ジェームズ・アレグザンダー・シートン

James Alexander Seton
生誕	1816年 イギリス、ハンプシャー、フォーディングブリッジ(Fordingbridge)
死没	1845年6月2日(1845-06-02) （『28-29歳』） ポーツマス
死因	銃傷による感染
墓地	フォーディングブリッジ、St Mary's Church 北緯50.92078度 西経1.79509度 / 50.92078; -1.79509
国籍	イギリス
職業	無職
著名な実績	イギリスの地で決闘で殺された最後のイギリス人
配偶者	アン・スザンナ・ウェイクフィールド(Anne Susannah Wakefield)（1838年-1845年、夫の死亡)
子供	1人
親	大佐ジェームズ・シートン(Colonel James Seton)、マーガレット・フィンドレーター(Margaret Findlater)
兵役経験
所属組織	イギリス
部門	イギリス陸軍
軍歴	1837年–1838年
最終階級	騎兵准尉(cornet)

ジェームズ・アレグザンダー・シートン(James Alexander Seton)（1816年 - 1845年6月2日）は、イギリスの地で決闘で殺された最後のイギリス人である。

前半生

ジェームズ・アレグザンダー・シートンは、1816年にハンプシャー、フォーディングブリッジ(Fordingbridge)に、大佐ジェームズ・シートンとマーガレット・フィンドレーターとの息子として生まれた。

彼はスコットランド系で、ダンファームリン伯爵の子孫であった。祖父は、カリブ海のセント・ビンセントの知事ジェームズ・シートン副提督であった。彼は相続金のおかげで、生計を立てるために働く必要のない裕福な男であった。

シートンは短期間騎兵隊の将校をつとめた。1837年3月から1838年3月の間に、彼は第3軽竜騎兵、第11軽竜騎兵、第12軽竜騎兵に所属していた。彼の階級は騎兵准尉(cornet)よりも決して高くはなく、彼の短い軍歴は決闘の約6年前に終わった。がそれにもかかわらず、彼はこの事件の多くの歴史の中で「キャプテン・シートン」("Captain Seton")と呼ばれている。

彼は1838年5月にアン・スザンナ・ウェイクフィールドと結婚し、1子マリオン・フランシス(Marion Frances)をもうけた。

決闘と死亡

ブラウンダウンのビーチ（2007年）。決闘の現場

1840年代初頭のある時期、ジェームズとスザンナ・シートンはハンプシャーのポーツマス近くのサウスシー(Southsea)に部屋複数を賃借した。1845年5月、ジェームズ・シートンは、イザベラ・ホーキー(Isabella Hawkey)に会った。彼女はイギリス海兵隊の将校、中尉ヘンリー・ホーキー(Lieutenant Henry Hawkey)の妻であった。シートンは、夫が不在のときに彼女の下宿を訪れたり贈り物を提供したり、イザベラの追跡を始めた。ヘンリー・ホーキーはこれについての噂を聞き、妻がシートンに会うことを禁じた。

1845年5月19日に、ホーキー家の人々とジェームズ・シートンは、毎週開催された集会、サウスシーのキングズ・ルームで行われた大舞踏会に出席した。そこで、ジェームズはイザベラとダンスした。口論があり、そのときホーキーがシートンを「泥棒でならず者」("blaggard and a scoundrel")と呼ばわって公然と侮辱した。

翌朝早く、ホーキーは下宿に海軍士官、中尉ローレス(Lieutenant Rowles)の訪問を受けた。ローレスはシートンの介添人を演じ、ホーキーに正式な決闘挑戦状を出した。ホーキーは後に射撃場のある銃工店を訪れ、そこで短時間射撃の練習をした。その後、彼は別の店から決闘用ピストルを買い、午後それの練習をした。

その晩、決闘がゴスポート(Gosport)近くのブラウンダウン(Browndown)のビーチで行われた。シートンとローレスはボートでそこを旅し、ホーキーと彼の介添人のイギリス海兵隊中尉チャールズ・ロウズ・ピム(Charles Lawes Pym)は別々に旅をした。介添人が15ペースを測った後、決闘者らはピストルを取り、発砲した。シートンの狙撃ははずれたし、ホーキーのピストルは半撃ち[half-cock、発射準備にしたとき撃鉄がなかば上がって第1段で止まり、引き金を引いても発射しない状態]で、発砲できなかった。決闘の規則によって、事件はそのときりっぱなうちに終わったはずであった。しかしながら、ホーキーが2つ目の銃撃の応酬を主張した。今度はシートンが撃たれ、下腹部に弾丸が1発はいった。

負傷した男は近くにあったヨットに運ばれ、海路短距離をポーツマスまで連れてゆかれた。彼はケベック・ホテル(Quebec Hotel)に連れて行かれ、最終的には手術はロンドンの著名な外科医ロバート・リストン(Robert Liston)の執刀によっておこなわれた。手術はうまくいったように見えたが、しかし感染の兆候がすぐに明らかになり、シートンはすぐに病状が悪化した。1845年6月2日に彼は死亡した。

余波

シートンは、検死官によって遺体が解放された後、6月10日にSt Mary's Church, Fordingbridgeの一家の遺体安置所に埋葬された。葬儀は重要な地元行事であったし、町のほぼすべての店が閉められたし、住民の多くがサウスシーからフォーディングブリッジ(Fordingbridge)まで葬列をなした。ジェームズ・セトンのメモリアルが教会の中に置かれたし、それは今でも見ることができる。

6月4日にポーツマス・ギルドホール(Portsmouth Guildhall)で、死因審問が始まった。それは6日に延期され、6月17日に再開された。死因審問の陪審は、ヘンリー・ホーキーおよびチャールズ・ロウズ・ピムに対する故意の謀殺の評決をくだし、双方の男の逮捕状が発行された。

決闘から約9か月後の、1846年3月に、中尉ピムはウィンチェスター巡回裁判所で謀殺の従犯者として起訴されたが、しかし無罪を宣告された。彼の決闘への関与は、軍事的経歴にほとんど明らかな影響を与えなかったし、経歴は長くかつ成功した。彼は最終的には将官の地位に達した。

ヘンリー・ホーキーは、1846年6月13日のウィンチェスター巡回裁判所の夏のセッションで謀殺で公判に付された。サー・アレグザンダー・コックバーン(Alexander Cockburn QC)によって弁護され、コックバーンが陪審に演説を2時間行った後、彼は無罪とされた。その中で、ホーキーは、自分はシートンの妻への行為によって深く　　刺激された、シートンの死亡は主に彼が受けた治療によって引き起こされた、と主張した。

イングランドでの最後の致命的な決闘は、約7年後の1852年10月19日に、イングルフィールド・グリーン(Englefield Green)とオールド・ウィンザー(Old Windsor)との間でプリースト・ヒル(Priest Hill)で行われた。それはフランスの政治難民2人、中尉フレデリック・コンスタン・コルネ(Lieutenant Frederic Constant Cournet)とエマニュエル・バルテルミー(Emmanuel Barthélemy)によって戦われた。クールネットは殺されたし、バルテルミーは謀殺で公判に付された。しかしながら、彼は故殺で有罪判決を受け、禁固数か月を言い渡された。1855年に、バルテルミーは雇用主と別の男とを撃ち、殺した後、絞首刑に処された。

脚注

引証

文献

• A Matter of Honour, Martyn Beardsley. Bookline & Thinker, 2011.