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「バンゲリング ベイ」の版間の差分

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関連項目: 劇中での事なのか現実世界においてのことなのかわかりにくい記述を除去。
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== 開発 ==
== 開発 ==
本作は『[[シムシティ]]』([[1989年]])の作者である[[ウィル・ライト]]のデビュー作である。ライトはこのゲームのマップエディッタでマップをエディットしているうちに、シムシティのゲームデザインとしての構想が生まれた。また、このゲームの「敵の拠点破壊が敵の戦力に影響する」という見えない戦略性は、『シムシティ』の原形といえるものである。
本作は『[[シムシティ]]』([[1989年]])の作者である[[ウィル・ライト]]のデビュー作である。ライトはこのゲームのマップエディッタでマップをエディットしているうちに、シムシティのゲームデザインとしての構想が生まれた。また、このゲームの「敵の拠点破壊が敵の戦力に影響する」という見えない戦略性は、『シムシティ』の原形といえるものである。

==== '''元祖版のストーリー設定''' ====
再び世界征服計画に乗り出した悪のバンゲリング帝国(''Bungeling Empire'')は、全方位侵略プログラムを埋め込まれた戦争兵器(''War Machine'')の開発に着手していた。幸いにもそれはまだバンゲリング湾(''Bungeling Bay'')に点在する六個の工場で建造途中の状態だった。戦争兵器の完成を阻止するには全工場を速やかに破壊せねばならない。こうして善行軍団(''Forces of Good'')通称「FOG」が動き出した。FOGは、即席空母「アディクエイト」に改造ヘリコプター「ワイルドファイア Z39」五機を載せただけという、無いよりはマシな程度の装備でバンゲリング湾に向けて出動した。とは言え、世界の自由と民主主義の命運は実は彼らに掛かっていた。

一説上の補足として、バンゲリング帝国はカリブ海のどこかにある小国家であり、前作ロードランナーで多数の金塊を奪われて資金難に陥った事から世界征服計画を一度諦めている。「FOG」は環境保護系のNGO団体で、バンゲリング帝国の監視を活動の中心にするようになっていた。戦争兵器の詳細は不明だが、プログラムといったワードは恐らく意図的に当時の映画ターミネーターを彷彿とさせるので、これがFC版のパッケージ描写とそれに沿った独自ストーリーにつながったと考えられる。
== スタッフ ==
== スタッフ ==

2020年4月23日 (木) 05:23時点における版

バンゲリングベイ
ジャンル 多方向スクロールシューティング
対応機種 コモドール64
開発元 ブローダーバンド
発売元 ブローダーバンド
デザイナー ウィル・ライト
シリーズ バンゲリング帝国三部作
人数 1人
メディア フロッピーディスク
発売日 アメリカ合衆国 1984年
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バンゲリングベイ』 (Raid on Bungeling Bay) は、アメリカ合衆国ブローダーバンドが制作したシューティングゲーム。『チョップリフター』(1982年)、『ロードランナー』(1983年)とともに「バンゲリング帝国三部作」の一つである。

概要

本作は、1984年コモドール64用ゲームソフトとして発売された。日本においては1985年2月22日ハドソンファミリーコンピュータ(以下、FC)用ソフト向けに移植し発売された。このFC版を元に操作方法など仕様を変更した移植作品が制作され、任天堂からアーケード[1]ソニーHiTBiTブランド)からは1985年7月21日MSX版がそれぞれ発売された。

ゲーム内容

見下ろし視点の平面全方位任意スクロールシューティングゲームである。縦幅10画面×横幅10画面の100画面からなるマップで構成されている。プレイヤーは、自機のヘリコプターを操り、自軍の空母を防衛し敵機やレーダー・砲台などの防空網を破壊しながら、敵国「バンゲリング帝国」の戦略拠点(工場)を破壊するのがゲームクリアの目的となる[2]

攻撃方法は、対空用のバルカン砲と対地用の爆弾(最大9発)の2種類。自機はヒットポイント制で、被弾するたびにダメージ値が蓄積され徐々に飛行速度が落ち、100を超えると操縦困難に陥り墜落しミスとなる。爆弾の補給やダメージ値の修理は空母か敵の駐機場に着陸することで補充される。なお、自機の墜落地点が工場や戦艦などだった場合はそれらにダメージを与えることができる。

自軍の空母は敵の攻撃機から一定以上の攻撃を受けるか[3]、プレイヤーが故意に空母を爆撃した場合や敵戦艦が同じ画面に侵入すると自動的に撃沈され、その時点での残機は全て失われ、その後は一切復活しない。その場合でも敵の駐機場での補給と修理は可能なためゲーム続行は可能だが、受けたダメージは完全回復しない。このためゲーム後半は被弾によるダメージ増加やレーダー網と敵戦闘機の連携が増す事などにより、攻略が著しく困難になる。また、ゲームクリアの目的である敵拠点の工場は、時間の経過やステージにより工場の耐久力が向上し、周辺に高射砲や戦車などが徐々に配備されるため、破壊するのが困難になっていく。

FC版のオリジナルモードとして、2人対戦プレイが可能である。2人対戦プレイ時には、2P側は「バンゲリング帝国」を操作し、戦闘機ミサイルなどにより1P側を攻撃する。FCのIIコントローラで高射砲の向きを操作でき砲弾やミサイルを発砲できる。さらに内蔵されたマイクを使うことで戦闘機をスクランブルさせ、このときは攻撃機も戦闘機となってヘリ掃討任務にあてることができる。

ストーリー

198X年、突如カリブ海に現れた謎の次元侵略者「バンゲリング帝国」は、カリブ海一帯を地球の空間から隔離した。内部から脱出する事も、外部から侵入することも不可能な異次元空間に取り残されたアメリカ第2艦隊は、謎の発光現象によりバンゲリング帝国の尖兵と化してしまう。

いまやカリブ海は地球侵略用兵器の生産拠点へと改造され、多数の航空機や陸上兵器、最新鋭のQ型戦艦などが人類に牙を剥こうとしていた。

司令官ジミー・ハーディーの迅速な判断により、唯一バンゲリング帝国の支配を逃れた最新鋭空母「R・レーガン」は、ただ一隻でバンゲリング帝国への反撃を開始。わずかに5機のみ残された新型攻撃ヘリがバンゲリング帝国の拠点を破壊する為に飛び立った。

登場兵器

自軍

AH-16 シーアパッチ[4]
アメリカ海軍陸軍海兵隊が共同開発した新型攻撃ヘリコプターAH-64 アパッチを原型として空母での運用を可能としたものであり、航続距離の延長を始めとした様々な改良がなされている。1987年に初飛行し、作中ではテストのために「R・レーガン」に5機が艦載されていた。
全長26m、主回転翼直径18m。エンジンはタービンエンジン1基とジェットエンジン2基を搭載しており、攻撃ヘリとしては破格ともいえる最大飛行速度880km/hを発揮できる。武装はコンピューター制御の30mmバルカン砲1門と、高性能爆弾9発。また、特殊な防弾構造を有しており、少々の被弾では飛行・戦闘に影響をおよぼさない強靭な防御力を持つ。このほか、夜間索敵用の赤外線スコープや母艦の位置を知る超レーダーを装備している。
原子力空母「R・レーガン」[5]
ニミッツ級原子力空母4番艦。アメリカ海軍第2艦隊の旗艦を務めており、ヴァージニア州ノーフォークを母港としている。全長332.8m、全幅76.8m、速度30ノット。乗組員は艦乗組員3061名、航空機乗組員2627名の計5688名。武装はバルカン・ファランクスが3門、シースパロー対空ミサイル発射器が8連装3基24門となっているが、ゲーム中では攻撃機への反撃は行われない。この他カタパルト4基を装備しており、最大95機の艦載機を搭載できる。また、劇中では対核攻撃用の装備(詳細は不明)を有しており、これによりバンゲリング帝国からの攻撃(正体不明の発光現象)を逃れることが出来た。

バンゲリング帝国軍

装備兵器はすべて米軍の兵器をバンゲリング帝国が乗っ取ったものである。

哨戒艇
海上を航行しており、自機が同じ画面に侵入すると機銃で攻撃してくる。初期には受けるダメージは低い(HP1~2/sec程度)が、弾が飛んでくる描写はなく(銃撃音のみ)命中判定はランダムで処理されるため、自分からは回避できない。同じ画面内で、銃撃音がするかぎり一定のダメージを被る。ステージが進むに連れ命中判定が増加し、5週目付近では会敵後数秒で自機が撃墜されてしまう。空母に体当たり攻撃してくることがある。
M1戦車
工場の周辺を一定周期で移動しており、自機が接近すると機銃で攻撃してくる。攻撃に関しては哨戒艇と同じM2機関銃に依る。
高射砲
陸地に配備されており、最初の頃のステージでは高射砲弾、ステージが進むと誘導ミサイルで攻撃してくる。また、ミサイルはバルカンで撃破できる。誘導ミサイルは燃料が切れるのが早く一定時間で破裂するが、当たると大きなダメージ(初期HP38程度)を受ける。
レーダー
自機及び空母が索敵範囲内に侵入すると、戦闘機及び攻撃機を呼び寄せる。直接攻撃してこないからといって放置していると危険。
F-14戦闘機
ステージが進むに連れ不意に飛来し、プレイヤーが着艦中、着陸中、飛行中を問わずミサイルで攻撃してくる。自機への攻撃が専門で空母は攻撃しない。敵機着陸中に同じ場所に自機を着陸させると、自機に体当たり攻撃を行いミサイル被弾と同程度の被害を受け、ファミコン版では一撃の体当たりで自機が破壊される。
F/A-18攻撃機
戦闘機に比べあまり旋回せず、直線的に飛来し空母に攻撃を仕掛けてくる。空母を撃沈するまで執拗に周辺を旋回し決して撤退せず、また必ず2機で攻撃をしてくる為、2機とも撃墜しないと空爆は続き、空母は撃沈されてしまう。原則として、空母への攻撃が専門で自機へは攻撃しないものの、2コントローラーのマイクを使い、大きな声などで(説明書によれば「ハドソン」と叫ぶと書いてある[6])音声入力すると戦闘機同様に、ミサイルで攻撃してくる。小技として、空母が空襲を受けているときに、この方法を使うことによって爆撃を回避できる。
Q型戦艦
アメリカ軍が対核戦用として極秘に建造を進めていた原子力戦艦で、アイオワ級戦艦ニュージャージー」を改装した物であるという事以外、詳細は不明。多数の対艦ミサイルランチャーと16インチ主砲を持ち、さらにバンゲリング帝国に改装を受け、艦首に謎の重力波兵器(Qシステム)が搭載されている。自機が接近すると誘導ミサイルで攻撃をしてくる。また、空母が同一画面に侵入すると、Qシステムにより一瞬で撃沈されてしまう。ステージが進むとドック内で建造が開始されるがこの時点では接近しても攻撃してこず、数発の爆弾で簡単に撃破できるがしばらくすると再建造が始まる。完成して一旦出航すると、耐久力が大幅に増加するため撃沈は困難を極める。しかし出航後の戦艦を撃沈すれば、ドック内の時とは違い再建造はされない。
工場
不気味に明滅を繰り返す、バンゲリング帝国の兵器生産拠点。陸地に点在するこの工場を全て撃破することがゲームの目的となる。爆弾を一定数以上命中させると明滅が止まり、機能が停止する。その間は戦車や高射砲の配備が止まるが、しばらく時間を置くと復旧する。機能停止状態からさらに爆弾を一定数以上命中させると全壊し、そのステージ中は復旧しない。

移植版

No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 売上本数 備考
1 バンゲリングベイ 日本 1985年2月15日[7]
ファミリーコンピュータ ハドソン ハドソン ロムカセット HFC-RB -
2 VS.バンゲリングベイ 日本 1985年
アーケード ハドソン 任天堂レジャーシステム 業務用基板 - - 任天堂VS.システム対応
3 バンゲリングベイ 日本 198507211985年7月21日
MSX ソニー ソニー (HiTBiT) ロムカセット HBS-G036C -

開発

本作は『シムシティ』(1989年)の作者であるウィル・ライトのデビュー作である。ライトはこのゲームのマップエディッタでマップをエディットしているうちに、シムシティのゲームデザインとしての構想が生まれた。また、このゲームの「敵の拠点破壊が敵の戦力に影響する」という見えない戦略性は、『シムシティ』の原形といえるものである。

元祖版のストーリー設定

再び世界征服計画に乗り出した悪のバンゲリング帝国(Bungeling Empire)は、全方位侵略プログラムを埋め込まれた戦争兵器(War Machine)の開発に着手していた。幸いにもそれはまだバンゲリング湾(Bungeling Bay)に点在する六個の工場で建造途中の状態だった。戦争兵器の完成を阻止するには全工場を速やかに破壊せねばならない。こうして善行軍団(Forces of Good)通称「FOG」が動き出した。FOGは、即席空母「アディクエイト」に改造ヘリコプター「ワイルドファイア Z39」五機を載せただけという、無いよりはマシな程度の装備でバンゲリング湾に向けて出動した。とは言え、世界の自由と民主主義の命運は実は彼らに掛かっていた。

一説上の補足として、バンゲリング帝国はカリブ海のどこかにある小国家であり、前作ロードランナーで多数の金塊を奪われて資金難に陥った事から世界征服計画を一度諦めている。「FOG」は環境保護系のNGO団体で、バンゲリング帝国の監視を活動の中心にするようになっていた。戦争兵器の詳細は不明だが、プログラムといったワードは恐らく意図的に当時の映画ターミネーターを彷彿とさせるので、これがFC版のパッケージ描写とそれに沿った独自ストーリーにつながったと考えられる。

スタッフ

コモドール64版
  • PROGRAM:ウィル・ライト
ファミリーコンピュータ版
  • メインプログラム:菊田昌昭
  • サブプログラム:野沢勝広(マップ圧縮)
  • グラフィック:山本次行

評価

自機の操作が左右で旋回、上下でスピード調整というラジコン的な方法であったことから、慣れない人にとって非常に難しい操作性であった上、発射する弾は一発ずつで、航空機との格闘戦時に「見越し射撃」が必須で、敵機撃墜の難易度は高い[6]。ただし、アーケード版では操作方法は変更されており、レバーを操作した方向に向くように旋回し、そのままレバーを入れ続けると加速(背後方向にレバーを入れると減速・後退)するようになっている[8][2]

ファミコン版はラジコンがうまく成りたいというハドソン社員が開発した[9]。発売当時、当たり前のように「ボーナスステージ」や「ボスキャラ」「隠れキャラ」構成が主流になっていたファミコン市場において、攻略順序が任意な上に展開がシュールな本作は、操作性もさることながら、地味な割に高度な攻撃戦略を求められるという言わばマニア向けのゲームシステムであった。その中で発売元であるハドソン社と小学館の『月刊コロコロコミック』と連携し小学生を対象にした過剰な広告戦略をしたため、プレイヤーの多くがマニアのような高度な戦略が立てられない小学生であったことなども実際にプレーヤーの嗜好とゲーム内容にギャップを生むことになった[2]

ゲーム誌『ファミリーコンピュータMagazine』の1991年5月10日号特別付録の「ファミコンロムカセット オールカタログ」では、「マニア向けシューティングだ」、「ヘリを操作して、空母を守りながらマップ上にある工場を爆撃してゆく。自機はダメージ制。非常に面倒くさい操作だ。マニア向けだろう」と紹介されている[10]

脚注

  1. ^ 使用基板はFC互換基板である。
  2. ^ a b c マイウェイ出版『ファミコンクソゲー番付』2017年1月25日、p21
  3. ^ FC版の説明書によれば、攻撃機を全滅させて警報を解除した時には空母のダメージはゼロに戻る。
  4. ^ 実際に「シーアパッチ」と名付けられた艦載型アパッチの開発計画は存在した。
  5. ^ 同型同名の原子力空母(ニミッツ級原子力空母9番艦ロナルド・レーガン)が存在するが、全くの偶然である。本作のロナルド・レーガンは、1985年当時建造途中で艦名未定だったニミッツ級4番艦にロナルド・レーガン大統領(当時)の名を冠したものであった。実際の4番艦はセオドア・ルーズベルトとして1986年に就役し、ロナルド・レーガンは9番艦として2001年に就役した。
  6. ^ a b M.B.MOOK『懐かしファミコンパーフェクトガイド』17ページ
  7. ^ バンゲリングベイ(ハドソンゲームナビ) - ウェイバックマシン(2004年8月15日アーカイブ分)
  8. ^ アーケード版ではこの他に、沈められた空母が、ミスからの復帰時に復活するなどの仕様変更もあり、ファミコン版よりも難易度が低い。また、対戦モードがない。
  9. ^ コロコロ生アニキ#9~星馬兄弟、再復活!~ - 2018/10/06(土) 21:00開始 - ニコニコ生放送”. 平成30-10-14閲覧。 “1:44:04 高橋名人「昔ね198…4年かな。あのー当時僕がいたハドソンでもラジコンが大人気に成って。 であの走らすと当然さバッテリーが無くなるから充電する訳じゃん。 だから充電してる間仕事をして。充電が終わったら屋上行って走らせてっていう。 でその内にあのーラジコンがもうちょっとうまく成りたいなっていうんで、それでプログラムしたのがバンゲリングベイなんだよね。 バンゲリングベイってだからラジコン風な操作有るでしょ。 だからヘリコプターがどっちを向いてても、右行ったらヘリコプターに対して右に曲がるじゃない。 とすると上から下行きたい時は、左やりたい時は右切んなきゃいけないとか。だからラジコンですよあれは」”
  10. ^ 「5月10日号特別付録 ファミコンロムカセット オールカタログ」『ファミリーコンピュータMagazine』第7巻第9号、徳間書店、1991年5月10日、230頁。 

参考文献

  • 『ファミリーコンピュータ・ゲーム必勝法シリーズ3 バンゲリングベイ』(ケイブンシャ大百科別冊、1985年)

関連項目

  • ファミコン風雲児 - 劇中にて架空の改造版「バンゲリングベイ」が登場。メモリーを増強し複数の本体をリンクさせ、帝国側を3つのコントローラーで操作し、3vs1の対戦ができるという内容だった。
  • ファミコンロッキー - 劇中にて実際のゲームには登場しないボスキャラ(魔の海域の最終兵器)が登場する。

外部リンク