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セイリッシュ語族の分類に関しては、まず Boas & Haeberlin (1927) で20種類の言語が「方言」として内陸語派({{Lang-en-short|Interior}}{{enlink|Interior Salish languages|a=on}})と海岸語派({{Lang-en-short|Coast}}{{enlink|Coast Salish languages|a=on}})とに大別されたのち、Swadesh (1950) により23言語が内陸語派、海岸語派、[[ベラクーラ語]]、[[ティラムーク語]]の計4つの語派に分けられた<ref name="mo1989">大島(1989)。</ref>。さらに Thompson (1979) ではティラムーク語が海岸語派に含まれている他、ツァモス語派({{Lang-en-short|Tsamosan}}; 別名: オリンピック語派 ({{Lang-en-short|Olympic}}))が見られ、ベラクーラ語や内陸語派と合わせて4つの語派に分類されている<ref name="mo1989" />。 |
セイリッシュ語族の分類に関しては、まず Boas & Haeberlin (1927) で20種類の言語が「方言」として内陸語派({{Lang-en-short|Interior}}{{enlink|Interior Salish languages|a=on}})と海岸語派({{Lang-en-short|Coast}}{{enlink|Coast Salish languages|a=on}})とに大別されたのち、Swadesh (1950) により23言語が内陸語派、海岸語派、[[ベラクーラ語]]、[[ティラムーク語]]の計4つの語派に分けられた<ref name="mo1989">大島(1989)。</ref>。さらに Thompson (1979) ではティラムーク語が海岸語派に含まれている他、ツァモス語派({{Lang-en-short|Tsamosan}}; 別名: オリンピック語派 ({{Lang-en-short|Olympic}}))が見られ、ベラクーラ語や内陸語派と合わせて4つの語派に分類されている<ref name="mo1989" />。 |
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以下の分類や日本語名の大半は渡辺(2003)に依拠したもので、これも23言語からなるものである。†は[[死語 (言語 |
以下の分類や日本語名の大半は渡辺(2003)に依拠したもので、これも23言語からなるものである。†は[[死語 (言語)|死語]]であることを意味する。 |
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* 海岸語派(Coast; 別名: 中央語派 (Central)) |
* 海岸語派(Coast; 別名: 中央語派 (Central)) |
2021年3月3日 (水) 22:00時点における版
セイリッシュ語族 | |
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話される地域 | 太平洋岸北西部 |
言語系統 | 世界の基本となる語族の一つ。 |
下位言語 | |
ISO 639-2 / 5 | sal |
ISO 639-5 | sal |
Glottolog | sali1255[1] |
「接触の時代」以前のセイリッシュ諸語の分布(赤)。 |
セイリッシュ語族(セイリッシュごぞく、英: Salishan languages)は太平洋岸北西部(カナダのブリティッシュコロンビア州、およびアメリカ合衆国のワシントン州、オレゴン州、アイダホ州、モンタナ州)で用いられている言語群である。
語族名別称
- サリシュ語族
- セイリッシ語族
下位分類
セイリッシュ語族の分類に関しては、まず Boas & Haeberlin (1927) で20種類の言語が「方言」として内陸語派(英: Interior (en) )と海岸語派(英: Coast (en) )とに大別されたのち、Swadesh (1950) により23言語が内陸語派、海岸語派、ベラクーラ語、ティラムーク語の計4つの語派に分けられた[2]。さらに Thompson (1979) ではティラムーク語が海岸語派に含まれている他、ツァモス語派(英: Tsamosan; 別名: オリンピック語派 (英: Olympic))が見られ、ベラクーラ語や内陸語派と合わせて4つの語派に分類されている[2]。
以下の分類や日本語名の大半は渡辺(2003)に依拠したもので、これも23言語からなるものである。†は死語であることを意味する。
- 海岸語派(Coast; 別名: 中央語派 (Central))
- ツァモス語派(Tsamosan)
- ティラムーク語(Tillamook)†
- 内陸語派(Interior)
- ベラクーラ語(Bella Coola; 原語名: Nuxalk; 別名: ベラ・クーラ語)
音論
セイリッシュ語族全体においては、唇音化した子音[注 1]や声門化した子音[注 2]が見られる点が特徴である[2]。
文法
セイリッシュ語族の言語全体に共通する文法的な特徴として、名詞と動詞の区別が曖昧であるという点が挙げられる[2]。たとえば内陸語派のシュスワプ語においては、以下の例のようにAという事柄を表す語は人称Bを表す接辞の付加等により「BはAである」という叙述的な意味を表すことが可能である。
(1) | a. | シュスワプ語(Kuipers 1974: 44, 187) | |||||||||||||||||||
səx°epmx | |||||||||||||||||||||
シュスワプ族 | |||||||||||||||||||||
シュスワプ族 |
(1) | b. | sx°épmx-k | |||||||||||||||||||
シュスワプ族-2sg | |||||||||||||||||||||
あなたはシュスワプ族である |
語には主に重複(英: reduplication)による変化と接辞による変化が見られる[2]。このうち接辞については接頭辞、接中辞、接尾辞が見られるものの、最も種類が豊富であるのは接尾辞で、100を超える数のものが見られる[3]。これに対して接頭辞は空間的な情報を示すものや名詞化の機能を果たすものなどが存在するものの、接尾辞と比べると数は少ない[3]。接中辞に至っては、わずかに2、3種類しか見られない[2][3]。
脚注
注釈
出典
参考文献
- Kuipers, Aert H. (1974). The Shuswap Language: Grammar, Texts, Dictionary. The Hague: Mouton
- 大島稔 (1989).「セイリッシュ語族」 亀井孝、河野六郎、千野栄一 編『言語学大辞典』第2巻、三省堂、434-435頁。ISBN 4-385-15216-0
- テート, メアリー (2000).「北アメリカ」 R. E. アシャー、クリストファー・マーズレイ 編、土田滋、福井勝義 日本語版監修、福井正子 翻訳『世界民族言語地図』東洋書林、3-24頁。ISBN 4-88721-399-9 (原書: Atlas of the World's Languages, 1994, London: Routledge.)
- 渡辺己 (2003).「北アメリカの「危機言語」 現状と課題」 崎山理 編『消滅の危機に瀕した言語の研究の現状と課題』(国立民族学博物館調査報告 39: 139-145)。
関連文献
- Boas, Franz & Herman Haeberlin (1927). "Sound Shifts in Salishan Dialects." In International Journal of American Linguistics 4. Baltimore.
- Czaykowska-Higgins, Ewa and M. Dale Kinkade (1998). "Salish languages and linguistics." In Ewa Czaykowska-Higgins and M. Dale Kinkade (eds.) Salish Languages and Linguistics: Theoretical and Descriptive Perspectives, pp. 1–68. Berlin / New York: Mouton de Gruyter.
- Swadesh, Morris (1950). "Salish Internal Relationships." In International Journal of American Linguistics 16. Baltimore.
- Thompson, Laurence C. (1979). "Salishan and the Northwest." In Lyle Campbell and Marianne Mithun (eds.) The Languages of Native America: Historical and Comparative Assessment. Austin / London: University of Texas Press.
関連項目
外部リンク
- Glottolog 2.7 - Salishan 2017年3月7日閲覧。
- MultiTree