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「デクスメデトミジン」の版間の差分

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== 副作用 ==
== 副作用 ==
デクスメデトミジンには絶対的禁忌は無い。 デクスメデトミジンは、投与量により二相性の[[血圧]]への変化を来す。低濃度では血圧を降下させ、高濃度では血圧を上昇させる<ref>{{Cite journal|last=Ebert|first=T. J.|date=2000-08-01|title=The effects of increasing plasma concentrations of dexmedetomidine in humans|journal=Anesthesiology|volume=93|issue=2|pages=382–394|DOI=10.1097/00000542-200008000-00016|ISSN=0003-3022|PMID=10910487}}</ref>。急速静脈内投与は末梢血管でのα2受容体を介し、[[徐脈]]、さらには低血圧を来す。
デクスメデトミジンには絶対的禁忌は無い。 デクスメデトミジンは、投与量により二相性の[[血圧]]への変化を来す。低濃度では血圧を降下させ、高濃度では血圧を上昇させる<ref>{{Cite journal|last=Ebert|first=T. J.|date=2000-08-01|title=The effects of increasing plasma concentrations of dexmedetomidine in humans|journal=Anesthesiology|volume=93|issue=2|pages=382–394|doi=10.1097/00000542-200008000-00016|issn=0003-3022|pmid=10910487}}</ref>。急速静脈内投与は末梢血管でのα2受容体を介し、[[徐脈]]、さらには低血圧を来す。


== 歴史 ==
== 歴史 ==
デクスメデトミジンは1999年の米国食品医薬品局(FDA)により、短期間の鎮静、鎮痛(<24時間)として、[[人工呼吸器]]を必要とする重症疾患・外傷患者の [[集中治療室|集中治療部]] (ICU)での使用を承認された。 短期間である理由は、反動性高血圧などの離脱による副作用のためである。 しかし、これらの離脱症状については研究では一貫して観察されていない<ref>{{Cite journal|last=Shehabi|first=Yahya|date=2004-12-01|title=Dexmedetomidine infusion for more than 24 hours in critically ill patients: sedative and cardiovascular effects|journal=Intensive Care Medicine|volume=30|issue=12|pages=2188–2196|DOI=10.1007/s00134-004-2417-z|ISSN=0342-4642|PMID=15338124}}</ref>。2008年にFDAは、デクスメデトミジンの適応症を、挿管されていない外科的または非外科的処置([[大腸内視鏡]]など)での鎮静へと拡大した。
デクスメデトミジンは1999年の米国食品医薬品局(FDA)により、短期間の鎮静、鎮痛(<24時間)として、[[人工呼吸器]]を必要とする重症疾患・外傷患者の [[集中治療室|集中治療部]] (ICU)での使用を承認された。 短期間である理由は、反動性高血圧などの離脱による副作用のためである。 しかし、これらの離脱症状については研究では一貫して観察されていない<ref>{{Cite journal|last=Shehabi|first=Yahya|date=2004-12-01|title=Dexmedetomidine infusion for more than 24 hours in critically ill patients: sedative and cardiovascular effects|journal=Intensive Care Medicine|volume=30|issue=12|pages=2188–2196|doi=10.1007/s00134-004-2417-z|issn=0342-4642|pmid=15338124}}</ref>。2008年にFDAは、デクスメデトミジンの適応症を、挿管されていない外科的または非外科的処置([[大腸内視鏡]]など)での鎮静へと拡大した。


== 脚注 ==
== 脚注 ==

2020年1月25日 (土) 16:16時点における版

デクスメデトミジン
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
販売名 プレセデックス, Precedex, Dexdor, Dexdomitor, Sileo
Drugs.com monograph
胎児危険度分類
  • US: C
法的規制
  • JP: 劇薬、習慣性医薬品、処方箋医薬品
  • US: -only
投与経路 Intravenous infusion only
薬物動態データ
血漿タンパク結合> 94%
代謝肝臓でほぼすべて不活化代謝物となる
半減期2 時間
排泄尿中排泄
識別
CAS番号
113775-47-6 チェック
ATCコード N05CM18 (WHO)
PubChem CID: 68602
IUPHAR/BPS 521
DrugBank DB00633 チェック
ChemSpider 4470605 チェック
UNII 67VB76HONO チェック
KEGG D00514  チェック
ChEBI CHEBI:4466 チェック
ChEMBL CHEMBL778 チェック
化学的データ
化学式C13H16N2
分子量200.28 g/mol
テンプレートを表示

デクスメデトミジン(Dexmedetomidine)は麻酔薬のひとつ。商品名は「プレセデックス」(丸石製薬製造販売)。抗不安薬鎮静作用鎮痛作用を持つ。デクスメデトミジンの特徴は、プロポフォールフェンタニルミダゾラムなどの薬剤に比べ呼吸抑制が少ないこと、また半覚醒状態での鎮静が図れることである。 獣医学領域で用いられるメデトミジン光学異性体を含んでいるが、L体には活性が少なく[1]、活性の強いD体のみを光学分割したものがデクスメデトミジンである。 類似薬剤のクロニジン clonidineは、 アゴニスト として脳の一部で α2アドレナリン受容体に結合する[2]。デクスメデトミジン塩酸塩は獣医学領域でもに用いられる[3]。この薬剤は オリオンファーマが開発した[4]

副作用

デクスメデトミジンには絶対的禁忌は無い。 デクスメデトミジンは、投与量により二相性の血圧への変化を来す。低濃度では血圧を降下させ、高濃度では血圧を上昇させる[5]。急速静脈内投与は末梢血管でのα2受容体を介し、徐脈、さらには低血圧を来す。

歴史

デクスメデトミジンは1999年の米国食品医薬品局(FDA)により、短期間の鎮静、鎮痛(<24時間)として、人工呼吸器を必要とする重症疾患・外傷患者の 集中治療部 (ICU)での使用を承認された。 短期間である理由は、反動性高血圧などの離脱による副作用のためである。 しかし、これらの離脱症状については研究では一貫して観察されていない[6]。2008年にFDAは、デクスメデトミジンの適応症を、挿管されていない外科的または非外科的処置(大腸内視鏡など)での鎮静へと拡大した。

脚注

  1. ^ Segal IS, et al. Dexmedetomidine diminishes halothane anesthetic requirements in rats through a postsynaptic alpha 2 adrenergic receptor. Anesthesiology 1988;69:818-823.
  2. ^ 。 Cormack JR, et al. The role of alpha2-agonists in neurosurgery. Journal of Clinical Neuroscience. 2004;12(4):375–8. doi:10.1016/j.jocn.2004.06.008. PMID 15925765.
  3. ^ http://www.dexdomitor.com/
  4. ^ http://orion.fi/en/Research-and-developement/Achievements/
  5. ^ Ebert, T. J. (2000-08-01). “The effects of increasing plasma concentrations of dexmedetomidine in humans”. Anesthesiology 93 (2): 382–394. doi:10.1097/00000542-200008000-00016. ISSN 0003-3022. PMID 10910487. 
  6. ^ Shehabi, Yahya (2004-12-01). “Dexmedetomidine infusion for more than 24 hours in critically ill patients: sedative and cardiovascular effects”. Intensive Care Medicine 30 (12): 2188–2196. doi:10.1007/s00134-004-2417-z. ISSN 0342-4642. PMID 15338124.