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「ヤセの断崖」の版間の差分

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2021年5月13日 (木) 22:32時点における版

ヤセの断崖の位置(日本内)
ヤセの断崖
ヤセの断崖の位置

ヤセの断崖(やせのだんがい)は、石川県羽咋郡志賀町笹波にある断崖絶壁である[1]。能登金剛と呼ばれる複雑に入り組んだ海岸線奇岩・奇勝の数々が見渡せる[2]。また、松本清張小説を原作とした映画ゼロの焦点』の舞台として知られている[2][3][1]

概要

能登半島中部の景勝地能登金剛に存在するが、海に突き出た岩場は海面からの高さが55 mあり[3]、以前は岩場の周りには、体を預けられるような手すりや木も無かった為、滑落の危険や自殺防止の観点から、2008年(平成20年)3月末まで立ち入りが禁止されていた[4][5]が、現在は、手前に柵ができ、そこから海を望む形をとっている。相当昔、断崖周辺の土地がやせていた事、断崖の上に立ち身を乗り出して崖下を覗くと身がやせる思いがする事などから「ヤセ」の名がついたと言われている[1][6]。高さ35 mの崖上からは日本海が一望できる。断崖上に沿って設置された遊歩道義経の舟隠しにも繋がっており、自然を愛でながら散策することができる。2007年3月25日に発生した能登半島地震により、名所であった崖が幅10 mにわたって崩落し、かつての面影は消えつつあるが、足がすくむ場所として観光地となっている[7][6]

能登の峻烈なイメージを読者に抱かせた松本清張推理小説を原作とした1961年公開の映画『ゼロの焦点』で、悲劇のヒロインが最後に身を投じたということでも知られている[8]。この映画の影響を受けて、最盛期には年間少なくとも18人の自殺者がいたという[9]。付近の松林には、ゼロの焦点歌碑も置かれている[10]

交通アクセス

のと里山海道より国道249号で、志賀町輪島市の市町境手前の三叉路で石川県道49号深谷中浜線を関野鼻方面へ行くとよい。約40分である。[11]
  • 公共交通
金沢駅前から北鉄能登バス運行の急行バス(富来急行線)「富来」行き乗車。またはJR七尾線羽咋駅から北鉄能登バス「富来」行き乗車。「富来」下車後、タクシーで約20分。なお、「富来」バス停などから路線バス(外浦線)を乗り継いで向かうこともできるが、本数が非常に少ない。この場合は「関野」バス停下車。[11]

脚註・出典

  1. ^ a b c ヤセの断崖 (やせのだんがい) ほっと石川旅ねっと(石川県観光協会) 2013年1月11日閲覧
  2. ^ a b ヤセの断崖”. のとネット. 2015年12月24日閲覧。
  3. ^ a b ヤセの断崖 (志賀町)和倉温泉観光協会・和倉温泉旅館協同組合 2015年9月26日閲覧)
  4. ^ 現在でも「思い出せあの日あの時親のこと」という標語の書かれた看板が崖上の遊歩道の各所に設置されている。
  5. ^ ヤセの断崖【石川県】”. 旅行サイト『プチたび』. 株式会社フォレストメディア. 2012年10月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年1月1日閲覧。
  6. ^ a b ヤセの断崖 志賀町観光協会 2013年1月1日閲覧
  7. ^ 見どころスポット : ヤセの断崖”. 和倉温泉〜わくらづくし〜. 和倉温泉観光協会・和倉温泉旅館協同組合. 2010年1月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年1月11日閲覧。
  8. ^ ヤセの断崖をロケ地に選んだのは、同映画の監督を務めた野村芳太郎である。野村芳太郎のエッセイ「清張作品と私」(『松本清張全集 第3巻』(1971年、文藝春秋)付属の月報に掲載)参照。
  9. ^ 毎日新聞 2008年12月22日朝刊
  10. ^ 歌碑には「雲たれて ひとりたけれる 荒波を かなしと思へり 能登の初旅」と刻まれている。
  11. ^ a b ヤセの断崖”. YAHOO!トラベル. 2013年4月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年1月11日閲覧。

座標: 北緯37度12分34.7秒 東経136度41分0.7秒 / 北緯37.209639度 東経136.683528度 / 37.209639; 136.683528