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: 銀色のロングヘアーと右目が白色、左目が青色の[[虹彩異色症|オッドアイ]]が特徴の女性。ラムの[[懐刀|腹心]]。情報収集のスペシャリストとして組織内では有名な存在で、諜報活動や破壊工作の実績を認められている。 |
: 銀色のロングヘアーと右目が白色、左目が青色の[[虹彩異色症|オッドアイ]]が特徴の女性。ラムの[[懐刀|腹心]]。情報収集のスペシャリストとして組織内では有名な存在で、諜報活動や破壊工作の実績を認められている。 |
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: [[ボクシング]]が得意な[[安室透|降谷零]]と互角に近い戦いを繰り広げる、[[警察庁]]の入っている[[中央合同庁舎第2号館]]から窓ガラスを突き破って飛び降りる、零や赤井らと過激な[[カーチェイス]]を繰り広げる、[[ダーツ]]の矢をすべて的の中心に命中させる、高所から落下した[[少年探偵団 (名探偵コナン)#小嶋元太|元太]]を間一髪で助けるといった、高い身体能力や戦闘能力を持つ。{{仮リンク|脳弓|en|Fornix (neuroanatomy)}}に珍しい損傷があり、酒のキュラソーにちなんだ5色{{efn2|[[キュラソー (酒)|キュラソー]]には、無色透明のホワイト・キュラソーと橙色のオレンジ・キュラソー、青色のブルー・キュラソーと緑色のグリーン・キュラソー、そして赤色のレッド・キュラソーの5種類の色のものが存在する。}}の半透明シートやライトを目にすると、優れた記憶能力を発揮する{{efn2|記憶喪失中にも、元太の盤ごと崩した[[オセロ (ボードゲーム)|リバーシ]]の駒を無自覚のうちに元通りに並べ直している。}}。かつて、その記憶能力で組織の重要機密を知ったため、ベルモットによって始末されそうになったが、ラムに「その能力を私のためだけに使え」と持ちかけられて命拾いし、[[懐刀|右腕]]になった経緯がある。 |
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: 警察庁へ侵入して[[スパイ#機関員(インテリジェンスオフィサー)|NOC]]{{efn2|「{{仮リンク|ノンオフィシャルカバー|label=Non Official Cover|en|Non-official cover}}」の頭文字を取った隠語で、民間人を装い他国に潜入捜査をしている非公式な秘密諜報員を指す。}}リストを盗み出す際、[[名探偵コナンの登場人物#風見裕也|風見裕也]]ら公安警察官に発見されて逃走し、零や赤井との逃走劇を繰り広げた。その後、逃走劇の末に起きた[[交通事故]]によって記憶喪失となったところ、東都水族館の入口でコナンや少年探偵団ら子供たちと出会い、親しくなった。なお、零と赤井から逃走する際に彼らの足止めとして無関係の一般市民の車を事故に遭わせたり、赤井に「轢き殺してやるよ!」と過激な言葉を吐いたりしていることから、本来は粗暴かつ好戦的な性格だったことがうかがえる。 |
: 警察庁へ侵入して[[スパイ#機関員(インテリジェンスオフィサー)|NOC]]{{efn2|「{{仮リンク|ノンオフィシャルカバー|label=Non Official Cover|en|Non-official cover}}」の頭文字を取った隠語で、民間人を装い他国に潜入捜査をしている非公式な秘密諜報員を指す。}}リストを盗み出す際、[[名探偵コナンの登場人物#風見裕也|風見裕也]]ら公安警察官に発見されて逃走し、零や赤井との逃走劇を繰り広げた。その後、逃走劇の末に起きた[[交通事故]]によって記憶喪失となったところ、東都水族館の入口でコナンや少年探偵団ら子供たちと出会い、親しくなった。なお、零と赤井から逃走する際に彼らの足止めとして無関係の一般市民の車を事故に遭わせたり、赤井に「轢き殺してやるよ!」と過激な言葉を吐いたりしていることから、本来は粗暴かつ好戦的な性格だったことがうかがえる。 |
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: 終盤で記憶を取り戻すと一度は組織に戻ろうとするが、子供たちと過ごした時間を経て「今の自分の方が気分がいい」と組織を裏切る。観覧車から脱走する途中で灰原と遭遇し、彼女が幼児化したシェリーであることに気付くが、彼女をジンたちのもとに連れ出そうとはせず、その場から逃げるように促す。最後はキュラソーの裏切りを推測したジンたちの[[V-22 (航空機)|オスプレイ]]の攻撃による脱輪で転がり出した観覧車を止めるべく、付近の工事現場から[[建設機械|重機]]を操縦して特攻する{{efn2|この時点で、すでにオスプレイの攻撃によって身体の各所を負傷していたうえ、腹には観覧車の[[異形鉄筋|鉄筋]]が突き刺さったまま(無理に引き抜けば即死)という致命傷を負っていた。}}。その結果、観覧車を止めることには成功したものの、自身は操縦席ごと観覧車に潰されたうえに爆発に巻き込まれて死亡し、身元の判別が不可能な遺体となって発見される。記憶を取り戻した以降、子供たちとの唯一のつながりである白い「イルカのストラップ」{{efn2|この「イルカのストラップ」は、元々は東都水族館のゲームコーナーにあるダーツコーナーで、(記憶を取り戻す前の)キュラソーが元太・光彦・歩美にプレゼントした別々の色が塗られたものとは別に、コナンがダーツコーナーのスタッフからキュラソーに渡すよう頼まれた、色の塗られていない試作品であった。}}を持ち続けていたが、子供たちを守った際に黒焦げとなっている{{efn2|この黒焦げになったストラップをキュラソーの記憶装置と{{読み仮名|訝|いぶか}}しんだ風見に対し、コナンは「いや、それは思い出だよ。黒焦げになっちまったけどな。」と返している。}}。 |
: 終盤で記憶を取り戻すと一度は組織に戻ろうとするが、子供たちと過ごした時間を経て「今の自分の方が気分がいい」と組織を裏切る。観覧車から脱走する途中で灰原と遭遇し、彼女が幼児化したシェリーであることに気付くが、彼女をジンたちのもとに連れ出そうとはせず、その場から逃げるように促す。最後はキュラソーの裏切りを推測したジンたちの[[V-22 (航空機)|オスプレイ]]の攻撃による脱輪で転がり出した観覧車を止めるべく、付近の工事現場から[[建設機械|重機]]を操縦して特攻する{{efn2|この時点で、すでにオスプレイの攻撃によって身体の各所を負傷していたうえ、腹には観覧車の[[異形鉄筋|鉄筋]]が突き刺さったまま(無理に引き抜けば即死)という致命傷を負っていた。}}。その結果、観覧車を止めることには成功したものの、自身は操縦席ごと観覧車に潰されたうえに爆発に巻き込まれて死亡し、身元の判別が不可能な遺体となって発見される。記憶を取り戻した以降、子供たちとの唯一のつながりである白い「イルカのストラップ」{{efn2|この「イルカのストラップ」は、元々は東都水族館のゲームコーナーにあるダーツコーナーで、(記憶を取り戻す前の)キュラソーが元太・光彦・歩美にプレゼントした別々の色が塗られたものとは別に、コナンがダーツコーナーのスタッフからキュラソーに渡すよう頼まれた、色の塗られていない試作品であった。}}を持ち続けていたが、子供たちを守った際に黒焦げとなっている{{efn2|この黒焦げになったストラップをキュラソーの記憶装置と{{読み仮名|訝|いぶか}}しんだ風見に対し、コナンは「いや、それは思い出だよ。黒焦げになっちまったけどな。」と返している。}}。 |
2021年4月20日 (火) 10:54時点における版
黒の組織(くろのそしき)は、『週刊少年サンデー』で連載されている青山剛昌原作の漫画作品、およびそれを原作とするテレビアニメなどのメディアミックス『名探偵コナン』の作品に登場する架空の犯罪組織。黒ずくめの組織とも呼称される[注 1]。本項では、原作とは一線を画しているオリジナルストーリー「特別編」も含めた黒の組織の関係者も扱う。
概要
工藤新一の身体を幼児化させた毒薬・APTX4869を開発した国際的犯罪組織[注 2]。「黒の組織」という名称は仮称であり、原作ではこの仮称はサブタイトル内でしか登場しない。正式名称は現在も不明[注 3]。
所属者は基本的に上から下まで黒の装束に身を包んで任務を行う[注 4]。組織の主な活動内容は、重要人物の暗殺、裏での金銭やプログラムソフトの取引、謎の薬の開発などである。極大規模の犯罪組織であり、世界各国に活動拠点が存在し、世界中に組織の構成員がいる[4]。その影響力は表向きの仕事が政界・財界・医療・科学といった各界の重鎮たちにも及んでおり[注 5]、その中でも特に優秀な者を組織の一員としてスカウトしている。そういった暗躍により、APTX4869以外にも十数秒で非通知通話を逆探知して電話番号を手元のPCに表示するハッキング用プログラム(劇場版第5作『天国へのカウントダウン』に登場)やコンピュータウイルス・闇の男爵(詳細は#広田正巳を参照)など、初公開当時には一般的な脅威となり得た違法ソフトウェアすら開発している。
一方、組織の巨大さゆえに数多くのスパイの潜入を許してしまっており、日本の公安警察、アメリカのFBIやCIAなどからの潜入捜査が行われ[注 6]、ジンからは問題視されている。ただし、優秀な捜査官たちが潜入しているにもかかわらず、組織の全貌を明らかにするまでには至っていない[注 7]。
組織の暗殺のターゲットとなるのは、秘密の取引相手や組織から脱走した裏切り者をはじめ、将来的に組織の脅威となる可能性を持つ者である。暗殺するのは極力ターゲットのみだが、暗殺の瞬間や証拠を目撃した者も抹殺する[注 8]。また、途中で暗殺者側の正体が露見した場合には例えそれが組織の重要人物でも問答無用で抹殺する[注 9]など、現場に証拠をまったく残さず暗殺を果たしており、「疑わしき者はすべて消去するのが組織のやり方」と評されている。暗殺に際してはライフルや爆弾・毒薬を補助的に用いるが、基本的には拳銃を用いる。コードネームを与えられた者は総じて拳銃の扱いに
アニメ版では大規模な射撃場様の設備[注 10]を所持しており、所有地はかなり広大である。また、多数の兵器を所有しており、劇場版第13作『漆黒の追跡者』や第20作『純黒の悪夢』では戦闘ヘリコプター(機体の形状はAH-64 アパッチに酷似)やオスプレイ(IDWSやクレーンアームを装備)を用いる姿が描かれており、機体に搭乗したうえで機銃掃射などによる破壊行為によって公衆の面前で施設ごとターゲットを抹殺しようという、派手な手段に出ている。
組織の目的
組織の真の目的については明らかにはなっていないが、半世紀前(50年前)から「極秘プロジェクト」を進めている。また、物語の進行に伴い、このプロジェクトの推進が組織の真の目的である可能性が浮かび上がっている。
- 灰原哀の両親・宮野夫妻と親しく、開発中の薬について聞かされていたピスコが、身体が幼児化した灰原を見て「まさか君がここまで進めていたとは…。事故死したご両親もさぞかしお喜びだろう。」と語っていた[6]。
- "高飛車な女"が、システムソフトの開発者・板倉卓に電話越しに「We can be both of God and the Devil. Since we're trying to raise the dead against the stream of time.(我々は神でもあり悪魔でもある。なぜなら時の流れに逆らって、死者を蘇らそうとしているのだから…。)」と述べている[7][注 11]。
- コナンたちが不老不死の人魚伝説の伝わる美國島を訪れた際、観光者リストの中にジンとウォッカのコードネームに似た名前「黒澤陣」「魚塚三郎」と灰原の本名である「宮野志保」が記載されている[8][注 12][注 13]。ただし、組織の目的は「不老不死ではない」ことが作者により明言されている[10]。
アニメにおける変更点
テレビアニメ版では当初、放送開始直後ということやまだ黒の組織を登場させられないと判断されたことと、途中で打ち切りになったとしても収拾が付けられるよう、組織が絡む第5話「新幹線大爆破事件」と第13話「奇妙な人捜し殺人事件」では組織を登場させず、別の犯人に置き換えてその者が逮捕される内容に変更された。やがてテレビアニメ版が軌道に乗ると、後者の事件は灰原の登場に当たって必要不可欠な重大事件となったため、原作の本筋だけを残して大幅にアレンジした別エピソードの第128話「黒の組織10億円強奪事件」が制作された。しかし、前者の事件での重要点は「ジンとウォッカのコードネームが発覚する」ことのみだったため、代替エピソードが制作されなかった。このため、テレビアニメ版ではジンとウォッカのコードネームは第52話「霧天狗伝説殺人事件」において、これまでのあらすじを振り返る形で初めて紹介され、その流れでコナンがジンとウォッカのコードネームだけはすでに突き止めていたように描写された。
なお、それ以降で組織が絡む事件は、第13話のように原作との矛盾が生じるとその後の辻褄合わせが困難になるといった理由から、原作通りに作られるようになっている。また、2016年放送のスペシャルアニメ『エピソード“ONE” 小さくなった名探偵』以降は前述のアニメオリジナル設定ではなく、原作の設定で描かれている。
別作品における黒の組織
『名探偵コナン』と同じ青山による作品『まじっく快斗』やモンキー・パンチによる作品『ルパン三世』でも、黒の組織の存在が示唆されている。ただし、これらはあくまでも別作品であるために遊び要素が強く(特に『ルパン』)、組織が実際に登場するという踏み込んだ描写はされていない。
- 『まじっく快斗』
- メディアやエピソードによっては『名探偵コナン』と同一世界(『コナン』と同じ内容を『快斗』側の視点で描く)という設定になっているうえ、主人公・黒羽快斗の宿敵である謎の組織もその非道さや全貌の不明さなどで、黒の組織との共通点を持っているが、両組織の関連性は不明となっている[注 14]。
- 『ルパン三世』
- テレビスペシャル『ルパン三世 the Last Job』の前日譚を描く漫画「風魔VSルパン お宝争奪大作戦!」の登場人物・神楽坂飛鳥が実年齢(25歳)より若く見えることについて、黒の組織やAPTX4869の存在を示唆するやり取りが存在する。詳細は作品記事を参照。
- 『ルパン三世VS名探偵コナン』、『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』
- 上記だけでなく『ルパン三世』と『名探偵コナン』のクロスオーバー作品でもルパン三世らルパン一味は黒の組織やAPTX4869の存在を把握していることが判明している[注 15]。
構成員
注:コードネームのリンク(青文字)はそのキャラクターの由来となったWikipedia内にある酒のページに移動する。 |
組織のトップである「あの方」と呼ばれる人物を筆頭として、ジンとウォッカ、ベルモットの他に何名もの関係者が確認されている。なお、下記で本名と記されている名前も偽名の可能性がある。
黒幕
- あの方 / ボス / 烏丸 蓮耶(からすま れんや)
- 声 - なし
- 黒の組織のボスにして黒幕。表向きは半世紀前に99歳で死去したとされている[注 16]大富豪で、烏丸家の当主。姓の「烏丸」はアルファベットで「CARASUMA」とも表記。
- 容姿
- 作中で登場したシルエットでは、首筋まで伸びた髪と高い鼻、やや肥満気味な体型をしている。右手には杖を持ち、左肩には自身の紋章にもなっているカラスらしき鳥を乗せている。
- 人物像
- 財産は母親から受け継いだものとのことで[11]、作中では烏丸家は衰退したと言われている[11] が、作者は「烏丸蓮耶の財力は鈴木財閥や大岡家を上回っている」と回答している[12]。工藤優作いわく「この日本で最も強大な人物」[13]。町医者時代の宮野厚司に研究のバックアップを申し出た施設のスポンサーも「烏丸グループ」であったが、厚司は「悪い噂を聞く」と発言し、宮野エレーナの姉であるメアリー・世良も「胡散臭い」と評している[14]。
- 慎重居士な性格で、ベルモットからは「石橋をたたきすぎて壊しちゃうタイプ」と評されている[15]。不穏分子にはすぐさま多数の監視をつけ、いざとなれば幹部だろうと躊躇なく抹殺を命じている。表舞台に出ることは無いが、各種任務(ミッション)の際には側近のラムと共に陰から指示や命令を出しており、部下の状況をリアルタイムで正確に把握しており、ピスコがマスコミに犯行の瞬間を撮影された際には組織の情報漏洩を恐れて彼の暗殺をジンに命じた[6]。また、組織に帰ってきたキールを疑い、身の潔白を証明させるため、赤井秀一の暗殺を彼女に命じている[16]。ベルモットとは気に入って目をかけている一方、独断で隠密行動をとる彼女には次第に不信感を抱くようになっており、ジンに内情を調べさせている。赤井については、自分たちに対する"Silver Bullet"(シルバー・ブレット:モンスターホラー小説で狼男を倒すことができる唯一の武器)になり得る存在として恐れを抱いている。
- メールアドレスは「♯969♯6261」とされており[注 17]、若干音のズレはあるが、携帯電話[注 18]のプッシュ音が童謡「七つの子」のメロディになっている[17]。
- 灰原はその正体について、「ただでさえ信じ難い人物が浮かび上がって来るかもしれない」との発言をしている[17]。また、老齢のピスコは「長年仕えた」と語っている[6]。バーボンこと降谷零(安室透)は、「あの方」とベルモットとの間に「重大な関係」がある事実を突き止めており、彼の発言からもその関係について組織内に知られると、ベルモットにとってかなり不都合な事態となってしまうことが暗示されている[18]。
- 作中の動向
- 静岡県の山中の奥野ダムから2kmの稲香村に、母親から受け継いだ洋館「黄昏の館」(別荘)を所有しており、この館は扉、床、手すり、食器、チェスの駒からトランプにいたるまで彼の特注品で、すべてに上述のカラスをあしらった家紋のような紋章が刻まれていた。40年前、余命幾ばくもない烏丸は「黄昏の館」に隠された財宝を一目見るために、大勢の考古学者を雇って調査させる。だが、考古学者達はなかなかその手掛かりを見つけられず、死期が迫って業を煮やした烏丸は見せしめとして考古学者を1人ずつ殺害。その後、結局財宝を発見するに至らず、それから20年のうちに烏丸は死去したとされる。館も衰退した烏丸家の手を離れ、至る所に飛び散った血飛沫を残し、この惨劇は人知れず闇に葬られた[注 19]。
- 羽田浩司の殺害現場に残されていた手鏡の「PUT ON MASCARA」という文字を見て、当初コナンと秀一は「ラム」の正体に繋がる手掛かりとされる「ASACA RUM」が隠されていると推理していた[19]。しかし、後に優作と秀一が「ASACA」と「RUM」の2つの単語に分けるのではなく、「CARASUMA」の8文字で1つの名称になると推理し、烏丸が組織のボスの名であることが明らかとなった[13]。
- 2017年12月13日に『サンデーうぇぶり』アプリ版で公開された動画内で、作者・青山剛昌によってボスの正体が初めて公式に明言された[20]。
幹部
組織の幹部級の人物には、「あの方」によって酒やカクテルの名前に由来するコードネーム[注 20]が付けられており、通常はそれで呼び合う。基本的にコードネームを持っている幹部メンバーの地位は、ウォッカがジンやベルモットに敬語を使うなど実力や年功序列などによる多少の上下関係はあってもほぼ同格とされており、作中でジンが部隊における幹部同士のリーダー的立ち位置にいるのは偶然である[21]。ただし、組織での地位がNo.2とされるラムは別格であり、ジンやベルモットなどのメンバーに指示・命令を下す地位にある[4]。
- ラム (Rum)[注 21]
- 声 - 不明[注 22]
- 「あの方」・烏丸蓮耶の側近。赤井も組織にいた頃に何度か名前を聞いたことがあり、「ジン以上の大物」と警戒している[18]。
- コードネームを持つ幹部の中でも別格の存在で、組織のナンバー2と名高い[23]。ラムの存在はボスの正体と並んで組織の最高機密(トップシークレット)とされており、コードネームを持つ幹部でさえほとんどがラムの正体を知らない[24]。
- 組織内ではボスである烏丸蓮耶の側近という理由もあってか、ジンもラムの命令には一切逆らえず[注 23]、「『あの方(烏丸蓮耶)』のお気に入り」として他のメンバーを見下す傾向が強いベルモットでさえラムには敬語で話し、意見に反論すらしていない[4]。灰原はラムに会ったことはないが、その人物像についてメンバーから「屈強な大男」「女のような男」「年老いた老人」など十人十色な噂を耳にしており、中には「それらがすべて影武者」という者もいたようである。また、過去に何らかの事故で負傷した左右片方の眼球が義眼になっているため、「片方がない」とも言われていた[26] ほか、組織のメンバーには丁寧な口調を使って会話している[4]。 なお、作者は黒田兵衛、若狭留美、脇田兼則の中にラムが確実にいると回答している[27][注 24]。
- 作中での暗躍が語られているが、その目的の詳細は不明である。各種ミッションの際には『あの方』・烏丸蓮耶と共に影から指示を送っている。また、組織の手によって死亡したとされる新一の目撃情報が流出した際には、彼についての情報をただちに提供するようバーボンに命じた。過去に羽田浩司殺人事件において重大な失態を犯したとされるが、作者はその責任を問われないほどにラムの立場は高いと説明している。
- 劇場版第20作『純黒の悪夢』[注 25]では、優れた記憶力と身体能力を高く評価してキュラソーを右腕として招き入れた。慎重な性格であり、キールとバーボンが組織に入り込んでいるスパイではないかと疑っていたが、コナンによってキュラソーの携帯から送られて来たメールを見てキールとバーボンの処刑を中止させる。しかし、そのメールを鵜呑みにはしておらず、ジンたちにメールの真偽を確かめるよう命じた。
- ジン (Gin)[注 26] / 黒澤 陣(くろさわ じん)[注 27]
- 声 - 堀之紀、演 - 佐々木蔵之介
- 新一=コナンにAPTX4869を飲ませた張本人[注 28]。組織の実行部隊のリーダーで、「あの方」・烏丸蓮耶からの信頼も厚く[29]、直接連絡を取り合える。コナンや灰原から警戒されているだけではなく、FBIからも「ジンを押さえれば一気にボスにたどり着ける」と注目されており、赤井からは後述の理由で「恋人」「宿敵」「本命」などと呼ばれている。
- 人物像
- 素性を知らなかった頃の新一から「平気で殺人を繰り返してきたに違いない」と評される冷酷な目つきをした男。正確な年齢および国籍は不明[注 29]。『純黒の悪夢』のノベライズ版では、リースリングとドイツ語で会話をしており、ドイツ語に堪能なことが示唆されている。髪は銀色で腰まで届くストレートの長髪[注 30]。目の色は深緑色。左の目尻は、赤井の狙撃によって傷を負わされた[5]。防弾ジャケットを仕込んだ黒いロングトレンチコート、ノーネクタイのハイネック、黒帽子の服装がトレードマーク。左利き[注 31]であり、詩人のような台詞回しも特徴。
- 愛車は黒のポルシェ356A(正確にはC)[注 32]で、「ドイツの雨ガエル」と呼び、かなり気に入っている[注 33]。愛煙家であり、喫煙する際にはマッチでタバコに火を付ける。愛用の拳銃としてベレッタM1934(アニメ版ではベレッタM92)、ライフルにはM16を使用する[30]。
- とてつもない切れ者であり、キャンティとの通話で自分たちの車内にあるキールの靴底に仕掛けられた盗聴器にも気付いたり、ウォッカを追跡する作戦を瞬時に看破して逆にコナンを窮地に追い詰めたりするなど、鋭い洞察力と観察力を持つ。公安警察の動きを正確に予想してあらかじめ観覧車に爆薬を仕掛ける命令を出すなど、先を予測する能力も高い[4]。用意周到で用心深く、暗殺などの任務の際は絶対に準備や状況の確認を怠らず、無駄な行動も極力避けるように心掛けている[注 34][注 35]。
- 様々な分野に関して専門家に匹敵する知識を持ち、狙撃も一流の腕を持つ[注 36]。気配を消して近づく技術を持ち、背後から近づかれた相手は銃を突きつけられるまでまったく気付かない。腕時計型麻酔銃の麻酔針を自分の右腕に撃ち込まれて意識が薄れゆく中でも右腕を拳銃で撃ち抜き、その激痛で覚醒して任務を続行するなど、組織への忠誠心は高い[注 37]。
- 性格は残忍であり、裏切り者や警察に手が回りそうな者の他にも目撃者であれば問答無用で抹殺してしまう残酷さで、組織から指示された殺人の標的がたとえ仲間や無関係な一般人、子供であったとしても笑みを浮かべながら銃弾を放つなど、人命を奪うことに抵抗やためらいを一切見せない残虐さも持っている。本人いわく「『疑わしきは罰する』がモットー」であり、裏切り者もしくは(組織に潜入している人物以外に)組織について探りを入れている「ネズミ」である可能性が少しでも浮上した人物に対しては、例え確実な証拠がない段階でも射殺しようとする[4] など、冷酷な思考を持つ。ただし、上記のように組織のためには自他共に厳しい面があり、仲間や無関係な人まで容赦なく殺すことをためらわない一方、他人を犠牲にして自分だけ傷つくことを避けるような姑息な行動も見せないなど、凶悪な中にも任務に対する矜持と信念を持ち併せてもいる。
- 「殺した人間の顔と名前は忘れるようにしている」などの非道な発言[注 38]からも数多くの殺人を犯していることが示されている。また、自分がどうでもいいと判断した過去のことも基本的に忘れるようにしており、羽田浩司の事件も「17年前にラムが抜かった仕事(ころし)なんざ、知った事か」と興味を示さなかった[25]。なお、殺した人物の情報が必要な場合はウォッカからサポートを受けている。
- 組織の人物との関係
- 基本的に自他に厳しく他人には非情だが、ウォッカやキールのようにある程度の働きを認めた人物には、やや甘い傾向もある。一方、赤井、イーサン・本堂、スコッチの正体の発覚以降は組織内にネズミ(潜入捜査官)が入り込んでいることを問題視している。
- ボスの烏丸蓮耶に対しては、組織に対してと同様の純粋な忠誠心を抱き、命令を忠実に守ろうと行動する。
- ベルモットに対しては、組織の構成員としての実力は評価しているが、彼女の秘密主義には嫌悪感と警戒心も感じており、組織に秘密でカルバドスが連れ出された件以降は、さらに警戒心を強めることになった。なお、ベルモットとは肉体関係があることが作中で示唆されているが[33]、アニメ版ではカットされている。
- バーボンに対してもその秘密主義に嫌悪感を示し、赤井の生存を疑った際もバーボンには話さなかった。このため、鈴木財閥のミステリートレインにシェリーが乗っている可能性をベルモットから聞かされた際は、シェリーを爆殺するためにミステリートレインの終点である名古屋の駅に爆弾を仕掛けることで、疑わしい部分の目立つベルモットとバーボンの2人をミステリートレインの乗客共々始末しようと企んでいた[3]。
- 赤井に対しては組織に潜入していた頃から嫌っており(ただし、バーボンほどひどく嫌っていたわけではないことがウォッカの口から語られている)、FBI捜査官であることが発覚してからはその動向を警戒し、キール奪還作戦に彼の殺害計画を組み込むなど強敵として認識し[注 39]、抹殺対象としている。
- ラムに対しては、「ラムからの命令は確実に遂行しなければならない」と語っている[4] が、内心ではラムのことを快く思っていない節がある。
- ピスコに対しては組織の力を借りて地位を得たこともあり、「耄碌したな」などと見下していた[6]。
- コナンたちとの関係
- シェリー(宮野志保)とは組織を抜ける以前に何らかの関係があったと思われ[34][注 40]、車に残された赤みがかった茶髪と、さらに仕掛けられた盗聴器と発信器を見つけたために彼女だと断定し[注 41]、彼女を抹殺するためにその追跡に執着していたが、ミステリートレインで「シェリーを抹殺できた」と認識し[3]、実際にはコナンたちが灰原=シェリーを助けたことを知らないため、それ以降は「シェリー」の名を口に出す様子は見られなくなった。
- 新一=コナンの生存と幼児化を知らず、2020年現在まで再会および対峙したことはないが、FBIなどの組織とは別に単独で「組織に対抗する何者かがいる」ことは察知している様子であり、「探偵のようなキツネ」と表現した[注 42]。
- 小五郎に対しては、キールの靴からコナンの仕掛けた盗聴器を発見したことで組織の認識やシェリーとの関わりを疑うようになる[注 43]。この一件の直後は、赤井の機転とベルモットの擁護によって標的からは一応外すものの、完全には疑惑を捨てずに情報を共有した[5] だけでなく、「暗がりに鬼を繋ぐが如く、(小五郎が)鬼だったとしたら、眠っている間に始末しねぇとな」とも語っている[25]。
- その他
- 2020年5月7日発売の雑誌『ダ・ヴィンチ』2020年6月号で実施された「読者にしあわせを与えてくれたキャラ」ランキングでは15位を獲得した[37]。
- ベルモット (Vermouth) / シャロン・ヴィンヤード (Sharon Vineyard)
- 声 - 小山茉美
- 情報収集や暗殺、取引などのサポートを行う組織の女性幹部。表の顔は、ハリウッドで活躍する自称29歳の人気二世女優・「クリス・ヴィンヤード (Chris Vineyard)」。
- 使用している拳銃は、原作では「SIG SAUER P230」など、アニメ版では「ワルサーPPK」「S&W M36」「コルト・ベスト・ポケット」など。組織の任務の際は、ハーレーダビッドソン・VRSCに乗る場合が多い。
- モデルは『ルパン三世』シリーズの登場人物である峰不二子[注 44][注 45]。
- 人物像
- 長い金髪に碧色の眼を持つセクシーな美女。「千の顔を持つ魔女」の異名を持つ老若男女を問わない変装の達人であり、変声機を使わずとも他人の声を模倣することまでできるため、諜報活動に長けている。拳銃の扱いにも
長 ()けており、車のサイドミラーを見ながら正確に後方の細部を撃ち抜く腕前を持っている。"A secret makes a woman woman."(訳:女は秘密を着飾って美しくなる)を座右の銘としている[注 46]。「神様」や「エンジェル」といった言葉をよく使用する。 - ジンいわく「『あの方(烏丸蓮耶)』のお気に入り」とのことで、ボスの烏丸蓮耶から直接メールで指示を受けるほど目をかけられている。ジンにも一目置かれているが[注 47]、組織の構成員にさえ貫くほどの秘密主義者としても知られているため、組織内でもその動向が警戒されている。
- 組織内ではコナンと灰原の正体やその所在を知る唯一の人物[注 48]であると共に、灰原の両親である宮野夫妻が開発に携わったAPTX4869を用いた研究の全容についても知っている模様[注 49]。灰原がAPTX4869により幼児化したことについては、組織に知られることを恐れている節があり、その事実を伏せている。
- ボスの烏丸蓮耶に特別扱いされているのを良いことに、組織内では自分以外の人間を見下す言動が多い。ただし、ラムに対しては常に敬語で話している[4]。楠田陸道のようにコードネームが無いメンバーのことはほとんど知らず、公安からの潜入捜査官であったスコッチのことでさえ、バーボンに言われるまで忘れていた[18] ほど関心を持っていない。計画内で仲間の構成員を平然と使い捨てる、組織とは無関係の一般人を脅迫し殺人を実行させる[39] など、自己中心的で非情な行動をとり、笑いながら楽しむように標的を殺そうとするなど、冷血な面も持っている[注 50]。ただし、無関係な人間を巻き込まないように配慮する面も多く見られる[注 51]。
- 独善的な方針が目立つにともなって多くの者から嫌悪され、ついには「あの方」からも警戒されるようになった以降、ジンにはキールやバーボン以上に強く警戒されている。「季節外れのハロウィンパーティー」の際には少しでも妙な行動を取ればジンの命令を受けたウォッカによる暗殺が待っていた[39]うえ、小五郎の抹殺に異を唱えた際にもその理由を怪しまれて銃を突きつけられている[5]。さらにベルツリー急行事件ではシェリー(灰原)を爆殺しようともくろんだジンが駅のホームに設置した爆薬により、バーボンとともに列車内とホームの乗客全員ごと爆発に巻き込まれかけている[3]。自らの立てた計画が失敗して赤井秀一に追い詰められた際には、勝手に連れ出していたカルバドスを見捨てて単独で逃亡した結果、彼が拳銃自殺してしまったためにキャンティとコルンからも激しく憎悪されている[39]。
- 組織やその計画に対しては彼女なりに含むところもあり、時折り誰にも悟られぬまま組織を壊滅させる決定打を探し求めているような言動も見られる[注 52]。組織のボスである「あの方(烏丸蓮耶)」とは個人的に深いつながりがあるらしく、その真実を唯一知るバーボンによると、他のメンバーに知られると組織内での立場が一転してしまうほどのもので、たとえバーボン本人を殺しても、その内容が組織にリークされる
手筈 ()になっている。また、「あなたの『秘密』は厳重に保管してある」というバーボンの台詞からも、「あの方」との関係以外にも、何か重要な物を手中に握られている模様[18]。 - 本名と正体
- 本名はシャロン・ヴィンヤードで、ハリウッドでアカデミー賞を受賞した大女優。「ハリウッド映画界の大物」正確な年齢は不詳で、少なくとも40代を過ぎているはずだが、20年前から肉体の老化が見られない[注 53]。FBIには、過去にシャロンとして犯した犯罪(ジョディ・スターリングの父を殺害したことや、ジョディ宅に放火したことなど)の証拠(現場に残された指紋が、シャロンとクリスの指紋と一致したこと)をつかまれているうえ、逮捕こそ妨げられている[注 54]ものの要注意人物としてマークされており、父を殺されたジョディからは根強く恨まれている。
- 役作りのため、マジシャン・黒羽盗一(初代怪盗キッド)の下に弟子入りして変装術を教わった過去があり、コナン(新一)の母・有希子も含めて日本人との関わりが多かったためか、アメリカ人ながら日本語が堪能。
- クリスはシャロンの娘とされているが、シャロンこそが正体であり、変装による一人二役で活動していた。「外見を変装により取り繕いはしても、中身はしわくちゃの腐った
林檎 ()」という皮肉と、大女優として脚光を浴びたニューヨークのミュージカル『ゴールデン・アップル』から、FBIに"Rotten Apple"(ラットゥンアップル・腐った林檎)という標的名をつけられている。シャロンとして活動していた時期は、変装と演技(老けメイクに加え、本人によれば当時は「普段から老けたフリ」)によって歳をとっていたように見せながら、時期を見計らって本来の素顔に戻ってはクリスを名乗ってデビューし、一定期間だけ二役[注 55]で活動した後、最終的には本編の1年前に偽の葬儀を挙げてシャロンが急逝したと欺(あざむ)き、完全にクリスとして認知された。なお、クリスとの親子関係以外にも、両親がシャロンの映画デビュー当日に火災で焼死し、夫もオスカー像獲得の翌月に病死したというプロフィールを有希子らに語っているが、娘の実在を含めて真実かは不明。 - 日本での暗躍
- 女優時代から旧知の間柄であるCGクリエイターである板倉卓とは、ある映画の製作の際に衝突して犬猿の仲になってしまったが、その後、自身が脅迫して何かのソフトの制作を発注した。
- クリスとしてピスコのサポートのために来日し、「映画監督・酒巻 昭(さかまき あきら)氏を偲ぶ会」に出席した際に引っかかりを覚え、女優業を休業して日本に留まる[6]。その後は新出智明になりすまして米花町付近に潜入することを計画し、新出の事故死(実際はベルモットの計画を察したFBIによる偽装工作)確認に伴ってすり替わることに成功する。組織の計画の中枢を担っていたシェリー(灰原)の暗殺を果たすべく、新出として独断でシェリーの捜索を開始し[注 56]、東都デパートでの「4台のポルシェ」事件の際に灰原がシェリーの幼児化した姿であることに気づく[注 57]。その後、コナンに送った「季節外れのハロウィンパーティー」への招待状で彼の正体を知っていることをほのめかして灰原から遠ざけた後、カルバドスを連れ出してシェリー(灰原)の殺害を実行に移そうとしたが、計画を察知したコナンが灰原に変装して妨害したことに加え、想定外の毛利蘭の登場や赤井の妨害に遭って殺害を断念し、カルバドスを見捨ててコナンを人質にとって単独で逃亡した[39]。その後、コナンの追及をかわし、「あの方」の命令を受けて組織の任務下に戻る。この失敗に関しては、組織の任務下に戻された以外、特に「あの方」からは責任を問われなかった模様。
- やがて、バーボンがシェリーの捜索に動き出したことを機に「シェリーの暗殺」を条件として彼と結託し、赤井を捜索するバーボンに付き合って彼を火傷を負った赤井に変装させたり、毛利探偵事務所への潜入を手引したりするといったサポートを行う。灰原がベルツリー急行に乗る情報をバーボン経由で入手すると、ジンたちに「シェリー抹殺計画」を提案し、灰原がAPTX4869の解毒薬でシェリーの姿へ戻るように誘導したうえでウォッカから(ジンにも秘密で)提供してもらったC-4で爆殺しようともくろんだ[注 58]。しかし、変装して乗り込んでいた怪盗キッド(2代目)を無理矢理味方に引き込んだコナンと有希子の共同トリック作戦に翻弄され、再び失敗に終わった[3]。
- コナンたちとの関係
- 新一と蘭については、物語開始の1年前にニューヨークにて赤井を抹殺しようと通り魔の男(声 - 長嶝高士)に変装した際、その裏道を偶然訪れていた新一と蘭に出会い、廃屋の手すりから転落しかけたところを救われたという過去を持つ。その際に聞いた新一の「人が人を助ける理由に論理的な思考は存在しない」という言葉がきっかけで、新一と蘭を組織の活動に巻き込みたくないと思うようになった[42]。それ以降、新一(コナン)を"Cool Guy"(クールガイ)、蘭を"Angel"(エンジェル)と呼び、新一の幼少期の顔を知っていたことからコナンの正体に気付きつつも組織には報告せず、コナンを身を投げ出してまで守ったり、コナンや蘭にまで組織の手が伸びないように配慮してから計画を遂行したりするなどの行動をとっている[注 59]。ベルモットにとっての新一と蘭は「この世でたった2つの私の宝物」であり、前述のバーボンとの協力においても「何があっても2人に危害を加えないこと」を条件として挙げている[43]。
- コナン(新一)については、「赤井に次ぐシルバー・ブレットになれる存在になり得る」と期待をかけている。その一方、シェリー(灰原)については「彼女だけはこの世にいてはならない」と評し、「抹殺」することに
執拗 ()なまでにこだわっている[注 60]。 - 有希子については、盗一の弟子として共に学んでいた当時からの親友であるが、ベルツリー急行で
対峙 ()したことにより実質的に決別した状態にある[3]。
- ウォッカ (Vodka)[注 26] / 魚塚 三郎(うおづか さぶろう)[注 27]
- 声 - 立木文彦、演 - 岡田太郎
- ジンと行動を共にしている幹部構成員で、主に潜入捜査を担当している。ジンとともにコナン=新一からマークされている、組織の最重要人物の1人でもある。右利きである。
- がっしりとした体格の男性で、受け口とエラが張ったあごを持つ。常に漆黒のサングラスをかけているために素顔は不明。ジンへの忠誠心は高く、ジンのことは「兄貴」と呼ぶ。ジンやベルモットに対しては語尾が「〜ですぜ」「〜ですかい」という独特の丁寧語を使うほか、彼らと同様に皮肉めいた言い回しも用いる。組織内ではテキーラとほぼ同格の地位[44] にあり、彼の死後はその任務を引き継いでいる。
- 拳銃等の武器の取り扱い、自動車・バイク・戦闘ヘリ[36] などの操縦、IT[注 61]、さらには特殊メイクによる変装など多彩な能力を持ち、ジンの右腕として活躍を見せている。しかし、ジンとは対照的に機転と注意力に欠けた失敗が多く、彼にはたびたび指摘されている[注 62][注 63]。ただし、記憶力に関してはジンよりも優れており、彼が忘れるようにしている「殺した人物」の情報が必要になった場合は、それを教えるなどのサポートをしている。APTX4869を使って始末した(と思い込んでいる)工藤新一のことについても記憶しており、ベルモットが主催した「季節外れのハロウィンパーティー」に変装で潜入した際には、当人(正確には服部平次の変装)が現れたことに驚愕したのち、ジンに報告している[39]。基本的にジンの「疑わしきは罰せよ」という方針に同意はしているが、劇場版第20作『純黒の悪夢』で疑惑の段階で確証までは得ていない状況下でも即座にジンがキールとバーボンを殺そうとすることには動揺して躊躇う表情を浮かべるなど、極悪非道な性格ながらもジンのように冷酷・冷徹さを仲間にまでは貫けない人間味のある側面も目立つ。
- 愛用の拳銃については不明だが、ジンがAPTX4869を用いて新一の殺害をもくろんだ際には、リボルバーを懐から出してジンに止められている。また、シェリーがピスコに拉致・監禁された際には、サイレンサーを装着したFN ブローニング・ハイパワーを使用している。
- キャンティ (Chianti)
- 声 - 井上喜久子
- 腕利きの女性スナイパー[注 64]。茶髪のショートヘアで、紫色の口紅を塗り、左目周りにアゲハチョウをあしらったタトゥーを入れている。年齢不詳。
- 一人称は「アタイ」で、下品かつ過激な言葉使いが特徴。主にコルンとコンビを組んで行動することが多い。
- 射撃の腕は高速道路を走行中の車のタイヤを正確に狙撃するほど優秀で、劇場版では浮遊する戦闘ヘリコプターから指先ほどの大きさのメモリーカードもろともアイリッシュを狙撃し、絶命させている[36]。使用ライフルのH&K PSG-1(8.1キログラム)を片手で持てる[15] ほどの腕力の持ち主であるが、待ち伏せ時間の長さに
癇癪 ()を起こしてジンに「退屈しのぎに余計な羊を狩るな」と警告されるといった短気な性格に加え、人目につく形で狙撃体勢を取って一般市民に発見され、危うく狙撃が露見しかけるなど、腕前は別として影で暗躍するスナイパーとしては資質に欠ける面もある。 - カルバドスを利用して見殺しにしたベルモットのことは、「いざとなったら構わず弾丸をぶち込む」、「『あの方(ボスの烏丸蓮耶)』のお気に入りでなければとうの昔に
殺 ()ってるところ」と吐き捨てるほど嫌っており、仲間を利用するベルモットのやり方に憤りを感じて憎んでいる。その発言から短気なうえに残虐で行動も過激だが、同じ組織の仲間に対しては気遣う面があることも示唆されている。 - 愛車は青の初代ダッジ・バイパー[注 65]。
- コルン (Korn)
- 声 - 木下浩之
- 腕利きの男性スナイパー[注 64]。常に黒い野球帽をかぶり、サングラスをかけているため、素顔は見えない。年齢不詳。
- キャンティとコンビを組んで行動することが多い。一人称は「俺」で、キャンティとは対照的に口数が少なく、助詞を省いた独特の短い言葉で淡々と話す。
- 人物を狙撃する際にはその頭を撃ち抜きたい旨を発言する[注 66]冷酷な性格。使用ライフルはレミントンM24。高速道路を走行中の車のタイヤを正確に狙撃でき[36]、命中した銃弾の位置から瞬時に狙撃方角を特定できるほか[5]、暗殺が寸前で中止になってもいら立ちを見せたりはしないなど冷静で活動時に感情的な迂闊さも見せず、スナイパーとしてはキャンティよりも優秀である。
- 感情の起伏はほとんど見られないが、劇場版ではキャンティがアイリッシュを狙撃した際に「俺、撃ちたかった」と不満を露わにしたり[36]、親しくしていたスタウトの正体を知って暗殺する際に「俺、信じてた。残念。」とつぶやいている[4]。また、遊園地の観覧車に乗りたがったり、それを知られると恥ずかしがったりするなど[注 67]、一概に無表情で冷徹なだけではなく、人間味ある感情や素直な一面もある。仲間を利用するやり方には嫌悪感を示しており、キャンティと同じくカルバドスを利用した件でベルモットのことを嫌っている。
本編途中で死亡した幹部
- ピスコ (Pisco) / 枡山 憲三(ますやま けんぞう)
- 声 - 村松康雄
- 「あの方」・烏丸蓮耶に長年仕えていた組織の幹部の一人。71歳。表の顔は自動車メーカーの会長で、コナンからは「経済界の大物」と評されている[6][注 68]。白髪と細目が特徴の老紳士で、表向きは落ち着いた言動を見せる。組織の一員だと発覚した後は年寄り臭い口調は影を潜め、細めていた目も見開いている。
- 灰原の両親である宮野夫妻とは親しい仲で[注 69]、開発中であったAPTX4869について聞かされており、身体が幼児化したシェリー(宮野志保)を見て「君がここまで進めていたとは」と語っていたことから、その本来の用途に関しても知っていたようである[6]。アイリッシュからは父のように慕われていた[36]。組織内でも重要な人物だったようで、基本的に任務時に自身の判断で組織のメンバーを処分できる権限をあの方から持たされているジンも、ピスコの暗殺に関しては事前にあの方の許可を確認していたほか、ピスコ自身も殺される直前に「あの方に長年仕えた私を殺せばお前(ジン)の立場も危うくなる」と命乞いを試みている。
- 老齢ながら練達した狙撃手でもあり、暗闇の中で布をかぶせた拳銃を用いてシャンデリアの鎖を撃ち抜く技術を持つ[6]。しかし後述のように不注意によるミスを犯したことから、組織の力で出世したこともあってジンからは「
耄碌 ()したな」「あの老いぼれ」と酷評され、作戦をサポートしていたベルモット[注 70]にも「死んで正解だったわね」と毒づかれている[6]。使用拳銃はワルサーPPK。 - 「映画監督・酒巻昭氏を
偲 ()ぶ会」の会場で、収賄の発覚によって逮捕寸前だった呑口を暗殺した後、会場を訪れていた灰原がシェリー(宮野志保)と同一人物であることに気づいたため、彼女をホテル旧館の酒蔵に監禁し、始末を画策する。まもなく、コナンに犯行を見破られたために灰原もろとも始末しようと動くが、その直前の銃撃でスピリタスが漏れ出して気化していたことに気付かず、自身のタバコから引火して酒蔵が炎上するという想定外の出来事でひるんだ隙に、コナンと灰原の脱出を許してしまう。その後、呑口を暗殺する際に銃口を天井のシャンデリアに向けた瞬間をカメラマンに撮影されていたことに気付かず[注 71]、その写真が翌日の朝刊の1面に掲載されるという失態が発覚したことで、情報漏洩 ()を懸念した「あの方」の命令を受けたジンに射殺された。なお、死後には自宅が全焼したことが目暮警部の口から明かされている[6]。 - テキーラ (Tequila)
- 声 - 廣田行生
- コンピュータのプログラム関係の取引を行っていた構成員。地位はウォッカと同格[44]。
- 口ひげをはやした身長2メートルを超す大男で、関西弁で話す。
- コナンに発信機を靴底へ取り付けられてもそのことに気づかないまま彼を蹴り飛ばす、後述の爆弾の入ったカバンにすりかわったことに気づかないなど、かなり粗暴な性格にして抜けた一面を持つ。その容姿と服装からかなり目立っていたようで、取引現場付近にいた複数の第三者に覚えられていた[49]。
- 物語開始の2年前には、プログラマの板倉卓にあるプログラムを作れと強要していた[7]。その後、ゲーム制作会社・満天堂で中島秀明と取引しようとしていたが、竹下 裕信(たけした ひろのぶ、声 - 堀川仁)が中島を殺害する目的で用意していた爆弾入りのカバンを間違って受け取ってしまい、トイレでカバンを開けた途端に爆弾が起動したために爆死した。爆撃をまともに受けたことから、遺体は損壊が激しく、身分を証明するものも発見されなかったため、身元の判別が不可能とされた[49]。なお、死後はウォッカが板倉への任務を引き継いでいる。
- カルバドス (Calvados)
- 声 - なし
- 腕利きの男性スナイパー。愛用銃はレミントン。使用ライフルはH&K MSG90(アニメ版のみ。原作では不明)。
- 普段は海外在住であったようで、シェリー殺害を個人的に計画したベルモットにより、スナイパーとしての腕と自分に想いを寄せているという扱いやすさを買われて来日した[注 72]。ベイエリアでの作戦[39] では、ベルモットを拳銃で狙うジョディの腹部をライフルで狙撃して重傷を負わせたうえ、車のトランクから飛び出した蘭についても狙撃しようと銃口を向けるが、それはベルモットに制止された。その後、ジョディの仲間として行動していた赤井によって両足を折られ、持っていたライフル、ショットガン、拳銃3丁を回収される。さらにベルモットが1人で逃走したために完全に逃げ道がなくなり、隠し持っていたもう1丁の拳銃で自殺した(自殺した瞬間の描写はない)。この一件から、ベルモットはキャンティとコルンに激しく憎まれている。
- 登場は終始シルエットだったうえ、台詞は原作のみ自殺の際にうめいた断末魔が唯一だったため、声質、本名、国籍、容姿などについては不明。アニメ版では後にコルンの回想シーンで銃を構えキャップを被ったサングラス姿の上半身が描かれている[50]。
その他の構成員
組織にはコードネームを持たない下位層の構成員も多数確認されている。コードネームを持つ構成員と持たない構成員がどのくらいの比率なのかは不明である。ここでは、作中でコードネームが確認されていないメンバーを便宜的に表記する。
- 老人
- 声 - なし
- 赤井が組織に潜入していた頃、組織の幹部と約束していた場所に現れた組織の一員で、約束していた人物とは別人。
- 組織の幹部を捕まえるために張り込んでいたFBI捜査官のアンドレ・キャメルがこの老人を一般人だと思い込み、「ここにいては危険だ」と忠告したことから、赤井の正体が露見してしまった。
本編途中で死亡した構成員(コードネームなし)
- 宮野 明美(みやの あけみ) / 広田 雅美(ひろた まさみ)
- 声 - 玉川砂記子
- 灰原哀こと宮野志保の姉。国籍は日本だが、日本人の宮野厚司と日系イギリス人の宮野エレーナ[注 73] との間に生まれたイギリス人のクォーター[注 74]。母方の親族に、伯母であるメアリー・世良、義伯父である赤井務武、その実子であり従兄妹にあたる赤井秀一、羽田秀吉、世良真純を持つ。
- 南洋大学を数年前に卒業[注 75]。20年前に両親と共に父親の友人のデザイン事務所を訪れていた頃、4 - 5歳だったと事務所の社員に証言されている[51] ため、死亡時の年齢は24 - 25歳だったと推定される。偽名は恩師である広田正巳から取って付けた「広田雅美」。
- 組織の重要人物であった妹とは違い、コードネームは付けられておらず、監視付きではありながらも大学へ通い友人と交遊するなど比較的自由な生活を送っていた。
- 明るく優しい性格であり[注 76]、志保にも慕われていた[注 77]。自分の命が危うい状況でも気丈に振る舞い、心配する妹を気遣っていた。赤井には「平静を装って陰で泣いていたバカな女」と評されている。
- 生前、コナンとはほとんど接点がなかったものの、彼に対して「子供のくせに落ち着いていて大人っぽい」という認識を持っていた。また、死亡する直前にはコナンが工藤新一であることを本人に明かされているが、アニメでは「あなたが? そう…噂は聞いているわよ」と納得している[52]。
- 5年前、諸星大に車へ当たり屋をされた事をきっかけに、3年間恋人として付き合っていた。しかし、アンドレ・キャメルのミスにより諸星がFBI捜査官・赤井秀一であることが組織に発覚したため[注 78]、付き合い続けることができなくなった。この事件により、明美は組織に「FBIの潜入捜査を手引きし、今後も組織の情報を外に漏らす原因を作る可能性が高い危険人物」と認識されることになる。それから2年後、自分と志保を組織から抜けさせることを条件に、銀行強盗(アニメでは現金輸送車強盗)を実行する。犯行は成功するが金の隠し場所を教えなかったため、約束を
反故 ()にされてジンに腹部を撃たれて致命傷を負ってしまう[注 79]。その後、ジンとウォッカが立ち去って間もなく駆けつけたコナンに、自分が黒を象徴とする巨大な犯罪組織に所属する末端の人間であることと、強奪した10億円の隠し場所を告げて息を引き取った[52][注 80]。 - コナンが自分から「工藤新一」だと告げた数少ない人物であり、明美の死によって志保(シェリー)は組織から逃亡し、灰原として登場することとなる。
- 原作では第2巻という早い段階で登場し、アニメでは第13話「奇妙な人捜し殺人事件」がこれに相当するエピソードだが、ジンとウォッカが沖田(おきた、声 - 大友龍三郎)という組織に関係のない銀行強盗常習犯に置き換えられる[注 81]改変が行われたため、アニメでは第128話「黒の組織10億円強奪事件」(明美と組織が絡む本筋を残したアニメオリジナルエピソード)の中で初登場した[注 82]。なお、2016年に放送されたテレビスペシャル『名探偵コナン エピソード“ONE” 小さくなった名探偵』では、原作に準拠した設定で描かれた。
- 劇場版第5作『天国へのカウントダウン』では、劇場版オリジナルの設定として生前に組織の監視を逃れ、マンションの一室に構えていた隠れ家が登場する。ジンと共にたどり着いたウォッカが大家から聞き出したところによれば、明美が1年分の家賃を前払いしていたことから電気や電話は使えるままとなっており、寂しさに駆られた灰原は留守番電話に残る姉の声をひそかに聴いては妹としての思いを告げていたが、それがもとでジンたちに逆探知されかけた[注 83]うえ、命を狙われることとなる。
- 呑口 重彦(のみぐち しげひこ)
- 声 - なし
- 組織に属していたとされる政治家[注 84]。56歳。収賄の発覚によって逮捕寸前の状態になったため、
情報漏洩 ()を懸念した組織に切り捨てられる。杯戸シティホテル内で開催されていた「映画監督・酒巻昭氏を偲 ()ぶ会」の最中、ピスコによって拳銃で撃ち落とされたシャンデリアの下敷きとなって死亡した[注 85]。なお、死後にはその家族が蒸発したことが目暮警部の口から明かされている[6]。 - 楠田 陸道(くすだ りくみち)
- 声 - 岩田光央
- キールが杯戸中央病院に潜伏している可能性があると考えた組織から、頸椎捻挫(けいついねんざ)の患者として杯戸中央病院に送り込まれたスパイ。コードネームは与えられていない。
- 最初は順調な働きを見せるが、コナンにスパイの存在や正体を見抜かれたうえ、彼の推理を聞いたFBIの陽動作戦で捕まりかける。機転を利かせて車で逃走を図ったところ、捜査関係者の1人に赤井が含まれていることを知り、その恐怖から隠し持っていた拳銃で頭部を撃って自殺する[54]。その遺体は赤井の死を偽装するためのトリックに利用され、彼の車ごと焼き払われた。
- 使用拳銃はグロック17で、後に入手ルートを調査するために赤井秀一を通じて降谷零(バーボン)の手に渡った[18]。
故人(コードネームなし)
- 宮野 エレーナ(みやの エレーナ)
- 声 - 鈴木弘子(第341話 - 第771話)→ 林原めぐみ(第953話 - )
- 宮野明美、宮野志保の母。夫の厚司と共に組織の科学者を務めていたが、数年前に研究所の火災に巻き込まれ、彼と共に焼死したとされている[19]。日本人とイギリス人とのハーフである日系イギリス人[55][56]。厚司とは留学のためイギリスから来日した際に知り合う。第二子妊娠年齢は29歳[55]。メアリー・世良の実妹で、赤井秀一、羽田秀吉、世良真純の叔母に当たる[55]。旧姓は「世良」。
- 担当患者とも最低限しか会話しない人見知りな性格で、対面したことのある阿笠からも「無口で何を考えているのかわからなかった」と評されている[57]。組織では「ヘル・エンジェル」(地獄に堕〈お〉ちた天使)と称されていた。しかし、実際は娘との「別れ」を悟り、志保への誕生祝いを録音したカセットテープ[注 86]を用意するなど、娘思いであった[注 87][51]。
- 志保へ遺したカセットテープのうち18歳用のテープに、開発中の薬について「シルバー・ブレット」と夫と共に願いを込めて呼んで作っていたこと、そして薬の完成に娘との「別れ」が必要であるという情報を遺している[注 88]。
- 組織と関わりを持つ以前は、厚司と共に町医者として個人医院「宮野医院」を開業していた。そこで面識を持った降谷零(バーボン)を同じハーフである事から目にかけていた。双方の関係は良好的で、
喧嘩 ()などでわざと傷を作って通院していたことや、「遠くへ行かなければならない」として彼に別れを告げていたことが判明している[55][58]。零の初恋の相手。 - 宮野 厚司(みやの あつし)
- 声 - 中村悠一
- 宮野明美、宮野志保の父。組織の一員だったが、数年前に研究所の火災により妻のエレーナとともに焼死したとされている[19]。エレーナが二番目の子供を妊娠していた当時の年齢は35歳であった[55]。
- 30年前には医師兼科学者として白鳩製薬[注 89]で薬の開発チームの一員として勤務していた[59]。何らかの夢を追ってある研究もしていた様子だが、不本意にもマッドサイエンティストとして学会を追放され[51]、白鳩製薬の倒産もあり個人医院「宮野医院」を妻と共に経営する生活に落ち着いていた[55]。阿笠博士とも過去に発明品の発表会で何度か顔を合わせており、面識があった[57]。
- 眼鏡を掛け顎髭を生やした穏やかな風貌の男性であり[55]、阿笠からも「気さくで感じのいい男」「ワシの発明品も気に入ってくれとった」と評されている[57]。
- 30年ほど前、幼なじみの出島 壮平(でじま そうへい、声 - 宝亀克寿)に「自分の理論を認めてくれたスポンサーの大きな研究施設に行く」と話しており、デザイン事務所として使用する物件を探していた彼に自分の家を明け渡して去った[注 90]。その後、20年前に「出島に大事な話がある」とエレーナと明美を連れて出島の事務所を訪れたが、ちょうど彼は不在だったため、会わずに帰った[51][注 91]。
- 少年時代に医院に通っていた降谷零(バーボン)の回想では、烏丸グループ出資の施設にて研究のバックアップを打診されていたが、悪い噂もありエレーナの姉であるメアリー・世良からも渋られた事から一度は断ろうとするも、エレーナの妊娠と後押しもあって前向きに検討し始めた旨が描写されている[55]。
本編途中で脱退した者
- シェリー (Sherry) / 宮野 志保(みやの しほ)
- 声 - 林原めぐみ
- 組織の科学者[注 92]で、「APTX4869」の開発に携わった宮野厚司と宮野エレーナの次女。姉の明美と違ってコードネームを与えられており、ジンには「組織でも有数の頭脳」と評されている[注 93]。
- 両親の死後に薬の研究と開発を受け継いだが、明美を組織に殺害された件と、試作段階の薬を勝手に使用された件に反発して研究と開発を中断したため、監禁される。その後、自殺のために隠し持っていた「APTX4869」を飲んで新一と同様に身体が幼児化したため、手錠から逃れることができた。現在は
灰原 哀 ()と名乗り、阿笠博士宅に居候しながら帝丹小学校1年B組に通う一方、「APTX4869」の解毒薬を研究している。 - 裏切り者として組織から抹殺の対象として捜索されていたが、ミステリートレインで爆殺されたと認識され[3]、2021年現在ではベルモットを除いて組織に生存を知られていない。
- 沼淵 己一郎(ぬまぶち きいちろう)
- 声 - 龍田直樹
- 組織では末端中の末端。頬がこけて頭蓋骨にそのまま皮膚を貼り付けたような顔をした、関西出身のやせ男。
- かつては組織から身軽さを買われ、殺し屋としての教育を受けていた時期もあるが、まるで使い物にならなかった[注 94]ことから、シェリーが開発した新薬の被験者として回された。その後、実験直前に恐怖して逃亡したが、一般人3人を組織の追手と勘違いして殺害する。
- 前述の時期以前にも遊び半分で殺人を犯している[注 95]ため、灰原には「同情の余地はない」と言われているが、人間的には厚い面もあり、自身も深い関わりを持つ群馬県の森林でホタルを捕まえ、迷った光彦を保護同然に案内することもあった。
- 現在は死刑囚として収監されているが、組織の情報を白状しても誰にも信用されないと組織に判断されたため、抹殺の対象から外されている。
- 米国版での名前はCornelius Graver。
潜入捜査官
- バーボン (Bourbon) / 降谷 零(ふるや れい)
- 声 - 古谷徹
- 黒の組織に潜入している警察庁警備局(ゼロ)の公安警察官[61]。
- 表の顔は私立探偵・安室 透(あむろ とおる)で、毛利小五郎に弟子入りする形でコナンたちと接点を持つようになる[62]。
- 情報収集および観察力、洞察力に非常に
長 ()けた探り屋で、ベルモットいわく「組織随一の洞察力の持ち主」である[43]。赤井秀一とは彼が組織に潜入捜査を行っていた頃からライバル関係にあったが、同僚のスコッチの死に関わった赤井を殺したいほど憎んでいる[18][43][注 96]。宮野厚司、宮野エレーナ、宮野明美とは一家が組織に介入する以前から面識がある[注 97]。 - キール (Kir) / 本堂 瑛海(ほんどう ひでみ)
- 声 - 三石琴乃
- 父親の遺志を継ぎ、組織に潜入しているCIAの諜報員(シークレット・エージェント)。当初は日売テレビの人気女性アナウンサー・水無 怜奈(みずなし れな)としても活動していた(現在は退職扱い)。
- CIAのつなぎ役を父親のイーサン・本堂に紹介するために潜入するが、4年前に自らの不注意から正体が露見しかけ、イーサンの命を引き換えにした策略により、かろうじて正体の発覚をまぬがれる。組織に長居するつもりはなかったが、この件によって引き続き組織に残留し、やがてコードネームを持ちうるまでに昇進する。
- 組織の暗殺計画実行中にはFBIに追い詰められ、乗っていたオートバイごと転倒して全身打撲で意識不明の重体に陥り、一時的にFBI監視下の病院にかくまわれていた[5]。現在は再び組織に潜入し、組織の壊滅を目的に行動している。
- ライ (Rye) / 赤井 秀一(あかい しゅういち)
- 声 - 池田秀一
- 諸星 大(もろぼし だい)という偽名を使い、組織に潜入していたFBIの捜査官。
- 宮野明美[注 98] を捜査目的のため利用して組織に潜入するが、その3年後に正体が露見したため[注 99][注 100]、逃走してFBIに戻る[注 101]。
- その後、組織に命を狙われたため、コナンの策で死亡を偽装して沖矢 昴(おきや すばる、声 - 置鮎龍太郎)という大学院生に扮し、工藤邸に居候しながら行動している。
故人(潜入者)
- スコッチ (Scotch) / 諸伏 景光(もろふし ひろみつ)
- 声 - 緑川光
- かつて降谷零と共に潜入していた公安警察官で、警視庁公安部に所属していた[63]。組織内では狙撃手として、赤井や零と3人で行動を共にしていた[63]。
- 5年前から2年前までの間に正体が露見し[18]、組織が名前を聞き出す前に赤井の目の前で拳銃自殺した[43][注 102]。
- 零は赤井が彼の自殺を止めようとしなかったものと誤解したことで、赤井を殺したいほど憎んでいる[18][43]。
- イーサン・本堂(イーサン・ほんどう)
- 声 - 小山力也
- 本堂瑛海の父親で、組織に潜入していたCIAの諜報捜査員だった。
- 潜入中に取り引き場所の下見を行った際、瑛海につなぎ役の紹介を受けたが、不注意から危険な状況に陥った彼女の身を守るため、瑛海の犯行に見せかけて自殺した。
- もしもの場合に備えた準備、とっさの機転など諜報員としての能力は高い。潜入中の詳細な地位については不明だが、ボスに直接メールを送れる立場であった。
- バーニィ (Banyi)
- 声 - 木村雅史
- かつてイーサン・本堂や瑛海と共に、黒の組織への潜入諜報を行っていたCIA諜報員。
- イーサンの新しいつなぎ役となる予定だったが、瑛海のミスが原因でイーサンが死亡してしまう。その直後に現場へ駆け付けたが、そこでジンとウォッカの存在に気付いて自殺した[41]。潜入中の地位については不明。
オリジナルキャラクター
2019年時点で、劇場版からは第5作『天国へのカウントダウン』、第13作『漆黒の追跡者』、第20作『純黒の悪夢』にてオリジナルキャラクターが登場している。スパイ3人を含む5人のコードネームを持つメンバーと、コードネームの無いメンバー2人の計7人で、全員本編内で非業の死を遂げている。その他、スペシャルアニメ・テレビドラマ・ゲームおよび特別編にも、合わせて7人のオリジナルキャラクターが登場している。
劇場版
天国へのカウントダウン
- 原 佳明(はら よしあき)
- 声 - 橋本晃一
- コンピュータ会社「TOKIWA」の専務であり、主に最新ゲームのプログラムを担当するプログラマ。32歳。
- 穏やかな風貌に子供っぽい性格から、少年探偵団にも懐かれていた。好物はチョコレートで、人前でも平然とつまんだり、殺害される直前もチョコレートケーキを食べようとしていた。
- 黒の組織に関与していた時期があり、裏切って重要なデータを持ち去ろうとしていたが、同時期に発生した殺人事件のターゲットとなっており、その混乱に乗じて自宅へ踏み込んできたジンによって射殺された。なお、データはそれに際して自宅内のPCから消去されたうえ、その後にツインタワー内のTOKIWAのメインコンピュータもデータの流出を防ぐため、ウォッカによって爆破された。
- 殺害される寸前には、犯人を指し示すダイイング・メッセージ(銀をローマ字表記にしたGINを英語読みにするとジン)としてそばにあった銀色のナイフを手に握り締めていたが、ジンはこれを「ナイフで銃に抵抗する気」と解釈したため、その真意に気づけなかった。一方、コナンはその真意に気づいたが、組織とは無関係に原を殺害する予定だった如月 峰水(きさらぎ ほうすい、声 - 永井一郎)によって現場を偽装されていたことと、「ジン」というコードネームが本名でもなく酒の名前でしかないことから、警察の捜査にこれ以上の進展は望めないといった理由を挙げ、この件での追跡を断念した。
- 名前の由来は林原めぐみ、山崎和佳奈、神谷明から[64]。
漆黒の追跡者
- アイリッシュ (Irish)
- 声 - 幹本雄之
- 金髪で筋骨隆々な大男であり、本名・国籍は不明。上に向かって大きく歪曲し、端部が内側に折れ曲がったL字状の眉を持つ。
- ジンとの会話から同格の幹部クラスである。ベルモットのニューヨークでの出来事も知っている。
- 組織のNOCリストが入ったメモリーカードを回収するために派遣されるが、それを成功させるには連続殺人事件を解決する必要があると考え、ベルモットの協力で松本清長管理官に変装し、彼を監禁したうえで警察に潜入して捜査を進める。その一方、父親のように慕っていたピスコをジンによって射殺された恨みから、コナンを工藤新一として「あの方」・烏丸蓮耶に面会させ、ジンを幹部の地位から失脚させようともくろむ。
- 機転の利くコナンを見て疑いをかけ、手掛かりを集めて新一であることを突き止めたり、連続殺人事件を着々と捜査を進めて解決へ進めたりするなど、優秀な頭脳を持つ[注 103]。
- 戦闘能力も非常に優れており、暗がりの不意打ちとはいえ警察官7名を一挙に気絶させた(しかも、そのうち1名は身体能力も高い大和敢助だった)うえ、連続殺人犯や東都タワーの警備員も倒している。空手の関東大会優勝者である蘭と対峙し、技の精度や速度ではやや劣るが、体格や体力では上回り、隙をついて圧倒したうえ、コナンのキック力増強シューズによるシュートにもダメージは受けつつ耐えきっている。拳銃の扱いにも長けており、連続殺人犯の振り下ろしたナイフを銃撃で弾き飛ばしたり、コナンのベルトとシューズを正確な射撃で破壊したりしている。使用拳銃はSIG SAUER P226。
- 松本を警察に発見された後、アイリッシュの逮捕から組織の情報が漏れることを危惧したジンの命令に応じたキャンティにより、メモリーカードと共に狙撃される。それまでの経緯からコナン(新一)に一目を置いていたこともあり、最後は敵である自分を救おうとしたコナンを戦闘用ヘリコプター内のジンたちの銃撃から守るべく自らを盾にして致命傷を負い、「工藤新一…いつまでも追い続けるがいい」と言い遺し、息を引き取る。
- 岡倉 政明(おかくら まさあき)[注 104]
- 声 - なし
- 広域連続殺人事件の第3の被害者。代議士の秘書を装った黒の組織の工作員[注 105]。32歳。
- 自分が組織に消されないよう、保険としてお守り袋に組織の重要情報(NOCリスト)が収められたメモリーカードを入れていたが、その事実を把握した組織に近々殺害される予定であった。しかし、組織とは無関係の本上 和樹(ほんじょう かずき、声 - 菅原正志)から個人的に恨まれており、組織の手がおよぶ前に殺害された[注 106]。
- 組織の関係者ではあったが、自らの命を犠牲にして救ってくれた女性の命日には必ず花を贈るなど、義理人情に厚い一面も持っていた。
純黒の悪夢
- キュラソー (Curaçao)
- 声 - 天海祐希
- 銀色のロングヘアーと右目が白色、左目が青色のオッドアイが特徴の女性。ラムの腹心。情報収集のスペシャリストとして組織内では有名な存在で、諜報活動や破壊工作の実績を認められている。
- ボクシングが得意な降谷零と互角に近い戦いを繰り広げる、警察庁の入っている中央合同庁舎第2号館から窓ガラスを突き破って飛び降りる、零や赤井らと過激なカーチェイスを繰り広げる、ダーツの矢をすべて的の中心に命中させる、高所から落下した元太を間一髪で助けるといった、高い身体能力や戦闘能力を持つ。脳弓に珍しい損傷があり、酒のキュラソーにちなんだ5色[注 107]の半透明シートやライトを目にすると、優れた記憶能力を発揮する[注 108]。かつて、その記憶能力で組織の重要機密を知ったため、ベルモットによって始末されそうになったが、ラムに「その能力を私のためだけに使え」と持ちかけられて命拾いし、右腕になった経緯がある。
- 警察庁へ侵入してNOC[注 109]リストを盗み出す際、風見裕也ら公安警察官に発見されて逃走し、零や赤井との逃走劇を繰り広げた。その後、逃走劇の末に起きた交通事故によって記憶喪失となったところ、東都水族館の入口でコナンや少年探偵団ら子供たちと出会い、親しくなった。なお、零と赤井から逃走する際に彼らの足止めとして無関係の一般市民の車を事故に遭わせたり、赤井に「轢き殺してやるよ!」と過激な言葉を吐いたりしていることから、本来は粗暴かつ好戦的な性格だったことがうかがえる。
- 終盤で記憶を取り戻すと一度は組織に戻ろうとするが、子供たちと過ごした時間を経て「今の自分の方が気分がいい」と組織を裏切る。観覧車から脱走する途中で灰原と遭遇し、彼女が幼児化したシェリーであることに気付くが、彼女をジンたちのもとに連れ出そうとはせず、その場から逃げるように促す。最後はキュラソーの裏切りを推測したジンたちのオスプレイの攻撃による脱輪で転がり出した観覧車を止めるべく、付近の工事現場から重機を操縦して特攻する[注 110]。その結果、観覧車を止めることには成功したものの、自身は操縦席ごと観覧車に潰されたうえに爆発に巻き込まれて死亡し、身元の判別が不可能な遺体となって発見される。記憶を取り戻した以降、子供たちとの唯一のつながりである白い「イルカのストラップ」[注 111]を持ち続けていたが、子供たちを守った際に黒焦げとなっている[注 112]。
- スタウト (Stout)
- 声 - マイケル・リース
- MI6から組織に潜入していた男性捜査官。
- NOCリストを盗み見たキュラソーの報告で正体が露見し、ロンドンでダブルデッカーに乗っていた際にコルンによって射殺される。コルンとは親しくしていたらしい。
- アクアビット (Aquavit)[注 113]
- 声 - カート・コモン
- CSISから組織に潜入していた男性捜査官。
- NOCリストを盗み見たキュラソーの報告で正体が露見し、トロントのCNタワーで観光ガイドをしていた際にキャンティによって射殺される。
- リースリング (Riesling)[注 113] / レオナ・ブッフホルツ[注 114]
- 声 - 沢海陽子
- BNDから組織に潜入していた女性捜査官。
- NOCリストを盗み見たキュラソーの報告で正体が露見し、ベルリンでジンによって射殺される。映画本編では日本語を話しているが、ノベライズ版ではジンとドイツ語で会話している。
スペシャルアニメ
- バーに現れた男
- 声 - 安井邦彦
- アニメスペシャル『エピソード“ONE” 小さくなった名探偵』に登場したスパイの男性。組織内での地位・本名・国籍・本来所属していた機関あるいは組織についてはすべて不明。
- 組織である企業の拳銃密輸の件を調査しており、それを終えた直後、自身の正体を見抜いていたジンに自動車ごと爆破され死亡する。
テレビドラマ
- 黒服の男性(仮称)
- 演 - クレジット未表記
- 名前不明。テレビドラマ『工藤新一の復活! 黒の組織との対決』に登場。
- ケーキを食べて元の身体に戻った灰原をナイフで狙うが、蘭にナイフをたたき落とされて失敗し、逃走する。逃げ帰った直後にジンによって射殺されたうえ、ウォッカには「てめぇがナイフを落とした時点で、てめぇは命も落としてるんだよ」と罵られた。
ゲーム
- ケイト=ローレン
- 声 - 柚木涼香
- PlayStation用ゲーム『3人の名推理』の「追憶の宝物事件」に登場。30歳。
- セシリア共和国の通商大臣・エリック=ガムラン(声 - 大塚芳忠)の秘書を務めており、序盤で人捜しの依頼のために毛利探偵事務所を訪れる。京都から戻ってきたコナン、蘭、小五郎と米花駅で再び合流し、ホテルまで同行する。中盤で黒の組織の連絡員であることが判明し、ジンとウォッカから生き延びるチャンスとして、オークション会場をぶち壊したエリックとその関係者を暗殺する任務を与えられる。エリックを追跡するが、コナンの策によって遊園地内のメリーゴーランドなどに誘導され、路地で彼に麻酔銃で眠らされる。終盤では城からの狙撃でエリックの殺害が失敗した直後、ジンとウォッカに撃たれて地面へ落下する。最後はコナンの掛け声に応じたが、そのまま死亡する[注 115]。
特別編・漫画版
アニメ版には未登場。
- ジュネリック
- 特別編第26巻「黒の組織…現る」に登場。通称・ジュネ。年齢はシェリーの実年齢より1歳年下(17歳)。
- 幼少時に両親に捨てられて施設で暮らしていたが、知能の高さを組織に注目され、13歳当時に引き取られる。組織内では気弱な性格ゆえにいじめられており、自分を助けてくれたシェリーを姉のように慕っていた。一時はシェリーと共にAPTX4869の開発も手がけており[注 116]、後に人間の記憶を自在に操る薬の開発に成功する。しかし、組織から逃走したシェリーを追って自らもAPTX4869で幼児化して脱走すると、子供を事故で亡くした夫婦の実子に成りすまし、シェリーの記憶を操作することで彼女と姉弟として生きようと
企 ()むが失敗した結果、自身はすべての記憶を失ってしまったため、先述の夫婦の子供として暮らすこととなる。 - アラック / アミリーン
- 特別編第26巻に登場。表の顔は歌手であるが、裏の顔は組織の殺し屋である。
- 標的の暗殺に失敗し、コナンに犯行を暴かれたことで警察に逮捕され、護送中の車内で歯に仕込んでいた毒薬を用いて自殺する。
- 黒髭(くろひげ)
- 特別編第35巻「豪華客船をウイルスから守れ」に登場。その名の通り黒いヒゲを生やした男性で、組織に所属するウイルスの研究者。
- ジンたちの命令で、日本全国を感染させるために開発した強毒なウイルスの実験を豪華客船「エカテリーナ二世号」で行うことになり、「失敗すれば、命で償ってもらう」と脅される。
- 映画女優の子役であるエバ・ポートのマネージャーとして豪華客船に潜入し、彼女もろとも船内の乗客を感染させようと企てるが、灰原がエバになり替わっていたため、コナンたちに犯行を見破られて失敗に終わる。その後、身元不明の水死体として発見されるが、組織に殺害されたのか、もしくは船から飛び降りて自殺したのかは不明。
- アントニオ・ゴメス
- 「日本史の謎3」[66] 第2話の、「信長を殺したのは誰?」に登場。組織に所属していた歴史犯罪者。各国の政府が隠している歴史的文書を見つけ出して、政府を脅迫し、金をとっていた。コードネームは不明。
- 組織にいた頃の灰原に、二度ほど顔を見られた。過去には、ケネディ大統領が暗殺された事件で重大な証拠を用いてアメリカ政府を脅して大金を巻き上げ、組織に貢献したこともある。織田信長に関する偽文書を用いて極東キリスト教協会をゆする作戦を独断で実行[注 117]、ポルトガルの日本史の教授として毛利小五郎にガードマンを依頼する中、コナンにその犯行を見破られてしまい、皆殺しにして逃亡しようとしたが失敗する。
- 2人組の男
- 「世界遺産の謎」に登場。組織に所属する2人組の男。聖遺物を対象に狙うハンターだが、大した成果を挙げていなかった。
- スイスで名門・ハプスブルク家を狙って行動していた。ロンギヌスの槍を手に入れるとハプスブルクの一族を殺そうとするが、小五郎に敗れて失敗する。その後、刑務所に収容されてまもなく組織に抹殺される。
組織に関わった人物
- ウォッカの取引相手の社長
- 声 - 辻親八(1話)、浦山迅(エピソード“ONE” 小さくなった名探偵)
- ジェットコースター殺人事件の後、ウォッカが取引を行なった人物[67]。本名は不明。
- 会社で行っていた拳銃密輸の証拠フィルムをネタに、組織に1億円を
強請 ()られた後、ジンが新一を殴り倒した直後におびえ、逃亡した[31][注 118]。その後の消息は不明だが、命だけは助かったとされている[68][注 119]。 - 『エピソード“ONE” 小さくなった名探偵』で判明したバーボン(安室透)の調査によれば、暴力団の
泥惨会 ()と絡んでいた[注 120]。 - ジンたちの取引相手の女性
- 声 - 紗ゆり
- 走行中の新幹線内でジンたちが取引を行った、キャリアウーマン風の女性。本名は不明。
- 「
金 ()に関する情報」が入ったケースをジンたちから4億円で買い取ったが、まもなく名古屋にて降車した彼らには用済みと見なされており、ケースに爆弾を仕掛けられていたため、走行中の新幹線もろとも爆殺されそうになったところ、コナンの活躍によって間一髪で命拾いする。その後は京都府警察に逮捕されて洗いざらい話したが、組織に深く関わった人物ではなかった[35]。 - なお、アニメでの取引相手はジンたちではなく、彼らと容姿がよく似た上田(うえだ、声 - 梁田清之〈ジンに相当〉)と下田(しもだ、声 - 巻島直樹〈ウォッカに相当〉)という2人組であり、最後にはこの2人も逮捕された[35]。
- 中島 秀明(なかじま ひであき)
- 声 - 谷川俊
- ゲーム会社「満天堂」の開発部社員。27歳。
- 大学時代はボクシング部に所属していた。社長である石川(いしかわ、声 - 石波義人)の怒りには弱い。
- 同僚の一言にヒントを得て作ったゲームが成功するなど、有能で要領はいいが、多額の借金を抱えているらしく、満天堂の新作ゲーム発表会の会場でテキーラと取引し、全世界の有能なコンピュータプログラマーのリストを大金で売ろうとしていた。しかし、自分への殺意を持っていた同僚の竹下裕信が仕掛けた爆弾でテキーラが死亡したため、取引は続行不可能となった[49]。「取引を台無しにした貴方はどのみち組織に狙われる」「警察に保護してもらったほうが賢明」と小五郎(の声を使ったコナン)に忠告される。
- なお、組織との接触に利用していた米花町の大黒ビル最上階に所在するバー「カクテル」は、事件後に爆破された。
- 狼男の仮装でハロウィンパーティーに参加した男性
- 声 - 広瀬正志
- 「季節外れのハロウィンパーティー」に狼男の仮装で参加した男性。本名は不明。
- パーティーを主催した映画プロデューサー・福浦 千造(ふくうら せんぞう、声 - 徳弘夏生)を個人的な事情で憎んでおり、そのことをあるホームページに書き込んだところ、ベルモットから「殺人計画を授けるから実行しないか」と勧誘された。一旦はそれを断るが、自分と家族の盗撮写真など彼らの1日の行動が資料としてダンボール箱1つ分も送られてきたため、脅迫されているという恐怖からやむなく殺人を実行する。その後、コナンと新一に変装した平次によって犯行を暴かれ、逮捕された[39]。
- 土門 康輝(どもん やすてる)
- 声 - 福田信昭
- 衆議院議員総選挙に初出馬する予定だった男性。
- 元自衛隊幹部で、父親も元防衛庁の官僚ゆえに政界には顔が利く。人一倍正義感が強く、メディアで暴力や犯罪に関する過激な発言を繰り返しているため、過去にその筋から殺し屋を差し向けられたことがある[5][注 121]。
- 未来の首相候補といううわさまで流れるほどカリスマ性が高く、それゆえに組織は自分たちに反抗する芽を早いうちに摘もうと考えて暗殺を画策したが、コナンとFBIによって阻止される。その後、官僚だった父親の20年前の不倫疑惑が発覚したことで出馬を見合わせたため、暗殺対象から外された[5]。
- 組織内での呼び名はDJで、ダイヤのジャックを意味する[5][注 122]。
- 船本 透司(ふねもと とうじ)
- 声 - かないみか
- キールが組織の暗殺計画実行中に起こしたバイク事故の原因になった少年。8歳。
- バイク事故の唯一の目撃者であり[注 123]、その情報を得ようとするベルモットに接触されている。
- 母・兼世(かねよ、声 - 川村万梨阿)が殺害された事件[注 124]の捜査中、キールの事故のことやベルモットのことを目暮警部や小五郎らに打ち明けているが、コナンがとっさに「この前の仮面ヤイバーでやってたシーン」とごまかし、目暮警部らも「母親を亡くしたショックによる記憶の混乱」として本気にしなかった。その結果、組織に「目撃者が子供なら生かしておいても特に問題はない」と判断されたため、目撃者も抹殺する組織の徹底した暗殺主義から例外的に生き残った者の1人となった[70]。
- 初登場時はアシスタントによって描かれるモブキャラクターだったが、再登場後は作者によって描かれるようになった。
故人(組織に関わった人物)
- 羽田 浩司(はねだ こうじ)[注 125]
- 声 - なし
- 「七冠に最も近い」とされた日本の棋士で、同じく棋士である羽田秀吉の義兄。実家は資産家で[72]、浩司の父親は赤井務武と親友同士であり[73]、大岡紅葉の実家である大岡家とも資産家同士で深い縁がある[74]。
- 「初志貫徹」を座右の銘としており、その信念は秀吉にも受け継がれている[75]。
- APTX4869の被害者一覧では、新一の2つ下に「羽田浩司 死亡」と記載されている[71][75][注 126]。
- 17年前、当時四冠王だった浩司は、趣味のチェス大会に出場するために渡米したが、現地のホテルで何者か[注 127]に襲われて死亡する[19]。直接的な死因は不明とされているが、APTX4869の被害者一覧では工藤新一の2つ下に「羽田浩司 死亡」と記載されている[75][76][注 128][注 129]。
- 事件直後の浩司の部屋は荒らされており、部屋中に散乱した食器類には「P T ON」と書かれた鏡が混ざっていた[注 130]。
- なお、浩司の名前は1998年2月15日発売の単行本18巻が初出だが[76]、作中の人物によって初めて言及されて容姿が描かれたのは、71巻分[注 131]も後となる2016年4月20日発売の単行本89巻となった[19][75]。
- 千間 恭介(せんま きょうすけ)
- 声 - なし
- 烏丸に殺害された考古学者の一人。
- 黄昏の館の事件及び宝のありかに関する暗号を娘で後に探偵となる千間 降代(せんま ふるよ、声 - 野沢雅子)[注 132]に残していた。
組織に関わり本編途中で死亡した人物
- 広田 健三(ひろた けんぞう)
- 声 - なし
- 10億円強奪犯の1人。本名は不明[注 133]。年齢は48歳、身長170センチメートル、東京都出身。
- タクシー運転手で、運転技術を買われて広田雅美に雇われた。盗んだ金を独り占めにして姿を消したが、「健三の唯一の肉親である娘」を名乗った広田雅美の依頼を受けた小五郎たちに居場所を知られ、雅美から連絡を受けて先に合流した広田明に絞殺される。
- 趣味は競馬で、競走馬の名であるゴーカイテイオーに由来する「ゴウ」「カイ」「テイ」「オウ」という名前を4匹の飼い猫につけていた[53]。
- 広田 明(ひろた あきら)
- 声 - 手塚秀彰
- 10億円強奪犯の1人。本名は不明。年齢は自称28歳。身長190センチメートルを超える大男。荒っぽい性格だが、腕っぷしを買われて広田雅美に雇われた。
- 広田健三が盗んだ金を持って姿を消した後、「健三の唯一の肉親である弟」で九州出身の広田明と偽り、サングラスをかけた大男の探偵(声 - 徳丸完)に捜索を依頼する。雅美から連絡を受けて健三と再会するが、彼に裏切られた怒りから彼を絞殺。その後、ジンとウォッカから睡眠薬と偽って渡された青酸カリを雅美から飲まされて死亡する[53][注 81]。
- 岸井(きしい)
- 声 - 千葉一伸
- アニメ第128話「黒の組織 10億円強奪事件」に登場した10億円強奪犯の1人。
- 広田雅美(宮野明美)に雇われた。ギャンブル好きで、かなりの借金を抱えている。ガードマンとして四菱銀行に潜入し、現金輸送車の扉を中から開ける役目を担っていた。事件後、銭湯から自宅に帰る途中でウォッカに射殺される[52]。
- 貝塚 士郎(かいづか しろう)
- 声 - なし
- アニメ第128話「黒の組織 10億円強奪事件」に登場した10億円強奪犯の1人。
- 元レーサーとしての運転技術を買われ、広田雅美(宮野明美)に雇われた。銀行から車で逃走する際にレーサー並みの猛スピードで運転し、コナンのスケボーによる追跡を振り切る。事件後、マンションの自室でジンに射殺される[52]。
- 広田 正巳(ひろた まさみ)
- 声 - 中博史
- 南洋大学の教授で、宮野明美の恩師。61歳。妻・登志子(としこ、声 - 朝倉佐知)と共に静岡県で暮らしていた[71]。名前は、明美の偽名「広田雅美」の由来にもなっている。
- 研究所にいた頃の宮野志保(灰原哀)が誤って明美に送ってしまった、組織の重要データ入りフロッピーディスク (FD) を持っていたため、組織はFDの中身を見た可能性のある広田を抹殺しようと考えたが、彼には酒癖の悪さによる無神経な言葉で相手を激怒させてしまうなど、自制ができない一面があったため、教え子の1人でモデルの白倉 陽(しらくら あきら、声 - 子安武人)から組織とは無関係に個人的な恨みを買い、組織が始末する前に白倉の手で殺害される[71]。
- なお、FDは最終的にコナンたちが入手したが、組織のコンピュータ以外のコンピュータで立ち上げるとコンピュータウイルス「闇の男爵(ナイトバロン)」が発生し、データを完全破壊するようになっていたため、コナンたちは情報の入手に失敗している。
- 板倉 卓(いたくら すぐる)
- 声 - 大友龍三郎
- 組織と契約したゲームのシステムエンジニア。45歳。
- 以前は映画の特殊視覚効果に関わる有名なCGデザイナーであったが、点字を必要とするほど視力が低下したことでエンジニアに転向した。職業上、有希子をはじめとした各国の女優と面識があり、シャロン(ベルモット)とは犬猿の仲だったことが知られている[注 134]。有能なシステムエンジニアとして組織に目をつけられ、ベルモットの発注によりあるソフトウェアを作らされる。日記には、以前そのソフトを作ろうとした際に「我々人間のために断念した」と書いているが、その具体的な内容は不明[7][注 135]。
- 視力だけでなく心臓も手術が必要なほどに病んでおり、ソフトを未完成のままにして海外へ高飛びしようとしていたが、友人の相馬 竜介(そうま りゅうすけ、声 - 阪脩)から組織とは無関係に個人的な恨みを買っていたため、組織が始末する前に相馬の手で心疾患を利用され、殺害される[7]。
脚注
注釈
- ^ 数回ではあるが、初期の事件では黒ずくめの男たちと呼ばれたり、アニメのオープニングで流れるコナンの紹介などでは単に黒ずくめと呼ばれたりしたこともある。
- ^ 作者は反響によって早ければ数か月ないし半年程度での終了になることも想定していたため、当初は組織の設定をそれほど詳しくは考えていなかった。ところが、第1話が想像以上の人気を得たため、長期化を考えて組織の内部設定を改めて詳細に考案し、「どうせならコナンを小さくした男たちのキャラを最大限に生かそう」と練り直した旨を述べている[1]。
- ^ 作者は読者の「黒の組織に正式名称はないのか」という質問に「出てないだけで俺の中にはある」と答えている[2]。
- ^ バーボン=安室は、私立探偵および「ポアロ」の店員として活動する際は黒服を着用していない。ベルモットもベルツリー急行から下車した際には、髪型を変えて眼鏡をかけてはいたものの、素顔のままで黒服を着用していなかった[3]。また、『純黒の悪夢』では素顔のままで終始パステルカラーの服装であった。
- ^ ハリウッド女優として活躍しているベルモット、自動車メーカーの会長であったピスコ、日売テレビ局アナウンサーのキール、探偵兼喫茶店店員のバーボン、衆議院議員の呑口重彦、IT企業「TOKIWA」の専務取締役兼プログラマーの原佳明、衆議院議員の秘書の岡倉政明など。クライアントの中には、日本の外務省の関係者も含まれることが判明している。
- ^ 劇場版第20作『純黒の悪夢』では、日本の公安警察やアメリカのFBIとCIA以外にも、イギリスのMI6とカナダのCSISやドイツのBNDからも潜入捜査の対象とされていることが明らかとなっている。
- ^ なお、作者の青山は「潜入者が多いけど大丈夫なのか?」との読者の質問に対し、「大丈夫です」と回答している[要出典]。
- ^ 組織の機密が漏れる恐れがあると感じた場合は、組織の存在を知らない者や子供であっても容赦はしない。
- ^ 「あの方」の側近であったピスコなど。ベルモットはFBI捜査官であるジョディの父を殺害した際、シャロン・ヴィンヤードの指紋を残したために正体が露見しているが、現在のクリス・ヴィンヤードとしての姿と年齢が合わないことが壁となって逮捕されないでいることと、「あの方」に気に入られていることから、例外的に抹殺されないでいるようである。さらに、暗殺計画に失敗してFBIに捕らえられたキール=水無は、アナウンサーであることが知られたにもかかわらず、FBIから奪還後も抹殺されずにいる。
- ^ 360度スクリーンに覆われ、そのスクリーンには現実世界を再現した映像が映され、600ヤード前後の先をイメージした獲物をライフルで狙撃するというシミュレーション設備[5]。
- ^ コナンは、宮野一家によるAPTX4869の開発がその一環ではないかと推測している。
- ^ 観光者リストの中に「宮野志保」が記載されていたことについて、コナンは一瞬気にかけながらも「まさかな」と偶然のことと判断している[8]。
- ^ 原作者は読者からの質問コーナーにおいて、このシーンが伏線であることを明言している[9]。
- ^ 快斗も、『コナン』では黒の組織のメンバーにまったく心当たりがないことが、ミステリートレインに乗り合わせた際に描かれている[3]。
- ^ 特に峰不二子は、幼児化する前の灰原哀とは黒の組織のシェリーとして面識があることも判明しており、組織と接触していた可能性も示唆されている。
- ^ その実年齢は40年前の時点で100歳を超えていたとも言われている[11]。
- ^ 作者は「実際にはメールアドレスとして『♯(シャープ)』は使用できませんが、いたずら防止のためにあえてこうしました」と述べている[17]。
- ^ 実際の携帯電話に存在するのは♯(シャープ)ではなく#(番号記号)。
- ^ 財宝の正体については、当初はコナンが千間恭介が残した暗号をもとに発見した純金の壁掛け時計を指しているものと思われたが、実際にはその時計を取り外すことで館の外壁が剥がれる仕掛けになっており、館自体が1000億以上の純金でできていることが明らかとなった。
- ^ 基本的に男性は蒸留酒、女性はワインなどの甘い酒の名前である。
- ^ 作者はラムが作中に登場する以前に「『ラム』のコードネームは使いたくないが、いずれ使ってしまうだろうからその時は笑ってほしい」という旨、「ラム」をコードネームに使用できない理由と、組織の一員として『うる星やつら』のラムが登場した挿絵を、同作の新装版第21巻に寄せている[要ページ番号]。
- ^ 劇場版第20作『純黒の悪夢』とテレビシリーズ第942話「マリアちゃんをさがせ!(後編)」で登場しているが、変声機を通したような声で話し、クレジットでは劇場版第20作時はラムの声の箇所だけ空欄表記で、アニメ第942話ではクレジット表記が「???」になっていた[22]。
- ^ ただし、17年前にラムが関係していた事件については、ウォッカに対して「ラムが抜かった仕事(ころし)なんざ、知った事か」と興味を示さずにぞんざいな言い方で語っている[25]。
- ^ コナンはこの3人と出会う以前に、知り合いの大和敢助を(隻眼であることから)一瞬「まさか?」と疑いかけたが、直後に黒田兵衛が現れたことで大和への疑惑は解消した。
- ^ 登場シーンではまぶしい光の中のモニター画面のように描写され、画面には「Code name RUM No.002」と表示されていた。
- ^ a b 初登場時のEDテロップでは「黒服の男」と表記されている。
- ^ a b 作者はジンの名前について「裏設定では黒澤陣っていう名前」と答えており、単行本28巻File.8「悪魔の矢」(アニメ223話「そして人魚はいなくなった(推理編)」)に出てくる名簿に、ほとんど見えないが「魚塚三郎」の隣に「黒澤陣」と書かれている[28]。
- ^ 射殺しなかった理由は、直前に起きた事件により周辺に警察がいることを警戒して銃声に気付かれることを恐れたためである。
- ^ なお、作者の青山は『名探偵コナン30+SDB』(ISBN 978-4091247186)150ページでの読者の「ジンは30歳を越えているか」という質問に「いってるかも」と答えている。
- ^ アニメ版では当初輝度を抑えた金だったが、色彩設計担当者が中尾総子になってからは原作と同じ銀色に変更された。劇場版ではテレビアニメ版が変更された後も金色のままだったが、『漆黒の追跡者』以降は銀色へ変更されている(冒頭の作品紹介は金髪のまま)。なお、原作でジンの髪の色が分かるように描かれたのは2020年現在、第238話「裏切りの街角」(単行本第24巻に収録)だけであり、この回でもかろうじて白か銀、灰あたりの色だと推察できる程度である。
- ^ アニメ第128話「黒の組織10億円強奪事件」(上記のアニメオリジナル回)では、右手で拳銃を撃つという誤った描写が見られ、この話を振り返る回想エピソードが新たに作画された際にも、誤りは修正されていない。
- ^ コナンいわく「テレビや本でしか見た事ねー」とのこと[6]。キールの初登場以降はウォッカが運転している。
- ^ ナンバープレートは登場回によって異なり、土門暗殺計画の際は「新宿540 あ 4368」[5]、米花百貨店での爆弾騒動の際は「新宿54 み 4368」となっている[15]。
- ^ (アニメ版の制作開始時点で「優秀な」人物設定がまだ固まっていなかった)第1話「ジェットコースター殺人事件」では、登場早々から取引相手の社長が1人で来ているかを確認するためだけの理由で黒服のままジェットコースターに乗った結果、そこで起きた殺人事件の容疑者7人のうち1人(ウォッカと合わせて2人)に入ってしまい、新一から「警察が来たとたんに、あんなにオロオロするのは変だ」と指摘されるという、後年の話では見られない「不手際」も演じている[31]。しかし、(物語序盤に新解釈を交えて再構築した)テレビスペシャル『エピソード“ONE” 小さくなった名探偵』では、やはり殺人事件の容疑者7人に入って内心気まずさを抱きはしたが、態度や表情は冷静で前述の「不手際」は見せていない。
- ^ シェリーの殺害をコナンに阻止された際には無駄だと思ったために追跡しなかったが、実際に追跡していればシェリーを発見できた旨の描写があるため[6]、その判断が必ずしも正しいとは限らず、先入観による詰めの甘さもある。
- ^ 高層ビルの側面で稼働中のエレベーター内に立つ髪型を変えた園子をシェリーと誤認し、彼女の頭部を向かい側に建つ遠方のビルからM16で正確に狙撃した(寸前に気づいたコナンの機転で失敗に終わった)[30]。そのため、後にコナンが組織内で長距離の精密狙撃を得意とする人物を連想した際、キャンティやコルンと合わせてジンが連想されている[32]。
- ^ 後にジンがピスコを射殺したと知ったコナンは、「なぜ麻酔銃を受けて動けるのか」と疑問に思った[6]。
- ^ 新一の名前が会話に出ても「覚えていない」と答えている。ただし、宮野明美[6] や原佳明[30] など、殺したことを覚えている相手もいる。また、テレビドラマ「工藤新一の復活! 黒の組織との対決」では新一のことを思い出している。
- ^ キールが赤井を殺害した場面をカメラで見ていた際には、その死に疑問を抱きながらも「奴が生きていたら嬉しくてゾクゾクする。もう一度殺せるんだからな。」と笑みを浮かべたほどである[16]。
- ^ ジンによる過去のシェリーのイメージは、大半が半裸の後ろ姿である。
- ^ そのため、先述したように園子をシェリーと誤認して射殺しかけたこともある[30]。
- ^ 原作では新幹線の車内でウォッカとともにコナンと鉢合わせたが、その正体には気付いていなかった[35]。また、小五郎を暗殺しようとした際もコナンに気付いて殺そうとしたが、その際には顔を合わせておらず、ただの子供としか見ていなかった[5]。劇場版では、自分たちの乗った戦闘用ヘリコプターによって追い詰められたコナンから想定外の反撃に遭って撤退を余儀なくされた際にも、その実力に「何者だ?」と驚愕している[36]。
- ^ 過去にコナンが車に侵入して仕掛けた盗聴器をシェリーのものと認識しており[6]、キールの靴から発見した盗聴器がそれと同型(阿笠製)であったためである[5]。
- ^ 原作者の青山は「工藤有希子がいいほうの峰不二子、ベルモットが悪い時の峰不二子」と表現している[38]。
- ^ 担当声優の小山はOVA・劇場版作品『ルパン三世 風魔一族の陰謀』のみ実際に不二子役を担当している。
- ^ FBI捜査官のジョディ・スターリングはこの座右の銘をヒントに調べたシャロンとクリスの指紋が一致したため、2人が同一人物であることや、20年前にFBI捜査官であった父を殺害した犯人がベルモットであることを突き止めている。
- ^ ジンはピスコを始末した後、ベルモットに「おまえほどの女をわざわざ呼んだっていうのに」と話している。
- ^ ピスコも灰原の正体を知り、劇場版『漆黒の追跡者』に登場したアイリッシュもコナンの正体を見抜いていたが、両者とも殺害された。また、劇場版『純黒の悪夢』に登場したキュラソーも灰原の正体に気づいたが、誰にもこの事実を知らせないまま死亡している。
- ^ シェリー(灰原)を殺そうとした際には、「恨むのなら、こんな愚かな研究を引き継いだあなたの両親を」と語っている[39]。
- ^ ただし、新出智明は自分に成り済ましていたベルモットが生徒たちや他の教師から「お人よし」「心配性」「優しい」などと評価されているのを聞き、「僕に変装していたその人って、本当に、本当に悪い人だったんですか? 学校で先生や生徒に触れる度に、とてもそういう風な人だったとは思えなくて」とFBIのジョディに話している。これに対し、父をベルモットに殺されて恨んでいるジョディは「笑って人を殺すような人に、いい人なんているわけないじゃない!!」と感情的に反論した後、「あの女はあなたに成り済ますために、あなたの性格をトレースしていただけ。恐ろしいほど忠実に。」と独白している[40]。
- ^ キールが大ケガを負ってどこかの病院にいるかも知れないという情報の提供者である船本透司について、「その情報をくれたガキ…FBIに匿われているようだが…」というジンに対し、「相手は子供…今のところ放っておいても問題ないんじゃない?」と話している[41]。また、シェリーが山小屋の火事から救出した少年探偵団のことは「彼女が偶然接触した第三者」とジンに話している[3]。さらに、ベルツリー急行でシェリーを抹殺するためにジンがホームの乗客ごと列車を爆破しようとしていたのに対し、シェリー(実際は彼女に変装した怪盗キッド)を乗せた貨物車だけを爆破して「粉々になるのはシェリーだけで十分でしょ?」と話している[3]。
- ^ キールの正体がCIAの諜報員(スパイ)だということに薄々感付いていながらも組織に報告しないのは、このような理由も示唆されている。ただし、劇場版『純黒の悪夢』でスパイ疑惑をかけられたバーボンについては、ラムの命令ゆえに連行した。
- ^ クリスとしての若い顔が素顔であり、ベイエリアで赤井に狙撃されたときも散弾で顔の表皮が裂けている。
- ^ 肉体年齢20代のクリスを40代過ぎであるはずのシャロンと認定させることが困難という理由と、有名女優の彼女が犯人であると公表して事態を荒立てたくないというFBIの思惑による。
- ^ クリスとしては映画撮影以外の公の場にはほとんど姿を見せないが、「映画監督・酒巻昭氏を偲(しの)ぶ会」には出席している[6]。なお、クリスは日本語を話せず、通訳が必要であるという設定になっている。
- ^ 新出に変装したベルモットは帝丹小学校にも内科検診で訪れているが、そのときは灰原が休んでいたために2人は遭遇しなかった。
- ^ 新一が幼児化していることは早くから確信しており、バスジャック事件の際にコナンをかばっているが、そのときはベルモットの気配を察知した灰原が身を隠したため、彼女の正体には気付かなかった。
- ^ 灰原を元の体に戻してから殺せば、シェリーがAPTX4869によって幼児化したことを隠すことができるため。このときは赤井に変装し、ジンやバーボンへの連絡役を単独で担うことで彼らへの情報操作も行っていた。
- ^ そのため、小五郎が組織に射殺されそうになったときは彼を擁護する立場に回ったことに加え[5]、秘密裏の行動によってカルバドスを死なせた一件から[39]、さらにジンの警戒を強めさせる原因になっている。
- ^ 「季節外れのハロウィンパーティー」事件の際にはコナンに灰原の抹殺から手を引くことを約束していながら[39]、「ベルツリー急行殺人事件」の際にはその約束を
反故 ()にしてバーボンを利用する形で、彼女をC-4を積み込んだ貨物車で爆殺しようとした[3]。 - ^ 逆探知機能[30]、板倉卓との取引の際はメールの受信位置の特定[45] もこなしている。
- ^ 警察官が近くにいる場所で懐から拳銃を取り出そうとする、他人に聞かれてはまずい話を大声で話す、喫煙後に吸い殻を投げ捨てる(吸い殻に付着した唾液や口の粘膜の細胞から、血液型やDNAを割り出される可能性がある)、ターゲットの家に電話をかけて録音テープにメッセージを残す(声紋照合などをされる可能性がある。変声器は使用していたが、コナンたちには口調で見破られていた。)、テープで貼り付けられた秘密のソフトを素手で取ろうとする(指紋を採取される恐れがある)[45]、など。小学館の『名探偵コナン 黒ずくめの組織 徹底調査File!』でも「ジンに比べれば、警戒心は普通の人に近い。おかげでコナンの罠にかかりそうになった事もある。」と紹介されている[46]。
- ^ 『コナンドリル』では組織幹部の割には、かなり抜けた人間で「少年探偵団並の警戒心しか持ち合わせていない」と酷評されており、彼が幹部なのはあの方からの指示をジンに伝える役割は切れ者が担うと角が立つためウォッカのような人間から言われると実行部隊も受けざるを得ない「組織の潤滑油」だとみている[47]。
- ^ a b テレビアニメ版によると、キャンティとコルンの狙撃可能距離は600ヤード(約548メートル)であり、両者とも650ヤード(約594メートル)では外している[5]。
- ^ ナンバーは「新宿300 す925」で、担当声優を務める井上喜久子の誕生日に由来する。
- ^ キャンティと共に衆議院議員立候補者を暗殺する際、キャンティに「あんたは背中。アタイは頭だよ。」と言われると「俺、頭がいい」と頭を撃つことを宣言し、キャンティも「OK、好きにしな」と認めている[5]。
- ^ 拳銃密輸の社長が一人で来なかった時に狙撃するためにキャンティと共にトロピカルランドの中でスタンバイしていたが、相手が約束を守ったためジンの命令で撤収する際、観覧車をじっと見つめてキャンティに「何? 乗りたいの?」と聞かれると頬を赤らめた[48]。
- ^ ジンによれば、「組織の権力を利用して現在の地位まで上り詰めた」とのこと[6]。
- ^ ピスコの発言では、「灰原が赤ん坊だった頃から付き合いがあった」とのこと[6]。
- ^ ピスコは後述の呑口暗殺の際にトリックに用いて紛失した紫色のハンカチの代用品をベルモットから渡され、事情聴取をしのぐことができた。
- ^
偲 ()ぶ会に出席していた音楽プロデューサーの樽見 直哉(たるみ なおや、声 - 内田直哉)と作家の南条 実果(なんじょう みか、声 - 幸田夏穂)の抱擁を撮影した写真にピスコの犯行の瞬間が写っていた。なお、抱擁していた二人は犯行ができないことから容疑者から外された。 - ^ カルバドスがリンゴの蒸留酒であることから、赤井には「"腐った林檎"(=ベルモット)の相棒にはお似合いだ」と皮肉られた。
- ^ 日本人とイギリス人のハーフ
- ^ 顔立ちは妹と異なり、イギリス人の特徴らしきものは見られない。
- ^ アニメでは、後の強盗の下見役として、半年前から四菱銀行に銀行員として勤務していた。
- ^ 幼少時に両親とともに上記のデザイン事務所を訪れた際、事務所の社員が言った「疲れた」という言葉を真に受け、彼らを休ませてあげようと仕事道具を隠していた。その無邪気な笑顔は、ある人物が父親の幼なじみに抱いた殺意を、思わず忘れさせてしまうほどであった。
- ^ 赤井や灰原は、毛利蘭に明美の雰囲気を重ねて見ている描写があり、赤井は蘭に出会った際に明美のことを「お前(蘭)によく似た女」だと述懐している。
- ^ 諸星の正体には組織への露見以前から気付いていたが、彼への好意ゆえに誰にも話さずにいた。組織に潜入するための手段として利用されたと知った後も彼のことが忘れられず、のちに銀行強盗を決行する直前に送ったメールでは、「もしもこれで組織から抜けることができたら、今度は本当に彼氏として付き合ってくれますか?」と赤井に告げている。なお、このメールにはP.S.(追伸)があるが、その内容は明らかになっていない。
- ^ 組織は最初から志保を組織から抜けさせるつもりはなかった。
- ^ そばに落ちていた拳銃には明美の指紋しか付いていなかったことから、真相を知らない警察には「計画の首謀者であった明美が共犯者を殺害し、逃げ切れないと悟って自殺した」と判断されている。
- ^ a b 広田雅美を通じて睡眠薬と偽って青酸カリを渡したのは原作ではジンであるが、アニメでは沖田に置き換えられている[53]。
- ^ このため、アニメ版は第13話で登場した「広田雅美=宮野 明美(みやの あけみ、声 - 勝生真沙子)という灰原の姉とは同姓同名にして奇しくも同じ偽名を使った別人が、現在も刑務所に服役中」ということが長らく公式設定のままになっていた。
- ^ 灰原が阿笠宅から深夜に電話をかけていたことに気づいたコナンにより、逆探知の完了寸前に通話は切られた。また、留守番電話に残っていた灰原のメッセージもその直後に彼女が再びかけた電話を介して消去され、灰原が姉への電話は二度とかけないとコナンや阿笠に誓ったため、ジンたちが阿笠宅を突き止めるまでには至らなかった。
- ^ 作中で明らかになったのは組織の息がかかった人物であるということのみで、正式な組織構成員か単に利害関係で組んでいただけかは不明。
- ^ シャンデリアの下に移動させられた具体的な方法は作中で明かされなかったが、コナンは「『挽回の機会(チャンス)をやるから、明かりが落ちたら光る場所(シャンデリアの下)で指令を待て』とでも脅しをかけたんだ」と推測した。
- ^ 死亡時期は明言されていないが、1歳から20歳までのものが用意されていた。
- ^ カセットテープの録音音声を聞いたコナンは「(エレーナは)正真正銘のエンジェルだった」と感想を述べている。
- ^ ピスコが身体が幼児化したシェリー(宮野志保)を見て、彼女の両親と自分が親しかった旨や開発中の薬の情報を聞いた旨を語っているうえ[6]、ベルモットもシェリー(灰原)を殺そうとした際に研究を引き継いだ彼女の両親を恨めとの旨を語っていたが[39]、それ以上に薬の本来の用途などの詳細については明らかにされていない。
- ^ 阿笠博士曰く「大きな製薬会社で、よく効く薬を安く売るということで、昔は有名だった」。しかし、さらに大きなグループが買収を試みたものの失敗し、それが原因で25年前に倒産している。
- ^ この家は厚司が親から受け継いだもので、家を明け渡してから出島が殺害されるまでの30年間、出島が借りたままの状態になっていた。
- ^ その際に応対した社員は、厚司が常に外の様子を気にしていたこと、事務所の前に「スモークガラスの黒い車」が停まっていたことを証言している。
- ^ 本来薬品開発の研究者は「化学者」と表記されるべきだが、作中では「科学者」と表記されている。
- ^ 13歳の頃から組織に重要視されていたが、同じ幹部たちとの交流は浅く、噂を耳にする程度であった。
- ^ コナンたちと初めて遭遇した際も、手錠を掛けられていたとはいえ、刃物を持って暴れたところを遠山和葉の合気道で取り押さえられている[60]。
- ^ 20年前の自動車教習所の合宿中、同期生5人と共に悪ふざけで教官の稲葉 徹治(いなば てつじ)に無理矢理飲酒させ、ブレーキオイルを抜いた車を運転させて事故死させている。そのため、殺人後の逃亡中に稲葉の息子である大阪府警東尻署、捜査一課刑事・坂田 祐介(さかた ゆうすけ、声 - 一条和矢)に拘束され、彼の復讐の犯人に仕立て上げられそうになったが、コナンや平次によって発見され、そのまま逮捕された。なお、共同正犯はコンビニの店長・長尾 英敏(ながお ひでとし)、居酒屋の女将・西口 多代(にしぐち たよ)、タクシー運転手・野安 和人(のやす かずと)、主婦・岡崎 澄江(おかざき すみえ、声 - 服部幸子)、大阪府議会議員・剛司 宗太郎(ごうし そうたろう、声 - 土師孝也)の5人である。
- ^ 赤井も、バーボン(零)がスコッチの死を機に、自身に対して激しい憎しみを抱いていることを自覚しており、バーボンと電話口で直接話をした際に「彼のことは、今でも悪かったと思っている」と話している。この「彼」とはスコッチを指していると思われるが、ジョディが赤井にそのことを聞こうとして邪魔が入ってしまったので、分からずじまいとなっている[18]。
- ^ しかし組織潜入中、明美からは「ライのライバル」と認識され、「降谷零」とは気づかれていなかった。
- ^ その当時から組織に重要視されていた宮野志保の実姉であったため。
- ^ ジンとの合同任務を受け、彼を拘束するために同僚達を集合場所へ待機させていたが、そのうちの1人が待機していた老人を一般人と勘違いし、彼に姿を見せたことで正体が発覚。
- ^ 明美にはその任務の前日に正体を明かすが、実際は気付かれていた。
- ^ それに伴い、組織が明美のことを「FBIを引き入れた人物を生かしておくのは危険」と判断したため、彼女は殺されることになった
- ^ 発覚後、赤井に追われ彼から奪った拳銃で自害しようとしたが、赤井の正体と提案を聞き、一度は踏みとどまる。しかしその直後、メールを受け駆けつけるバーボンの足音を追っ手の足音と勘違いし、足音に気を取られた赤井の隙をついて拳銃自殺する。
- ^ 黒の組織の中でコナンの正体を突き止めたのはベルモットとアイリッシュだけであり、前情報が一切ない段階で手がかりや証拠のみを使って突き止めたのも彼が唯一である。
- ^ 捜査会議の資料では「岡倉 正明」と表記されている。
- ^ このことは、作中では明かされていない。
- ^ メモリーカードは、組織のことを何も知らない和樹がお守り袋ごと持ち去っていたが、アイリッシュによって回収され、最終的にキャンティの狙撃によって隠滅された。
- ^ キュラソーには、無色透明のホワイト・キュラソーと橙色のオレンジ・キュラソー、青色のブルー・キュラソーと緑色のグリーン・キュラソー、そして赤色のレッド・キュラソーの5種類の色のものが存在する。
- ^ 記憶喪失中にも、元太の盤ごと崩したリバーシの駒を無自覚のうちに元通りに並べ直している。
- ^ 「Non Official Cover」の頭文字を取った隠語で、民間人を装い他国に潜入捜査をしている非公式な秘密諜報員を指す。
- ^ この時点で、すでにオスプレイの攻撃によって身体の各所を負傷していたうえ、腹には観覧車の鉄筋が突き刺さったまま(無理に引き抜けば即死)という致命傷を負っていた。
- ^ この「イルカのストラップ」は、元々は東都水族館のゲームコーナーにあるダーツコーナーで、(記憶を取り戻す前の)キュラソーが元太・光彦・歩美にプレゼントした別々の色が塗られたものとは別に、コナンがダーツコーナーのスタッフからキュラソーに渡すよう頼まれた、色の塗られていない試作品であった。
- ^ この黒焦げになったストラップをキュラソーの記憶装置と
訝 ()しんだ風見に対し、コナンは「いや、それは思い出だよ。黒焦げになっちまったけどな。」と返している。 - ^ a b 劇場版のパンフレットでは、リースリングとアクアビットのコードネームが入れ替わるという誤植が発生している[65]。
- ^ 本名は小説版では「レオン」と記載されているが[61]、レオンは男性名である。
- ^ 毛利探偵事務所に依頼に来る、黒の組織の一員、内容は違うもののチャンスを与えられる、ジンとウォッカに殺される、コナンから正体を明かされるなど、原作の宮野明美と境遇が一部似ている箇所がある。
- ^ ジュネリックの弁によれば、APTX4869によって幼児化した生物は、再び普通に成長していくという。
- ^ 本人いわく「いくら仕事をこなしても利益を組織にほとんど持って行かれていた」ため。
- ^ アニメ版ではウォッカからフィルムをもらった直後、「フィルムはこれだけだろうな?」と確認してから逃亡した。
- ^ ただし、組織に関わった人物は基本的に殺害されているため、社長が助かった理由は不明である。
- ^ 泥惨会はコナンたちも別の事件で関わるが、蘭と京極真の2人に幹部と約50人の組員が倒されて警察に逮捕されている[69]。
- ^ その時は自身で返り討ちにした。現在は自衛隊上がりの巨漢のボディガードに両脇を固められている。この一件は暴力団・
泥参会 ()の女幹部・毒島 桐子(ぶすじま きりこ、声 - まるたまり)の仕業だと考えられており、組織は彼女に土門殺害の罪を着せようとしていた。 - ^ ダイヤは星占術的に地の性質を持っており、ジャックは兵士の意味であることから、名字に「土」の字があり、元自衛隊員であった土門のことを示している。
- ^ この事故についてはFBIによって形跡が抹消され、事故そのものが存在しなかったものにされていた。
- ^ 犯人は透司の父・達仁(たつひと、声 - 菅生隆之)だが、彼は組織とは無関係だった。
- ^ アニメ版のAPTX4869の被害者一覧では、姓の読みは「ハダ」となっているが、ここでは原作での表記に従う[71]。
- ^ アニメ版のAPTX4869の被害者一覧では、初描写時のみ姓の読みが「ハダ」となっていた[76] が、後のエピソードで原作と同じ表記に改正された。
- ^ 後にダイイングメッセージに気付いたコナンと沖矢扮する赤井により、組織のNo.2であるラムが犯人であったと推理される[25][19]。
- ^ 組織のデータからAPTX4869を投与されて毒殺された可能性が高いが、直接的な死因は不詳なままである。なお、同日には同ホテルの別室に宿泊していたアメリカの資産家にして浩司の大ファンであったアマンダ・ヒューズ (Amanda Hughes)という老女も死亡している。アマンダが
浅香 ()と呼んでいた身元不明の女性ボディーガードが事件以来姿を消しているため、誰に追われているのかは言及されていないが、最重要容疑者として行方を追われている。コナンと赤井は浅香の正体が黒の組織のラムである可能性も想定している。 - ^ 赤井は浩司の死について「俺をFBIに駆り立てたあの事件」とコナンに語っており[19]、ジンはこの事件について「17年前にラムが抜かった仕事(ころし)」と表現している[25]。 また、若狭留美もこの事件に関与している模様で、若狭の回想中で羽田は「遠見の角に好手あり」という将棋の格言を呟いている[77]。
- ^ 灰原はその鏡が母である宮野エレーナの遺品として姉の明美が持っていた、「PUT ON MASCARA」と書かれた手鏡と同一であろうと考えている[19]。
- ^ 現実での年月で言えば18年2か月。
- ^ 探偵としては「安楽椅子に座ったまま事件の話を聞いただけで解決できてしまう」と世間で評判になる程有名で、コナンたちにも引けを取らないだけの推理力・観察力を持つ[11]。
- ^ ただし、戸籍は警察に調査されているため、出身地や家族の有無に関する他の強奪犯の嘘が判明したものの、特に名前の偽称については述べられていないことから、「広田健三」はそのまま本名である可能性もある。
- ^ 業界ではシャロンはスタッフ想いとして知られていたが、板倉と激しく言い争っている様子が目撃されていたことが、有希子の口から語られている。
- ^ 日記には、組織の指示で彼らの番号に電話をかけた際、女王のように高飛車な口調の女(ベルモット)が出たことが記されていた。
出典
- ^ 『ダ・ヴィンチ』2014年5月号 p.57。
- ^ 『名探偵コナン70+SDB』 (ISBN 4091251994) 6ページ。
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- ^ a b c d e f g h i 劇場版第20作『純黒の悪夢』。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o 単行本48巻File.9「ピンポンダッシュ」 - 49巻File.4「黒の組織VS.FBI 2」(アニメ425話「ブラックインパクト! 組織の手が届く瞬間」)。
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参考文献
書籍
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- 青山 剛昌「信長を殺したのは誰?」『名探偵コナン推理ファイル 日本史の謎3』丸 伝次郎・阿部 ゆたか(イラスト)、平良 隆久(シナリオ)、今谷 明(監修)、小学館〈小学館学習まんがシリーズ〉、2005年9月15日。ASIN 4092961235。ISBN 978-4092961234。 NCID BA77378008。OCLC 674883676。全国書誌番号:20894714 。
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- 青山 剛昌 著、キャラメル・ママ(編) 編『名探偵コナン60+SDB』小学館〈少年サンデーコミックススペシャル〉、2014年5月16日。ASIN 4091246931。ISBN 9784091246936。OCLC 880890285。全国書誌番号:22402707 。
- 青山 剛昌 著、キャラメル・ママ(企画・原案) 編『名探偵コナン70+PLUS』小学館〈少年サンデーコミックススペシャル〉、2014年7月18日。ASIN 4091251994。ISBN 9784091251992。OCLC 885408450。全国書誌番号:22437311 。
- 水稀 しま、櫻井 武晴、青山 剛昌『名探偵コナン 純黒の悪夢』小学館〈小学館ジュニア文庫〉、2016年4月14日。ASIN 4092308663。ISBN 978-4-09-230866-4。OCLC 947279686。全国書誌番号:22720081。
- 青山 剛昌 著、キャラメル・ママ(編) 編『名探偵コナン BLACK+PLUS』小学館〈少年サンデーコミックススペシャル〉、2020年8月30日。ASIN 4091287476。ISBN 9784091287472。OCLC 1083553074。全国書誌番号:029385117 。
雑誌
- 「青山剛昌先生が語る! 真実へと迫る SECRET REPORT」『週刊少年サンデー』2013年33号、小学館、2013年7月31日、ASIN B00G2GOHDM。
- 『ダ・ヴィンチ』2014年5月号、KADOKAWA、2014年4月5日、ASIN B00J496WIM。
外部リンク
- 名探偵コナン 黒ずくめの組織 徹底調査File! - 小学館