Osaka (書体)
Osakaフォントとは、Classic Mac OS日本語版において標準フォント・システムフォントとして使われた日本語フォント。Mac OS X、OS Xにも収録されていた。macOS Sierra以降のmacOSにおいては追加ダウンロードで使用できる[1]。
概要
[編集]1992年の日本語版OS「漢字Talk 7」でTrueTypeフォントとなってからは全角文字・半角カナ部分が平成角ゴシック W5、それ以外のラテン文字がGenevaを組み合わせたデザインとなっている。
プロポーショナルであるレギュラースタイルのほか、漢字Talk 7からはOsaka−等幅 (Osaka-Mono) があり、平成角ゴシックとMonacoの組み合わせとなっている。
Osaka−等幅は、macOS において Font Book から導入可能な唯一の日本語等幅フォントであるため、ウェブブラウザのデフォルト設定やCSSで等幅 (Monospace) フォントとして指定されていることが多い。
Mac OS 8.5以降9.2.2までには、システムフォント専用としてOsaka Bold、Osaka Narrowというビットマップフォントが追加されていた。このビットマップフォントと同じものはSolarisでもpcf形式で付属していて主にCDE上でのUIやターミナルフォントとして使用されていた。このビットマップフォントはBridgeが制作したものでBRG新ゴシックという。
漢字Talk 1.xにはまだOsakaフォントはなく、代わりにSapporoフォントが付属していた。
漢字Talk 2以降6までにはゴシック体の大阪フォント(フォント指定はOsaka)と明朝体の京都フォント(同Kyoto)が付属していた。漢字Talk 6.0.xまでの大阪フォントのラテン文字はHelveticaだった。漢字Talk 1.xに付属していたSapporoの丸漢(全角)フォントの字体は大阪16ドット(Osaka18ポイント)にそのまま採用されたが、Sapporoおよび大阪16ドットはJIS C 6226-1978を用いていたため、JIS X 0208-1983がベースである他サイズとは一部で字体が異なっていた[2]。
漢字Talk 6.0.xにおいては、KyotoよりもPostScriptフォントのリュウミンL-KLの代用[3]である細明朝体(さいみんちょう)[4]が多用された。Osakaはシステムフォントであるため、中ゴシック体[5]への置き換えはできなかった。
等幅フォントとして、等幅明朝と等幅ゴシックがあった(丸漢フォントは細明朝と中ゴシックを用いる)。Foreign System Fonts ファイルをインストールすることにより、Osaka・細明朝体・中ゴシック体(および等幅)にNEC特殊文字が追加された。
Kyotoは漢字Talk 7で廃止された。細明朝体と中ゴシック体はOsakaとともにそのまま残ったが、Osakaとは異なりTrueType化されずに現在に至る。特殊文字ファイルのインストールで、細明朝体と中ゴシック体にNEC特殊文字が追加することが可能だが、OsakaはMacJapaneseのままでNEC特殊文字には対応しない。
電子メールのメーラーでは、Classic Mac OSにおいてOsakaを指定されている(違うフォントを使った場合、文字化けを起こすため)。
脚注
[編集]- ^ macOS Sierra に組み込まれているフォント - アップル
- ^ 「鴎」(区に鳥、カモメ)の字が「鷗」(區に鳥、森鷗外の鷗の字)になっていたり、濾過の「濾」(さんずいに遠慮の「慮」)の字が「沪」(さんずいに戸)になっているなど。
- ^ リュウミンL-KLをインストールしていない機種用の表示用(代替)ビットマップフォントだが、ベースラインや文字幅等が微妙に異なる。漢字TrueTypeおよび漢字Talk 7でリリースされたTrueTypeフォントのリュウミンライト-KLともベースラインや文字幅等が異なり、この3フォントは似て非なる物である
- ^ ほそみんちょうとする文献もあるが、ファイル中にSaiminchoとある。
- ^ 中ゴシックBBBの代用。細明朝体と同様の問題がある。
関連項目
[編集]以下は、System/Mac OS英語版などの言語環境でOsakaと同じ用途で用いられたフォントの英語版記事へのリンク
- Charcoal - Chicagoの後継にあたるフォント