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「シルボ」の版間の差分

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口笛の音を[[スペイン語]]の各音に対応させることで、口笛だけで<!-- 日常会話程度の -->[[コミュニケーション]]を取るという形態をとっている。この特性から、[[手話]]等と違って無意味な音を伝達することも可能である。
口笛の音を[[スペイン語]]の各音に対応させることで、口笛だけで<!-- 日常会話程度の -->[[コミュニケーション]]を取るという形態をとっている。この特性から、[[手話]]等と違って無意味な音を伝達することも可能である。


カナリア諸島に住む先住民であり遊牧民である[[グアンチェ族]]は、谷を挟んで数キロメートル離れた場所にいる仲間とコミュニケーションを取るためにこの口笛言語を用いる。これは人間の声が数百メートルしか届かないのに対し、口笛は数キロメートル届くことを利用したものである。シルボは元来グアンチェ族の用いていた[[グアンチェ語]](現在は[[死語 (言語)|死語]])に基づいたものであったが、現在ではスペイン語が組み込まれる形で用いられている<ref name = "Keith" />。
カナリア諸島に住む先住民であり遊牧民である[[グアンチェ族]]は、谷を挟んで数キロメートル離れた場所にいる仲間とコミュニケーションを取るためにこの口笛言語を用いる。これは人間の声が数百メートルしか届かないのに対し、口笛は数キロメートル届くことを利用したものである。シルボは元来グアンチェ族の用いていた[[グアンチェ語]](現在は[[死語 (言語)|死語]])に基づいたものであったが、現在ではスペイン語が組み込まれる形で用いられている<ref name = "Keith" />。


== 現在の状況 ==
== 現在の状況 ==

2021年3月3日 (水) 21:55時点における版

シルボまたはシルボ・ゴメーロスペイン語: el silbo gomero)とは、スペインカナリア諸島にある人口22,000人のラ・ゴメラ島で使用される口笛言語である[1]

概要

口笛の音をスペイン語の各音に対応させることで、口笛だけでコミュニケーションを取るという形態をとっている。この特性から、手話等と違って無意味な音を伝達することも可能である。

カナリア諸島に住む先住民であり遊牧民であるグアンチェ族は、谷を挟んで数キロメートル離れた場所にいる仲間とコミュニケーションを取るためにこの口笛言語を用いる。これは人間の声が数百メートルしか届かないのに対し、口笛は数キロメートル届くことを利用したものである。シルボは元来グアンチェ族の用いていたグアンチェ語(現在は死語)に基づいたものであったが、現在ではスペイン語が組み込まれる形で用いられている[1]

現在の状況

シルボを使える従業員がいるレストランなどでは、客へのパフォーマンスとして実践をしてみせる。数人の客の荷物をごちゃ混ぜにした後、その場にいなかった従業員を呼び出してシルボで指示を出し、荷物を元の客に戻すのである。

1970年から1980年代頃にはこのシルボを受け継ぐ人が極めて少なくなっていたが[2]小学校で授業として教えるなどの努力の結果、現在ではほぼすべての島民によって解されるようになっている[3]

2009年にはユネスコ無形文化遺産に登録された[3]

脚注

  1. ^ a b Keith Brown; Anne H. Anderson et al., eds. Encyclopedia of language & linguistics. 13 (2nd ed.). Elsevier. p. 573. ISBN 0080443699 
  2. ^ Silbo gomero: A whistling language revived”. BBC News Online (2013年1月11日). 2013年6月7日閲覧。
  3. ^ a b UNESCO Culture Sector - Intangible Heritage”. 2013年6月6日閲覧。

関連項目

外部リンク