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『'''未来放浪ガルディーン'''』(みらいほうろうガルディーン)は、[[火浦功]]による[[サイエンス・フィクション|SF小説]]のシリーズ。 |
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2020年5月20日 (水) 10:26時点における版
『未来放浪ガルディーン』(みらいほうろうガルディーン)は、火浦功によるSF小説のシリーズ。
制作背景
本作の元になったのは、1980年代前半にゆうきまさみがカットを担当していた『アニメック』のアニメーション評論ページである[1]。そこに漫画『ストップ!! ひばりくん!』の「美少女のような男性」大空ひばりが『うる星やつら』の「男として育てられた女性」藤波竜之介に「てめえなんかにオレの気持ちがわかってたまるかーっ!!」と殴り飛ばされているカットを描いた際、それをヒントに火浦と出渕裕が「性別が逆転したような二人組が主人公の珍道中もの」としてアニメーションの企画にまとめた[1]。更にゆうきの協力も得て、アニメの企画として通りやすくするために「(感情豊かな)巨大ロボット」の要素を付加し、製作会社に持ち込んだ[2]。しかし企画は通らず、企画買い取りでもなかったので、そのまま引き上げてしまった[2]。
その後、火浦が「企画そのものは面白いから小説にしたい」と両者に提案し、『未来放浪ガルディーン』が誕生することとなる[2]。それ故に本作は、メディアミックスでないにもかかわらず「巨大ロボットが活躍する小説」という、1986年当時としては珍しい内容になった[2]。なお、執筆しているのは火浦だが、キャラクターデザインをゆうき、メカデザインを出渕が担当している(イラストは両者が分担して担当)。また、毎巻の最後には三者鼎談が収録されている。
あらすじ
時代は遥か未来。文明崩壊後の戦国、波乱の時代。強大な武力を誇るヴァルマー帝国は、300年の伝統ある名門フレイヤー家を滅ぼした。これにより、全国統一の野望に燃えるジョージ〈無謀王〉ヴァルマーに対抗する勢力はほぼ壊滅した。しかし、男として育てられたフレイヤー家の王女コロナ〈筋肉娘〉フレイヤーは生き残り、単騎ヴァルマー宮殿に乗り込み、父の仇であるジョージを見事討ち取った。
すぐさまお尋ね者となったコロナは、ひょんなことから知り合ったシャラ=シャール・酒姫とスリム〈口先男〉ブラウンと共に放浪の旅に出る。そして逃げた先で出会ったのは、旧世紀の巨大機動メカ、T-178ガルディーンであった。
書誌情報
角川文庫
- 大熱血。(1986年8月) ISBN 4-04-162702-8
- 大暴力。(1987年8月)
角川スニーカー文庫
本編
- 大熱血。 無敵が俺を呼んでるぜ! (改版 1998年3月)
- 大暴力。 かわいいだけじゃダメかしら♥ (改版 1998年3月)
- 大豪快。 勝手にしやがれ……ってか! (2000年12月)
外伝
- 大出世。(1994年4月)
- 大ハード。(1998年3月)
関連作品
- イメージ・アルバム
- 未来放浪ガルディーン 大歌劇。(ダブリューイーエー・ジャパン 1992年4月)
- カセットブック
- 未来放浪ガルディーン 大熱血。(角川書店(カドカワカセットブック) 1988年11月)
登場人物
()内はイメージ・アルバム「大歌劇。」「大熱血。」での声優。
コロナ一行
- コロナ〈筋肉娘〉フレイヤー(田中真弓)
- 父ガイ(すちゃらか王)の趣味により男として育てられ、女性の振舞がしたくても出来ない王女様。化け物並みの身体能力を誇るが、王室育ちらしく世間知らず。父王の敵、ヴァルマーを討ったことで帝国に追われる身となった。大のネズミ嫌い。
- シャラ〈シャール〉酒姫(井上瑤)
- 酒姫の読みは「さき」。
- 一見、可憐な美少女だが実は男。女の武器も使いこなすお尋ね者。その過去は不明だが、無意識のうちにガルディーンやコーラルリーフなどの仕様などを口走る。コロナの敵討ちの現場に居合わせたため、共に追われることになった。
- スリム〈口先男〉ブラウン(鈴置洋孝)
- 口先ひとつで金品を巻上げ、世間を渡るお調子もの。シャラとは長い腐れ縁。大の賭博好きだが、とんでもなく弱い。
- T-178ガルディーン(塩沢兼人)(※「大熱血」では銀河万丈)
- 自律型で、歌って踊れてベタ塗りも出来る戦闘メカ、「オーガニックエンフォーサー」を自称するが、武器を使うよりもまず口を使うことが多い。コロナを自分のパイロットとして認識し、旅に同行するが、コロナには怒られることが多く、たびたびいじけている。
- ヤマト・マーベリック一尉(富山敬)
- この作品唯一の常識人。殖民惑星からやって来た為、地球の現状を知らない。
ヴァルマー帝国
- ジョージ〈無謀王〉ヴァルマー(郷里大輔)
- 辺境の油売りから、たった一代で帝国を築き上げた立派な成り上がり者。
- キリー〈陰険王〉レステス(青野武)
- ヴァルマー帝国乗っ取りを画策し、目的のためにはどんな卑怯な手も使う。寒い小噺を披露しては、周囲を地獄に引きずり込む。
- ベリアル少佐(神谷明)
- キリーの懐刀として汚れ役を一手に引き受け、コロナ抹殺を遂行するもいつも未遂に終わり、彼女に接触するたび、体の一部を失うハメに陥っている。
- アルタミラ〈出戻り〉カーン(榊原良子)(※「大熱血」では多岐川まり子)
- トロイの教育係。ヴァルマーの息子であるトロイを王位につけるため、軍を率いてトロイと共にコロナ討伐に向かうが、未だ目的を達成できず、帝国に戻れずにいる。美人だが、キツイ性格をしている。
- トロイ〈軟弱王〉ヴァルマー(難波圭一)
- 父〈無謀王〉とは正反対の大人しくおっとりした性格の王子。
- ブラスターキッド・レーベンブロイ(銀河万丈)
- ハードボイルドが売りの賞金稼ぎ。コロナの首を狙ってトロイの討伐隊にちゃっかり加わる。
その他の勢力
- ガイ〈すちゃらか王〉フレイヤー(田中亮一)
- 故人。コロナの父親。
- コーラルリーフ〈さんごちゃん〉(笠原弘子)
- 「大歌劇。」に登場する原子力潜水艦。ガルディーンと同様に自律型。
- エイハブ沖田(納谷悟朗)
- 「大歌劇。」に登場。捕鯨戦艦「怒涛号」の船長。モビィ・ディック(コーラルリーフの事)に片足を喰いちぎられ、復讐を誓う。
- ますこみ族(出渕裕、為替良月、米田裕、宮脇加奈子)
- 先祖代々の伝承を守り、事件の現場に必ず現れ取材やインタビューを行う。