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「フィドル」の版間の差分

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**[[スライゴ州|スライゴ]]([[コノート]]地方北部)のフィドル奏法。ドニゴールのフィドル奏法に似ており、速く、弾むような運弓で弾く。
**[[スライゴ州|スライゴ]]([[コノート]]地方北部)のフィドル奏法。ドニゴールのフィドル奏法に似ており、速く、弾むような運弓で弾く。
**[[ゴールウェイ州|ゴールウェイ]]([[コノート]]地方南部)のフィドル奏法。スライゴやドニゴールの伝統よりもゆっくりとしており、装飾を強く強調する。加えて、[[イリアン・パイプス]]の調性({{music|flat}}B)に合わせて、時折チューンは(一般的なDやGではなく) {{music|flat}}Eないし{{music|flat}}Bで演奏される。
**[[ゴールウェイ州|ゴールウェイ]]([[コノート]]地方南部)のフィドル奏法。スライゴやドニゴールの伝統よりもゆっくりとしており、装飾を強く強調する。加えて、[[イリアン・パイプス]]の調性({{music|flat}}B)に合わせて、時折チューンは(一般的なDやGではなく) {{music|flat}}Eないし{{music|flat}}Bで演奏される。
**[[クレア|クレア]]([[マンスター]]地方北部)のフィドル奏法。ゴールウェイのようにゆったりしたテンポで演奏される傾向にあるが、装飾よりも旋律をより強調する。
**[[クレア|クレア]]([[マンスター]]地方北部)のフィドル奏法。ゴールウェイのようにゆったりしたテンポで演奏される傾向にあるが、装飾よりも旋律をより強調する。
**[[:en:Sliabh Luachra|シュリーヴ・ルークラ]](コーク、ケリー、リムリック各州を流れるブラックウォーター川流域。[[マンスター]]地方南西部にあたる。)のフィドル奏法。[[ポルカ]]と[[:en:slide (tune type)|スライド]]という特有のレパートリー、[[重音奏法]]と[[ドローン (音楽)|ドローン]]の使用、ドニゴールと同じように旋律の2オクターヴでの演奏によって特徴付けられる。<ref>{{cite web |url=http://www.irishfiddle.com/article_on_styles1.html |title=Regional Irish Fiddle Styles |publisher=Irishfiddle.com |date= |accessdate=2012-04-30 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20120423204037/http://www.irishfiddle.com/article_on_styles1.html |archivedate=2012年4月23日 |deadurldate=2017年9月 }}</ref>
**[[:en:Sliabh Luachra|シュリーヴ・ルークラ]](コーク、ケリー、リムリック各州を流れるブラックウォーター川流域。[[マンスター]]地方南西部にあたる。)のフィドル奏法。[[ポルカ]]と[[:en:slide (tune type)|スライド]]という特有のレパートリー、[[重音奏法]]と[[ドローン (音楽)|ドローン]]の使用、ドニゴールと同じように旋律の2オクターヴでの演奏によって特徴付けられる。<ref>{{cite web |url=http://www.irishfiddle.com/article_on_styles1.html |title=Regional Irish Fiddle Styles |publisher=Irishfiddle.com |date= |accessdate=2012-04-30 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20120423204037/http://www.irishfiddle.com/article_on_styles1.html |archivedate=2012年4月23日 |deadurldate=2017年9月 }}</ref>



2020年8月30日 (日) 22:34時点における版

フィドルを弾くFiddlin' Bill Hensley、1939年

フィドル(英語: fiddle)とは、を用いて演奏する擦弦楽器、特にヴァイオリンを指す名称である。「ヴァイオリン」という言葉がイタリア語から派生した言葉であるのに対し、「フィドル」は英語である。

概要

フィドルは、ヴァイオリンとまったく同一の構造を持つが、主に民俗音楽民族音楽)で使われるヴァイオリンを指し、バンジョーやマンドリン(フラットマンドリン)などとともに、アイルランド音楽カントリー・ミュージックブルーグラスなどの音楽でも使用される。ただし、英語においてはクラシック音楽で使われるものも含めて、ヴァイオリンの俗語としても用いられる。

民族/民俗音楽においては、ソロの演奏が多い。また、二挺のフィドル演奏は北アメリカスカンディナヴィア地方、アイルランドアイリッシュスタイル)の民族音楽に広く見られる。有名なフィドル奏者としては、アリソン・クラウスケニー・ベイカーバイロン・バーラインリチャード・グリーンマーティン・ヘイズケヴィン・バークらがいる。

スタイル

フィドル奏法はクラシック音楽のヴァイオリン奏法より幅広く、様々な民族音楽や民俗音楽の伝統の幅広い多様性によって特徴付けられており、そのどれもが独特の音を持っている。

ヨーロッパ

グレート・ブリテン島

アイルランド

  • アイルランド民俗音楽のフィドル奏法。
    • ドニゴール(アルスター地方北西部)のフィドル奏法。マズルカと、ストラスペイハイランド・フリング・ダンスといったスコットランドの影響を受けたレパートリーによって特徴付けられる。フィドラーは早弾きと、スタッカート運弓の多用の傾向があり、そして時々"低音弾き"(play the bass、二人目のフィドラーが最初にチューンを弾き出したフィドラーの音の1オクターヴ下の旋律を弾くこと)が見受けられる。
    • スライゴ(コノート地方北部)のフィドル奏法。ドニゴールのフィドル奏法に似ており、速く、弾むような運弓で弾く。
    • ゴールウェイ(コノート地方南部)のフィドル奏法。スライゴやドニゴールの伝統よりもゆっくりとしており、装飾を強く強調する。加えて、イリアン・パイプスの調性(B)に合わせて、時折チューンは(一般的なDやGではなく) EないしBで演奏される。
    • クレア(マンスター地方北部)のフィドル奏法。ゴールウェイのようにゆったりしたテンポで演奏される傾向にあるが、装飾よりも旋律をより強調する。
    • シュリーヴ・ルークラ(コーク、ケリー、リムリック各州を流れるブラックウォーター川流域。マンスター地方南西部にあたる。)のフィドル奏法。ポルカスライドという特有のレパートリー、重音奏法ドローンの使用、ドニゴールと同じように旋律の2オクターヴでの演奏によって特徴付けられる。[2]

スカンディナヴィア

中央ヨーロッパ

北アメリカ

アメリカ合衆国

アメリカのフィドル奏法。伝統的なものから現代まで幅広い。

伝統

現代

カナダ

カナダのフィドル奏法。カナダではフィドルがよく弾かれており, 地域それぞれに様々なフィドル奏法が見られる。バンクーバーオリンピックの開会式で知られたように、国の文化のアイデンティティにおける重要な位置にある。

ラテンアメリカ

他の地域

その他

クラシック(ヴァイオリン)においては作曲者の意図の再現性、正確性、音色などが演奏において重視されるのに対して、フィドルでは演奏者の個性やノリが演奏において重視される。次のような格言がフィドルとヴァイオリンのこれらの違いを冗談めかして示している。

  • 「ヴァイオリンは歌う、しかしフィドルは踊る」(ヴァイオリンは音色、フィドルはノリ)
  • 「フィドルにビールをこぼしてもだれも泣くものはいない」(フィドルはどちらかというとひなびた音色を好むので高価な楽器が使われることが少ない。演奏における比重が楽器の質より演奏者の個性に大きく依存することも寄与している。)

脚注

  1. ^ Joseph Lyons. “Scottish Fiddle Music”. Scotlandsmusic.com. 2012年4月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年4月30日閲覧。
  2. ^ Regional Irish Fiddle Styles”. Irishfiddle.com. 2012年4月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年4月30日閲覧。
  3. ^ Middle Eastern and Mediterranean Fiddle”. Fiddlingaround.co.uk. 2011年11月14日閲覧。
  4. ^ Klezmer Fiddle”. Fiddlingaround.co.uk. 2011年11月14日閲覧。
  5. ^ East European and Gypsy Fiddle”. Fiddlingaround.co.uk. 2011年11月14日閲覧。
  6. ^ Gu-Achi Fiddlers - Old Time O'odham Fiddle Music (CR-8082)”. Store.canyonrecords.com. 2012年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年8月3日閲覧。
  7. ^ Western Swing Fiddle”. Fiddlingaround.co.uk. 2011年11月14日閲覧。
  8. ^ Jackson School of International Studies - Canadian Studies Center”. Jsis.washington.edu. 2012年8月3日閲覧。
  9. ^ You Tube に於ける実物

関連項目