「パンダ」の版間の差分
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'''パンダ''' (panda) は、[[ネコ目]](食肉目)に属する'''[[ジャイアントパンダ]]'''([[クマ科]])と[[レッサーパンダ]]([[レッサーパンダ科]])の2種の総称。'''熊猫'''(くまねこ)とも。ただし単にパンダといった場合、ジャイアントパンダのことを指すことが多い。 |
'''パンダ''' (panda) は、[[ネコ目]](食肉目)に属する'''[[ジャイアントパンダ]]'''([[クマ科]])と[[レッサーパンダ]]([[レッサーパンダ科]])の2種の総称。'''熊猫'''(くまねこ)とも。ただし単にパンダといった場合、ジャイアントパンダのことを指すことが多い。 |
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ジャイアントパンダとレッサーパンダは食肉目に属しながらともに草食適応を果たした種であるが、Ledje and Arnason(1996a, b)の分子系統解析などにより両者は近縁ではないと結論づけられている<ref name="sato">{{Cite journal|和書|author=佐藤淳, Wolsan Mieczyslaw|url=https://doi.org/10.11238/mammalianscience.52.23 |title=レッサーパンダ(''Ailurus fulgens'')の進化的由来 |journal=哺乳類科学|date=2012| |
ジャイアントパンダとレッサーパンダは食肉目に属しながらともに草食適応を果たした種であるが、Ledje and Arnason(1996a, b)の分子系統解析などにより両者は近縁ではないと結論づけられている<ref name="sato">{{Cite journal|和書|author=佐藤淳, Wolsan Mieczyslaw|url=https://doi.org/10.11238/mammalianscience.52.23 |title=レッサーパンダ(''Ailurus fulgens'')の進化的由来 |journal=哺乳類科学|date=2012|volume=52|issue=1|pages=23-40|publisher= 日本哺乳類学会|doi=10.11238/mammalianscience.52.23|accessdate=2019-11-16}}</ref>。 |
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== 呼称 == |
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2020年1月25日 (土) 01:38時点における版
パンダ | |||||||||||||||||||||
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![]() ![]() | |||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||
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和名 | |||||||||||||||||||||
パンダ、熊猫 | |||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||
Panda | |||||||||||||||||||||
属 | |||||||||||||||||||||
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パンダ (panda) は、ネコ目(食肉目)に属するジャイアントパンダ(クマ科)とレッサーパンダ(レッサーパンダ科)の2種の総称。熊猫(くまねこ)とも。ただし単にパンダといった場合、ジャイアントパンダのことを指すことが多い。
ジャイアントパンダとレッサーパンダは食肉目に属しながらともに草食適応を果たした種であるが、Ledje and Arnason(1996a, b)の分子系統解析などにより両者は近縁ではないと結論づけられている[1]。
呼称
単にパンダといった場合にはジャイアントパンダのことを指すことが多い。しかし、先に西洋に報告されたのは1821年に博物学者に知られることとなったレッサーパンダ(Hardwicke,1826)でジャイアントパンダが報告される(David,1869)まで唯一のパンダとして知られていた[1]。
先に発見されたレッサーパンダに対して「パンダ」と命名され、後に類縁関係にあると見做されたジャイアントパンダが発見されたことを受けて、従来のパンダをレトロニムでレッサーパンダ(英lesser panda 「小さい方のパンダ」の意)と呼ぶようになったという経緯がある[2]。
パンダの語源は明らかでないがネパール語のnigalya ponyaだといわれている(nigalyaは竹、ponyaは母指球あるいは爪を意味するponjaに由来)[1]。
中国語では、パンダを熊猫(繁体字: 熊貓、簡体字: 熊猫、拼音: )、ジャイアントパンダを大熊猫(繁体字: 大熊貓、簡体字: 大熊猫)、レッサーパンダを小熊猫(繁体字: 小熊貓、簡体字: 小熊猫)と呼ぶ。これらの使い分けは、本項のパンダと同様である。「熊猫」の字義に着目すると、ジャイアントパンダと体格などの共通点に乏しい「猫」の字が使われていることは不可解であるが、原義はレッサーパンダのことだということを念頭に置けば理解しやすい。なお、現在の台湾では「猫熊」と呼ばれている。
パンダの系統問題
ジャイアントパンダとレッサーパンダの類縁関係については現生種が少ないこともあり長く議論が行われた[1]。
分子系統学等による解明
ジャイアントパンダとレッサーパンダは高度に草食適応を示す種で、ともに竹を主食にしており、それを掴むため前肢の橈側手根骨が肥大化している[1]。このことから、これら2種は近縁と考えられ、パンダ科(Ailuridae、先に発見されたレッサーパンダ属が模式のためレッサーパンダ科とも)が置かれることもあった。クマ科やアライグマ科に入れられるときも、2種が近縁であることを前提として論じられることが多かった。
しかし、ジャイアントパンダについてはDavid(1869)やDavis(1964)の解剖学的分析によりクマ科の系統に近縁な種とされ、分子情報を用いた研究からもそれが明かになった[1]。一方でレッサーパンダの進化的類縁関係については21世紀になってからも議論が続いたが、2010年代にはレッサーパンダはイタチ上科の中でスカンク科に続いて2番目に分岐した系統であるとみられるに至った[1]。ジャイアントパンダはクマ科、レッサーパンダはレッサーパンダ科(現生種はレッサーパンダのみ)に分類されている。この両科の関係は遠い。2種の共通点は収斂進化によるものだったことが判明している。
パンダを含む系統
M.J.Salesaらによる系統[3]を、絶滅種を除くなどして簡略化。なお、『ネコ目』に書かれている分類と異なり、スカンク科を置いていない。
レッサーパンダ科(Ailuridae)は訳が違うだけでかつてのパンダ科と同じ科だが、現在のレッサーパンダ科に含まれるのはレッサーパンダおよび近縁と考えられる化石種のみである。
脚注
- ^ a b c d e f g 佐藤淳, Wolsan Mieczyslaw「レッサーパンダ(Ailurus fulgens)の進化的由来」『哺乳類科学』第52巻第1号、日本哺乳類学会、2012年、23-40頁、doi:10.11238/mammalianscience.52.23、2019年11月16日閲覧。
- ^ “「ボクが元祖!!」レッサーパンダ : 動物たちのヒミツ箱 : 初めてのこだわり : 新おとな総研”. YOMIURI ONLINE (読売新聞社). (2011年6月22日). オリジナルの2013年8月11日時点におけるアーカイブ。 2013年8月11日閲覧。
- ^ Salesa MJ et al. (2005). Evidence of a false thumb in a fossil carnivore clarifies the evolution of pandas. Proc Natl Acad Sci U S A. 2005 Dec 30