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[[富士川英郎]]の長男として[[岡山市]]で生まれた。[[東京教育大学]]文学部英文科を経て、1970年東京大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。[[國學院大學]]助教授、[[東京都立大学 (1949-2011)]]助教授・教授、1990年より東京大学文学部英文科教授、人文社会系研究科教授を務める。1998年に定年退官、名誉教授。のち[[駒澤大学]]教授を務め、2009年に退職。1996年から1998年まで[[日本英文学会]]会長を務めた。 |
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[[エドガー・アラン・ポー|ポー]]、[[ウラジーミル・ナボコフ|ナボコフ]]、[[ウォルター・ペイター|ペイター]]など、[[イギリス文学]]の耽美主義、幻想文学を専攻し、著訳書も多く出版、近代日本の作家論も執筆している。 |
[[エドガー・アラン・ポー|ポー]]、[[ウラジーミル・ナボコフ|ナボコフ]]、[[ウォルター・ペイター|ペイター]]など、[[イギリス文学]]の耽美主義、幻想文学を専攻し、著訳書も多く出版、近代日本の作家論も執筆している。 |
2020年3月24日 (火) 23:54時点における版
富士川 義之(ふじかわ よしゆき、1938年9月13日 - )は、日本の英文学者、文芸批評家。東京大学名誉教授。
来歴・人物
富士川英郎の長男として岡山市で生まれた。東京教育大学文学部英文科を経て、1970年東京大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。國學院大學助教授、東京都立大学 (1949-2011)助教授・教授、1990年より東京大学文学部英文科教授、人文社会系研究科教授を務める。1998年に定年退官、名誉教授。のち駒澤大学教授を務め、2009年に退職。1996年から1998年まで日本英文学会会長を務めた。
ポー、ナボコフ、ペイターなど、イギリス文学の耽美主義、幻想文学を専攻し、著訳書も多く出版、近代日本の作家論も執筆している。
2015年『ある文人学者の肖像 評伝・富士川英郎』で第66回読売文学賞(評論・伝記賞)を受賞。親子2代での受賞となった。
著書
- 『風景の詩学』白水社、1983年、新装版2004年
- 『幻想の風景庭園 ポーから澁澤龍彦へ』沖積舎、1986年
- 『記憶のランプ』沖積舎、1988年
- 『ある唯美主義者の肖像―ウォルター・ペイターの世界』青土社、1992年
- 『英国の世紀末』新書館、1999年
- 『ナボコフ万華鏡』芳賀書店、2001年
- 『きまぐれな読書 現代イギリス文学の魅力』みすず書房〈大人の本棚〉、2003年
- 『新=東西文学論 批評と研究の狭間で』みすず書房、2003年
- 『ある文人学者の肖像 評伝・富士川英郎』新書館、2014年
主な編著
- 『日本幻想文学集成4 澁澤龍彦』国書刊行会、1991年-1995年、新編 2016-2017年
- 『澁澤龍彦文学館3 脱線の箱』 筑摩書房、1991年 - 17・18世紀期のイギリス文学編
- 『猫物語』 白水社、1992年、新装版1998年
- 『亡霊のイギリス文学 豊饒なる空間』 国文社、2012年(結城英雄共編)
- 『オスカー・ワイルドの世界』 開文社出版、2013年(玉井暲・河内恵子共編)
- 『ノンフィクションの英米文学』 金星堂、2018年(結城英雄・東雄一郎共編)
翻訳
- G・S・フレイザー『デュラン・トマス』 研究社出版、1970年
- ウラジーミル・ナボコフ『セバスチャン・ナイトの真実の生涯』 講談社、1970年/講談社文芸文庫(改訳)、1996年
- コナー・クルーズ・オブライエン『カミュ』 新潮社、1971年
- ロレンス・ダレル『トゥンク アフロディテの反逆』 筑摩書房、1973年
- ロレンス・ダレル『ヌンクァム アフロディテの反逆』 筑摩書房、1976年
- エドガー・アラン・ポー『アッシャー家の崩壊、黒猫 ほか』 集英社「世界文学全集」、1976年、改訂版1980年
- 『黒猫』、集英社文庫(新編)、1992年。解説種村季弘
- ウラジーミル・ナボコフ『断頭台への招待』 集英社「世界の文学8」、1977年。他は出淵博訳『キング、クイーンそしてジャック』
- オスカー・ワイルド『ドリアン・グレイの肖像』、『幸福な王子』 講談社「世界文学全集63」、1978年
- 『ドリアン・グレイの肖像』 岩波文庫、2019年(改訳版)
- 『童話集 幸福な王子 他八篇』 岩波文庫、2020年5月(改訳版)
- ピーター・コンラッド『オペラを読む』 白水社〈白水叢書〉、1979年、新装版2003年
- イアン・マッキューアン『ベッドのなかで』 集英社、1983年(加藤光也共訳)
- ヘンリー・ミラー『画家ヘンリー・ミラー』 福武書店、1983年
- ウラジーミル・ナボコフ『青白い炎』 筑摩書房「筑摩世界文学大系81」、1984年
- 『青白い炎』 ちくま文庫、2003年/岩波文庫、2014年。改訳版
- ケネス・クラーク『名画とは何か』 白水社「アートコレクション」、1985年/ちくま学芸文庫、2015年
- ウォルター・ペイター『ルネサンス』 白水社、1986年、新装版1993年/白水Uブックス、2004年
- エドガー・アラン・ポー『盗まれた手紙』 国書刊行会〈バベルの図書館〉、1989年、新編2012年
- アンジェラ・カーター『血染めの部屋 大人のための幻想童話』 筑摩書房、1992年/ちくま文庫、1999年
- ブラム・ダイクストラ『倒錯の偶像』 パピルス、1994年。訳者代表
- A・N・ウィルソン『愛の癒し』 集英社、1994年
- A・S・バイアット『マティス・ストーリーズ』 集英社、1995年
- アンジェラ・カーター『シンデレラあるいは母親の霊魂』 筑摩書房、2000年(兼武道子共訳)
- ミッシェル・ロヴリック、ミンマ・バーリア『ヴェネツィアの薔薇・ラスキンの愛の物語』 集英社、2002年
- 『対訳 ブラウニング詩集 イギリス詩人選(6)』 岩波文庫、2005年
- 『ウォルター・ペイター全集 (全3巻)』 筑摩書房、第1・2巻:2002年、第3巻:2008年。訳者代表
記念論集
- 『栴檀の光 富士川義之先生、久保内端郎先生退職記念論文集』 東雄一郎共編 金星堂 2010年
参考記事
- 富士川義之略歴・研究業績目録『英米文学』(駒澤大学 2009年)
- 富士川義之 『ある文人学者の肖像―評伝・富士川英郎』(新書館 2014年) ISBN 978-4-403-21106-5