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Macintoshの最初期から[[オペレーティングシステム]]に搭載されていた[[フォント]]の一つ。1984年のSystem 1から1997年のSystem 7まで[[Classic Mac OS]]のラテン語版における[[グラフィカルユーザインタフェース|ユーザーインターフェイス]]用フォント(システムフォント)として用いられた。独特の外観を持ち、Macintoshの初期のマーケティング素材のロゴにも使われていたChicagoは、アップルの[[ブランド]]アイデンティティにおいて大きな役割を担っていた。後に同社製[[デジタルオーディオプレーヤー|デジタル音楽プレイヤー]][[iPod]]のユーザーインターフェイスでも使用された。 |
2021年5月20日 (木) 13:12時点における版
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様式 | サンセリフ |
---|---|
デザイナー |
スーザン・ケア (1984) チャールズ・ビゲロウ & クリス・ホルムズ (1991) |
制作会社 |
アップル (1984) Bigelow & Holmes (1991) |
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/2/2b/Ipod_backlight_transparent.png/220px-Ipod_backlight_transparent.png)
Chicagoは、スーザン・ケアによってAppleMacintoshのためにデザインされたサンセリフ書体。
Macintoshの最初期からオペレーティングシステムに搭載されていたフォントの一つ。1984年のSystem 1から1997年のSystem 7までClassic Mac OSのラテン語版におけるユーザーインターフェイス用フォント(システムフォント)として用いられた。独特の外観を持ち、Macintoshの初期のマーケティング素材のロゴにも使われていたChicagoは、アップルのブランドアイデンティティにおいて大きな役割を担っていた。後に同社製デジタル音楽プレイヤーiPodのユーザーインターフェイスでも使用された。
歴史
ケアはChicagoがMacintosh用に作られた最初のフォントであると述べている。フォント名称は米国のシカゴ市にちなんだもので、Macintosh開発チームがフォント名を世界の都市にちなんでつけるという慣習に落ち着く前は、Elefontと呼ばれていた(Elefontは1978年にBob McGrathによってデザインされた太字のセミ・セリフ書体)。[1][2]
初期のMacintoshのグラフィックシステムはグレースケール表示がサポートされておらず、モノクロ表示のディスプレイにおいて「選択できないメニュー項目」を示すために網目のトーンで文字がグレーアウト表示されても、可読性を持つことがChicagoの特徴である。また大文字のO(オー)と区別するため0(ゼロ)にはスラッシュがある。
当初は12ポイントのビットマップフォントのみであったが、以後、他のサイズのタイプフェイスも追加され、1991年に書体デザイナーBigelow&HolmesによってTrueType規格のアウトラインフォントが作成された。[3]その後、文字間隔の微調整が行われたのみで、Mac OSバージョン7.6までシステムのメニュー、ダイアログ、ウィンドウタイトル、およびテキストラベルに使用された。
なお、日本語版Mac OSのシステムフォントは、Sapporo、OsakaなどChicagoとは異なるゴシック体で、ラテン文字部分はHelveticaやGenevaであった。欧米版システム風の外観を好むユーザーのために、Chicagoに似せて作られた日本語フリーウェアフォントがインターネット上で流通していた。[4]
1997年、Mac OS 8でグラフィカルユーザーインターフェースの外観が一新されたのに伴い、システムフォントがChicagoからCharcoalフォントに変更された。Chicagoは標準インストールされるフォントとしては残り、またCharcoalはChicagoの形状を元に設計されていたことから、アップルはChicagoを基準とするユーザーインターフェイスをデザインし続けるよう開発者に促していた。
1990年代、任天堂スーパーファミコン用のスクウェア製ゲームソフト「ファイナルファンタジーVI」や「クロノ・トリガー」などの英語版に採用された。[5]
Chicagoは低解像度のモノクロスクリーンでも読みやすいという特徴から、2001年に発売された小画面の携帯型音楽プレーヤーiPodのユーザーインターフェイスで復活した。2004年のiPod miniではより小さなフォントが必要となり、アップル・ニュートンから転用されたEspy Sansフォントに置き換わった。またカラースクリーンが搭載されたiPod Photo(2004年)のインターフェースでは、2002年からAppleがマーケティング素材に段階的に採用してきたMyriad Proフォントに似たビットマップフォントであるPodium Sansフォントが採用された。
Mac OS X以降、Chicagoフォントはシステムに含まれなくなったが、タイ語フォントである「Krungthep」と「Silom」は、ラテン文字部分にChicagoを使用しているため、代替フォントとして使用することができる。
Chicagoは、1996年8月から米国での「コンピュータソフトウェアに記録された書体フォント」においてアップルの登録商標となっている。
脚注
- ^ ケア, スーザン (1983年8月). “Folklore.org: World Class Cities”. www.folklore.org. 2021年1月8日閲覧。
- ^ “Elefont™ font family | Linotype.com”. www.linotype.com. 2021年1月8日閲覧。
- ^ チャールズ・ビゲロウ (1991年3月15日). “Notes on Apple 4 Fonts”. Electronic Publishing, Vol. 4(3), ノッティンガム大学. 2021年1月8日閲覧。
- ^ “Macintosh カスタマイズ(2)”. web.archive.org (2017年4月27日). 2017年4月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月8日閲覧。
- ^ Patrick Lauke, "Chrono Trigger Proportional" Archived 2019-06-19 at the Wayback Machine., Smartfonts, 2017-03-29
外部リンク
- 「KernYourEnthusiasm:The Friendliness of Chicago」 、Slate、2014年9月18日
- 「Browse Dozens of Retro Classic Mac OS Screen Shots from 1984 to 1999」、OSXDaily、2019年6月30日、Chicagoが用いられたClassic Mac OSのデスクトップ画面集