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== 概要 == |
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2020年5月20日 (水) 11:00時点における版
鉄球姫エミリー | |
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ジャンル | ダーク・ファンタジー |
小説 | |
著者 | 八薙玉造 |
イラスト | 瀬之本久史 |
出版社 | 集英社 |
レーベル | スーパーダッシュ文庫 |
刊行期間 | 2007年9月 - 2009年5月 |
巻数 | 全5巻 |
テンプレート - ノート |
鉄球姫エミリーは(てっきゅうきエミリー)は、八薙玉造による日本のライトノベル。
概要
作者のデビュー作であり、第6回スーパーダッシュ小説新人賞大賞受賞作。
登場人物の大半は、戦いの時は「大甲冑」と呼ばれる巨大な甲冑を身に付けており、そうした人々を作中では「重騎士」と呼んでいる。最大の特徴として、ファンタジーでは定番武器となっている刀剣類が護身用のナイフ以外は全く登場せず、メイスや槍など、どちらかと言えば脇役扱いとなっている武器が主流となっている。これは、堅牢な装甲を持つ大甲冑に刀剣類が通用しなくなったと説明されており、実在の甲冑への対抗手段と同様の経緯となっている。また、こうした大甲冑に対抗する為に暗殺者も大甲冑を身に付けざるをえなくなっており、そうした存在は「亡霊騎士」(後述)と呼ばれている。
作中では基本的に、主人公エミリーと、主人公以外の登場人物誰が交互に一人称形式で進行していく。 また、前半は脇役中心で進行していき、後半はエミリー中心で進行していくケースが多く、間々に他の人物にスポットライトが当たる。 単行本の表題は、涼宮ハルヒシリーズや、“文学少女”シリーズの様に数字ではなく、『○○エミリー』または、『○○のエミリー』の様になる。
あらすじ
ラゲーネン王国第一王女の『鉄球姫』ことエミリーは、弟王との玉座を争う戦いを避けるため辺境の地に身を置き、女中や、護衛と戯れ何一つ不自由のない生活を送っていた。しかし、そんな彼女の元に弟王派筆頭のノーフォーク侯爵家当主ジョゼフが、刺客として4人の亡霊騎士を送り込んだ。
次々と討取られていく護衛騎士や装甲侍女、虐殺される女中や使用人達。エミリーと装甲侍女のセリーナは何とか生き延びたものの、セリーナが重傷を負った為に身動きが取れなくなってしまう。捕らえられた影武者のジュディは拷問に耐えられずに自分が影武者である事を白状した後に殺害され、周辺を捜しまわる亡霊騎士。
窮地に陥ったエミリーは、起死回生の反撃を試みるべく亡霊騎士が待ち受ける屋敷へと向かう・・・・・・。
世界観
輝鉄
輝鉄と呼ばれる石を甲冑・武器に埋め込むことによって人体能力を飛躍的に向上させる石。この世界ではレアメタルの様な存在であり、採掘される数は少ない。また、身体に最も近い場所によって効果が変わる他、性別によっても変化する。(下記参照)しかし、代償として体力をかなり消耗する為に「血吸石」とも呼ばれる。
大甲冑
装甲の厚さが従来の甲冑の三倍以上にもなる超重甲冑で、上記の輝鉄を埋め込んでいる為、装備者の身体能力を向上させる力がある。
男性と女性では体力の消耗量が異なり、男性は身体能力を女性よりも高くする事が出来るが、体力の消耗が早く、女性はその逆である。その為、男性と女性では役割が異なる事が多い。男性は通常は甲冑を装備せず緊急時に装備し、前線に立って戦う事が多く、女性は前線に配備されず、後方から大型の弓で援護したり、大盾で主を護衛する事が多い。
しかし、一概にそうとは言えず、エミリーやヴィルヘルミーネの様に女性でも前線で積極的に戦う者や、逆にグレンの様に男性でも主に付添って護衛する者もいる。また、大甲冑のタイプと武器との組み合わせが非常に大切であり、良い組み合わせならば、戦いの場においてより効果的に戦闘を行う事が出来る他、敵のタイプ・武器との相性によっても大きく変化する。
ただし、頑強な装甲を持つ大甲冑を破るのは容易な事ではなく(刀剣類は全く通用しない)、装備者の大半は必然的に超大型のウォーハンマーやメイスなどの打撃武器や、装甲の貫徹力に優れた大槍や大弓などの刺突武器を装備して戦う事になる。
装備者に圧倒的な戦闘力を与える為に、全ての大甲冑は政府や王室に登録されて厳重に管理されており、無登録の大甲冑の所持は、たとえ王侯貴族であっても即座に死刑となるほど重い罪が課せられる。
輝鉄を埋め込んでいる箇所によっても効果が異なり次のように分類される。
- 腕力強化型(腕部)
- 脚力強化型(脚部)
- 感覚強化型(兜)
- 特殊型 (後述)
腕力強化型
大甲冑の腕部に輝鉄を埋め込んだタイプで、そのパワーは凄まじく中には地面に大穴を開けるほどの力がある者もいる。攻撃的な戦闘スタイルの重騎士に多い。
主な装備者はアルバード、マイルズ、バジル(腕ではなく手。しかし、作中内での効果はほぼ同じ)、リカード、ライオネル、アーチボルト、ヴィルヘルミーネ、その他名前のない重騎士。
脚力強化型
大甲冑の脚部に輝鉄を埋め込んだタイプで、特に脚力が高く向上する。そのため、一撃離脱攻撃が得意である。また、奇襲対策などに適しているため重宝される。その脚力は、高い機動力だけでは無く足蹴によって鎧を砕く程である。
また、主人公であるエミリーもこのタイプである。
そのほか、国境付近に建てられている前線の、ロドン山岳要塞に駐留している守備隊では、脚力強化型の重騎士のみで編成された鉄鹿隊と呼ばれる部隊が存在する。
主な装備者はエミリー、デリク、リカード以外の狼、鉄鹿隊、その他名前のない重騎士。
感覚強化型
大甲冑の兜に輝鉄を埋め込んだタイプで、特に動体視力や聴力などが向上し、総じて感覚強化と呼ばれる。
中心人物であるグレンもこのタイプである。また、装甲侍女はほぼこのタイプである。
主な装備者は、グレン、セリーナ、ジュディ、コンスタンス、デリク、ソフィ
特殊型
- 旧式大甲冑
現在使われている、三種の大甲冑が開発される前に使われていたタイプで、全身に輝鉄が刻まれているものの量は少ない。さらに、他の大甲冑と違いどこも特化されていない。 旧型大甲冑に対して今の大甲冑を、改良型大甲冑・最新型大甲冑と呼ばれる。
- 装甲馬
ヴェルンスト王国配下、ブッフバルト家の切り札とも言える代物で、通常の大甲冑の数倍にもなる甲冑を軍馬に着せた超重軍馬である。その機動力は脚力強化型の大甲冑をも凌ぎ、機動力だけではなく攻撃力も凄まじい。ただし、馬用の大甲冑を製造するには莫大な費用がかかる為、相当な経済力が無いと一体分を製造することもままならない。
作中ではジェファーソン伯軍をたった二十騎で半壊させて撤退に追い込み、通常行軍に1日もかかる距離にあるノーフォーク軍が半島派と交戦しているダニエルヒルヘと向かい、前線を押し上げようとしているノーフォーク軍を敗走へ追い込んだ。
- 旧型装甲馬
大甲冑の黎明期に存在していた装甲軍馬。輝鉄が含まれていない普通の甲冑を着用させている。脚力強化型の大甲冑の登場と共に廃れてしまった。
重騎士
大甲冑を身に付けた騎士の総称。単独で普通の兵士100人分の戦力があるとされており、圧倒的なまでの戦闘力を有する。戦場における戦力の要なので、この重騎士をどれだけ揃えられるかが勝敗の分かれ目となっている。前線で戦う重騎士の他に以下の存在が確認されている。
護衛騎士
自分の主人を守護する騎士の総称。城塞や貴族の屋敷の警備に付いている者も護衛騎士と呼ばれる。主に大盾を装備して文字通り主人の「盾」となる者や、強力な武器で積極的に敵対者を倒しに行く者に分けられる。また、主人を守る為に戦場に出る事も多い。
装甲侍女
城塞などで主人の身の回りの世話をするメイドの内、大甲冑を身に付けた女性達の総称。日常の作業の支障にならないように、篭手の指先が露出するようになっている。大概は護衛騎士と共に城塞で警備に付いているが、セリーナのように戦場に出る装甲侍女も少なくない。また、いざと言う時は主人を守る最後の盾になる為に、感覚強化型の大甲冑を身に付けている事が多い。
亡霊騎士
無登録の大甲冑を身に付けた重騎士の総称。主に暗殺などの闇仕事に手を染めている。暗殺のターゲットを守備する護衛騎士や装甲侍女(場合によってはターゲットそのもの)が大甲冑を装備するようになった為、これらを突破する為に暗殺者も必然的に大甲冑を装備するようになったのが始まりである。作中では装甲を黒く染めているが、輝鉄は暗闇でも光り輝くのでカモフラージュにはなっていない。
目的の為には手段を選ばず、毒薬の類も平然と使用する事から多くの人々に恐れられ、忌み嫌われている。
だが、それ以上に亡霊騎士が忌み嫌われるのは、ターゲット以外の目撃者を老若男女を問わずに虐殺する『無慈悲な殺戮者』だという事である。これは、無登録の大甲冑の所持が即死刑になる為で、自身の身を守る為に必然的に目撃者の虐殺に繋がっている。
外部リンク
第6回スーパーダッシュ小説新人賞・大賞受賞作品 | ||
---|---|---|
第5回 | 鉄球姫エミリー (八薙玉造) |
第9回[1] |
黄色い花の紅 (アサウラ) |
ニーナとうさぎと魔法の戦車(兎月竜之介) オワ・ランデ ヤレない貴族のオトシ方(神秋昌史) |
脚注
- ^ 第7回、第8回は該当作なし