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「Java」の版間の差分

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{{Otheruses|コンピューターのプログラミング言語およびプラットフォーム|その他|ジャバ}}
{{Otheruses|コンピューターのプログラミング言語およびプラットフォーム|その他|ジャバ}}
{{混同|JavaScript}}{{出典の明記| date = 2019年3月}}{{未検証|section=1|date=2019年3月}}
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{{Infobox プログラミング言語
{{Infobox プログラミング言語
| fetchwikidata = ALL
| fetchwikidata = ALL
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*スレッドがリソースアクセスなどの操作をする度に、セキュリティマネージャが現行のパーミッションを調べて対象外なら例外を発生させる。
*スレッドがリソースアクセスなどの操作をする度に、セキュリティマネージャが現行のパーミッションを調べて対象外なら例外を発生させる。
*その際はスレッドの各通過メソッドのクラスのパーミッションが全チェックされ、原則的に最少パーミッションの方に合わせる。
*その際はスレッドの各通過メソッドのクラスのパーミッションが全チェックされ、原則的に最少パーミッションの方に合わせる。
*appletクラスなどパーミッションのないクラスを通ったスレッドは、完全なサンドボックス実行になりほとんどのリソースにアクセスできなくなる。
*遠隔ロードされたappletクラスなどパーミッション皆無のクラスを通ったスレッドは、完全なサンドボックス実行になりほとんどのリソースにアクセスできなくなる。


実際には上記に加えて、各クラスを同一操作&同一セキュリティレベルでまとめるドメイン機構、認証と承認によるユーザーパーミッション機構、バイトコード送受信時の署名付き証明書機構などが組み合わされて実装運用される。
実際には上記に加えて、各クラスを同一操作&同一セキュリティレベルでまとめるドメイン機構、認証と承認によるユーザーパーミッション機構、バイトコード送受信時の署名付き証明書機構などが組み合わされて実装運用される。
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1994年秋までにグリーンチームは、Oakを'''Java'''に、WebRunnerを「[[HotJava]]」に改称した。その理由はOakがすでにビデオカードアダプタ製造会社の登録商標になっていたからだった。この命名は一部のチームメンバーがよく出入りしていた近くのコーヒーショップで決定されたという。Javaの由来は不明とされているが、ロゴが示している通りコーヒーに因んでいるのは明らかである。ジャワ島はコーヒー豆の名産地であり、豆(''Bean'')はJavaテクノロジ内でコンポーネントを指す用語にされている。
1994年秋までにグリーンチームは、Oakを'''Java'''に、WebRunnerを「[[HotJava]]」に改称した。その理由はOakがすでにビデオカードアダプタ製造会社の登録商標になっていたからだった。この命名は一部のチームメンバーがよく出入りしていた近くのコーヒーショップで決定されたという。Javaの由来は不明とされているが、ロゴが示している通りコーヒーに因んでいるのは明らかである。ジャワ島はコーヒー豆の名産地であり、豆(''Bean'')はJavaテクノロジ内でコンポーネントを指す用語にされている。


1994年10月、JavaランタイムとHotJavaブラウザがサン社幹部社員の前でデモンストレーションされ、α版が社内公開された。1995年5月23日のSunワールドカンファレンスで、JavaランタイムとHotJavaブラウザが社外初披露された。ここでは[[Javaアプレット]]の技術が大々的にアピールされた。同時に[[ネットスケープコミュニケーションズ|ネットスケープ社]]が「[[Netscape Navigator (ネットスケープコミュニケーションズ)|Netscape Navigator]]」ブラウザへもこのアプレット機能を配備するとアナウンスして業界の注目を集めた。1995年秋にβ版が社外公開された。1996年1月9日にサン社は正式にJavaソフトウェア部門を立ち上げた。その2週間後に最初の公開バージョンである「JDK 1.0」が市場リリースされた。
1994年10月、JavaランタイムとHotJavaブラウザがサン社幹部社員の前でデモンストレーションされ、α版が社内公開された。1995年5月23日のSunワールドカンファレンスで、JavaランタイムとHotJavaブラウザが社外初披露された。ここでは[[Javaアプレット]]の技術がセールスポイント的にアピールされた。同時に[[ネットスケープコミュニケーションズ|ネットスケープ社]]が「[[Netscape Navigator (ネットスケープコミュニケーションズ)|Netscape Navigator]]」ブラウザへもこのアプレット機能を配備するとアナウンスして業界の注目を集めた。1995年秋にβ版が社外公開された。1996年1月9日にサン社は正式にJavaソフトウェア部門を立ち上げた。その2週間後に最初の公開バージョンである「JDK 1.0」が市場リリースされた。


=== バージョン履歴 ===
=== バージョン履歴 ===
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*Date and Time API(日付時刻)
*Date and Time API(日付時刻)
*静的結合 [[Java Native Interface]] ライブラリ
*静的結合 [[Java Native Interface]] ライブラリ
*Java ME 8 に[[Connected Limited Device Configuration|CLDC]]と[[Connected Device Configuration|CDC]]が統合された<ref>{{Cite web|url=http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/20120221_513391.html|title=7年ぶりのJavaOne Tokyoでは「Javaテクノロジーのすべてを見せる」 - クラウド Watch|language=ja-jp|accessdate=2012-02-22}}</ref>。


==== Java SE 9 (2017年9月21日) ====
==== Java SE 9 (2017年9月21日) ====
ここからメジャーバージョンは一定の新機能蓄積を待たずに公開する毎年3月と9月の年2回定期リリース制に変更された<ref>{{Cite web|url=https://www.oracle.com/technetwork/jp/java/eol-135779-ja.html|title=Oracle Java SE サポート・ロードマップ|language=ja-jp|accessdate=2018-10-19}}</ref>。
ここからメジャーバージョンは一定の新機能蓄積を待たずに公開する毎年3月と9月の年2回定期リリース制に変更された<ref>{{Cite web|url=https://www.oracle.com/technetwork/jp/java/eol-135779-ja.html|title=Oracle Java SE サポート・ロードマップ|language=ja-jp|accessdate=2018-10-19}}</ref>。従来の長期サポート(LTS)が無くなり半年間限定になった


* 言語仕様に''package''を統合分類する「''module''」の導入(Project Jigsaw)
* 言語仕様に''package''を統合分類する「''module''」の導入(Project Jigsaw)
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==== Java SE 11 (2018年9月25日) ====
==== Java SE 11 (2018年9月25日) ====
JSR 384にて仕様規定<ref>[http://jcp.org/en/jsr/detail?id=384 JSR 384: JavaTM SE 11 (18.9)]</ref>。Java開発環境として「Oracle JDK」と「[[OpenJDK]]」の二つが提供されるようになり、前者の商用利用は有償サポート契約を結んだ顧客のみになった。Java EEのアップグレードがエクリプス財団による「Jakarta EE」に移譲されたので、JDKにEnterprise版連携モジュールが含まれなくなった。CORBAモジュールも外された。[[JavaFX|Java FX]]も取り除かれた。
JSR 384にて仕様規定<ref>[http://jcp.org/en/jsr/detail?id=384 JSR 384: JavaTM SE 11 (18.9)]</ref>。Java開発環境として「Oracle JDK」と「[[OpenJDK]]」の二つが提供されるようになり、前者の商用利用は有償長期サポート(LTS)契約を結んだ顧客のみになった。Java EEのアップグレードがエクリプス財団による「Jakarta EE」に移譲されたので、JDKにEnterprise版連携モジュールが含まれなくなった。CORBAモジュールも外された。[[JavaFX|Java FX]]も取り除かれた。


* Dynamic class-file constants(invoke_dynamic拡張、動的ロードされたクラスへの定数ブートストラップ呼出)
* Dynamic class-file constants(invoke_dynamic拡張、動的ロードされたクラスへの定数ブートストラップ呼出)
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==== Java SE 14(2020年3月17日) ====
==== Java SE 14(2020年3月17日) ====
JSR 389にて仕様規定。
JSR 389にて仕様規定。

* Recordクラス(メンバ変数不変でコンストラクタと標準メソッドが自動定義されるイミュータブルオブジェクト)
* パターンマッチングinstanceof構文(if文のinstanceof判定で変数も同時定義できる糖衣構文)
* switch文のcase結果値を代入式に組み込める糖衣構文
* Text Blocks(文字列定義の複数行化)
* Foreign-Memory Access API (仮想マシンヒープの外部メモリにも安全にアクセスできる)
* Zガベージコレクタ


== Javaプログラミング例 ==
== Javaプログラミング例 ==
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== Javaプラットフォーム ==
== Javaプラットフォーム ==
{{Main|Javaプラットフォーム}}
{{Main|Javaプラットフォーム}}
Javaプラットフォーム(''Java Platform'')は、Javaプログラムを開発または実行する為のソフトウェア群の総称である。Javaプラットフォームは対象環境に合わせて、JREおよびJDKの構成内容と、追加されるJavaテクノロジの組み合わせを変えたエディションに編集されて公開されている。Javaテクノロジは権利元ベンダーだけでなくサードパーティ側からも提供されており、その標準化は[[Java Community Process|Javaコミュニティプロセス]](JCP)が管理している。Javaテクノロジの中核となるJREとJDKはオープンソース化されているので、各企業団体及び開発者各自が営利または非営利で膨大な数のソフトウェアと関連技術を公開し、巨大なITエコシステムを構築している。
Javaプラットフォーム(''Java Platform'')は、Javaプログラムを開発または実行する為のソフトウェア群の総称である。Javaプラットフォームは対象環境に合わせて、JREおよびJDKの構成内容と、追加されるJavaテクノロジの組み合わせを変えたエディションに編集されて公開されている。Javaテクノロジは権利元ベンダーだけでなくサードパーティ側からも提供されており、その標準化は[[Java Community Process|Javaコミュニティプロセス]](JCP)が管理している。Javaテクノロジの中核となるJREとJDKはオープンソース化されているので、各企業、任意団体開発者各自が営利または非営利で膨大な数のソフトウェアと関連技術を公開し、巨大なITエコシステムを構築している。


=== エディション ===
=== エディション ===
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Javaクラスライブラリは、普遍的に呼び出される特定の機能を実装したクラスの集合体である。Javaプログラムはライブラリ内のクラスを逐次呼び出しながら処理を実行する。なお、それぞれのJavaクラスライブラリ内部からプログラマの利用に向けて外部公開されている部分を「Java API」と呼ぶ。
Javaクラスライブラリは、普遍的に呼び出される特定の機能を実装したクラスの集合体である。Javaプログラムはライブラリ内のクラスを逐次呼び出しながら処理を実行する。なお、それぞれのJavaクラスライブラリ内部からプログラマの利用に向けて外部公開されている部分を「Java API」と呼ぶ。


# 基礎ライブラリ - Java言語仕様の基礎を扱う。
# 基礎ライブラリ - Java言語の基礎を扱う。
# 入出力ライブラリ - ファイル入出力など。
# 入出力ライブラリ - ファイル入出力など。
# データコレクションライブラリ - 配列の操作List、Set、Mapなどのデータ集合。
# コレクションライブラリ - 動的配列と動的連想配列。データ集合の操作
# 数学ライブラリ - 各種計算。
# 数学ライブラリ - 各種計算を扱う
# 国際化地域化ライブラリ - 暦、日付、時間、通貨、文字コードなどの[[国際化と地域化]]を扱う。
# 国際化地域化ライブラリ - 暦、日付、時間、通貨、文字コードなどの[[国際化と地域化]]を扱う。
# ネットワークライブラリ - ソケットを置いてリモートポートを開きストリーム入出力を扱う。
# ネットワークライブラリ - ソケット通信を扱う。
# GUIライブラリ - ンドウとスイッチとイメージを表示し、ユーザーからの操作認識する
# GUIライブラリ - グラフカル・ユーザーインターフェース扱う
# Javaアプレットライブラリ - アプレット生成用。
# アプレットライブラリ - アプレット生成用。
# Javaビーンズライブラリ - Java版ソフトウェアコンポーネント作成用。
# Javaビーンズライブラリ - ソフトウェアコンポーネント作成用。
# データベース接続ライブラリ - SQLを扱う。
# データベース接続ライブラリ - SQLを扱う。
# リモートメソッドライブラリ - 外部マシン上にあるプロセス・メソッド呼び出す
# リモートメソッドライブラリ - 分散オブジェクト扱う
#セキュリティライブラリ - 様々な通信セキュリティプロトコルを扱う
#セキュリティライブラリ - セキュリティポリシー、ユーザー認証と権限承認、公開鍵暗号方式など
# バッファストリームライブラリ - 連続バイトデータを扱う。
#リフレクションライブラリ - クラス定義を動的に操作する。


;Javaアプリケーションの形態
;Javaアプリケーションの形態
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APIは、アプリケーション・プログラミング・インタフェースの頭字語であり、Javaクラスライブラリ内部からプログラマに向けて外部公開されているクラス、インタフェース、メソッド、フィールド、定数の集合である。プログラマはこれを用いて各種ソフトウェアの開発を行う。APIは基本的にクラスライブラリの所属に沿って、パッケージ(''package'')と呼ばれる名前空間で分類されて提供されている。パッケージは各ワードをピリオトで連結して階層化されている。先頭ワードのjavaは開発元提供の純正基礎版を意味する。他に純正拡張版のjavax、任意団体提供のorg、企業提供のcomがある。
APIは、アプリケーション・プログラミング・インタフェースの頭字語であり、Javaクラスライブラリ内部からプログラマに向けて外部公開されているクラス、インタフェース、メソッド、フィールド、定数の集合である。プログラマはこれを用いて各種ソフトウェアの開発を行う。APIは基本的にクラスライブラリの所属に沿って、パッケージ(''package'')と呼ばれる名前空間で分類されて提供されている。パッケージは各ワードをピリオトで連結して階層化されている。先頭ワードのjavaは開発元提供の純正基礎版を意味する。他に純正拡張版のjavax、任意団体提供のorg、企業提供のcomがある。


# java.lang - Java言語仕様の基礎を扱う。
# java.lang - Java言語の基礎を扱う。
# java.io - ファイル入出力など。
# java.io - ファイル入出力など。
# java.util - 配列の操作List、Set、Mapなどのデータ集合。
# java.util - 動的配列と動的連想配列。データ集合の操作
# java.math - 各種計算。
# java.math - 各種計算を扱う
# java.text - 暦、日付、時間、通貨、文字コードなどの国際化と地域化を扱う。
# java.text - 暦、日付、時間、通貨、文字コードなどの国際化と地域化を扱う。
# java.net - ソケットを置いてリモートポートを開きストリーム入出力を扱う。
# java.net - ソケット通信を扱う。
# java.awt - ンドウとスイッチとイメージを表示し、ユーザーからの操作認識する
# java.awt - グラフカル・ユーザーインターフェース扱う
# java.applet - アプレット生成用。
# java.applet - アプレット生成用。
# java.beans - Java版ソフトウェアコンポーネント作成用。
# java.beans - ソフトウェアコンポーネント作成用。
# java.sql - SQLを扱う。
# java.sql - SQLを扱う。
# java.rmi - 外部マシン上にあるプロセス・メソッド呼び出す
# java.rmi - 分散オブジェクト扱う
# java.security - 様々な通信セキュリティプロトコルを扱う
# java.security - セキュリティポリシー、ユーザー認証と権限承認、公開鍵暗号方式など
# java.nio - 連続バイトデータを扱う。
# java.lang.reflect - クラス定義を動的に操作する。


;統合開発環境と開発支援ツール
;統合開発環境と開発支援ツール
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*[[Java Naming and Directory Interface|JNDI]] (Java Naming and Directory Interface) - ネーミングサービスと[[ディレクトリ・サービス|ディレクトリサービス]]を扱う
*[[Java Naming and Directory Interface|JNDI]] (Java Naming and Directory Interface) - ネーミングサービスと[[ディレクトリ・サービス|ディレクトリサービス]]を扱う
* JSML (Java Speech Markup Language) - [[音声合成]]システムにテキスト注釈を追加する
* JSML (Java Speech Markup Language) - [[音声合成]]システムにテキスト注釈を追加する
*[[JDBC]]<!--(Java Database Connectivity)--> - [[データベース]]接続の API
*[[JDBC]] (Java Database Connectivity) - [[データベース]]接続
*[[Java Data Objects|JDO]] (Java Data Objects) - Java[[オブジェクト (プログラミング)|オブジェクト]][[永続性 (計算機科学)|永続化]]のインタフェース
*[[Java Data Objects|JDO]] (Java Data Objects) - [[オブジェクト (プログラミング)|オブジェクト]][[永続性 (計算機科学)|永続化]]の仕様
*JAI (Java Advanced Imaging) - 画像を扱うための高水準なオブジェクト指向 API
*JAI (Java Advanced Imaging) - 高水準な画像操作API
*JAIN (Java API for Integrated Networks) - 統合された通信ネットワークの API
*JAIN (Java API for Integrated Networks) - 統合通信ネットワークのAPI
*JDMK (Java Dynamic Management Kit) - JMX仕様に基づいた開発支援ソフトウェア
*JDMK (Java Dynamic Management Kit) - JMX仕様に基づいた開発支援ソフトウェア
*Jini - 分散システムを構築するネットワークアーキテクチャ
*Jini - 分散システムを構築するネットワークアーキテクチャ
*Jiro - 分散した記憶装置を管理する技術
*Jiro - 分散した記憶装置を管理するテクノロジ
*JavaSpaces - 分散環境でJavaオブジェクトの送受信永続化などを支援する技術
*JavaSpaces - 分散システム環境でオブジェクトの送受信永続化などを支援する技術
*JML (Java Modeling Language) - [[契約による設計|契約による設計(DbC)]]を指向した形式言語をソースコードに導入する
*JML (Java Modeling Language) - [[契約による設計|契約による設計(DbC)]]を指向した形式言語をソースコードに導入する
*JMI (Java Metadata Interface) - Javaのメタデータの作成・アクセス・検索・送受信に関する仕様
*JMI (Java Metadata Interface) - Javaのメタデータの作成・アクセス・検索・送受信に関する仕様
*[[Java Management Extensions|JMX]] (Java Management Extensions) - 分散オブジェクト環境おけ管理と監視を行う技術
*[[Java Management Extensions|JMX]] (Java Management Extensions) - 主に分散システムで[[依存性の注入]]Javaプログラムの動的再構成
*[[JavaServer Faces|JSF]] (JavaServer Faces) - WEBクライアントに一定のデザインに基づいたUIを提供するサーバー用技術
*[[JavaServer Faces|JSF]] (JavaServer Faces) - WEBクライアントにユーインターフェースを提供するサーバー用テクノロジ
*[[Java Native Interface|JNI]] (Java Native Interface) - 他の言語で実装されたネイティブコードを呼び出す技術
*[[Java Native Interface|JNI]] (Java Native Interface) - 他の言語で実装されたネイティブコードを呼び出す技術
*[[JXTA]] - [[Peer to Peer]] (P2P) の仮想ネットワークのためのオープンプロトコル
*[[JXTA]] - [[Peer to Peer]] (P2P) の仮想ネットワークのためのオープンプロトコル
*[[Java3D|Java 3D]] - 3次元グラフィクスプログラミングのための高水準な API [https://java3d.dev.java.net/ Java 3D]<!--([http://java.sun.com/products/java-media/3D/ ホーム]、[http://java.sun.com/products/java-media/3D/forDevelopers/J3D_1_3_API/j3dapi/ API])-->
*[[Java3D|Java 3D]] - 3次元グラフィクスプログラミングのための高水準なAPI[https://java3d.dev.java.net/ Java 3D]<!--([http://java.sun.com/products/java-media/3D/ ホーム]、[http://java.sun.com/products/java-media/3D/forDevelopers/J3D_1_3_API/j3dapi/ API])-->
*JOGL (Java OpenGL) - [[OpenGL]] を使う3Dグラフィクスプログラミングのための低水準な API
*JOGL (Java OpenGL) - [[OpenGL]]を使う3Dプログラミングのための低水準なAPI
*[[LWJGL]] - ゲーム開発用のAPI。[[OpenGL]]、[[OpenAL]]、[[OpenCL]]を扱える。様々なゲーム用コントローラーも扱える。
*[[LWJGL]] - ゲーム開発用のAPI。[[OpenGL]]、[[OpenAL]]、[[OpenCL]]を扱える。様々なゲーム用コントローラーも扱える。
*[[OSGi]] - サービスの動的な管理と遠隔保守<!--
*[[OSGi]] - サービスの動的な管理と遠隔保守<!--
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=== Javaオープンソースモデル ===
=== Javaオープンソースモデル ===
開発元の[[サン・マイクロシステムズ|サン社]](後に[[オラクル (企業)|オラクル社]]が買収)はJava公開初期から、Java仮想マシンとJavaクラスライブラリの仕様を公開しており、サードパーティによるJavaプラットフォーム移植と拡張テクノロジの開発を促していた。しかしJava普及に一定コントロールける為の枠組みとして、ソースコードの改変までは認めていなかった。2004年になると[[IBM|IBM社]]と[[BEAシステムズ|BEAシステムズ社]](後にオラクル社が買収)が、この部分的オープンソース制度に便乗する形で、関連ソフトウェアと拡張テクノロジの開発を支援するプロジェクトを立ち上げた。その目的は彼ら独自のJavaオープンソース化を実現する事であった。IBM社らはJava仮想マシンと標準クラスライブラリの互換製品を登場させ、それに基づく独自標準化も徐々に進めていた。Javaコミュニティプロセスへの影響力低下を懸念したサン社は、このIBM主体によるオープンソース化プロジェクトへの協力に消極的な立場を取り続けていた。しかし2006年になると業界の変化を悟ったサン社は方針を変えて賛同し、2007年5月8日にはJava SE 6を「[[OpenJDK]]」として[[GNU General Public License|GNU一般公開ライセンス]]の下でリリースした<ref>{{Cite web|title=Sun Fulfills Promise of Open and Free Java Technology and Releases Java SE Platform to OpenJDK Community|url=http://www.sun.com/aboutsun/pr/2007-05/sunflash.20070508.3.xml|author=Sun Microsystems, Inc|date=2007-5-8|accessdate=2009年9月16日}}</ref>。OpenJDKではソースコードの改変も認められた。「[[GNU Classpath]]」は、J2SE 1.4のクラスライブラリの99%以上を実装し[http://www.kaffe.org/~stuart/japi/htmlout/h-jdk14-classpath.html]、J2SE 5.0では95%以上を実装している[http://www.kaffe.org/~stuart/japi/htmlout/h-jdk15-classpath.html]。またOpenJDKの開発にはIBM社も協力している。
;Javaテクノロジのオープンソース化

1996年のJava登場初期から、ベンダー元の[[サン・マイクロシステムズ|サン社]](後に[[オラクル (企業)|オラクル社]]が買収)は、Java仮想マシンとJavaクラスライブラリの仕様を公開しており、サードパーティによるJavaプラットフォーム移植と関連ソフトウェアと拡張テクノロジの開発を促していた。しかし過度技術流出ける為の枠組みとして、ソースコードの改変までは認めていなかった。2004年になると[[IBM|IBM社]]と[[BEAシステムズ|BEAシステムズ社]](後にオラクル社が買収)が、この部分的オープンソース制度に便乗する形で、関連ソフトウェアと拡張テクノロジの開発を支援するプロジェクトを立ち上げた。その目的は彼ら独自のJavaオープンソース化を実現する事であり、Java仮想マシンと標準クラスライブラリの互換製品を登場させ、その他の標準化も徐々に進めていた。そうした中でJavaコミュニティプロセスへの影響力低下を懸念したサン社は、このIBM主体によるオープンソース化プロジェクトへの協力に消極的な立場を取り続けていた。しかし業界の変化を悟ったサン社は2006年から方針を変えて賛同し、2007年5月8日にはJava SE 6を「[[OpenJDK]]」として[[GNU General Public License|GNU一般公開ライセンス]]の下でリリースした<ref>{{Cite web|title=Sun Fulfills Promise of Open and Free Java Technology and Releases Java SE Platform to OpenJDK Community|url=http://www.sun.com/aboutsun/pr/2007-05/sunflash.20070508.3.xml|author=Sun Microsystems, Inc|date=2007-5-8|accessdate=2009年9月16日}}</ref>。OpenJDKではソースコードの改変も認められた。「[[GNU Classpath]]」は、J2SE 1.4のクラスライブラリの99%以上を実装し[http://www.kaffe.org/~stuart/japi/htmlout/h-jdk14-classpath.html]、J2SE 5.0では95%以上を実装している[http://www.kaffe.org/~stuart/japi/htmlout/h-jdk15-classpath.html]。またOpenJDKの開発にはIBM社も協力している。


;GNUプロジェクト
;GNUプロジェクト

2020年3月18日 (水) 11:42時点における版

Java
パラダイム オブジェクト指向プログラミング関数型プログラミング命令型プログラミングジェネリックプログラミング、コンポーネント指向 ウィキデータを編集
登場時期 1995年 (29年前) (1995)
設計者 Java Community Process
開発者 サン・マイクロシステムズオラクル ウィキデータを編集
最新リリース Java Standard Edition 14/ 2020年3月17日 (4年前) (2020-03-17)
型付け 強い静的型付け
主な処理系 Javaプラットフォーム
影響を受けた言語 Simula 67、SmalltalkObjective-CObject PascalOberon-2EiffelModula-3MesaC SharpUCSD Pascalボックス化可変長引数アノテーションニクラウス・ヴィルト、Patrick Naughton、Foreach文 ウィキデータを編集
影響を与えた言語 C#, D, Dart, Groovy, Scala, Kotlin, Ceylon
プラットフォーム Solaris, Linux, Windows,
macOS, AIX, System i,
Embedded Systems
ライセンス GNU General Public LicenseJava Community Process
ウェブサイト www.oracle.com/java/ ウィキデータを編集
拡張子 java、class、jar
テンプレートを表示

Java(ジャバ)は、プログラミング言語Javaと、Javaプログラムの実行環境および開発環境を合わせた演算プラットフォームの双方を指す総称である[1]

Javaソフトウェアは、企業内システムの構築のほか、家電機器および乗用車搭載の組み込みシステム、産業機械のマイクロ制御装置、各種モバイル端末スマートカードサーバーマシン、パーソナルコンピュータ、スマートフォンなどの様々な環境に普及しており、幅広い用途で使用されている。

Java言語は、近年のグローバルな機械学習の需要増加により世界シェアでPythonには抜かれたが、システム開発では依然信頼されている言語であり、世界シェア2位の座を保っている[2]

Javaの特徴

Java開発元のSun Microsystemsを買収し、Java開発を引き継いだOracleによる公式な主張は下記である[3]。企業内システムの開発に最適であるとしている。

Java reduces costs, shortens developer timeframes, drives innovation, and improves application services as the programming language of choice for enterprise architecture, finance, and HR. Java is used in many industries including manufacturing, automotive, insurance, and public sector. Javaは、コストを削減し、開発者の時間枠を短縮し、イノベーションを促進し、エンタープライズアーキテクチャ、財務、およびHRに最適なプログラミング言語としてアプリケーションサービスを改善します。 Javaは、製造、自動車、保険、公共部門などの多くの業界で使用されています。

また、全世界では、3億のデバイスで動作し、1200万人が開発で使用し、250億のJava Card(Javaアプリケーションが動作するスマートカード)が購入されていると発表している[3]

Javaの構文

Javaプログラムの構文は、C言語またはC++によく似たものである。オブジェクト指向言語としての一面が強調されがちだが、幾つかの構文ルールの違いを除いては、C言語とほぼ同様にシンプルな手続き型プログラミングのスタイルでもプログラミングできる。Javaはオブジェクト指向のプログラミングスタイルをそれほど強制しない。

オブジェクト指向

Javaの主要プログラミングパラダイムは、クラスベースオブジェクト指向である[4]。オブジェクト指向にある複数の実装スタイルの一つであるクラスベースは、手続き型プログラミングを土台にして実践できる比較的万人向けのものである。クラスベース・オブジェクト指向はその名の通りクラスの仕組みを中心にする。クラスは任意のフィールド(=変数)と任意のメソッド(=関数)をひとまとめにしたものである。クラスのデザインはフィールド構成を中心にして、それに関連したメソッドを備えるのが基本とされる。クラス定義内の要素はフィールド、メソッド、静的フィールド、静的メソッド、定数、内部クラスの六種類である。内部クラスはクラス内で定義される入れ子のクラスであり、コンポジションパターンの実装が主な用途になる。メソッド内部で任意のクラスを派生元にした無名クラスを定義する事もできる。これはプロトタイプベース・オブジェクト指向のスタイルを取り入れたもので、その場限りのクラスをコードに組み込める利便性の高い機能である。クラスの定義文には上述のフィールド名やメソッド文などの要素がずらずらと羅列される。Javaのプログラムは、この1個以上のクラス定義文を組み合わせて形成される。Javaはクラスベース・オブジェクト指向の三つの要点とされるカプセル化継承多態性をサポートしている。

Javaのカプセル化は、クラス定義文に記述する四つのアクセス修飾子(privatepackageprotectedpublic)によってサポートされている。アクセス修飾子はフィールド定義とメソッド定義のそれぞれ先頭に記されて可視性を決定する。privateは同クラス内限定、packageは同クラス内と同パッケージ内限定、protectedは同クラス内と同パッケージ内と派生クラス内限定、publicはどこからでもアクセス可能を意味する。パッケージはプログラム全体を任意に分割したソースファイルの1個以上のまとまりである。Javaのデフォルト可視性はOOPでは変則的なファイル単位のpackageなので隠蔽性よりも利便性が重視されている。

Javaの継承は、スーパークラスが一つに限られる単一継承をサポートしており、多重継承は除外されている。継承用のアクセス修飾子は無くpublic継承に統一されている。継承によって既存クラスの設計を引き継ぎつつ任意のフィールドとメソッドを追加した独自のクラスを作成できる。また既存とオリジナルの全てのクラスは、基礎APIで用意されているObjectクラスを継承最上位の基底クラスにするのが強制されている。Objectクラスにはロック機能が備えられているのでオブジェクト指向とマルチスレッド同期の調和に一役買っている。

Javaの多態性は、インターフェースと仮想関数を中心にしてサポートされている。親クラスの定義文でvirtual指定されたメソドが仮想関数を表す抽象メソッドになり、その子クラスの定義文で処理内容を記述された同名のメソッドが仮想関数のプロセスを表す実装メソッドになる。Javaは強い静的型付けと共に安全な動的型付けも採用しており、instanceof演算子による型審査と、(typename)によるダウンキャストの二つがそれにあたる。ダウンキャスト失敗時は例外発生によってフォローされる。両者とも実行時決定でありデータの遅延バインディングをサポートしている。Javaの中でも比較的重視されているインターフェースは抽象メソッドだけで構成される純粋抽象クラスであり、クラス定義文のimplementsによって任意の数だけ実装指定できる。インターフェースは各クラスの様々な動作局面表現を促して設計を明確にする。Javaにはリフレクションも導入されている。これはクラスの構造内容を操作できる機能であり、Javaの理念である堅牢性とセキュリティを壊しかねない危うさを伴うが、分散コンピューティングの発展などを視野に入れたJavaテクノロジの拡張に不可欠とされて専用APIが用意された。リフレクションはメッセージベース・オブジェクト指向のスタイルに近い柔軟な多態性の動的ディスパッチを実装できる他、Javaプログラムの為のメタ的なモニタリングツールおよびフレームワークの構築などが主な用途になる。

プラットフォーム非依存

プラットフォーム非依存とは、Javaプログラムが特定のハードウェアおよびオペレーティングシステムの機能に依存する事なく、Java実行環境が導入されたあらゆるコンピューター環境上において共通した動作を見せる事を意味する。”Write once, run anywhere”(一度プログラムを書いてしまえば、どのコンピューターでも動くよ)がそのスローガンとされていた。Javaのプラットフォーム非依存性は次のようにして実現されている。

  1. Javaコンパイラは、Javaプログラムのソースコードを、Javaバイトコードと呼ばれる中間表現にコンパイルする。Javaバイトコードはアセンブラのニーモニックに似たもので、Java仮想マシン上で実行される専用のコードになる。Javaバイトコードは多くのプラットフォームでは、Javaクラスファイルと呼ばれるclass拡張子のファイルにまとめられる。
  2. Java仮想マシンは、各プラットフォームの環境の違いを吸収するクッション的なソフトウェアである。Java仮想マシンは家電や車両搭載のマイクロコントローラ、モバイル端末、ICカード、サーバーマシンなどの様々なコンピューター環境に対応したバージョンが提供されており、それぞれのプラットフォームにJava実行環境のコアテクノロジとしてインストールされる。
  3. Java仮想マシンは、指定されたJavaクラスファイルJavaクラスローダーで読み込み、その中のJavaバイトコードを逐一解釈しながら実行する。これはインタプリタ式に行うものと、実行時コンパイラで走行させるものがある。

公開初期のインタプリタ式のみで走行されるJavaプログラムの実行速度は遅かったが、実行時コンパイラ方式の導入によって速度問題に一定の解決が見られた。実行時コンパイラとは一定範囲のJavaバイトコードをまとめて機械語コードにコンパイルして継続的に実行させる技術である。後にそのコンパイル処理を更に最適化した動的再コンパイル(dynamic recompilation)という拡張技術も導入され、Javaプログラムの実行速度問題はほぼ解決されたと見なされている。

マルチスレッド

Javaプログラムは複数のスレッドを同時に走らせる事ができる。多数のスレッドを扱う大規模システムにも対応できる各種設計を備えており、その一つであるスレッドグループは、各スレッドを役割や性質でグループ化して様々な一括操作を可能にしている。これはクライアント・サーバーシステムの実装でよく用いられる。また膨大な数の断続的トランザクションをさばくシステムにおいて発生しがちなスレッド生成と破棄の繰り返しによる負荷増大を解決する為の、スレッドプールとタスクキューを併せたいわゆるモニタの技法を提供するAPIも用意されている。

マルチスレッド「同期」の特徴としては、前述のObjectクラスの基底継承強制により全てのインスタンスにロック機能を持たせている事が挙げられる。このロックはsynchronizedキーワードで示される標準同期構文で使用される。標準同期はJava仮想マシン内包仕様であり、機能的にはミューテックスに相当する。synchronized修飾子の各メソッドはその全体が排他制御エリアになり、その呼び出し時はthisインスタンスからロックをデフォルト取得するので、イメージ的にインスタンス単位になる排他制御を自然に表現している。このロック普遍化はオブジェクト指向との調和を実現する設計と言える。synchronized静的メソッドの方は、システム内に暗黙的に存在するクラスオブジェクトからロック取得を試みるので、これもイメージ的に同型インスタンス共通単位の排他制御を表現している。また、synchronized()定義子の波括弧でくくられた任意のコードブロックは、this以外のインスタンスもロックオブジェクトにできる排他制御エリアになるので、きめ細かな同期も表現できる。このミューテックス相当の標準同期は様々なロック手法にも応用可能であるが、実際にカウントセマフォやバリアや読み書きロックなどを再現しようとすると余計なワンステップを必要としがちなので、それらのロック手法は専用のAPIで用意されている。

ガベージコレクション

Javaプログラムのメモリ管理は、Java仮想マシンに備えられたガベージコレクション機能によって行われる。ガベージコレクションとは、すでにどこからも参照されていないオブジェクトを自動的に特定して破棄し、その占有メモリを解放する機能である。一つのシステムスレッドに乗って未参照のオブジェクトを探し続ける実行プロセスはガベージコレクタと呼ばれる。ガベージコレクタは、どこかの末端だけが途切れている参照の連鎖のかたまりも正確に特定して、参照の孤島に例えられたメモリ領域を一気に解放する事もできる。これによってプログラマの負担は大幅に軽減される事になった。JavaのモデルであるC++では、オブジェクトの生成と破棄が正確に対応するように注意深くプログラムする必要があった。破棄の失敗は即メモリリークにつながり、その積み重ねはやがてメモリ不足を引き起こす事になる。メモリ管理はプログラマにとって負担が大きくバグ発生の温床になっていた。堅牢性を旨とするJavaではこの問題の根本的解決の為にガベージコレクションの機能に力が入れられ、世代別ガベージコレクションという拡張技術も導入された。

なお、ガベージコレクションはメモリリークの問題を完全に解消する訳ではなく、例えばもう必要ないはずのオブジェクトを現行タスクが常時参照するコレクションオブジェクトに格納しているような場合は、ガベージコレクタはこれを特定しない。ガベージコレクタの挙動をプログラマ側はほとんど把握できないが特に影響はない。確実ではないが、ガベージコレクタの実行タイミングを指定する事はできる。

分散コンピューティング

この対象はオブジェクト要求ブローカーを用いた分散システムdistributed system)の実現であり、ネットワーク上に存在する様々なプラットフォームの間で互いに異なる環境を意識せずにリクエストとレスポンスを送りあい、任意のタスクを遂行するインフラストラクチャの構築をサポートする。各プラットフォーム上で稼働されるサーバープログラム、クライアントプログラム、あるいはその双方を兼ねるプログラムは、それぞれオブジェクトを内包しており、オブジェクト要求ブローカーを通して他のオブジェクトにリクエストを送る。それらは分散オブジェクトと呼ばれている。Javaで扱われるオブジェクト要求ブローカーの実装は、JavaオリジナルのRMIと、CORBAの二つである。業務用システムではすでにCORBAが普及していたので、高パフォーマンスだがJavaプラットフォーム間の限定になるRMIはその後追いであった。そのためRMIはCORBAと連携できるように様々な設計が施されている。

分散コンピューティングからは外れるが、JavaのネットワークAPIは、TCP/IPUDPプロトコル上のソケット通信、セキュアなSSL / TLSソケット通信を扱っており、後にJava XMLアーキテクチャとして発展するXMLパーサおよびXML構造を操作できるDOMSAXを備えている。これらはカスタムメイドなネットワークシステムの構築をサポートする。

セキュリティ

分散ネットワークを指向するJavaは、サンドボックスモデルに基づいたセキュリティ機構を備えている。これは遠隔ダウンロードされた追加プログラム(Javaバイトコード)による実行環境への予期せぬ操作やユーザー資源への好ましくないアクセスを防止するためのものである。分散(distributed)指向のJavaプログラムでは必要に応じてクラスを追加ロードする機会が多いので、サンドボックス実行は必須である。サンドボックス機能は、仮想マシン上の実行が同時にモニタリングを兼ねているので無理なく実現されている。大抵は以下の手順になる。

  • クラスローダーはバイトコードをダウンロードして順次クラス化する。
  • 実行環境にあるセキュリティポリシーファイルに基づいて各種パーミッションが各クラスに付与される。セキュリティポリシーは主に指定クラス名とその対象パーミッションを照合するものである。
  • 実行環境に元からあるクラスは、オールパーミッション付与がデフォルトである。
  • スレッドがリソースアクセスなどの操作をする度に、セキュリティマネージャが現行のパーミッションを調べて対象外なら例外を発生させる。
  • その際はスレッドの各通過メソッドのクラスのパーミッションが全チェックされ、原則的に最少パーミッションの方に合わせる。
  • 遠隔ロードされたappletクラスなどパーミッション皆無のクラスを通ったスレッドは、完全なサンドボックス実行になりほとんどのリソースにアクセスできなくなる。

実際には上記に加えて、各クラスを同一操作&同一セキュリティレベルでまとめるドメイン機構、認証と承認によるユーザーパーミッション機構、バイトコード送受信時の署名付き証明書機構などが組み合わされて実装運用される。

Java仮想マシンは、主にメモリ境界とバッファオーバーフローに対するチェックを随時行いながらプログラムを走行させるので実行時の強固な堅牢性を実現している。また、クラスロード時にそのバイトコードを検証して一定のニーモニック整列基準を満たしているか判定する機能も備えており、あからさまなコード暴走や致命的エラーの頻発を事前に抑止している。APIの方では、暗号アルゴリズムモジュール、特定パーミッションを必要とするJavaプログラムコードを実行できるユーザーの認証をサポートするモジュール、セキュアなソケット通信のSSL / TLSプロトコルを扱うモジュールを備えている。

Javaの歴史

誕生の経緯

家電向けプロジェクトの立ち上げ(1990年12月)

ジェームズ・ゴスリン

Javaの歴史は、1990年12月にサン・マイクロシステムズ社が、次世代の家電製品が内蔵するマイクロコントローラ向けのプログラミング言語を開発するステルス・プロジェクトを立ち上げた事から始まる。サン社はこの分野が重要市場になると予測していた。サン社のエンジニアであるジェームズ・ゴスリンとマイク・シェルダンの参加により、現実味を帯びたプロジェクトの名称は正式に「グリーンプロジェクト」と定められた。彼らは、カリフォルニア州メンローパーク市サンドヒルロードにある小さなオフィスで開発を始めた。

Oak言語とGreen OSの誕生(1991年)

グリーンチーム内では当時隆盛していたオブジェクト指向を採用する事で一致していた。彼らはそのモデル言語であるC++に白羽の矢を立て、当初はその移植版を検討していたが、プロジェクトの対象が家電製品の組み込みシステムであったために自然と却下された。C++の複雑な言語仕様はコンピュータ資源の浪費とプログラムエラーの発生率を高めがちであり、堅牢性と安全性が至上命題である家電製品の制御装置には不向きであると判断されたためだった。加えてC++では移植性に対応できない点も指摘されており、プロジェクトの中でプラットフォーム非依存が特に重要な議題として上がった。彼らはC++に代わる言語の開発と同時に、あらゆる機器に容易に移植できるプラットフォームの必要性も認識するようになった。こうして新言語プログラムの動作環境になる「Green OS」の開発も始められた。

一方で、Mesa言語とC言語の長所を理想にしていたサン社エンジニアのビル・ジョイは、Further(彼方へ)という名の論文を書いてC++をモデルにした新しいオブジェクト指向言語の開発を自社に提案した。それを受けてまずジェームズ・ゴスリンがC++の拡張言語を提出した。ゴスリンはこれを「C++ ++ --」と名付けたがすぐに取り下げ、改めて一から設計しなおしたプログラミング言語を誕生させた。オフィスの側に立つオークの木を眺めながら開発を進めていたゴスリンは、この新しい言語にOakという名前をつけた。時に1991年秋であり、この「Oak」がJavaの前身になった。それと並行してOakプログラムが用いる基本ライブラリも整備された。

携帯端末、テレビ機器市場への参入と撤退(1992年~1994年5月)

Javaのマスコット「Duke」with BSDライセンス

1992年夏にはGreen OSを実際の機器に載せてOakプログラムを実行できるようになっていた。この頃になるとグリーンプロジェクトの対象は、当初の家電機器から携帯情報端末(PDA)にシフトされていた。1992年9月3日に最初のデモンストレーションが開催され「Star7」という名のPDA機器がOakプログラムの初のお披露目舞台になった。このユーザーインターフェース上で「Duke」が初登場している。1992年11月、サン社はファーストパーソン社を設立しグリーンチームをそちらに所属させた。次世代のインタラクティブ機器に関心を持つファーストパーソン社は、ケーブルテレビ用セットトップボックス事業への参入を決めて、タイムワーナー社と3DO社にそれぞれOakテクノロジを提示したが、その高度な柔軟さが逆に倦厭されて契約実現には到らなかった。サン本社はファーストパーソン社の解散を決め、グリーンチームも本社に戻された。

ワールドワイドウェブ参入(1994年6月~1994年9月)

1994年6月、サン社技術部長ジョン・ゲージがジェームズ・ゴスリンビル・ジョイパトリック・ノートンエリック・シュミットら集めて、延べ3日に渡るブレインストーミングが行われた。ここで彼らはワールドワイドウェブをプロジェクトの本命に据える事で一致した。革新的なウェブブラウザである「NCSA Mosaic」の登場に触発された彼らは、インターネットの世界がケーブルテレビのそれを超えたインタラクティブな媒体に発展しつつある事を認識していた。パトリック・ノートンはOakテクノロジをベースにした「WebRunner」という小さなウェブブラウザを開発した。Oakによる小さなアクティブプログラムが埋め込まれたウェブページにアクセスすると、WebRunner上でマウス操作に連動するインタラクティブなアニメーションが表示された。

Javaの始動(1994年10月~1996年1月)

HotJavaブラウザ

1994年秋までにグリーンチームは、OakをJavaに、WebRunnerを「HotJava」に改称した。その理由はOakがすでにビデオカードアダプタ製造会社の登録商標になっていたからだった。この命名は一部のチームメンバーがよく出入りしていた近くのコーヒーショップで決定されたという。Javaの由来は不明とされているが、ロゴが示している通りコーヒーに因んでいるのは明らかである。ジャワ島はコーヒー豆の名産地であり、豆(Bean)はJavaテクノロジ内でコンポーネントを指す用語にされている。

1994年10月、JavaランタイムとHotJavaブラウザがサン社幹部社員の前でデモンストレーションされ、α版が社内公開された。1995年5月23日のSunワールドカンファレンスで、JavaランタイムとHotJavaブラウザが社外初披露された。ここではJavaアプレットの技術がセールスポイント的にアピールされた。同時にネットスケープ社が「Netscape Navigator」ブラウザへもこのアプレット機能を配備するとアナウンスして業界の注目を集めた。1995年秋にβ版が社外公開された。1996年1月9日にサン社は正式にJavaソフトウェア部門を立ち上げた。その2週間後に最初の公開バージョンである「JDK 1.0」が市場リリースされた。

バージョン履歴

1996年の第一回公開のJavaプラットフォームは「Java Development Kit」通称「JDK」と呼ばれており、最初のバージョン数値は「1.0」に定められた。通称とバージョン値を合わせたものが製品名とされて「JDK 1.0」で市場導入されている。当初は開発チームの控えめにしたい意向で小数点第一位がメジャーバージョン値にされたが、これは不必要な謙遜という声もあった。

1998年の第三回メジャーバージョン公開である「1.2」では大幅な技術刷新をアピールするべく「Java 2」と次世代呼称にした。これは経営側の判断だったので開発側は小数点第一位の数値改訂を譲らなかった。製品仕様の確立で「Development Kit」は「Platform」に置き換えられた。マーケットの分化を示唆する「Standard」のエディション名も付けられた。こうして「Java 2 Platform, Standard Edition」の通称「J2SE」とバージョン値「1.2」を合わせた製品名「J2SE 1.2」で市場導入された。この次世代呼称と小数点第一位の混在名は意味が不明瞭で製品バージョンへの理解を妨げかねないと不評を買っている。この時はまだStandard版だけであったが、翌1999年にEnterprise版の「J2EE 1.2」とMicro版の「J2ME 1.2」が市場導入されて3エデイションになった。

2005年の第六回メジャーバージョン公開である「1.5」から整数部分がメジャーバージョン値にされて「5.0」になり、通称と合わせた製品名は「J2SE 5.0」になった。他のエディションは後発なので「J2EE 1.4」「J2ME 1.4」のままだった。この頃に「Java Card Platform」が正規のエディション認定されているが、バージョン体系は独自のままの「Java Card 2.2」であり、これは以降も継続された。

2006年の第七回メジャーバージョン公開で「Java 2」の次世代呼称が外されて「Java」になり、バージョン値からも小数点以下が外された。「Java Platform, Standard Edition」「Java Platform, Enterprise Edition」「Java Platform, Mirco Edition」の各通称と各バージョン値を合わせた製品名は「Java SE 6」「Java EE 5」「Java ME 5」になった。なお、マイナーバージョンアップの際には再び小数点以下が付けられた。この命名方式は現在まで続いている。

JDK 1.0 (1996年1月23日)

最初のバージョン[5]。まだ国際化対応はされず英語版のみだった。

JDK 1.1 (1997年2月19日)

国際化対応され日本語版も追加された[6]

J2SE 1.2 (1998年12月8日)「Playground」

ここからコードネームが付けられるようになった[7]

  • strictfpキーワード(言語仕様、浮動小数点計算)
  • 仮想マシンに実行時コンパイラ(Just-In-Time Compiler
  • Javaプラグイン(WEBブラウザへのアプレット実行環境挿入)
  • Java Internet Description Language(IDLからJava CORBA用スタブ&スケルトンを生成)
  • Swing(グラフィカルAPI)
  • Collection Framework(コレクションAPI)

J2SE 1.3 (2000年5月8日)「Kestrel」

ここからメジャーバージョンのコードネームは鳥獣名、マイナーバージョンは昆虫名にするのが慣例になった[8][9]

J2SE 1.4 (2002年2月6日)「Merlin」

このバージョンからJavaコミュニティプロセス(Java Community Process)による仕様策定が開始された[10][11][12]

  • assert キーワード(言語仕様、例外発生ディレクティブ)
  • 例外処理の連鎖格納(言語仕様)
  • Java Web Start
  • Regular Expression(正規表現API)
  • Non-blocking I/O API(非遮断ストリーム入出力API)
  • Logging(ログ取りAPI)
  • Image I/O(JPEGPNGを使えるAPI)
  • Preferences(ツリー型のJava式セーブデータ収納庫API)
  • Java API for XML ProcessingXMLパーサ&マニュピレータAPI、XSLTフォーマットAPI)
  • Java Cryptography Extension(暗号化API)
  • Java Secure Socket Extension(TLS / SSL用API)
  • Java Authentication and Authorization Service(認証&権限サービスAPI)

J2SE 5.0 (2004年9月30日)「Tiger」

言語仕様に大幅な拡張が加えられた[13][14]

  • ジェネリクス(コレクションコンテナに収納要素の型指定が可能 List<T>
  • オートボクシングプリミティブラッパークラスの自動変換による相互代入)
  • 列挙型enumキーワードで定数列挙の型を定義)
  • 可変引数(最終引数の型名+3個のドットで自動配列化 void drawText(String... lines)
  • アノテーション@キーワードで、クラスメタデータの各要素に任意のタグワードと注釈を埋め込む)
  • 拡張for文(コレクションコンテナから各要素を順々に取り出すのが便利になるループ文)
  • 静的インポート文(他クラスの定数のフルパスをimportで指定可能)
  • Java Management Extensions(MBeanを用いた依存性の注入による実行プログラム動的再構成の最適化)
  • メモリモデルの改善によるスレッド処理高速化

Java SE 6 (2006年12月11日)「Mustang」

仮想マシンを含めた既存機能の改善と洗練に力が注がれた。

  • Scripting for the Java Platform(スクリプト言語との連携サポート)
  • Java Architecture for XML Binding(Java XMLアーキテクチャ)
  • Java API for XML Web Services
  • Java Compiler API(Javaコンパイラへのディレクティブ的なAPI)
  • Unicode正規化 API
  • Plugging annotation(コンパイル解析用途のアノテーション)
  • Swingの高速化、Windows用ルック&フィールの追加、Windowsタスクトレイ表示
  • Update10で、Java Quick Starter(アプリ起動高速化)Java Kernel(Java環境インストール高速化)を搭載[15]

Java SE 7 (2011年7月28日)「Dolphin」

サン社を買収したオラクル社による初のメジャーバージョンリリースである。

  • 言語仕様の細かな拡張
  • invoke_dynamic API(実装クラスとメソッドシグネチャの組み換えによる動的メソッド呼び出し)
  • New File I/O Library(新しいファイル入出力ライブラリ)
  • Concurrency Library(並列処理系ライブラリ)
  • コレクションフレームワークへのティムソートの採用
  • 暗号化APIに楕円曲線暗号を導入
  • ネットワークAPIにStream Control TransmissionプロトコルとSockets Directプロトコルを導入
  • グラフィック関連の強化
  • Update2で、JavaFXの導入

Java SE 8 (2014年3月18日)

ここでコードネームが廃止された[16]

  • 言語仕様にラムダ式の導入(引数 -> 関数式)
  • 関数型インターフェース
  • Stream API(コレクションコンテナ各要素への連続的なラムダ式適用)
  • JavaScriptのコードを埋め込めるNashorn Javaスクリプトエンジンの搭載(Project Nashorn)
  • Annotation on Java types(型アノテーション)
  • Repeating annotations(反復アノテーション)
  • Date and Time API(日付時刻)
  • 静的結合 Java Native Interface ライブラリ

Java SE 9 (2017年9月21日)

ここからメジャーバージョンは一定の新機能蓄積を待たずに公開する毎年3月と9月の年2回定期リリース制に変更された[17]。従来の長期サポート(LTS)が無くなり半年間限定になった。

  • 言語仕様にpackageを統合分類する「module」の導入(Project Jigsaw)
  • 言語仕様の細かな拡張(Project Coin)
  • 並列処理APIのアップデート、Flowクラスの追加など
  • Compact Stringの追加
  • 「JShell」の搭載。コンソール形式でJavaコードを入力し実行結果を確認できる
  • 「The Java Linker」の搭載。ユーザー環境に最適なモジュールと仮想マシンモードを自動選択実行する
  • 仮想マシンに前方コンパイル(Ahead-Of-Time Compilation)の導入
  • XML catalogs(永続的URLへのマッピング)
  • HiDPI Graphicsの導入(画像拡大縮小の改善)

Java SE 10 (2018年3月20日)

JSR 383にて仕様規定[18]。ここから追加機能の大半は規範テクノロジ相当のJSR(仕様要求)ではなく、拡張テクノロジ相当のJEP(改良提案)になった。

  • ローカル変数の型推論
  • ガーベジコレクタ関連
  • ルート証明書
  • Unicode language-tag extensions(Unicode言語タグの取り扱い)

Java SE 11 (2018年9月25日)

JSR 384にて仕様規定[19]。Java開発環境として「Oracle JDK」と「OpenJDK」の二つが提供されるようになり、前者の商用利用は有償長期サポート(LTS)契約を結んだ顧客のみになった。Java EEのアップグレードがエクリプス財団による「Jakarta EE」に移譲されたので、JDKにEnterprise版連携モジュールが含まれなくなった。CORBAモジュールも外された。Java FXも取り除かれた。

  • Dynamic class-file constants(invoke_dynamic拡張、動的ロードされたクラスへの定数ブートストラップ呼出)
  • ラムダ式への型推論
  • HTTPクライアント実装へのAPI
  • Flight recorder(Javaプログラム実行トレース用の軽快な各種データ収集フレームワーク)
  • Unicode 10.0.0のサポート
  • ガーベジコレクタ関連

Java SE 12 (2019年3月19日)

JSR 386にて仕様規定。アップデートで令和改元に向けたセキュリティ対策が施された。

  • ガーベジコレクタ関連
  • switch文の拡張
  • JVM Constants API(主にクラスの動的ロードに関連した仮想マシン内の定数プールの操作)

Java SE 13(2019年9月17日)

JSR 388にて仕様規定。「数百の小粒改良、数千のバグ修正」と宣伝された。

  • ソケットAPIの再実装
  • switch文の拡張
  • Text Blocks(文字列定義の複数行化)

Java SE 14(2020年3月17日)

JSR 389にて仕様規定。

  • Recordクラス(メンバ変数不変でコンストラクタと標準メソッドが自動定義されるイミュータブルオブジェクト)
  • パターンマッチングinstanceof構文(if文のinstanceof判定で変数も同時定義できる糖衣構文)
  • switch文のcase結果値を代入式に組み込める糖衣構文
  • Text Blocks(文字列定義の複数行化)
  • Foreign-Memory Access API (仮想マシンヒープの外部メモリにも安全にアクセスできる)
  • Zガベージコレクタ

Javaプログラミング例

アプリケーション(コマンドライン)

// Hello.java
public class Hello {
    public static void main(String[] args) {
        System.out.println("Hello, world!");
    }
}
  • Javaプログラムでは全てのフィールド(変数)とメソッド(関数)がclass内に記述される。
  • Javaプログラムは、public void static main (String[] args)から開始される。これはプログラムの中で一つだけ定義されるクラスメソッド(静的メソッド)である。argsはJava実行環境から受け取る開始時パラメータであり、実行時のコマンドラインで指定された文字列が渡される。
  • System.outは、Systemクラスのクラスフィールド(静的フィールド)であるoutを指す。outは、PrintStreamクラスのインスタンスである。out.println("文字列")は、outによるprintlnメソッドの呼び出しを指す。

サーブレット

// Hello.java
import java.io.*;
import javax.servlet.*;

public class Hello extends GenericServlet {
    public void service(ServletRequest request, ServletResponse response)
        throws ServletException, IOException {
        response.setContentType("text/html");
        PrintWriter pw = response.getWriter();
        pw.println("Hello, world!");
    }
}
  • import文は、コンパイル時にJavaコンパイラに対し、このソースコード内ではjava.ioパッケージおよびjavax.servletパッケージ内のすべてのpublicなクラスとインタフェースを、パッケージ名をつけないでクラス名 / インタフェース名だけで使うことを伝える。
  • Hello class extends GenericServlet の部分は、Helloクラスが GenericServletクラスを継承すること(GenericServletサブクラスであること)を記述している。
  • GenericServletクラスは、サーブレットの一般的なフレームワークを提供する。サーバ上で、クライアントから送られてきた要求をサーブレットに渡し、サーブレットのライフサイクルを制御する。
  • HelloクラスはServletで宣言されたservice(ServletRequest, ServletResponse)メソッドをオーバーライドしている。このメソッドは、クライアントからの要求を扱うコードを開発者が記述する場所として、サーブレットフレームワークが開発者に提供しているメソッドである。service(ServletRequest, ServletResponse)メソッドは、ServletRequestオブジェクトとServletResponseオブジェクトをHelloに渡す。HelloServletRequestServletResponseを受け取る。
    • ServletRequestオブジェクトは、クライアントから送られてきた要求を表すオブジェクトである。
    • ServletResponseオブジェクトは、クライアントに送り返す応答を表すオブジェクトである。
  • service(ServletRequest, ServletResponse)メソッドのthrows ServletException, IOExceptionの部分では、このメソッドがServletExceptionもしくはIOException例外を投げる可能性があることを宣言している。これらの例外は、Hello サーブレットの実行中に何らかの問題が起こり、クライアントからの要求に正常な応答を返すことができなくなった場合に投げられる。
  • setContentType(String)メソッドを呼び出して、クライアントに返すデータのMIME Content-Type"text/html" に設定する。
  • getWriter()メソッドを呼び出してPrintWriterオブジェクトを取得する。このオブジェクトを使ってクライアントに返すデータを書き出すことができる。
  • println(String)メソッドを呼び出して、"Hello, world!" 文字列を応答データとして書き出す。
  • そして応答データはソケットストリームに書き出され、クライアントに返される。

Javaプラットフォーム

Javaプラットフォーム(Java Platform)は、Javaプログラムを開発または実行する為のソフトウェア群の総称である。Javaプラットフォームは対象環境に合わせて、JREおよびJDKの構成内容と、追加されるJavaテクノロジの組み合わせを変えたエディションに編集されて公開されている。Javaテクノロジは権利元ベンダーだけでなくサードパーティ側からも提供されており、その標準化はJavaコミュニティプロセス(JCP)が管理している。Javaテクノロジの中核となるJREとJDKはオープンソース化されているので、各企業、任意団体、開発者各自が営利または非営利で膨大な数のソフトウェアと関連技術を公開し、巨大なITエコシステムを構築している。

エディション

2019年現在、Java権利元のオラクル社は、対象環境に合わせたJavaプラットフォームの4つのエディションを公開している。エディションによってJava実行環境とJava開発キットに含まれるツール構成に違いがあり、またクラスライブラリとAPIの構成内容も異なっている。Java仮想マシンの性能にも差異がある。JDK 1.1までは単体エディションで、J2SE 1.2から3エディションに分かれた。J2SE 5.0頃から拡張テクノロジの一つであったJava Cardが昇格して4エディションとなった。

Java Platform, Standard Edition (Java SE)
スマートフォンやタブレットを含むパーソナルコンピュータ向けである。主にデスクトップアプリケーションとWEBアプリを開発または実行する。一般ユーザー用仕様と言える。
Java Platform, Enterprise Edition (Java EE) / Jakarta EE
サーバーマシン、ワークステーション向けである。スタンダード版に加え、WEBサーバー及び多層クライアントサーバーや業務用システムを開発する為の、様々な拡張技術クラスライブラリ&APIが追加されている。業務用プロフェッショナル仕様であり大規模である。
2017年9月にOracle社は、今後のJava EEのアップグレードがエクリプス財団によって行われる事を発表した[20][21]。JavaEEの収益性低下とクラウドコンピューティング技術への対応急務がその背景にあったとされる。Java EEの商標は現行版のサポートを続けるOracle社が保持したので、エクリプス財団による今後のバージョンはJakarta EEの名称で公開される事になった[22]
Java Platform, Micro Edition (Java ME)
組み込みシステムマイクロコントローラ向けである。コンピュータ資源が制限されている集積回路や電子機器に対応した特定技術仕様であり、専用のクラスライブラリ&APIも用意されている。Java仮想マシンも比較的コンパクトにまとめられている。
Java Card
スマートカード(ICカード)、小型メモリデバイス上で運用されるプログラムを開発するためのエディションである。現在[いつ?]ではSIMカードATMカードなど幅広い分野に普及している。Java仮想マシンの機能は非常にコンパクトにまとめられており、幾つかのプリミティブ型も省略されている。故に特殊なプログラミングスタイルが求められる。

Java実行環境(JRE)

Java実行環境 (Java Runtime Environment) は、Javaアプリケーションを実行するために必要なソフトウェアである。Java仮想マシン、''Java.exe''のスターターを含めた各種実行サポートツール、Javaクラスライブラリで構成される。Java実行環境の中核はJava仮想マシンである。エディション毎に仮想マシンの仕様と性能は異なっており、また実行時は複数の動作モードを持つ。仮想マシンはスターターを通して稼働されるのが普通である。様々な使用状況に対応したスターターが最初に実行されて、そこから仮想マシンが呼び出されてJavaプログラムの実行を移譲される。仮想マシンはJavaクラスライブラリを逐次読み込みながらJavaプログラムを実行する。Java実行環境のツール内容とクラスライブラリ構成は、エディション毎に違いがある。

Javaクラスライブラリ

Javaクラスライブラリは、普遍的に呼び出される特定の機能を実装したクラスの集合体である。Javaプログラムはライブラリ内のクラスを逐次呼び出しながら処理を実行する。なお、それぞれのJavaクラスライブラリ内部からプログラマの利用に向けて外部公開されている部分を「Java API」と呼ぶ。

  1. 基礎ライブラリ - Java言語の基礎を扱う。
  2. 入出力ライブラリ - ファイル入出力など。
  3. コレクションライブラリ - 動的配列と動的連想配列。データ集合の操作。
  4. 数学ライブラリ - 各種計算を扱う。
  5. 国際化地域化ライブラリ - 暦、日付、時間、通貨、文字コードなどの国際化と地域化を扱う。
  6. ネットワークライブラリ - ソケット通信を扱う。
  7. GUIライブラリ - グラフィカル・ユーザーインターフェースを扱う。
  8. アプレットライブラリ - アプレット生成用。
  9. Javaビーンズライブラリ - ソフトウェアコンポーネント作成用。
  10. データベース接続ライブラリ - SQLを扱う。
  11. リモートメソッドライブラリ - 分散オブジェクトを扱う。
  12. セキュリティライブラリ - セキュリティポリシー、ユーザー認証と権限承認、公開鍵暗号方式など。
Javaアプリケーションの形態

Java実行環境に用意されている特定のJavaクラスライブラリを利用する事でJavaプログラムは結果的に、以下の四種類のアプリケーション形態に派生する。

Javaアプリケーション (application)
パーソナルコンピュータなどのローカル環境で実行されるJavaプログラム。「Java Web Start」は任意のjnlpファイル(java network launching protocol)をダウンロードして実行できるJavaアプリの配布システムである。この類似技術としてマイクロソフトのノータッチデプロイメント、ClickOnceがある。
Javaアプレット (applet)
サーバーからダウンロードされてWEBブラウザ上で実行されるJavaプログラム。サンドボックス機能下で厳しい動作制約が加えられている。当初はJavaの目玉技術であったが、様々な理由からさほど普及しなかった。
Java Cardプラットフォームの分野であるスマートカード(ICカード)上で動くJavaプログラムもアプレットと呼ばれており、現在ではこちらに舞台を移している。
Javaサーブレット (servlet)
サーバーマシンで実行されるJavaプログラム。その名の通り手軽にサーバープログラムを実装出来るが、大規模サーバーの構築にも適している。サーブレットはクライアントからのリクエストを逐次トランザクションして順次レスポンスする。WEBクライアントにはHTMLなどのプロトコルページ及び各種メディアをレスポンスしてWEBブラウザ上で表示させる。PerlなどによるCGIに比べ、サーバ側の負荷が低いなどのメリットがある。
Javaサーバーページ (server page)
サーブレットをWEBサーバー用に特化したものであり、XHTML (HTML) 内に記述するJavaプログラムである。WEBクライアントからのリクエストに伴うパラメータに従い、それをサーバー側で解釈してWEBページ内容を動的に生成、変化させてレスポンスする。コードは似ているが、JavaScriptの様にブラウザ側で実行するスクリプトではない。類似の技術にActive Server PagesPHPがある。

Java開発キット(JDK)

Java開発キット (Java Development Kit) は、Javaプログラムを開発するために必要なソフトウェアである。Java実行環境も内包している。Javaコンパイラなどの基本開発ツール、各種開発サポートツール、Java APIで構成されている。前述のエディションによって開発ツール内容とAPI構成に違いがある。Java開発キットの呼称はこれまでに何度か変更されている。

  • J2SE 1.2.2_004 までは、JDK(Java Development Kit)と呼んでいた。
  • J2SE 1.4 までは、Java2 SDK(Java2 Software Development Kit)と呼んでいた。
  • J2SE 5.0 からは再び、JDK(Java Development Kit)と呼んだ。
  • JavaSE 7 からは、エンタープライズ版とマイクロ版では Java SDK(Java Software Development Kit)と呼び、スタンダード版とカード版では JDK(Java Development Kit)と呼ぶようになった。JDKはSDKの拡張サブセット(SDKの一部分+その他)とされる。
Java API

APIは、アプリケーション・プログラミング・インタフェースの頭字語であり、Javaクラスライブラリ内部からプログラマに向けて外部公開されているクラス、インタフェース、メソッド、フィールド、定数の集合である。プログラマはこれを用いて各種ソフトウェアの開発を行う。APIは基本的にクラスライブラリの所属に沿って、パッケージ(package)と呼ばれる名前空間で分類されて提供されている。パッケージは各ワードをピリオトで連結して階層化されている。先頭ワードのjavaは開発元提供の純正基礎版を意味する。他に純正拡張版のjavax、任意団体提供のorg、企業提供のcomがある。

  1. java.lang - Java言語の基礎を扱う。
  2. java.io - ファイル入出力など。
  3. java.util - 動的配列と動的連想配列。データ集合の操作。
  4. java.math - 各種計算を扱う。
  5. java.text - 暦、日付、時間、通貨、文字コードなどの国際化と地域化を扱う。
  6. java.net - ソケット通信を扱う。
  7. java.awt - グラフィカル・ユーザーインターフェースを扱う。
  8. java.applet - アプレット生成用。
  9. java.beans - ソフトウェアコンポーネント作成用。
  10. java.sql - SQLを扱う。
  11. java.rmi - 分散オブジェクトを扱う。
  12. java.security - セキュリティポリシー、ユーザー認証と権限承認、公開鍵暗号方式など。
統合開発環境と開発支援ツール

統合開発環境(IDE)は、JDKを中核にしてビジュアルエディターやビルドマネージャーなどの様々な開発支援機能を備えたソフトウェアである。JDKのみだと、メモ帳でプログラムを書きコマンドラインでコンパイルしコンソールでデバッグをするという極めて原始的な作業になるが、IDEを使用する事で多機能エディタコーディングとビルド過程の自動化と視覚的なデバッグが可能になる。Java開発用のIDEは様々な企業と任意団体から公開されている。

開発サポートツールは、プロジェクト管理、自動ビルド、デバッグ、モニタリングを容易にする。下記の他にも多くの支援ツールが存在する。

  • Apache Ant - Javaアプリケーションのビルドツール。Apacheソフトウェア財団のプロジェクトによって開発された。コンパイル、バージョン管理システムとの連携、jar、javadoc生成、ファイルのコピー/移動/削除/変換などの一連の処理を自動化して効率的に実行する。make と同種のツールであり、XMLファイルにビルドの規則を記述する。Java 以外の言語によるアプリケーション開発や、アプリケーション開発以外の用途にも使うことができる。
  • Apache Maven - Javaアプリケーションのプロジェクト管理ツール。Apacheソフトウェア財団のプロジェクトによって開発された。
  • Gradle - Apache AntApache Mavenのコンセプトに基づくオープンソースビルド自動化システム。
  • JUnit - Javaアプリケーションの単体テストフレームワーク。単体テストを自動化する。xUnitの一種である。テスト駆動開発を支援する。

様々なJavaテクノロジ

Javaテクノロジは、各企業、任意団体、開発者グループから様々な形で公開されている。具体的な形態例では、org/comパッケージのAPI、JREとJDKを中核にした独自仕様コンテナ、プログラム&ソフトウェアコンポーネント&データベース&通信プロトコル等を組み合わせた統合システムなどがある。各開発元から提示された技術は、Javaコミュニティプロセス(JCP)による審査を合格した後にJavaテクノロジの一つとして認証される。これを標準化(standardization)と言う。Javaテクノロジは多岐に渡る分野に存在している。その一例を以下に列挙する。

  • JNDI (Java Naming and Directory Interface) - ネーミングサービスとディレクトリサービスを扱う
  • JSML (Java Speech Markup Language) - 音声合成システムにテキスト注釈を追加する
  • JDBC (Java Database Connectivity) - データベース接続
  • JDO (Java Data Objects) - オブジェクト永続化の仕様
  • JAI (Java Advanced Imaging) - 高水準な画像操作API
  • JAIN (Java API for Integrated Networks) - 統合通信ネットワーク用のAPI
  • JDMK (Java Dynamic Management Kit) - JMX仕様に基づいた開発支援ソフトウェア
  • Jini - 分散システムを構築するネットワークアーキテクチャ
  • Jiro - 分散した記憶装置を管理するテクノロジ
  • JavaSpaces - 分散システム環境でオブジェクトの送受信と永続化などを支援する技術
  • JML (Java Modeling Language) - 契約による設計(DbC)を指向した形式言語をソースコードに導入する
  • JMI (Java Metadata Interface) - Javaのメタデータの作成・アクセス・検索・送受信に関する仕様
  • JMX (Java Management Extensions) - 主に分散システムで依存性の注入によるJavaプログラムの動的再構成
  • JSF (JavaServer Faces) - WEBクライアントにユーザーインターフェースを提供するサーバー用テクノロジ
  • JNI (Java Native Interface) - 他の言語で実装されたネイティブコードを呼び出す技術
  • JXTA - Peer to Peer (P2P) の仮想ネットワークのためのオープンプロトコル
  • Java 3D - 3次元グラフィクスプログラミングのための高水準なAPI。Java 3D
  • JOGL (Java OpenGL) - OpenGLを使う3Dプログラミングのための低水準なAPI
  • LWJGL - ゲーム開発用のAPI。OpenGLOpenALOpenCLを扱える。様々なゲーム用コントローラーも扱える。
  • OSGi - サービスの動的な管理と遠隔保守
  • Blu-ray Disc Java - ブルーレイディスクで実行される各種コンテンツ制作用

Javaテクノロジの標準化

Javaテクノロジの標準化(standardization)は、Javaコミュニティプロセス(JCP)が管理している。標準化とはその技術の品質を評価してJavaテクノロジの一つとして認証する事である。JCPが発行している数々のJava仕様要求書(JSRs)によって、Javaテクノロジが準拠すべき仕様規定と技術基準は逐一定められている。その中にはJava言語に追加される新たな言語仕様などのコアテクノロジも含まれている。例として主に5.0版に関連したJSRsを以下に列挙する。

Javaオープンソースモデル

開発元のサン社(後にオラクル社が買収)はJava公開初期から、Java仮想マシンとJavaクラスライブラリの仕様を公開しており、サードパーティによるJavaプラットフォームの移植と拡張テクノロジの開発を促していた。しかしJava普及に一定のコントロールをかける為の枠組みとして、ソースコードの改変までは認めていなかった。2004年になるとIBM社BEAシステムズ社(後にオラクル社が買収)が、この部分的オープンソース制度に便乗する形で、関連ソフトウェアと拡張テクノロジの開発を支援するプロジェクトを立ち上げた。その目的は彼ら独自のJavaオープンソース化を実現する事であった。IBM社らはJava仮想マシンと標準クラスライブラリの互換製品を登場させ、それに基づく独自標準化も徐々に進めていた。Javaコミュニティプロセスへの影響力低下を懸念したサン社は、このIBM主体によるオープンソース化プロジェクトへの協力に消極的な立場を取り続けていた。しかし2006年になると業界の変化を悟ったサン社は方針を変えて賛同し、2007年5月8日にはJava SE 6を「OpenJDK」としてGNU一般公開ライセンスの下でリリースした[24]。OpenJDKではソースコードの改変も認められた。「GNU Classpath」は、J2SE 1.4のクラスライブラリの99%以上を実装し[1]、J2SE 5.0では95%以上を実装している[2]。またOpenJDKの開発にはIBM社も協力している。

GNUプロジェクト

GNUプロジェクトは「GNU Interpreter for Java」とGNUコンパイラコレクションのJava版である「GNU Compiler for Java」を公開している。「GNU Compiler for Java」は、ahead-of-timeコンパイル機能を備えており、Javaのソースコードとバイトコードを、ネイティブマシンコード(Windowsではexeファイル)に変換できる。また、Java標準クラスライブラリの互換版である「GNU Classpath」も公開している。Windows環境下の「GNU Compiler for Java」は、MinGW (WindowsAPIを使う為のライブラリ) と併せて、Cygwin(Unix環境を再現するソフトウェア)の環境上で実行できる。なお、Cygwinの使用はGNU一般公開ライセンスに従う必要があるが、MinGWの方はライセンスフリーである。

その他
  • WindowsやLinuxなどメジャーなオペレーティングシステムでは、オラクル社、IBM社、Blackdown社などの企業またはGNUプロジェクト、Kaffe.orgなどの任意団体による独自開発のJREとJDKが公開されている。
  • 米国Excelsior社が「Excelsior JET」というahead-of-timeコンパイラを販売している[25]。JavaソースコードをそのままWindows用実行ファイルに変換して起動の高速化やアプリケーションの難読化を実現できる。
  • JarファイルをWindous用実行ファイルにラッピングにするツールも存在する。「exewrap」「JSmooth」「Launch4j」「NSIS Java Launcher with automatic JRE installation」である。JSmoothは、Java実行環境が無い時はそれも自動インストールする機能を備えている。また純粋なJava実行環境では不可能だったタスクアイコンを表示させる機能も備えている。

Java認定資格

認定パス

オラクル[注釈 1]は複数のJava認定資格を主催している。Javaのバージョンアップに伴って資格も変更されることがある。ただし、変更前に取得した資格は変更後も有効である。認定試験に不合格だった場合、その試験日を含めて14日以内は同一試験を受験することができない。

現在受験可能な資格[26][27][28][29]
資格名 レベル 対象バージョン
Java Foundations Certified Junior Associate Junior Associate 不明
Oracle Certified Java Programmer, Bronze SE 7/8[注釈 2] Bronze Java SE 7/8
Oracle Certified Java Programmer, Silver SE 8[注釈 3] Associate Java SE 8
Oracle Certified Java Programmer, Gold SE 8[注釈 4] Professional Java SE 8
Oracle Certified Professional, Java EE 7 Application Developer Professional Java EE 7
Oracle Certified Master, Java EE 6 Enterprise Architect Master Java EE 6
Oracle Certified Expert, Java EE 6 Enterprise JavaBeans Developer Expert Java EE 6
Oracle Certified Expert, Java EE 6 JavaServer Faces Developer Expert Java EE 6
Oracle Certified Expert, Java EE 6 Web Services Developer Expert Java EE 6
Oracle Certified Expert, Java EE 6 Java Persistence API Developer Expert Java EE 6
Oracle Certified Expert, Java EE 6 Web Component Developer Expert Java EE 6

脚注

注釈

  1. ^ 買収前はサン・マイクロシステムズによって。
  2. ^ 日本でのみ行われている[30]
  3. ^ 日本以外での Oracle Certified Associate, Java SE 8 Programmer に対応。
  4. ^ 日本以外での Oracle Certified Professional, Java SE 8 Programmer に対応。

出典

  1. ^ What is Java and why do I need it?” (英語). 2019年2月4日閲覧。
  2. ^ PYPL PopularitY of Programming Language index” (英語). pypl.github.io. 2019年10月19日閲覧。
  3. ^ a b Java Software | Oracle”. www.oracle.com. 2019年10月19日閲覧。
  4. ^ 広辞苑 第六版
  5. ^ "JAVASOFT SHIPS JAVA 1.0" (Press release) (英語). Sun Microsystems. 2008年6月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年7月8日閲覧 {{cite press release2}}: 不明な引数|deadlinkdate=は無視されます。 (説明)
  6. ^ "SUN SHIPS JDK 1.1 -- JAVABEANS INCLUDED" (Press release) (英語). Sun Microsystems. 2008年5月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年7月8日閲覧 {{cite press release2}}: 不明な引数|deadlinkdate=は無視されます。 (説明)
  7. ^ "SUN DELIVERS NEXT VERSION OF THE JAVA PLATFORM" (Press release) (英語). Sun Microsystems. 2008年5月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年7月8日閲覧 {{cite press release2}}: 不明な引数|deadlinkdate=は無視されます。 (説明)
  8. ^ "SUN MICROSYSTEMS RELEASES FASTEST CLIENT-SIDE JAVA PLATFORM TO DATE" (Press release) (英語). Sun Microsystems. 2008年5月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年7月8日閲覧 {{cite press release2}}: 不明な引数|deadlinkdate=は無視されます。 (説明)
  9. ^ JavaTM 2 SDK, Standard Edition, version 1.3 の新機能および機能拡張の概要”. 2019年3月4日閲覧。
  10. ^ JSR 59
  11. ^ "SUN ANNOUNCES LATEST VERSION OF JAVA 2 PLATFORM STANDARD EDITION" (Press release) (英語). Sun Microsystems. 2008年9月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年7月8日閲覧 {{cite press release2}}: 不明な引数|deadlinkdate=は無視されます。 (説明)
  12. ^ JavaTM 2 SDK, Standard Edition, version 1.4 の新機能および機能拡張の概要”. 2019年3月4日閲覧。
  13. ^ "Sun Ships New Version of Java Platform" (Press release) (英語). Sun Microsystems. 2005年2月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年7月8日閲覧 {{cite press release2}}: 不明な引数|deadlinkdate=は無視されます。 (説明)
  14. ^ J2SE(TM) 5.0 の新機能”. 2006年7月8日閲覧。
  15. ^ 「Java SE 6 Update 10」公開、動作速度を高速化”. 2008年12月3日閲覧。
  16. ^ JSR 337: Java SE 8 Release Contents
  17. ^ Oracle Java SE サポート・ロードマップ”. 2018年10月19日閲覧。
  18. ^ JSR 383: Java™ SE 10 (18.3)
  19. ^ JSR 384: JavaTM SE 11 (18.9)
  20. ^ Opening Up Java EE - An Update” (英語). Oracle (2017年9月12日). 2019年3月10日閲覧。
  21. ^ EE4J、EclipseファウンデーションがオープンソースJava EEを準備”. InfoQ (2017年11月16日). 2019年3月10日閲覧。
  22. ^ Java EE は Jakarta EE となる”. InfoQ (2018年3月5日). 2019年3月10日閲覧。
  23. ^ 星 暁雄=日経BP Javaプロジェクト (2003年10月31日). “EclipseとWebSphere Studioはどう違うのか | 日経 xTECH(クロステック)”. 日経 xTECH(クロステック). Nikkei Business Publications, Inc.. 2019年11月17日閲覧。
  24. ^ Sun Microsystems, Inc (2007年5月8日). “Sun Fulfills Promise of Open and Free Java Technology and Releases Java SE Platform to OpenJDK Community”. 2009年9月16日閲覧。
  25. ^ http://www.excelsior-usa.com/jet.html
  26. ^ オラクル Java SE 認定資格パス 概要”. 2019年3月7日閲覧。
  27. ^ オラクル Java EE and Web Services 認定資格パス 概要”. 2019年3月7日閲覧。
  28. ^ Java Foundations Certified Junior Associate (novice-level certification)”. 2019年3月10日閲覧。
  29. ^ 認定試験一覧”. 2019年3月7日閲覧。
  30. ^ Java資格が大幅リニューアル。Bronze/Silver/Goldが登場”. 2019年3月7日閲覧。

参考文献

関連項目

外部リンク

オラクル・JCP関連
技術情報