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'''bioRxiv'''（バイオアーカイヴ）は[[2013年]]11月に開始された[[生物学]]の[[プレプリントサーバ|プレプリント]][[機関リポジトリ|リポジトリ]]である<ref name="Nature1">{{Cite journal|last=Callaway|author=|first=Ewen|year=|date=2013-11-12|title=Preprints come to life|journal=[[Nature (journal)|Nature]]|volume=503|issue=7475|page=180|language=en|DOI=10.1038/503180a}}</ref>。正式な表記はbioRχivで、χはエックスではなくギリシャ文字の[[χ]]（カイ）である。[[コールド・スプリング・ハーバー研究所]] (Cold Spring Harbor Laboratory, CSHL) が運営している<ref name=":0">{{Cite web|url=http://biorxiv.org/about-biorxiv|title=About bioRxiv|accessdate=2016-09-07|work=bioRxiv|publisher=[[コールド・スプリング・ハーバー研究所]]}}</ref>。プレプリントであるので、bioRχivが提供する論文は[[査読]]されていない。しかし基本的な選別と[[盗用|剽窃]]の判別は行われている。読者はプレプリント論文にコメントを付けることができる。
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== 概説 ==
== 概説 ==
bioRχivは、1991年に[[ポール・ギンスパーグ]]によって設立された[[物理学]]とその関連分野のリポジトリである[[arXiv]]に触発された。ギンスパーグはbioRχivの諮問委員も務めている。bioRχivはコールド・スプリング・ハーバー研究所とLourie Foundationの支援を受けている<ref name="ASAPbio">{{Cite web|url=http://asapbio.org/biorxiv|title=bioRxiv: a progress report|accessdate=2016-09-11|date=12 February 2016|work=[[ASAPbio]]}}</ref>。更に2017年4月にはチャン・ザッカーバーグ・イニシアチブ（[[:en:Chan Zuckerberg Initiative|Chan Zuckerberg Initiative]], [[Facebook]]の創業者[[マーク・ザッカーバーグ]]とその妻[[プリシラ・チャン (慈善家)|プリシラ・チャン]]が設立した財団）からも資金提供を受けると発表された<ref>{{Cite journal|last=Callaway|author=|first=Ewen|year=|date=2017-04-26|title=BioRxiv preprint server gets cash boost from Chan Zuckerberg Initiative|url=https://www.nature.com/news/biorxiv-preprint-server-gets-cash-boost-from-chan-zuckerberg-initiative-1.21894|journal=Nature|volume=|page=|language=en|DOI=10.1038/nature.2017.21894}}</ref><ref>{{Cite news|title=BioRxiv preprint server gets funding from Chan Zuckerberg Initiative|newspaper=[[サイエンス|Science]]|date=2017-04-26|author=Jocelyn Kaiser|url=http://www.sciencemag.org/news/2017/04/biorxiv-preprint-server-gets-funding-chan-zuckerberg-initiative|accessdate=2017-04-28|language=en}}</ref>。
bioRχivは、1991年に[[ポール・ギンスパーグ]]によって設立された[[物理学]]とその関連分野のリポジトリである[[arXiv]]に触発された。ギンスパーグはbioRχivの諮問委員も務めている。bioRχivはコールド・スプリング・ハーバー研究所とLourie Foundationの支援を受けている<ref name="ASAPbio">{{Cite web|url=http://asapbio.org/biorxiv|title=bioRxiv: a progress report|accessdate=2016-09-11|date=12 February 2016|work=[[ASAPbio]]}}</ref>。更に2017年4月にはチャン・ザッカーバーグ・イニシアチブ（[[:en:Chan Zuckerberg Initiative|Chan Zuckerberg Initiative]], [[Facebook]]の創業者[[マーク・ザッカーバーグ]]とその妻[[プリシラ・チャン (慈善家)|プリシラ・チャン]]が設立した財団）からも資金提供を受けると発表された<ref>{{Cite journal|last=Callaway|author=|first=Ewen|year=|date=2017-04-26|title=BioRxiv preprint server gets cash boost from Chan Zuckerberg Initiative|url=https://www.nature.com/news/biorxiv-preprint-server-gets-cash-boost-from-chan-zuckerberg-initiative-1.21894|journal=Nature|volume=|page=|language=en|doi=10.1038/nature.2017.21894}}</ref><ref>{{Cite news|title=BioRxiv preprint server gets funding from Chan Zuckerberg Initiative|newspaper=[[サイエンス|Science]]|date=2017-04-26|author=Jocelyn Kaiser|url=http://www.sciencemag.org/news/2017/04/biorxiv-preprint-server-gets-funding-chan-zuckerberg-initiative|accessdate=2017-04-28|language=en}}</ref>。


bioRχiv設立以前、生物学者たちは専用のプレプリントリポジトリを持つという問題について分裂していた。大多数の者は、自分たちの研究が競争相手に先を越され、発見の請求権を失う事を懸念していた。しかし、一部の[[遺伝学者]]たちはarXivリポジトリの定量生物学区分へ論文を投稿しており、発見の主張の根拠としてプレプリントを指定できるようになっていた為、これらの懸念はもはや無くなっていた<ref name="Nature2">{{Cite journal|last=Callaway|author=|first=Ewen|year=|date=2012-07-31|title=Geneticists eye the potential of arXiv|journal=[[Nature (journal)|Nature]]|volume=488|issue=7409|page=19|DOI=10.1038/488019a|PMID=22859182}}</ref>。
bioRχiv設立以前、生物学者たちは専用のプレプリントリポジトリを持つという問題について分裂していた。大多数の者は、自分たちの研究が競争相手に先を越され、発見の請求権を失う事を懸念していた。しかし、一部の[[遺伝学者]]たちはarXivリポジトリの定量生物学区分へ論文を投稿しており、発見の主張の根拠としてプレプリントを指定できるようになっていた為、これらの懸念はもはや無くなっていた<ref name="Nature2">{{Cite journal|last=Callaway|author=|first=Ewen|year=|date=2012-07-31|title=Geneticists eye the potential of arXiv|journal=[[Nature (journal)|Nature]]|volume=488|issue=7409|page=19|doi=10.1038/488019a|pmid=22859182}}</ref>。


[[Science|Science誌]]のJocelyn Kaiserは、最初の年に824報のプレプリントの投稿があり、「少数ながらも論文の流れを引き寄せた」と述べている<ref name="Science">{{Cite web|url=http://www.sciencemag.org/news/2014/11/biorxiv-1-year-promising-start|title=BioRxiv at 1 year: A promising start|accessdate=2016-09-07|author=Jocelyn Kaiser|date=2014-11-11|publisher=[[サイエンス|Science]]}}</ref>。その結果、全てではないが幾つかの生物学[[学術雑誌|ジャーナル]]がプレプリントに関するポリシーの更新を行った。彼らはプレプリントがインゲルフィンガー・ルール ([[:en:Ingelfinger rule|Ingelfinger rule]]) に当てはまる「事前の出版物」であるとは考えていないと明確にしている。
[[Science|Science誌]]のJocelyn Kaiserは、最初の年に824報のプレプリントの投稿があり、「少数ながらも論文の流れを引き寄せた」と述べている<ref name="Science">{{Cite web|url=http://www.sciencemag.org/news/2014/11/biorxiv-1-year-promising-start|title=BioRxiv at 1 year: A promising start|accessdate=2016-09-07|author=Jocelyn Kaiser|date=2014-11-11|publisher=[[サイエンス|Science]]}}</ref>。その結果、全てではないが幾つかの生物学[[学術雑誌|ジャーナル]]がプレプリントに関するポリシーの更新を行った。彼らはプレプリントがインゲルフィンガー・ルール ([[:en:Ingelfinger rule|Ingelfinger rule]]) に当てはまる「事前の出版物」であるとは考えていないと明確にしている。
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== 参考文献 ==
== 参考文献 ==

2020年1月25日 (土) 16:39時点における版

bioRxiv
URL biorxiv.org
言語 English
タイプ Science
運営者 コールド・スプリング・ハーバー研究所
スローガン The Preprint Server for Biology
営利性 No
開始 2013年11月 (10年前) (2013-11)
現在の状態 Online

bioRxiv（バイオアーカイヴ）は2013年11月に開始された生物学のプレプリントリポジトリである[1]。正式な表記はbioRχivで、χはエックスではなくギリシャ文字のχ（カイ）である。コールド・スプリング・ハーバー研究所 (Cold Spring Harbor Laboratory, CSHL) が運営している[2]。プレプリントであるので、bioRχivが提供する論文は査読されていない。しかし基本的な選別と剽窃の判別は行われている。読者はプレプリント論文にコメントを付けることができる。

概説

bioRχivは、1991年にポール・ギンスパーグによって設立された物理学とその関連分野のリポジトリであるarXivに触発された。ギンスパーグはbioRχivの諮問委員も務めている。bioRχivはコールド・スプリング・ハーバー研究所とLourie Foundationの支援を受けている[3]。更に2017年4月にはチャン・ザッカーバーグ・イニシアチブ（Chan Zuckerberg Initiative, Facebookの創業者マーク・ザッカーバーグとその妻プリシラ・チャンが設立した財団）からも資金提供を受けると発表された[4][5]。

bioRχiv設立以前、生物学者たちは専用のプレプリントリポジトリを持つという問題について分裂していた。大多数の者は、自分たちの研究が競争相手に先を越され、発見の請求権を失う事を懸念していた。しかし、一部の遺伝学者たちはarXivリポジトリの定量生物学区分へ論文を投稿しており、発見の主張の根拠としてプレプリントを指定できるようになっていた為、これらの懸念はもはや無くなっていた[6]。

Science誌のJocelyn Kaiserは、最初の年に824報のプレプリントの投稿があり、「少数ながらも論文の流れを引き寄せた」と述べている[7]。その結果、全てではないが幾つかの生物学ジャーナルがプレプリントに関するポリシーの更新を行った。彼らはプレプリントがインゲルフィンガー・ルール (Ingelfinger rule) に当てはまる「事前の出版物」であるとは考えていないと明確にしている。

2015年、bioRχivのプレプリントは20,000を超えるツイートを作り出した。2016年2月には、bioRχivへの投稿数は一月あたり60から200へと着実に増加し、合計で3100報が受理されている。2017年4月21日時点で、採択数は10,000報を超えており[8]、毎月の投稿数は620件を超えている[9]。

分野

bioRχivは以下の分野でプレプリントを受け入れている[2]。

bioRxiv to Journals

The bioRxiv to Journals (B2J)イニシアチブにより、著者はbioRxivを通じて雑誌提出システムに原稿を直接提出することができる。 現在B2Jに参加しているジャーナルの一覧：

関連項目

外部リンク

参考文献

  1. ^ Callaway, Ewen (2013-11-12). “Preprints come to life” (英語). Nature 503 (7475): 180. doi:10.1038/503180a. 
  2. ^ a b “About bioRxiv”. bioRxiv. コールド・スプリング・ハーバー研究所. 2016年9月7日閲覧。
  3. ^ “bioRxiv: a progress report”. ASAPbio (2016年2月12日). 2016年9月11日閲覧。
  4. ^ Callaway, Ewen (2017-04-26). “BioRxiv preprint server gets cash boost from Chan Zuckerberg Initiative” (英語). Nature. doi:10.1038/nature.2017.21894. https://www.nature.com/news/biorxiv-preprint-server-gets-cash-boost-from-chan-zuckerberg-initiative-1.21894. 
  5. ^ Jocelyn Kaiser (2017年4月26日). “BioRxiv preprint server gets funding from Chan Zuckerberg Initiative” (英語). Science. http://www.sciencemag.org/news/2017/04/biorxiv-preprint-server-gets-funding-chan-zuckerberg-initiative 2017年4月28日閲覧。 
  6. ^ Callaway, Ewen (2012-07-31). “Geneticists eye the potential of arXiv”. Nature 488 (7409): 19. doi:10.1038/488019a. PMID 22859182. 
  7. ^ Jocelyn Kaiser (2014年11月11日). “BioRxiv at 1 year: A promising start”. Science. 2016年9月7日閲覧。
  8. ^ “Search Results | bioRxiv” (英語). 2017年2月16日閲覧。
  9. ^ “John Inglis on Twitter” (英語). (2017年3月1日). https://twitter.com/JohnRInglis/status/836809771722366978 2017年3月1日閲覧。 
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