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つまり、「ジュラシック・パークの」ディロフォサウルス像と、学術研究されているディロフォサウルスの姿は、同名の別物である。
つまり、「ジュラシック・パークの」ディロフォサウルス像と、学術研究されているディロフォサウルスの姿は、同名の別物である。


他のフィクションにおいても、「ジュラシック・パークのフィクションディロフォサウルス」をモデルとしたとみられる造形例もある。日本のアニメ「[[恐竜冒険記ジュラトリッパー]]」、『[[ゾイド]]』シリーズに登場するディロフォサウルス型ゾイド「[[SSゾイド|ディロフォース]]」、[[Xbox]]用ゲームソフト「[[ダイナソーハンティング 〜失われた大地〜 |ダイナソー・ハンティング]]」など。
他のフィクションにおいても、「ジュラシック・パークのフィクションディロフォサウルス」をモデルとしたとみられる造形例もある。日本のアニメ「[[恐竜冒険記ジュラトリッパー]]」、『[[ゾイド]]』シリーズに登場するディロフォサウルス型ゾイド「[[SSゾイド|ディロフォース]]」、[[Xbox (ゲーム機)|Xbox]]用ゲームソフト「[[ダイナソーハンティング 〜失われた大地〜 |ダイナソー・ハンティング]]」など。


== 外部リンク ==
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2020年1月1日 (水) 08:06時点における版

ディロフォサウルス
生息年代: 中生代ジュラ紀前期, 193 Ma
ディロフォサウルスの復元
地質時代
中生代ジュラ紀前期
(約1億9,300万年前)
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
下綱 : 主竜形下綱 Archosauromorpha
上目 : 恐竜上目 Dinosauria
: 竜盤目 Sauriscia
亜目 : 獣脚亜目 Theropoda
: ディロフォサウルス科 Dilophosauridae
: ディロフォサウルス属 Dilophosaurus
学名
Dilophosaurus
和名
ディロフォサウルス属
  • D. wetherilli

ディロフォサウルス学名Dilophosaurus)は、ジュラ紀前期シネムール期からプリンスバック期にかけて北米・中国に生息した[1]原始的な獣脚類恐竜。頭骨の上部に1対を持つ半月状の鶏冠が特徴的で、「2つの隆起を持つトカゲ」という意味の学名はこれに依るもの。

小説・映画『ジュラシック・パーク』に登場することで知られるが、同名の別物といえるほど異なるものになっている(後述)。

特徴

ディロフォサウルスの体長は5 - 7メートルと、獣脚類としては中型の部類になる。

特徴的な頭骨は比較的細長く、上部に半月状の鶏冠(とさか)を一対持つ。この鶏冠は非常に薄くもろかったため、用途はもっぱらディスプレーであったとの解釈が一般的である。また、上顎の前部(前上顎骨)と後部(上顎骨)の間で歯列が分かれており、このうち前上顎骨の歯は反りがなく真直ぐであるなどコエロフィシスと似た特徴を持つ。また、この細長い頭部と反りのない歯という特徴は現生のワニバリオニクスなどのスピノサウルス科とも類似の特徴であるため、同じように魚食性であったと考えられるが直接的な証拠は見つかっていない。一般にはトカゲのような小型の爬虫類やより小型の恐竜を捕食していた、あるいは腐肉食性で死肉を食べていたと考えられている。

分類

系統

ディロフォサウルス属の分類については諸説ある。以下に主なものを挙げる。

3種記載されていたが現在は2種が記載されている。

ウェテリリの復元模型/ポーランド地質調査所博物館(ワルシャワ)
ディロフォサウルス・ウェテリリ D. wetherilli
米国アリゾナ州Tuba City西方のナバホ族保留地で発見されたディロフォサウルス属最初の種である。発見当時はメガロサウルスの1種であると考えられ、1954年サミュエル・ウェルズによる記載ではメガロサウルス・ウェテリリ Megalosaurus wetherilli とされていた。しかし同属との違いが明確になったことからウェルズは1970年にディロフォサウルス属を創設し、ウェテリリ種をここに含めた。全長は6 - 7メートル、体重は300 - 400キログラムである。
ディロフォサウルス・ブリードルム D. breedorum
米国アリゾナ州で発見されたとされるディロフォサウルス属第3の種である。1995年にサミュエル・ウェルズよって記載された。

その他

小説・映画『ジュラシック・パーク』に登場し、映画が世界的に大ヒットしたことで、知名度が上がった。最大の特徴である「頭骨の上部に1対を持つ半月状の鶏冠」は再現されてはいる。

1990年に発表された原作小説では毒の入った唾液で狩りや防衛を行うような生態で描かれている。さらに1993年の映画では小柄な恐竜で、エリマキトカゲのように襟飾りを広げる。これらは脚色・演出・フィクションである(特に映画は視覚演出という側面を持つ。またサイズについては幼体であるという可能性はある)。生物的考察を経てはいるが、化石証拠に基づいたものではない。映画公開後に現実の恐竜研究は劇的に進歩したが、映画公開前のディロフォサウルス像とも映画公開後のディロフォサウルス像ともまったく異なる。

まずジュラシック・パークの恐竜造形は当時の恐竜像に則っている(考慮要素が1990年代初頭までに限定される)。さらに作中での前提として、化石のDNAは経年劣化で不完全なので「遺伝子を改造した上で」再生されている(※ジュラシック・パーク#恐竜の再生)。その上でディロフォサウルスに関してはフィクションの度合が特に大きくなっている。

つまり、「ジュラシック・パークの」ディロフォサウルス像と、学術研究されているディロフォサウルスの姿は、同名の別物である。

他のフィクションにおいても、「ジュラシック・パークのフィクションディロフォサウルス」をモデルとしたとみられる造形例もある。日本のアニメ「恐竜冒険記ジュラトリッパー」、『ゾイド』シリーズに登場するディロフォサウルス型ゾイド「ディロフォース」、Xbox用ゲームソフト「ダイナソー・ハンティング」など。

外部リンク

  1. ^ 中国で見つかったものは、「シノサウルス」と名付けられている別種となった。