメツロン前駆体である[3]。ベンゾトリフルオリドのニトロ化からの還元反応により3-(トリフルオロメチル)アニリン生成し、尿素と反応させてフルオメツロンを得る。

骨格筋弛緩剤である、フルキサメタミド((6-[4-(トリフルオロメチル)]フェニル)モルホリン-3-オン)はベンゾトリフルオリドより合成される[1]

脚注

  1. ^ a b Banks, R.E. Organofluorine Chemicals and their Industrial Applications, Ellis Horwood LTD, Chichester, 1979.
  2. ^ Ogawa, Akiya; Tsuchii, Kaname "α,α,α-Trifluorotoluene" in Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis 2005, John Wiley and Sons. doi: 10.1002/047084289X.rn00653
  3. ^ a b Siegemund, Günter "Aromatic Compounds with Fluorinated Side-Chains" in Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry 2005, Wiley-VCH. doi:10.1002/14356007.a11_349.
  4. ^ Ogawa, Akiya; Curran, Dennis P. "Benzotrifluoride: A Useful Alternative Solvent for Organic Reactions Currently Conducted in Dichloromethane and Related Solvents" Journal of Organic Chemistry 1997, volume 62, pp. 450-451. doi:10.1021/jo9620324