「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の版間の差分
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* [[惣流・アスカ・ラングレー#新劇場版|式波・アスカ・ラングレー]](声 - [[宮村優子 (声優)|宮村優子]]) - エヴァンゲリオン2号機パイロット。 |
* [[惣流・アスカ・ラングレー#新劇場版|式波・アスカ・ラングレー]](声 - [[宮村優子 (声優)|宮村優子]]) - エヴァンゲリオン2号機パイロット。 |
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* [[新世紀エヴァンゲリオンの登場人物#主要EVAパイロット|真希波・マリ・イラストリアス]](声 - [[坂本真綾]]) - エヴァンゲリオン8号機パイロット。 |
* [[新世紀エヴァンゲリオンの登場人物#主要EVAパイロット|真希波・マリ・イラストリアス]](声 - [[坂本真綾]]) - エヴァンゲリオン8号機パイロット。 |
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* [[葛城ミサト]](声 - [[三石琴乃]]) - [[新世紀エヴァンゲリオンの用語一覧#ヴィレ|WILLE]]の大佐。[[新世紀エヴァンゲリオンの用語一覧#ヴンダー|AAAヴンダー]]の艦長。元NERV |
* [[葛城ミサト]](声 - [[三石琴乃]]) - [[新世紀エヴァンゲリオンの用語一覧#ヴィレ|WILLE]]の大佐。[[新世紀エヴァンゲリオンの用語一覧#ヴンダー|AAAヴンダー]]の艦長。元旧特務機関NERV戦術作戦部作戦局第一課所属(エヴァンゲリオン作戦課長)。 |
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* [[新世紀エヴァンゲリオンの登場人物#赤木リツコ|赤木リツコ]](声 - [[山口由里子]]) - WILLEのメンバー。AAAヴンダーの副長。元NERV |
* [[新世紀エヴァンゲリオンの登場人物#赤木リツコ|赤木リツコ]](声 - [[山口由里子]]) - WILLEのメンバー。AAAヴンダーの副長。元旧特務機関NERV技術開発部技術局第一課所属・E計画担当・エヴァンゲリオン開発総責任者)。 |
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* [[渚カヲル]](声 - [[石田彰]]) |
* [[渚カヲル]](声 - [[石田彰]]) |
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* [[新世紀エヴァンゲリオンの登場人物#碇ゲンドウ|碇ゲンドウ]](声 - [[立木文彦]]) - |
* [[新世紀エヴァンゲリオンの登場人物#碇ゲンドウ|碇ゲンドウ]](声 - [[立木文彦]]) -NERV所属。旧特務機関NERV最高司令官。シンジの父。 |
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* [[新世紀エヴァンゲリオンの登場人物#冬月コウゾウ|冬月コウゾウ]](声 - [[清川元夢]]) - NERV副司令。 |
* [[新世紀エヴァンゲリオンの登場人物#冬月コウゾウ|冬月コウゾウ]](声 - [[清川元夢]]) - NERV所属。旧特務機関NERV副司令官。 |
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* [[新世紀エヴァンゲリオンの登場人物#鈴原トウジ|鈴原トウジ]](声 - [[関智一]]) - [[新世紀エヴァンゲリオンの用語一覧#第3村|第3村]]住人。シンジ達の元クラスメート。 |
* [[新世紀エヴァンゲリオンの登場人物#鈴原トウジ|鈴原トウジ]](声 - [[関智一]]) - [[新世紀エヴァンゲリオンの用語一覧#第3村|第3村]]住人。シンジ達の元クラスメート。 |
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* [[新世紀エヴァンゲリオンの登場人物#相田ケンスケ|相田ケンスケ]](声 - [[岩永哲哉]]) - 第3村住人。シンジ達の元クラスメート。 |
* [[新世紀エヴァンゲリオンの登場人物#相田ケンスケ|相田ケンスケ]](声 - [[岩永哲哉]]) - 第3村住人。シンジ達の元クラスメート。 |
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* [[新世紀エヴァンゲリオンの登場人物#洞木ヒカリ|鈴原ヒカリ]]{{Sfn|パンフレット|p=44}}(声 - [[岩男潤子]]) - 第3村住人。トウジの妻。シンジ達の元クラスメート。 |
* [[新世紀エヴァンゲリオンの登場人物#洞木ヒカリ|鈴原ヒカリ]]{{Sfn|パンフレット|p=44}}(声 - [[岩男潤子]]) - 第3村住人。トウジの妻。シンジ達の元クラスメート。 |
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* [[新世紀エヴァンゲリオンの登場人物#伊吹マヤ|伊吹マヤ]](声 - [[長沢美樹]]) - WILLEのメンバー。AAAヴンダーの整備長。元NERV |
* [[新世紀エヴァンゲリオンの登場人物#伊吹マヤ|伊吹マヤ]](声 - [[長沢美樹]]) - WILLEのメンバー。AAAヴンダーの整備長。元旧特務機関NERV技術開発部技術局第一課所属本部オペレーター。 |
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* [[新世紀エヴァンゲリオンの登場人物#青葉シゲル|青葉シゲル]](声 - [[子安武人]]) - 元NERV本部 |
* [[新世紀エヴァンゲリオンの登場人物#青葉シゲル|青葉シゲル]](声 - [[子安武人]]) - WILLE艦橋オペレーター。元旧特務機関NERV調査部情報局第二課所属本部オペレーター。 |
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* [[新世紀エヴァンゲリオンの登場人物#日向マコト|日向マコト]](声 - [[優希比呂]]) - 元NERV本部 |
* [[新世紀エヴァンゲリオンの登場人物#日向マコト|日向マコト]](声 - [[優希比呂]]) - WILLE艦橋オペレーター。元旧特務機関NERV戦術作戦部作戦局所属本部オペレーター。 |
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* [[新世紀エヴァンゲリオンの登場人物#WILLE(ヴィレ)|高雄コウジ]](声 - [[大塚明夫]]) - WILLEのメンバー。AAAヴンダーの艦橋要員。 |
* [[新世紀エヴァンゲリオンの登場人物#WILLE(ヴィレ)|高雄コウジ]](声 - [[大塚明夫]]) - WILLEのメンバー。AAAヴンダーの艦橋要員。 |
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* [[新世紀エヴァンゲリオンの登場人物#WILLE(ヴィレ)|鈴原サクラ]](声 - [[沢城みゆき]]) - WILLEの少尉。AAAヴンダーの医官。トウジの妹。 |
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* [[新世紀エヴァンゲリオンの登場人物#WILLE(ヴィレ)|北上ミドリ]](声 - [[伊瀬茉莉也]]) - WILLEのメンバー。AAAヴンダーの艦橋要員。 |
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* [[新世紀エヴァンゲリオンの登場人物#WILLE(ヴィレ)|多摩ヒデキ]](声 - [[勝杏里]]) - WILLEのメンバー。AAAヴンダーの艦橋要員。 |
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* [[新世紀エヴァンゲリオンの登場人物#加持リョウジ|加持リョウジ]](声 - [[山寺宏一]]) - WILLEの支援組織「KREDIT」のメンバー。ミサトの |
* [[新世紀エヴァンゲリオンの登場人物#加持リョウジ|加持リョウジ]](声 - [[山寺宏一]]) - WILLEの支援組織「KREDIT」のメンバー。元旧特務機関NERV特殊監査部主席監察官。ミサトの恋人。リツコの友人。 |
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* [[新世紀エヴァンゲリオンの登場人物#第3村|加持リョウジ(少年)]](声 - [[内山昂輝]]){{Sfn|パンフレット|p=49}} |
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* [[新世紀エヴァンゲリオンの登場人物#碇ユイ|碇ユイ]](声 - 林原めぐみ) - シンジの母。 |
* [[新世紀エヴァンゲリオンの登場人物#碇ユイ|碇ユイ]](声 - 林原めぐみ) - シンジの母。 |
2021年3月25日 (木) 03:59時点における版
シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇 | |
---|---|
監督 |
庵野秀明(総監督) 鶴巻和哉 中山勝一 前田真宏 |
脚本 | 庵野秀明 |
原作 | 庵野秀明 |
製作総指揮 |
庵野秀明 緒方智幸 |
音楽 | 鷺巣詩郎 |
主題歌 |
宇多田ヒカル 「One Last Kiss」[1] 「Beautiful World (Da Capo Version)」 |
撮影 | 福士享 |
編集 | 辻田恵美 |
製作会社 | カラー |
配給 |
東宝 東映 カラー |
公開 | 2021年3月8日[2] |
上映時間 | 155分[2][注 1] |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
前作 | ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q |
『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』(シン・エヴァンゲリオンげきじょうばん、英: EVANGELION:3.0+1.0 THRICE UPON A TIME)は、2021年3月8日に公開された日本のアニメーション映画。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』全4部作の第4作目にあたる(作品のイメージカラーは )。略称は「シン・エヴァ」「シンエヴァ」。本作はIMAX版、4D版(4DX、MX4D)も同時公開された。
なお、タイトルの『𝄇』の部分は、演奏記号の反復終了記号()が正式表記である[3]。
概要
本作は2007年公開の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』、2009年公開の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』、2012年公開の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』に続く第4作目にあたるが、さまざまな事象によって公開時期が当初の予定から延期されており、公開までに前作から8年以上を要することとなった(これまでの制作にまつわる事象については、「経緯」を参照)。また、25年間続いたエヴァンゲリオンシリーズの完結作とアナウンスされた。
上映時間155分のうち、冒頭3分41秒は『:序』『:破』『:Q』のダイジェスト映像「これまでのヱヴァンゲリヲン新劇場版」であり、本編の長さは151分00秒。英字ロゴは総監督を務める庵野秀明の手書きによるものである[4]。
ストーリー
※以下のパート分けは、『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』パンフレット(2021年1月23日発行、カラー) p.17の解説による。
パリ市街戦(アバンタイトル1)
赤く荒廃したパリ市街地に、上空のWILLEの旗艦ヴンダーから艦隊とマリの乗るEVA8号機、そしてリツコが率いる作業員たちが降下し、「ユーロNERV第1号封印柱」の復旧作業を始める。途中NERVのEVAによる妨害を受ける[注 2]が、8号機によってすべて撃破される。復元作業を終えたパリ市街地は元の美しい姿を取り戻し、WILLEは旧特務機関NERV・ユーロ支部に保管されていたEVA2号機の修理パーツと8号機を改造できる追加パーツを入手できた。
第3村(アバンタイトル2からAパート)
ニア(未完全)に終わったNERVによるフォースインパクト(前作『Q』のラスト)後、アスカはシンジ・レイ(仮称)を連れ、救助を求めて赤い大地を放浪していた。やがて三人はニアサードインパクトの避難民村「第3村」へ辿り着き、大人になった鈴原トウジ・ヒカリ夫妻や相田ケンスケに歓迎され、彼らと共に第3村での生活を始める。レイ(仮称)は鈴原家の世話になり、赤ん坊(鈴原夫妻の娘・ツバメ)の世話をしたり、村民に農作業などの仕事を教わり、人間らしい感情や言葉を覚えていく。
一方シンジはアスカとともにケンスケの家に泊まるが、重すぎる罪の意識やショックから声が出せなくなり[5][注 3]、廃人に近い状態が続いていた。シンジはケンスケの家から家出し、第3村の人々から離れて一人で過ごすようになる。そんな中でもシンジはレイ(仮称)やケンスケたちに見守られ、次第に元気になっていくが、その矢先、レイ(仮称)がLCLとなって死亡する[注 4]。その日、NERVとの最終決戦に向け準備を進めるヴンダーが第3村に寄港し、船に戻るアスカに対し、シンジは乗船を志願する。
再びヴンダー(Bパート)
ヴンダーに戻ったシンジを最初に迎えたサクラは、彼がEVAに乗ったことを詰り涙する。シンジは爆薬が設置された隔離室に収容される[注 5]。ヴンダーは衛星軌道上で決戦準備を進め、NERVのEVA第13号機を無力化する「停止信号プラグ」を完成させる。また、2機のEVAも「新2号機」「改8号機」への改造が施される。一方、ネルフ本部は「黒き月」とともに旧南極のセカンドインパクト爆心地へ移動する。
ヤマト作戦(Cパート)
WILLEはNERVを壊滅させる「ヤマト作戦」を発動させる。旧南極のNERV本部に対し、大気圏外からヴンダーで強襲、冬月による迎撃を受けるが切り抜け、NERV本部を爆撃、さらにアスカの新2号機と、マリの改8号機を投下する。両機はMark.07の大軍を突破するが、新たな小型EVAの敵軍により改8号機が足止めされ、新2号機は単独で第13号機へと向かう。アスカは、まだ停止している第13号機に停止信号プラグを打ち込もうとするも失敗[注 6]。アスカは自身と新2号機を第9の使徒と化す[注 7]ことで事態の解決を図ろうとするが、突如第13号機が再起動して新2号機は大破し、アスカの眼前に式波シリーズのオリジナルが現れ、アスカを第13号機の中へ連れていく。第13号機が新2号機からプラグを抜き取ると、新2号機はLCLとなって崩壊する。
ヴンダーと交戦していた2番艦と3番艦が戦線離脱し、光の羽根を展開、黒き月をもとに2本の槍を生成する。ヴンダー側はこれを好機と見て反撃しようとしたが、4番艦の不意打ちを受けて大破、Mark.09-Aによって再び制御システムを乗っ取られてしまう。改8号機はMark.09-Aを捕食吸収してアダムスの器の能力を手に入れる。
無力化されたヴンダーの甲板に突如ゲンドウが現れ、ヴンダーの主機であった初号機を奪い、第13号機に乗り込んでさらに深層の「マイナス宇宙」へと向かっていった。甲板に出たシンジはEVAに乗ってゲンドウを追うことをミサトに願い出る。ミサトはそれを認め、シンジの過去と未来の行動の責任は全て自分が負うから彼に託したいとヴンダーのクルーに告げる。シンジはミサトと最後の会話を交わし、マリの改8号機に同乗してゲンドウを追う。
マイナス宇宙(Dパート)
シンジとマリの乗った改8号機はマイナス宇宙へと突入するが、ゲンドウの第13号機は量子テレポートを繰り返して接近を阻んでいた。そこでシンジは初号機に残っていたレイに呼びかけ、改8号機内から初号機内への道を開く。初号機に乗り込んだシンジは初号機を覚醒させ、第13号機と格闘しながらマイナス宇宙内を流れていく。やがて初号機と第13号機両機は「ゴルゴダオブジェクト」と呼ばれる巨大な構造物へと到達する。
気が付くと、シンジは14年前のネルフ本部のケイジでゲンドウと対峙していた。人類はマイナス宇宙をそのまま認識することはできないため、シンジの過去の記憶が再現されているのだと、ゲンドウは説明する。第3新東京市、ミサトのマンション、レイの団地など目まぐるしく変化していく記憶の場所を舞台に、初号機と第13号機はそれぞれの槍を手にして戦う。しかし初号機は第13号機に敵わず、決着をつける手段は力ではないとゲンドウに諭されたシンジは、ゲンドウとの対話へと踏み出す。
場面転換し、シンジとゲンドウは古い電車の中で対話を始める。ゲンドウはシンジに、自らの過去や内心や願いを吐露する。そして実在しない架空のEVA「エヴァンゲリオン・イマジナリー」へと到達したゲンドウは、自身の目的は虚構と現実とが渾然となる「アディショナル・インパクト」にあることを明かし、エヴァンゲリオン・イマジナリーに2本の槍を使ってアディショナル・インパクトを起こす。
マリは2番艦へ辿り着き、冬月と数十年ぶりに再会する。冬月は自身の役目を終えたことを告げ、「後はよしなにしたまえ」とマリに伝えてLCL化し死亡する。改8号機は冬月が用意していたMark.10 - 12を捕食吸収し、2 - 4番艦を撃破する。
ヴンダーはほぼ壊滅状態であったが、残った力で新たな槍を生成する作業が進められていた。生成作業とクルーの退避を終え、一人操縦席に残ったミサトは、ヴンダーもろともエヴァンゲリオン・イマジナリーへと突撃。生成された「ガイウスの槍」はシンジの元へと届けられた。ミサトが命を捨てて送り届けた槍を受け取ったシンジを見て、ゲンドウはシンジが他者の命を受け止めるほど成長したことを知り、同時に自らの計画が頓挫したことを悟った。ゲンドウはシンジのなかにユイの姿を見いだし、それまでの自身の行いをシンジに詫びて、一人電車から降りていった。それと入れ替わりに、電車に乗り続けるシンジの前にカヲルが現れ、後の役割を引き継ぐと語る。
ここからは、アスカ、カヲル、レイの魂の救済が描写されていく。
まず、シンジがアスカの魂に呼びかけると、アスカは自身の過去や内面を吐露する。そこでは、泣いている幼いアスカの横に大人のケンスケが寄り添っていた。赤い海の砂浜で横になるアスカにシンジとマリが別れを告げ、アスカが乗った第13号機のエントリープラグが射出され、アスカの救済は幕を閉じる。次に、カヲルとシンジ、カヲルと加持の対話が続く。実はカヲルは複数人存在し、繰り返されて来たエヴァンゲリオンの作品世界で、シンジを幸せにするために何度も手助けして来たと告げる。しかし、本当は自分自身が幸せになるためにシンジを幸せにしたかったのだと気付いたカヲルは、加持と話しながらシンジのもとを去っていく。最後に、シンジは初号機の中のレイに語りかける。シンジは、自身の望みはEVAのない世界だと語り、そのような世界に作り変えることを伝えてレイを見送る。
シンジはEVAのない世界を作るために自らと初号機を槍で貫こうとするが、シンジを守るかのようにユイが現れ、シンジを元の世界へと送り返す。そして初号機はユイを、第13号機はゲンドウを中に残したまま自らに槍を刺し、消滅する。続いて他のEVA[注 8]も立て続けに槍に貫かれて消える。送り返されたシンジは、青い海の浜辺に座っていた[注 9]。そこにマリが帰還し、彼女が機体から飛び降りた後、最後のEVAとなった彼女の機体もまた消滅する。
大人の姿になったシンジは宇部新川駅[注 10]のホームのベンチに座っていた。向かいのホームには会話しているレイとカヲルの姿があり、それとは別にアスカの姿もある。シンジのもとにマリが現れ、2人は手を繋いで階段を駆け登り、駅の外[注 11]へ走っていった。
作品設定
登場人物
- 碇シンジ(声 - 緒方恵美) - エヴァンゲリオン初号機パイロット。
- 綾波レイ[6](声 - 林原めぐみ) - 元エヴァンゲリオン零号機パイロット。前々作『破』にて初号機に取り込まれてしまう。
- アヤナミレイ(仮称)(声 - 林原めぐみ) - エヴァンゲリオンMark.09パイロット。
- 式波・アスカ・ラングレー(声 - 宮村優子) - エヴァンゲリオン2号機パイロット。
- 真希波・マリ・イラストリアス(声 - 坂本真綾) - エヴァンゲリオン8号機パイロット。
- 葛城ミサト(声 - 三石琴乃) - WILLEの大佐。AAAヴンダーの艦長。元旧特務機関NERV戦術作戦部作戦局第一課所属(エヴァンゲリオン作戦課長)。
- 赤木リツコ(声 - 山口由里子) - WILLEのメンバー。AAAヴンダーの副長。元旧特務機関NERV技術開発部技術局第一課所属・E計画担当・エヴァンゲリオン開発総責任者)。
- 渚カヲル(声 - 石田彰)
- 碇ゲンドウ(声 - 立木文彦) -NERV所属。旧特務機関NERV最高司令官。シンジの父。
- 冬月コウゾウ(声 - 清川元夢) - NERV所属。旧特務機関NERV副司令官。
- 鈴原トウジ(声 - 関智一) - 第3村住人。シンジ達の元クラスメート。
- 相田ケンスケ(声 - 岩永哲哉) - 第3村住人。シンジ達の元クラスメート。
- 鈴原ヒカリ[7](声 - 岩男潤子) - 第3村住人。トウジの妻。シンジ達の元クラスメート。
- 伊吹マヤ(声 - 長沢美樹) - WILLEのメンバー。AAAヴンダーの整備長。元旧特務機関NERV技術開発部技術局第一課所属本部オペレーター。
- 青葉シゲル(声 - 子安武人) - WILLE艦橋オペレーター。元旧特務機関NERV調査部情報局第二課所属本部オペレーター。
- 日向マコト(声 - 優希比呂) - WILLE艦橋オペレーター。元旧特務機関NERV戦術作戦部作戦局所属本部オペレーター。
- 高雄コウジ(声 - 大塚明夫) - WILLEのメンバー。AAAヴンダーの艦橋要員。
- 鈴原サクラ(声 - 沢城みゆき) - WILLEの少尉。AAAヴンダーの医官。トウジの妹。
- 長良スミレ(声 - 大原さやか) - WILLEのメンバー。AAAヴンダーの艦橋要員。
- 北上ミドリ(声 - 伊瀬茉莉也) - WILLEのメンバー。AAAヴンダーの艦橋要員。
- 多摩ヒデキ(声 - 勝杏里) - WILLEのメンバー。AAAヴンダーの艦橋要員。
- 加持リョウジ(声 - 山寺宏一) - WILLEの支援組織「KREDIT」のメンバー。元旧特務機関NERV特殊監査部主席監察官。ミサトの恋人。リツコの友人。
- 加持リョウジ(少年)(声 - 内山昂輝)[8]
- 碇ユイ(声 - 林原めぐみ) - シンジの母。
- 碇シンジ(大人)(声 - 神木隆之介)[9]
エヴァンゲリオン
使徒
製作
本作では従来の最初に絵コンテを制作する作業と異なり、前半パートは事前にラフスケッチ、モーションキャプチャ、ロケーション撮影などを駆使し、カメラアングルを組むプリヴィズを構成してから絵コンテを制作する方法が採られた。[10]庵野はこの方法の理由について、観客に驚きを与えるためには制作のルーチンワーク化を回避して制作者ですら想像できなかった表現を入れる必要があるため、絵コンテを作らなかったことや、アニメ・実写を問わずカメラアングルが優れていれば止め絵でも説得力のある映像になることを説明した。また、庵野は自分のアイデアの枠に閉じないようにするため、制作作業の大部分をスタッフに任せた。ただし、結果として庵野の期待に満たないカットが多数発生し、作業上の締め切りが迫ると、彼自身が明確な方針決定や作業のやり直しなどを行っている。庵野が主導した作業のやり直しには、パート丸ごと作り直しといった大きな修正も存在した[11]。
スタッフ
以下はパンフレット[12]より。
- 企画・原作・脚本 - 庵野秀明
- 画コンテ - 鶴巻和哉、前田真宏、庵野秀明
- 総作画監督 - 錦織敦史
- 作画監督 - 井関修一、浅野直之、田中将賀、新井浩一
- メカ作画監督 - 金世俊
- メカ作画監督補佐 - 亀田祥倫
- アヴァン総作画監督 - 井関修一
- 副監督 - 谷田部透湖、小松田大全
- 主・メカニックデザイン - 山下いくと
- キャラクターデザイン原案 - 貞本義行、本田雄
- キャラクターデザイン - 錦織敦史、コヤマシゲト、井関修一、安野モヨコ、松原秀典
- メカニックデザイン - 渭原敏明、金世俊、高倉武史、渡部隆、平尾朋之
- 美術設定 - 串田達也、前田真宏、平松禎史、福留嘉一
- デザインワークス - 小堀史絵、浅野元、安野モヨコ、大村祐介、竹、ユミヤオシダ、スーパーログ、ミズノシンヤ
- CGIアートディレクター - 小林浩康
- 2DCGIディレクター - 座間香代子
- CGI監督 - 鬼塚大輔
- CGIアニメーションディレクター - 松井祐亮
- CGIモデリングディレクター - 小林学
- CGIテクニカルディレクター - 鈴木貴志
- CGIルックデヴディレクター - 岩里昌則
- 動画検査 - 村田康人
- 色彩設計 - 菊地和子(Wish)
- 美術監督 - 串田達也(でほぎゃらりー)
- 撮影監督 - 福士享(T2 studio)
- 特技監督 - 山田豊徳
- 編集 - 辻田恵美
- 音楽 - 鷺巣詩郎
- 音響効果 - 野口透
- 録音 - 住谷真
- 台詞演出 - 山田陽(サウンドチーム・ドンファン)
- 総監督助手 - 轟木一騎
- 制作統括プロデューサー - 岡島隆敏
- アニメーションプロデューサー - 杉谷勇樹
- 設定制作 - 田中隼人
- プリヴィズ制作 - 川島正規
- 制作 - スタジオカラー
- 配給 - 東宝、東映、カラー
- 宣伝 - カラー、東映
- 製作 - カラー
- エグゼクティブ・プロデューサー - 庵野秀明、緒方智幸
- コンセプトアートディレクター - 前田真宏
- 監督 - 鶴巻和哉、中山勝一、前田真宏
- 総監督 - 庵野秀明
主題歌
経緯
- 2006年
- 2007年
-
- 2月17日、後編と完結編が「公開日未定」と改められた。
- 4月28日、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』の前売り券第一弾が販売開始された。また、前売り券発売と同時期に配布・掲載が開始されたチラシやポスターで中編・後編・完結編の各タイトルが発表され、完結編のタイトルは『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:?』と発表された。
- 9月1日、第1作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』が公開。
- 2009年
-
- 6月27日、第2作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』が公開。後編『Q』と同時上映される予定の完結編『?』への言及はされなかった。
- 2012年
-
- 1月1日、完結編『?』が2013年公開と発表された。
- 11月17日、第3作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』が公開。次回予告にてタイトルが『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:?』から『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』に変更され、公開時期も未定になった。
- 2014年
-
- 9月5日、『金曜ロードSHOW!』にて『Q TV版』(3.03')が放映。本編終了後には「NEXT EVANGELION:3.0+1.0」と表記され、公式ページの英題が「FINAL」から「3.0+1.0」に変更された。
- 2015年
- 2016年
- 2017年
- 2018年
-
- 7月20日、この日劇場公開された『未来のミライ』の上映前の予告映像にて事前告知なしで特報が解禁され[18][19]、庵野の長年の夢であったという[20]東宝と東映の2社に加えて[注 13]カラーによる3社共同配給で、「2020年公開」と発表された[22]。
- 7月26日、劇場公開特報をインターネット上にて公開[23]。また、特報の盗撮映像をインターネット上で公開する行為に対して厳しく対処していく方針を発表した[24]。
- 7月29日、ワンダーフェスティバル2018夏の海洋堂ブース内に「特設 エヴァンゲリオンブース」が開設され[25]、各種展示物と共に特報が上映された[26]。
- 10月19日、碇シンジ役の緒方恵美公式Twitterにて収録についての事前打ち合わせを行ったことが掲載された[27]。
- 2019年
-
- 1月31日、公式Twitterにて打ち入り[注 14]を行ったことが掲載された[28]。
- 3月20日、アフレコの開始が台本の画像と共に公式Twitterにて公開され、反響を呼んだことが報じられた[29]。
- 7月1日、過去作では公式が配布していたフリーペーパー「EVA-EXTRA」がスマートフォン向けアプリとしてリリース[30][31][32]。
- 7月6日、「0706作戦」[33]と称されたイベントにて、「シン・エヴァンゲリオン劇場版 AVANT1(冒頭10分40秒00コマ)0706版」(EVANGELION:3.0+1.0 -LE FILM AVANT 1 (Du début Jusqu'à 10:40) Version 0706)と題されたアバンタイトル10分40秒分が、パリのJapan Expo、ロサンゼルスのANIME EXPO、上海、札幌、東京、名古屋、大阪、福岡にそれぞれ会場を確保したうえで世界同時上映され、LINE LIVEでも生配信された[30][31][34][35]。その後、エッフェル塔がモチーフとなった最新のイメージビジュアルが公開された[36]。
- 7月19日、この日劇場公開された『天気の子』の上映前の予告映像にて特報2が事前告知なしで解禁され、公開時期が2020年6月であることが発表された[37][38][39]。
- 8月9日、特報2.5が解禁され、エヴァンゲリオン改8号機γの新規カットやルビ(=振り仮名)が振られたテロップが発表された[注 15]。
- 8月28日、「シン・エヴァンゲリオン劇場版 AVANT1(冒頭10分40秒00コマ)0706版」の劇伴曲4曲を収録した「『シン・エヴァンゲリオン劇場版 AVANT1(冒頭10分40秒00コマ)0706版』使用劇伴音楽(BGM)集」のハイレゾ音源が配信[42][43]。
- 9月12日、「エヴァ愛No.1選手権〜わたしとエヴァンゲリオン〜」が開始[44]。ファン歴を記載した履歴書と400字詰原稿用紙2枚以内に直筆でエヴァ愛をつづった作文で応募し、優勝者には公開に先駆けて鑑賞できる権利『シン・エヴァンゲリオン劇場版を一般公開日前に「なる早で鑑賞できる権」』が授与される[45]。
- 11月22日、『劇場版 新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA-X』とのコラボアートやコラボ映像第1弾がYouTubeにて公開[46]。12月27日にはコラボ映像第弐弾が同映画の上映劇場にて公開予定[47]。
- 12月25日、アプリ「EVA-EXTRA」内に「AR機能」が追加され、販売中のメッセージ枠を購入して投稿することにより、新宿ミラノ座跡地の工事現場の仮囲いに描かれたアートを伝言板として見られる「シン・エヴァンゲリオン劇場伝言板 AR出現計画」が開始された[48][49][50]。
- 12月27日、公開時期が2020年6月27日であることが発表された[3][51]。同日14時からグッズ付きムビチケカードの予約を開始した[52]。
- 2020年
-
- 2月25日、碇シンジ役の緒方恵美が、自身の公式Twitterにて本編の収録がほとんど終了したことを報告した[53]。
- 4月17日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行の影響により、公開延期が発表された[54]。また、同時にスタッフの情報と「さらば、全てのエヴァンゲリオン。」とのキャッチコピー[注 16]が記載された最新のイメージビジュアル[注 10]が公開され、英語サブタイトルが「THRICE UPON A TIME」[注 17]であることが公表された[56][57][54]。
- 10月4日、エヴァンゲリオンシリーズ25周年を記念して庵野や声優陣のコメントが公開されたほか、本作のDパートが41分16秒尺であることが公表された[58][59]。
- 10月16日、この日劇場公開された『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』の上映前の予告映像にて事前告知なく特報3が解禁され、新たな公開日が2021年1月23日になることが発表された[60][61]。
- 11月19日、カラー、緒方恵美の公式Twitterにてリテイクを含めた全ての声の収録が終了したことが報告された[62][63]。
- 12月4日 - 12月24日、本作の公開に先駆け、『序(1.11)』(12月4日)、『破(2.22)』(12月11日)、『Q(3.33)』(12月18日)が初公開となるMX4D/4DXでの4D版と合わせて全国373館(4D版82館を含む)で再上映された[64][65]。
- 12月9日、本作のテーマソングが、これまで『新劇場版』シリーズ3作品に楽曲提供をした宇多田ヒカルによる『One Last Kiss』に決まったことが宇多田のデビュー22周年を迎えたこの日、発表された[1][66]。
- 12月17日、カラー 2号機のTwitterにてスタジオ内での全ての撮影・編集作業が終了したことが報告された[67][68]。
- 12月21日、カラーの公式Twitterなどにて初号試写が行われたことが報告された[69][70]。なお、試写の会場には前田真宏描き下ろしのポスターも飾られた。
- 12月23日、本作がIMAXで同時上映がされることが発表された[71][72]。
- 12月25日、「One Last Kiss」の一部が収録された本予告が解禁された[73][74]。また、総作画監督・錦織敦史による劇場用ポスターが公開された。
- 2021年
-
- 1月8日 - 22日、本作の公開に先駆け、『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH (TRUE)2 / Air / まごころを、君に』が再上映された[75]。
- 1月9日、1月23日の公開初日午前0時に予定していた世界最速上映が[76][77]、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響と緊急事態宣言の発令による一部映画館の営業時間短縮に伴い、中止を発表[78][79]。
- 1月9日 - 22日、本作の公開に先駆け、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』を庵野総監督全面監修のもと、2Kフルサイズで全カット再撮影したIMAX版『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q EVANGELION:3.333 YOU CAN (NOT) REDO.』が上映された[71][72][80]。なお、上映に合わせて次回予告の内容は変更されている[81]。また、予定では1月8日より公開を予定していたが、公開当日になってIMAX社での作業過程で一部音声トラックの未反映による重大な作業不備が発覚したため、公開を見合わせた[82][83]。その後、各シアターへの修正データ再納品が完了し、予定より1日遅れで順次公開が開始された[84][85]。
- 1月12日・19日・26日、本作の公開に先駆け、映画天国にてTVシリーズからセレクトされた12話が3週連続で放送された[86][注 18]。
- 1月14日、新型コロナウイルス感染症の拡大状況ならびに政府の緊急事態宣言を鑑みて公開の再延期が決定[87][88]。同時に、1月24日に先行配信、1月27日に発売予定だった宇多田ヒカルによる配信限定シングルおよびEP『One Last Kiss』、2月10日発売予定であった本作の音楽集CD『Shiro SAGISU Music from “SHIN EVANGELION”』も発売延期が決定した[89][90][91]。また、公開されていたポスターや本予告も変更され(「本予告・改」が同日に公開)、「共に乗り越えましょう」の文言が追加された[注 19][92][93]。
- 1月15日、本作の公開に先駆け、『金曜ロードSHOW!』にて『序 TV版』(1.01'')が放映[94][95][96]。本編終了後に公開延期を受けて急遽収録された緒方恵美によるメッセージが放映された[97][98]。
- 1月22日、本作の公開に先駆け、『金曜ロードSHOW!』にて『破 TV版』(2.02''')が放映[94][95][96]。本編終了後に公開延期を受けて収録された林原めぐみによるメッセージが放映された。また、放送内において「エヴァンゲリオン」と「にゃんこ大戦争」とのコラボを記念した約90秒のCM「『新世紀エヴァンゲリオン』OP映像 にゃんこ大戦争ver.」が放送された[99]。高橋洋子による「残酷な天使のテーゼ」を「にゃ」という歌詞のみで歌った「にゃん酷なにゃんこのテーゼ」が流れ、トレンド入りするなど話題を呼んだ[100]。 また、音源は23日に配信された。
- 1月22日、15秒のTV SPOTが解禁された[101][102]。
- 1月29日、本作の公開に先駆け、『金曜ロードSHOW!』にて『Q TV版』(3.03'')が放映[94][95][96]。本編終了後には、IMAX版『Q』において上映された最新の次回予告[103]と、公開延期を受けて収録された三石琴乃によるメッセージが放映された[104]。
- 2月16日、映画倫理機構の審査作品リストが更新され、本作の上映時間が154分(2時間34分)であることが判明した[105]。しかし、同日に映倫はサイト上から記述を削除し、2月19日、「未確認情報を権利元の承諾を得ずに掲載しましたことをお詫び申し上げます」として謝罪文を掲載した[106]。
- 2月26日、継続的に各劇場で有効な感染対策がなされており、感染リスクを軽減する新たな鑑賞マナーが定着していることを鑑みて、新たな公開日が2021年3月8日(月)になることが発表された[2][107][108]。また、公開初日より全国合計300万名様へ総作画監督・錦織敦史による「式波・アスカ・ラングレー」描き下ろしイラストチラシを配布すること、IMAXに加えてMX4D/4DXの4D版が同時公開されること、本作の上映時間が155分(2時間35分)であることが正式発表され、宇多田ヒカルによる『One Last Kiss』を配信限定シングルが3月9日、EPが3月10日、本作の音楽集CD『Shiro SAGISU Music from “SHIN EVANGELION”』を3月17日に発売することが決定した[109][110]。
- 3月8日、午前0時に2019年に開催したイベント「0706作戦」内で公開した映像「シン・エヴァンゲリオン劇場版 AVANT1(冒頭10分40秒00コマ)0706版」に新たに未公開部分を追加した「これまでのヱヴァンゲリヲン新劇場版+シン・エヴァンゲリオン劇場版 冒頭12分10秒10コマ」を公開[111][112]。この映像は「新劇場版」シリーズの見放題配信を行っていたAmazon Prime Videoの公式YouTubeチャンネルとTwitterで行われるイベント「『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』同時視聴作戦 第3夜『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』」にてライブ配信、カラー公式YouTubeチャンネルにてプレミア公開された。配信後にはPrime Videoにて3月21日まで2週間限定で見放題・独占配信された。同日、午前7時の初回上映[113]を皮切りに、全国466館(IMAX38館、4D版82館含む)の劇場[114][115]で公開された[2]。公開初日の成績は、興行収入8億277万4200円、観客動員数53万9623人となった[116]。
- 3月15日、15秒のTV SPOT Bが公開された。
- 3月19日、一部を除く全国の上映中映画館で錦織敦史描き下ろしによる「公開中」バージョンのポスターが新たに掲示開始された他、公式サイトでは「声の出演」欄が更新され、神木隆之介と内山昂輝が参加していることが発表された[9][117]。
- 3月22日、NHK総合で『プロフェッショナル 仕事の流儀 庵野秀明スペシャル』が放送され、2017年から4年間にわたる本作の制作の様子が伝えられた[11]。エヴァンゲリオンの制作現場における長期取材許可はこの番組が初めてとなった。
反響・興行
急遽の公開決定により公開日発表が10日前、公開初日が平日月曜、さらに一部地域では上映環境に制限があるという中での公開となったが[118]、公開初日である3月8日の興行収入は8億277万4200円、観客動員数は53万9623人を記録し、土曜公開であった前作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の初日興行収入対比123.8%、観客動員対比121.7%というスタートとなった[116]。
動員数 (万人) |
興行収入 (億円) |
備考 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
週末 | 累計 | 週末 | 累計 | |||
1週目の週末 (2021年3月13日・14日)[119][120] |
1位 | 76.1 | 219.5 | 11.8 | 33.4 | |
2週目の週末 (2021年3月20日・21日)[121] |
42.3 | 322.3 | 6.8 | 49.3 |
評価
- ライターの飯田一史は本作について、数年後に改めて鑑賞すれば「良い作品だった」と思えるかもしれないが、今は好き嫌い以前に気持ちが入っていけなかったと述べている[122][123]。その理由として、庵野の過去作品を自己模倣したような既視感のある展開が目立つ点[123]、『夏エヴァ』や『Q』のような「どう受けとめていいのかわからないが、とにかくすごいものを観てしまった」という体験もなくただ大団円に向けての段取りを見せられているように微温的である点[124]、かつて子どもだった存在が、大人になって地に足をつけて生活していることに肯定的な描写は、すでに自分が現実で通ってきた道を確認されただけで意外性がなかったという点の3つを主張している[125]。
- 批評家の東浩紀は本作について「大傑作。監督とスタッフを称えたい」「エヴァはあまりに大きなものを背負わされてきた」「そのすべてに応え、四半世紀にわたり伸び切った伏線を回収するのは不可能に近かったが、新作は見事にやってのけている」と肯定的に評価し、「このような複雑で野心的な作品が、これほどの長い時間をかけて制作され、これほどの数の観客が見る社会に生きていることを、僕は幸せに思う。ありがとう、すべてのエヴァンゲリオン」と締めくくっている[126]。
- 横浜国立大学教授(ポピュラー文化研究)の須川亜紀子は本作に登場する女性たちの描かれ方に注目し、「シンジとゲンドウをとりまく女性たちに注目すると、違う物語がみえてくる」と評している[127]。
- アニメ評論家の藤津亮太は本作について、「1995年放送のテレビシリーズ『新世紀エヴァンゲリオン』と同じ主題の物語として締めくくられていた」ことを肯定的に評価し、「多くの観客が本作を「大団円」と感じたのは、単にラストシーンから幸福感が感じられるだけではなく、「すべてのエヴァンゲリオン」を包括する本作の姿勢があったればこそのものだろう」と評価した[128]。
商品・タイアップなど
BD・DVD
サウンドトラック
当初は2021年2月10日に鷺巣詩郎によるサウンドトラック『Shiro SAGISU Music from “SHIN EVANGELION”』(KICA-2586〜8、CD3枚組)が発売される予定だった[129]が、公開延期によって発売日が3月17日に延期となった[87][110]。初回プレス分に付属する外箱ジャケットは、総作画監督の錦織敦史による劇場用ポスタービジュアルの一部を使用したものとなっている[130]。
前売券
コラボレーション
- 2019年12月27日には、庵野秀明総監督サイン入り「ヴィレの青いバンダナ」付『シン・エヴァンゲリオン劇場版』ムビチケカードの予約が開始された。
- 2020年5月13日には、CD「EVANGELION FINALLY」のムビチケカード付き数量限定・期間限定盤が発売予定だったが、COVID-19流行の影響で同年10月7日に延期となった[131][132]。
- 2020年12月9日に日本テレビ系列で放送されたお笑い番組『有吉の壁』3時間スペシャルでは、本作による全面協力のもと、『破』の1シーンを用いて芸人たちによるアフレコ大喜利が開催された[133][134]。
脚注
注釈
- ^ 本編開始前に庵野の編集によるダイジェスト映像「これまでのヱヴァンゲリヲン新劇場版」(3分41秒)が上映される。
- ^ 具体的には航空特化型 EVA Mark.44A の軍団や、陽電子砲装備の陸戦用 EVA Mark.4444C、そしてそのための電力供給特化型 EVA Mark.44B の軍団が襲来する。
- ^ パンフレットには「失語症」との記述があるが、失語症は大脳の損傷によって起こるものであり、精神的ショックにより引き起こされるのは失語症ではなく失声症である。
- ^ 造られた体であるため、本来NERVでのメンテナンスなしでは生きられなかった。
- ^ 前回のようにDSSチョーカーは装着されなかった。また、EVAのパイロットであるアスカとマリも同様に爆薬を仕掛けられた隔離室で暮らしている。
- ^ 新2号機が第13号機を恐れて自らA.T.フィールドを展開してしまった。
- ^ 具体的には「裏コード999(スリーナイン)」を唱え、左眼に埋め込まれていた使徒封印柱を抜き取った。
- ^ 零号機、2号機、3号機、Mark.04A、Mark.04B、Mark.04C、Mark.44A、Mark.44B、Mark.4444C、仮設5号機、Mark.06、Mark.07の順。
- ^ ここでシンジの姿が線画を経て原画に変わっていくが、またアニメーションに戻る。
- ^ a b 2020年4月に公開されたビジュアルは「市街地を走る単線線路の向こう側の踏切に人が佇む」という構図であるが、線路の分岐や踏切の表示から、庵野の出身地である山口県宇部市のJR宇部線・宇部新川駅構内から上り方面(琴芝駅側)を向いた構図とほぼ一致しているとネット上や宇部市関係者の間で言及されている[55]。なお、本作のラストに宇部新川駅が登場するが、ラストの場面に宇部新川駅を採用した理由について、庵野は「内緒」としている[11]。
- ^ 風景は実写調だが、そこを行き交う人々はアニメ調で描かれている。
- ^ 英語版では「After that, and THE END. NOT and ANTI. EVANGELION:3.0+1.0 in production by studio khara」と表記された。
- ^ 庵野と配給会社の関係は、東宝が『シン・ゴジラ』以来で『エヴァ』の配給は初めてとなり、東映が『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』以来23年ぶりの配給となる[21]。
- ^ この場合の「打ち入り」は、作品の製作開始を記念して行う催しを意味する。
- ^ 「『エヴァ』は知っているが、観たことがないという若い世代にも、観てもらいたい」という制作サイドの思いから子供の視聴が意識され、『特報2』の最後では「西暦2020年6月公開」と表示されていたテロップが『特報2.5』では「来年 6月公開 お楽しみに!」と柔らかい表現になり、ルビが振られている[40][41]。
- ^ 英語版では「Bye-bye, all of EVANGELION.」と表記された。
- ^ ジェイムズ・P・ホーガンの長編SF小説『未来からのホットライン』の原題と同名。
- ^ 1月12日は第壱話、第弐話、第伍話、第六話、19日は第八話、第九話、第拾四話、第拾伍話、26日は第弐拾壱話、第弐拾弐話、第弐拾参話、第弐拾四話を放送。
- ^ 英語版では「Together, we will overcome.」と表記された。
出典
- ^ a b “宇多田ヒカル 新曲「One Last Kiss」が『シン・エヴァンゲリオン劇場版』テーマソングに決定/本日より iTunesプレオーダー開始”. エヴァンゲリオン公式サイト (2020年12月9日). 2020年12月9日閲覧。
- ^ a b c d “『シン・エヴァンゲリオン劇場版』公開日決定のお知らせ”. エヴァンゲリオン公式サイト (2021年2月26日). 2021年2月26日閲覧。
- ^ a b “「シン・エヴァンゲリオン劇場版」は6月27日公開、前売り特典も明らかに”. 映画ナタリー (ナターシャ). (2019年12月27日) 2020年4月17日閲覧。
- ^ “映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』英字ロゴはあの人の手書きだった”. 電撃オンライン (KADOKAWA Game Linkage). (2020年4月22日) 2020年4月24日閲覧。
- ^ パンフレット, p. 18.
- ^ パンフレット, p. 22.
- ^ パンフレット, p. 44.
- ^ パンフレット, p. 49.
- ^ a b “「シン・エヴァンゲリオン劇場版」シンジら14人と青い海が描かれた新ビジュアル”. コミックナタリー (ナターシャ). (2021年3月19日) 2021年3月20日閲覧。
- ^ “『シン・エヴァンゲリオン劇場版』、膨大な素材と緻密な編集を支えたAdobe Premiere Pro”. Adobe Blog. 2021年3月24日閲覧。
- ^ a b c “「庵野秀明スペシャル」”. プロフェッショナル 仕事の流儀. NHK (2021年3月16日). 2021年3月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月22日閲覧。
- ^ パンフレット, p. 74.
- ^ 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』及びゴジラ新作映画に関する庵野秀明のコメント 株式会社カラー。なお、『ゴジラ』新作映画の詳細については『シン・ゴジラ』の記事を参照。
- ^ 庵野秀明、エヴァファンに謝罪!『ゴジラ』完成報告で シネマトゥデイ 2016年7月19日
- ^ 庵野秀明『シン・ゴジラ』続編どうする?『シン・エヴァ』は「頑張っています」 シネマトゥデイ 2016年9月16日
- ^ 株式会社カラー [@khara_inc] (2017年4月5日). "『シン・エヴァ』の打ち合わせ。鋭意制作中です!". X(旧Twitter)より2018年7月21日閲覧。
- ^ エヴァ公式サイトに新作のイメージボード 「非、そして反」の意味は? ねとらぼ 2017年7月29日
- ^ 映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版」は2020年公開 特報解禁 ねとらぼ 2018年7月20日
- ^ “エヴァ新作『シン・エヴァンゲリオン劇場版』は2020年に公開! 予告が映画『未来のミライ』本編上映前に流れる”. ロケットニュース24 (2018年7月20日). 2020年12月17日閲覧。
- ^ (株)カラー2号機 [@khara_inc2] (2018年7月20日). "さて。大変お待たせしています。『シン・エヴァンゲリオン劇場版』2020年公開となりました。業界的な話になりますが、今作は東宝さん東映さんとの共同配給をさせて頂きます。両社のマークを映画冒頭に並べるというのは、庵野の長年の夢だったそうです。叶いました。では特報のネタバレをします🤗". X(旧Twitter)より2018年7月21日閲覧。
- ^ 「シン・エヴァンゲリオン劇場版」特報は8月31日まで上映 東宝、東映、カラーの3社共同配給で2020年公開 ねとらぼ 2018年7月20日
- ^ 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』特報公開 エヴァンゲリオン公式サイト 2018年7月20日
- ^ 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』特報を公式サイトにアップしました エヴァンゲリオン公式サイト 2018年7月26日
- ^ 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』特報 盗撮行為及びアップロードについて 株式会社カラー公式サイト 2018年7月26日
- ^ 7月29日ワンダーフェスティバル2018[夏]「特設 エヴァンゲリオンブース」登場! エヴァインフォ公式サイト 2018年7月29日
- ^ エヴァインフォ公式 [@eva_information] (2018年7月29日). "本日開催のワンダーフェスティバル2018、3ホールの特設エヴァンゲリオンブース!!「シン・エヴァンゲリオン劇場版」特報&残テMVを上映。8号機初期形状検討用3D出力模型も特別に展示中!!海洋堂様、突然の展示以来にご対応頂きありがとうございます!!#wf2018". X(旧Twitter)より2020年4月17日閲覧。
- ^ 緒方恵美 [@Megumi_Ogata] (2018年10月19日). "「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の、収録についての事前打ち合わせをしに、スタジオカラーさんに来ました。庵野さん、鶴巻さん始めメインスタッフの皆様と、いろいろお話しして来ましたよ(役者は私だけでしたが)。動いてるよ。シンエヴァ。…お楽しみに…!!". X(旧Twitter)より2018年11月2日閲覧。
- ^ evangelion_official [@evangelion_co] (2019年1月31日). "シン・エヴァンゲリオン劇場版の打ち入りをおこないました。来てくださった皆様、キャストの皆様、本当にありがとうございます。頑張ってつくります!". X(旧Twitter)より2019年6月24日閲覧。
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