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「ペリラケトン」の版間の差分

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== 合成 ==
== 合成 ==
ペリラケトンの合成は[[1957年]]に[[3-フロイルクロリド]]と、イソアミル[[グリニャール試薬]]および[[塩化カドミウム]]から作られる[[ギルマン試薬]]に似た{{仮リンク|有機カドミウム化合物|en|Organocadmium compound}}を出発物質として達成された<ref>{{cite journal|author=Teruo Matsuura|year=1957|title=Natural furan derivatives. I. The synthesis of perilla ketone|journal=Bulletin of the Chemical Society of Japan|volume=30|pages=430-1|doi=10.1246/bcsj.30.430}}</ref>。また、[[テトラヒドロフラン]]を溶媒とした、3-フリル[[有機スズ化合物]]とイソカプロイルクロリドの[[右田・小杉・スティルカップリング]]により収率74%で得ることができる<ref>{{Cite journal|last=Vittorio Farina|author=Vittorio Farina|last2=Krishnamurthy|first2=Venkat|last3=Scott|first3=William J.|year=1997|title=The Stille reaction|journal=Organic Reactions (Hoboken, NJ, United States)|volume=50|page=|DOI=10.1002/0471264180.or050.01}}</ref>。
ペリラケトンの合成は[[1957年]]に[[3-フロイルクロリド]]と、イソアミル[[グリニャール試薬]]および[[塩化カドミウム]]から作られる[[ギルマン試薬]]に似た{{仮リンク|有機カドミウム化合物|en|Organocadmium compound}}を出発物質として達成された<ref>{{cite journal|author=Teruo Matsuura|year=1957|title=Natural furan derivatives. I. The synthesis of perilla ketone|journal=Bulletin of the Chemical Society of Japan|volume=30|pages=430-1|doi=10.1246/bcsj.30.430}}</ref>。また、[[テトラヒドロフラン]]を溶媒とした、3-フリル[[有機スズ化合物]]とイソカプロイルクロリドの[[右田・小杉・スティルカップリング]]により収率74%で得ることができる<ref>{{Cite journal|last=Vittorio Farina|author=Vittorio Farina|last2=Krishnamurthy|first2=Venkat|last3=Scott|first3=William J.|year=1997|title=The Stille reaction|journal=Organic Reactions (Hoboken, NJ, United States)|volume=50|page=|doi=10.1002/0471264180.or050.01}}</ref>。


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==

2020年1月25日 (土) 17:36時点における版

ペリラケトン
識別情報
CAS登録番号 553-84-4 チェック
PubChem 68381
特性
化学式 C10H14O2
モル質量 166.22 g mol−1
外観 液体
密度 0.9920 g/cm3
融点

<25 °C

沸点

196 °C, 469 K, 385 °F

特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ペリラケトン (: Perilla ketone) は、天然化合物の一つ。フラン環の3位にケトン基を含む6炭素側鎖のついた構造をもち、テルペノイドに分類される。無色油状だが酸素と反応しやすく、時間経過につれ色がつく。1943年エゴマ (Perilla frutescens) の精油中から分離同定された[1]。ペリラケトンはエゴマの種子に含まれ、動物に対する毒性がある[2]。放牧中にウシウマがエゴマを食べるとペリラケトンにより肺水腫が引き起され、エゴマ中毒と呼ばれることがある。

合成

ペリラケトンの合成は1957年3-フロイルクロリドと、イソアミルグリニャール試薬および塩化カドミウムから作られるギルマン試薬に似た有機カドミウム化合物英語版を出発物質として達成された[3]。また、テトラヒドロフランを溶媒とした、3-フリル有機スズ化合物とイソカプロイルクロリドの右田・小杉・スティルカップリングにより収率74%で得ることができる[4]

関連項目

出典

  1. ^ 瀬邊惠鎧「ペリラケトン(β-フリル-イソアミル-ケトン)に關する知見補遺」『日本化學會誌』第64巻第8号、1943年8月28日、1130–1136頁、doi:10.1246/nikkashi1921.64.1130ISSN 2185-0909 
  2. ^ Perilla: Botany, Uses and Genetic Resources
  3. ^ Teruo Matsuura (1957). “Natural furan derivatives. I. The synthesis of perilla ketone”. Bulletin of the Chemical Society of Japan 30: 430-1. doi:10.1246/bcsj.30.430. 
  4. ^ Vittorio Farina; Krishnamurthy, Venkat; Scott, William J. (1997). “The Stille reaction”. Organic Reactions (Hoboken, NJ, United States) 50. doi:10.1002/0471264180.or050.01.