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# 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための[[消費税法]]の一部を改正する等の法律案{{R|zozei}} |
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# 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための[[地方税法]]及び[[地方交付税法]]の一部を改正する法律案<ref>[http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/g18005073.htm 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律案]{{リンク切れ|date=2019年7月}} 衆議院</ref> |
# 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための[[地方税法]]及び[[地方交付税法]]の一部を改正する法律案<ref>[http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/g18005073.htm 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律案]{{リンク切れ|date=2019年7月}} 衆議院</ref> |
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# [[子ども・子育て支援法]]案<ref name="kosodate">[ |
# [[子ども・子育て支援法]]案<ref name="kosodate">[https://www8.cao.go.jp/shoushi/kodomo3houan/index.html 子ども・子育て関連3法]{{リンク切れ|date=2019年7月}} [[総務省]]</ref> |
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# 子ども・子育て支援法及び[[就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律]]の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案{{R|kosodate}} |
# 子ども・子育て支援法及び[[就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律]]の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案{{R|kosodate}} |
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# 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための[[国民年金法]]等の一部を改正する法律案 |
# 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための[[国民年金法]]等の一部を改正する法律案 |
2020年2月27日 (木) 13:11時点における版
三党合意(さんとうごうい)とは、2012年の民主党政権(野田内閣)下において、民主党、自由民主党、公明党の三党間において取り決められた、社会保障と税の一体改革に関する合意。2012年(平成24年)6月21日に三党の幹事長会談が行われ、三党合意を確約する「三党確認書」が、作成された[1]。
かつての自民党政権においては、2007年の福田康夫内閣により社会保障国民会議が開催され、社会保障制度改革の提言が行われていた。ところが、民主党マニフェストでは「現在の政策、支出を全て見直す」と公約され、政権交代が、行われることで方針の変更が予想されていた。しかし本合意により、野党自民党と公明党とで社会保障制度改革の方針がすり合わせが行われた。
合意に基づき第180回国会において、以下の8法案が2012年6月26日に衆議院で三党の賛成により可決、同年8月10日に参議院で可決成立した。
- 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律案[2]
- 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律案[3]
- 子ども・子育て支援法案[4]
- 子ども・子育て支援法及び就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案[4]
- 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案
- 被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案
- 社会保障制度改革推進法案[5]
- 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律案[4][6]
法成立により、社会保障制度改革の提言は社会保障制度改革国民会議に委ねられた。その後、自民党への政権交代(第2次安倍内閣)においては新たに社会保障制度改革推進会議が設置され継承されている。
経緯
三党合意は、社会保障と税の一体改革に関する三党間の合意である。同合意は、2012年(平成24年)3月30日に野田内閣が提出した消費税増税法案[2]等の法案について三党が修正協議を行い、その結果をもって法案成立させるために行われた。同年6月初めから、社会保障分野と税制分野に分けて三党の実務者が断続的に協議を行い、同年6月15日には三党の実務者間で「社会保障・税一体改革に関する確認書」(社会保障・税一体改革に関する三党実務者間会合合意文書)が交わされた。同年6月21日には、民主党の輿石東幹事長、自由民主党(自民党)の石原伸晃幹事長、公明党の井上義久幹事長が合意文書を「誠実に実行」することなどについて合意し、「三党確認書」に署名した。
本文
三党合意を示した「三党確認書」の本文内容は以下の通り[1]。
三党確認書
民主党、自由民主党及び公明党は、平成24年6月15日の社会保障・税一体改革に関する三党実務者間会合合意文書(以下「合意文書」という)を誠実に実行するものとし、以下を確認する。
平成24年6月21日 民主党 幹事長 輿石東
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社会保障・税一体改革に関する三党実務者間会合合意文書
2012年(平成24年)6月15日に三党の実務者間によって合意した「社会保障・税一体改革に関する三党実務者間会合合意文書」は、「社会保障・税一体改革に関する確認書(社会保障部分)」及び「別紙」、「確認書」、「税関係協議結果」の各文書から成り、まとめて合意文書とも呼ばれる[8]。
社会保障・税一体改革に関する確認書(社会保障部分)
社会保障・税一体改革に関する確認書(社会保障部分)の冒頭内容は、三党の実務者間会合で合意したことを記載している。また、別紙には、「社会保障制度改革推進法案を速やかにとりまとめて提出し、社会保障・税一体改革関連法案とともに今国会での成立を図る」こと、および、「政府提出の社会保障改革関連5法案については、以下の通り修正等を行い、今国会での成立を図る」ことを記載している。関連5法案とは、子育て関連の3法案および年金関連の2法案のことである。また、「社会保障制度改革推進法案骨子」が別添されている。
確認書(三党実務者確認書)の内容は以下の通り。
確認書
別添の「社会保障・税一体改革に関する確認書」に加え、以下を確認する。
平成24年6月15日 民主党
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税関係協議結果
「税関係協議結果」には、政府提出の税制抜本改革2法案の修正・合意内容が記載され、「今国会中の成立を図ることとする」と定めている。
主な事項は、所得税について最高税率の引上げなど累進制の強化に関する項目の削除、資産課税の見直しに係る規定の削除、低所得者に配慮した施策等の検討、いわゆる「景気弾力条項」の解釈指針などである。
その後
衆議院にて本法案が可決されたことを受け、民主党ではこれに反対した小沢グループの除籍、鳩山グループの党員資格停止が行われた。小沢グループは新党国民の生活が第一を結成した。
また民主党と連立を組む国民新党では本法案を理由に連立離脱を表明したが、しかし亀井静香代表および亀井亜紀子政調会長が党内で解任され、同党は連立にとどまった。その後、亀井静香と亀井亜紀子は離党した。
社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律
社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律 | |
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日本の法令 | |
法令番号 | 平成24年法68 |
効力 | 現行法 |
主な内容 | 税制改定 |
関連法令 | 財政法 |
条文リンク | [1] |
本法は以下の改定を行うものである。
従来5%の消費税率(国及び地方を含む)を、2014年(平成26年)4月1日から8%、2015年(平成27年)10月1日から10%とすることが定められている[注 1]。ただし、1の法案の附則第18条には消費税率の引上げに当たっての措置が定められ、1項には「平成23年度から平成32年度までの平均において名目の経済成長率で3パーセント程度かつ実質の経済成長率で2パーセント程度」という具体的な経済成長率の目標値を定めるとともに、同条3項で「経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる。」と定められた(いわゆる景気弾力条項)。同条の解釈については幅があるため、三党合意により、「第1項の数値は、政策努力の目標を示すものであること。」、「消費税率(国・地方)の引上げの実施は、その時の政権が判断すること。」、「消費税率の引上げにあたっては、社会保障と税の一体改革を行うため、社会保障制度改革国民会議の議を経た社会保障制度改革を総合的かつ集中的に推進すること」、経済の成長等に向けた施策の検討を求める規定を定めることなどが確認された。
景気弾力条項
景気弾力条項とは、「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案」の附則18条のことである[2]。なお、以下の内容は、三党合意による修正を経た後の法文である。
社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律
附 則
- (消費税率の引上げに当たっての措置)
- 第18条 消費税率の引上げに当たっては、経済状況を好転させることを条件として実施するため、物価が持続的に下落する状況からの脱却及び経済の活性化に向けて、平成23年度から平成32年度までの平均において名目の経済成長率で3パーセント程度かつ実質の経済成長率で2パーセント程度を目指した望ましい経済成長の在り方に早期に近づけるための総合的な施策の実施その他の必要な措置を講ずる。
- 2 税制の抜本的な改革の実施等により、財政による機動的対応が可能となる中で、我が国経済の需要と供給の状況、消費税率の引上げによる経済への影響等を踏まえ、成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分することなど、我が国経済の成長等に向けた施策を検討する。
- 3 この法律の公布後、消費税率の引上げに当たっての経済状況の判断を行うとともに、経済財政状況の激変にも柔軟に対応する観点から、第2条及び第3条に規定する消費税率の引上げに係る改正規定のそれぞれの施行前に、経済状況の好転について、名目及び実質の経済成長率、物価動向等、種々の経済指標を確認し、前2項の措置を踏まえつつ、経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる。
合意文書の「税関係協議結果」に示された同条の解釈は、以下の通りである(文中の「(*)」は、法改正に係るものを意味する。)。
○ 附則第18条について
- 以下の事項を確認する
- (1) 第1項の数値は、政策努力の目標を示すものであること。
- (2) 消費税率(国・地方)の引上げの実施は、その時の政権が判断すること。
- 消費税率の引上げにあたっては、社会保障と税の一体改革を行うため、社会保障制度改革国民会議の議を経た社会保障制度改革を総合的かつ集中的に推進することを確認する。
- (*)「税制の抜本的な改革の実施等により、財政による機動的対応が可能となる中で、我が国経済の需要と供給の状況、消費税率の引上げによる経済への影響等を踏まえ、成長戦略や事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分することなど、我が国経済の成長等に向けた施策を検討する」旨の規定を第2項として設ける。
原案の第2項は第3項とし、「前項の措置を踏まえつつ」を「前2項の措置を踏まえつつ」に修正する。
年金改革法案
被用者年金一元化、およびパートタイマーの厚生年金適用拡大の法案である。
社会保障制度改革国民会議
三党合意に基づき野田内閣は、社会保障制度改革推進法(2012年8月22日施行)を根拠として社会保障制度改革国民会議(しゃかいほしょうせいどかいかくこくみんかいぎ)を設置した。この会議は施行から1年を越えない範囲の2013年8月21日までに会議としての結論を得て、その後会議の設置は解かれる(13条)。
2012年11月27日、委員15人を発表した[10]。会長は清家篤。初回の会合は2012年11月30日に開かれた。2013年8月6日、安倍晋三内閣総理大臣に最終報告書を提出[11] 。
委員は次の通り[12]
脚注
注釈
出典
- ^ a b 社会保障、税一体改革で、正式合意=3党幹事長会談 民主党広報委員会 2012年6月21日
- ^ a b c 第180回国会における財務省関連法律 財務省
- ^ 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律案[リンク切れ] 衆議院
- ^ a b c 子ども・子育て関連3法[リンク切れ] 総務省
- ^ 社会保障制度改革推進法案[リンク切れ] 衆議院
- ^ 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律案[リンク切れ] 衆議院
- ^ 社会保障費用統計[リンク切れ] 厚生労働省
- ^ 社会保障・税一体改革で民主・自民・公明の3党実務者合意案まとまる 民主党広報委員会 2012年6月15日
- ^ a b 年金制度が改正されました(社会保障・税一体改革関連) 厚生労働省
- ^ 読売新聞 2012年11月27日 夕刊3版2面
- ^ 社会保障制度改革国民会議 報告書 - 首相官邸(PDFファイル)
- ^ 社会保障制度改革国民会議 委員名簿 - 首相官邸(PDFファイル)
参考文献
関連項目
外部リンク
- 三党確認書 - 民主党
- 社会保障・税一体改革に関する確認書 - 民主党
- 第180回国会における財務省関連法律 - 財務省
- 社会保障制度改革推進法(平成24年8月22日法律第64号) - 首相官邸(PDFファイル)
- 社会保障制度改革国民会議 - 首相官邸
- 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案 - 衆議院
- 社会保障・税一体改革ページ - 首相官邸