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庾闡（ゆせん、生没年不詳）は、中国の晋代の文人・官僚。字は仲初。本貫は潁川郡鄢陵県。

経歴

庾東の子として生まれた。学問を好み、9歳で文章を作ることができた。若くして母方のおじの孫氏に従って、長江を南に渡った。庾闡の母は庾闡の兄の庾肇が楽安長史となったのに従って、項城にいたが、永嘉末年に項城が石勒に攻め落とされると、庾闡の母は死没した。庾闡は母を悼んで身なりを整えず、婚姻や任官もせず、酒肉を断って20年に及んだ。州により秀才に挙げられ、また司馬睿が晋王となったときに招かれたが、いずれも行かなかった。

後に西陽王司馬羕の下で太宰掾となり、尚書郎に累進した。蘇峻の乱が起こると、庾闡は郗鑒のもとに逃げだし、その下で司空参軍となった。蘇峻の乱が平定されると、庾闡は功績により吉陽県男の爵位を受け、彭城国内史に任じられた。再び郗鑒の下で従事中郎となった。まもなく建康に召し出されて散騎侍郎となり、大著作を兼ねた。ほどなく零陵郡太守に任じられて出向し、湘川に入って賈誼を弔った。

後に病のため召還されて、給事中に任じられ、再び著作を兼ねた。呉国内史の虞潭が太伯のために碑を立てるにあたって、庾闡がその碑文を作った。また「揚都賦」を作って、当時に重んじられた。54歳で死去した。諡は貞といった。かれの著した詩・賦・銘・頌10巻が当時に通行した。

子に庾粛之があり、やはり文名で知られ、給事中・相府記室・湘東郡太守を歴任して、太元年間に死去した。

伝記資料

『晋書』巻92 列伝第62

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 庾東の子として生まれた。学問を好み、9歳で文章を作ることができた。若くして母方のおじの孫氏に従って、[[長江]]を南に渡った。庾闡の母は庾闡の兄の庾肇が楽安長史となったのに従って、項城にいたが、[[永嘉 (晋)|永嘉]]末年に項城が[[石勒]]に攻め落とされると、庾闡の母は死没した。庾闡は母を悼んで身なりを整えず、婚姻や任官もせず、酒肉を断って20年に及んだ。州により[[秀才 (科挙)|秀才]]に挙げられ、また[[元帝 (東晋)|司馬睿]]が晋王となったときに招かれたが、いずれも行かなかった。
-後に西陽王[[司馬羕]]の下で[[太宰]]掾となり、尚書郎に累進した。[[蘇峻の乱]]が起こると、庾闡は[[チ鑒|郗鑒]]のもとに逃げだし、その下で[[司空]]参軍となった。蘇峻の乱が平定されると、庾闡は功績により吉陽県男の爵位を受け、[[彭城郡|彭城国]][[内史]]に任じられた。再び郗鑒の下で従事中郎となった。まもなく[[建康 (都城)|建康]]に召し出されて散騎侍郎となり、大著作を兼ねた。ほどなく[[零陵郡]][[太守]]に任じられて出向し、湘川に入って[[賈誼]]を弔った。
+後に西陽王[[司馬羕]]の下で[[太宰]]掾となり、尚書郎に累進した。[[蘇峻の乱]]が起こると、庾闡は[[郗鑒]]のもとに逃げだし、その下で[[司空]]参軍となった。蘇峻の乱が平定されると、庾闡は功績により吉陽県男の爵位を受け、[[彭城郡|彭城国]][[内史]]に任じられた。再び郗鑒の下で従事中郎となった。まもなく[[建康 (都城)|建康]]に召し出されて散騎侍郎となり、大著作を兼ねた。ほどなく[[零陵郡]][[太守]]に任じられて出向し、湘川に入って[[賈誼]]を弔った。
 後に病のため召還されて、給事中に任じられ、再び著作を兼ねた。[[呉郡|呉国]]内史の[[虞潭]]が[[太伯・虞仲|太伯]]のために碑を立てるにあたって、庾闡がその碑文を作った。また「揚都賦」を作って、当時に重んじられた。54歳で死去した。[[諡]]は貞といった。かれの著した詩・賦・銘・頌10巻が当時に通行した。