「ビアンカ・オーバースタディ」の版間の差分
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『'''ビアンカ・オーバースタディ'''』は、[[筒井康隆]]が2012年に発表したライトノベルである。 |
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筒井は『この作品も続篇を書きたいところだが、あいにくわしはもう七十七歳でこれを喜寿というのだが、喜ばしくないことにはもう根気がなくなってきている。「ビアンカ・オーバーステップ」というタイトルのアイディアがあるから、誰か続篇を書いてはくれまいか』と本作のあとがきにて述べている<ref>[https://sai-zen-sen.jp/works/fictions/bianca/90/01.html 筒井康隆『ビアンカ・オーバースタディ』あとがき Illustration／いとうのいぢ | 最前線] 2019年4月19日閲覧。</ref><ref name="overstep">{{cite web|url=https://kai-you.net/article/39419|title=新人が筒井康隆のラノベ続編を無断で書いて受賞!? 編集者が語る前代未聞の裏話 - KAI-YOU.net|accessdate=2019-04-19|date=2017年3月17日|author= 米村 智水|publisher=KAI-YOU.net}} |
筒井は『この作品も続篇を書きたいところだが、あいにくわしはもう七十七歳でこれを喜寿というのだが、喜ばしくないことにはもう根気がなくなってきている。「ビアンカ・オーバーステップ」というタイトルのアイディアがあるから、誰か続篇を書いてはくれまいか』と本作のあとがきにて述べている<ref>[https://sai-zen-sen.jp/works/fictions/bianca/90/01.html 筒井康隆『ビアンカ・オーバースタディ』あとがき Illustration／いとうのいぢ | 最前線] 2019年4月19日閲覧。</ref><ref name="overstep">{{cite web|url=https://kai-you.net/article/39419|title=新人が筒井康隆のラノベ続編を無断で書いて受賞!? 編集者が語る前代未聞の裏話 - KAI-YOU.net|accessdate=2019-04-19|date=2017年3月17日|author= 米村 智水|publisher=KAI-YOU.net}} |
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</ref>。この記述に影響を受けた新人作家の[[筒城灯士郎]]は、筒井に許可を得ずに本作の続編『ビアンカ・オーバーステップ―神の世界に月はない―』を執筆し、第18回[[星海社FICTIONS新人賞]]に応募。選考担当の編集者陣による座談会でも「今回の大本命」と評され<ref>[https://sai-zen-sen.jp/works/extras/sfa018/01/01.html 『2016年夏 星海社FICTIONS新人賞 編集者座談会』2016年9月8日・13日＠星海社会議室 | 最前線] 2019年4月19日閲覧。</ref>、選考の結果受賞が決定したものの「筒井本人の許可が得られなければ出版しない」こととなった<ref name="overstep"/>。その後筒井が許可を出した<ref>{{cite web|url=http://shokenro.jp/00001408|title=笑犬楼大通り 偽文士日碌 十一月十七日（木）|accessdate=2019-04-19|date=2016年11月17日|author=筒井康隆}}</ref>ことで、正式な続編 |
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2020年5月20日 (水) 13:07時点における版
| ビアンカ・オーバースタディ | |
|---|---|
| ジャンル | SF |
| 小説 | |
| 著者 | 筒井康隆 |
| イラスト | いとうのいぢ |
| 出版社 | 星海社 |
| 発売日 | 単行本 2012年8月17日 文庫 2016年5月25日 |
| テンプレート - ノート | |
| プロジェクト | ライトノベル |
『ビアンカ・オーバースタディ』は、筒井康隆が2012年に発表したライトノベルである。
解説
人間の精子の観察を望むハーフの美少女・ビアンカ北町が、千原信忠の素性を知り、彼の計画に協力するさまを描いたライトノベル作品。星海社から2012年8月17日に発売され、星海社のウェブサイトでは第一章とあとがきが無料公開された。のち、2016年5月25日に角川文庫で発売。 作者である筒井はあとがきの中で、通常のラノベとして読むだけでなくメタ的な読み方もできると述べている[1]。
登場人物
- ビアンカ北町
- 本作におけるメインキャラクター。人間の生殖に興味を持つ。
- 塩崎
- ビアンカにあこがれる下級生で、彼女に精子を提供した。
- 千原信忠（ちはらのぶただ）
- ビアンカの先輩で、生物研究部に所属している。その正体は未来人。
- 沼田耀子（ぬまたようこ）
- 本作におけるサブヒロイン。塩崎と親交のある暴力的なヤンキー少女。
- ロッサ
- かわいらしい女子中学生。
評価
4Gamer.netの柿崎憲とエキサイトのたまごまごはいずれも、「帯には「それは2010年代の『時をかける少女』」とあるが、さわやかなラベンダーの匂いではなく栗の花の匂いがする」と評した[1][2]。
柿崎は、どこか既視感のあるキャラクターや設定を取り入れつつもそれを逸脱させて、他では目にできない作品に仕上げるという、パロディを多用する筒井ならではの技が光りつつも、終盤では未来の視点から現代文明や社会情勢への批判を込めるという、通常のライトノベルらしいオチにしていると評した[1]。 たまごまごは、作品全体の視野の広さやキャラクターついても評価しており、たとえば塩崎はビアンカとともに行動しているため、努力を重ねて変化するヘタレ系主人公に見えてそうではないキャラクターになっており、たまごまごはライトノベル風にした、ライトノベルの読者の隠喩ではないかとみている[3]。 また、ロッサはかわいらしい女子中学生であること以外の情報が意図的に描かれておらず、さらわれる場面があっても、眠ったまま服を着させられ、さらった者はそれを眺めながら自慰をするという内容になっており、毒気と棘を抜き二次元化させた美少女像の隠喩ではないかとたまごまごはみている[3]。
続編
| ビアンカ・オーバーステップ | |
|---|---|
| ジャンル | SF |
| 小説 | |
| 著者 | 筒城灯士郎 |
| イラスト | いとうのいぢ |
| 出版社 | 星海社 |
| 発売日 | 単行本 2017年3月17日 |
| テンプレート - ノート | |
| プロジェクト | ライトノベル |
筒井は『この作品も続篇を書きたいところだが、あいにくわしはもう七十七歳でこれを喜寿というのだが、喜ばしくないことにはもう根気がなくなってきている。「ビアンカ・オーバーステップ」というタイトルのアイディアがあるから、誰か続篇を書いてはくれまいか』と本作のあとがきにて述べている[4][5]。この記述に影響を受けた新人作家の筒城灯士郎は、筒井に許可を得ずに本作の続編『ビアンカ・オーバーステップ―神の世界に月はない―』を執筆し、第18回星海社FICTIONS新人賞に応募。選考担当の編集者陣による座談会でも「今回の大本命」と評され[6]、選考の結果受賞が決定したものの「筒井本人の許可が得られなければ出版しない」こととなった[5]。その後筒井が許可を出した[7]ことで、正式な続編 『ビアンカ・オーバーステップ』として出版された[5]。
脚注
- ^ a b c 柿崎憲 (2012年9月1日). “放課後ライトノベル第107回「筒井康隆×いとうのいぢが贈る衝撃作。「放課後ライトノベル」第107回は『ビアンカ・オーバースタディ』でちょっと危ない生物実験」”. 4Gamer.net. 2016年7月3日閲覧。
- ^ たまごまご (2012年8月22日). “「研究材料にあなたの精子が欲しいの」77歳・筒井康隆の初ラノベ (1ページ目)”. エキサイト. 2016年7月3日閲覧。
- ^ a b たまごまご (2012年8月22日). “「研究材料にあなたの精子が欲しいの」77歳・筒井康隆の初ラノベ (3ページ目)”. エキサイト. 2016年7月3日閲覧。
- ^ 筒井康隆『ビアンカ・オーバースタディ』あとがき Illustration／いとうのいぢ | 最前線 2019年4月19日閲覧。
- ^ a b c 米村 智水 (2017年3月17日). “新人が筒井康隆のラノベ続編を無断で書いて受賞!? 編集者が語る前代未聞の裏話 - KAI-YOU.net”. KAI-YOU.net. 2019年4月19日閲覧。
- ^ 『2016年夏 星海社FICTIONS新人賞 編集者座談会』2016年9月8日・13日＠星海社会議室 | 最前線 2019年4月19日閲覧。
- ^ 筒井康隆 (2016年11月17日). “笑犬楼大通り 偽文士日碌 十一月十七日（木）”. 2019年4月19日閲覧。
外部リンク
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