「首都高バトルシリーズ」の版間の差分
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2021年5月20日 (木) 22:55時点における版
首都高バトル(しゅとこうバトル)は、公道レースをテーマにしたレースゲームのシリーズ。通称「首都バト」。発売元は複数社あるが、開発はシリーズ全作とも「元気」である。峠攻めをテーマとする『街道バトルシリーズ』と並んで同社の2枚看板である。
概要
シリーズ初期ではドリフトキングとして有名なカーレーサーの土屋圭市が監修を務めていた。また最初期のスーパーファミコン(海外ではSNES)版はハードウェアの制限でコースが平面であるなどの理由もあり、3Dで表現された首都高での公道バトルというスタイルは、サターン及び初代PSのいわゆる「次世代機」からである。
『首都高バトル0』までは首都高速道路と首都高速八重洲線(ゲーム内では東京高速道路線を含み、両線を一括して「八重洲線」と称していた)のみをコースにしていたが、『首都高バトル01』からは阪神高速道路、名古屋高速道路ならびに東名阪自動車道(現在の名古屋第二環状自動車道)が追加され、首都高速八重洲線は削除された。それに伴い、総ライバル数は600人に増えた。
ゲーム専用機での最新作であるXbox 360用ソフト『首都高バトルX』はXbox Liveに対応しており、ネットワーク対戦が可能である。ただし、対戦相手を検索してゲームをする1vs1の形となっており、本編のようにコースを自由に走行してライバルとバトルをすることはできない。
収録車種について
シリーズ最初期の1990年代前半は、コンピュータゲーム中に実在の車を模したモデルが出てきても、特に契約等は結ばれなかった最後の時代[1]であり、当ゲームにはホンダ (Honda)車も出ていた。その後、時代の変化でゲームプラットフォームの性能向上により精密なモデリングが可能となったことから、ほとんどのゲームが車メーカーと契約のうえでブランドマーク等を使用したり、車輛データの提供などを受けて利用するのが潮流となった。その際に、理由は諸説存在するが[2]Hondaがいくつかの作品に関して許可を出さず、本シリーズでもPS2用の首都高バトル01以降でHonda車が削除された。
2016年頃、この件に関して何らかの変化があった模様であり、同様にしてHonda車が収録されていなかった湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNEシリーズの5DX+のリリース(2016年末)と同時にホンダ・NSXが追加され、後述の『首都高バトルXTREME』でもホンダ車が登場している。
近年の動向
『首都高バトルX』を最後に、2020年に至るまでゲーム専用機でシリーズ作品は発表されていない。2015年にはgenki公式Twitterアカウントで、「首都高バトルを据え置き機で出して欲しい方」に向けたリツイートの呼びかけ[3]があり、同年8月には同社の広報担当者がシリーズ復活について「会社として否定しません」とコメントしていた[4]。ただ同担当者は『首都高バトルX』やモバイルアプリが営業的には失敗に終わったとして「次は失敗できないと慎重になっているのも事実です」とも語っている[4]。
2017年初頭に、スマートフォンゲームとして『首都高バトルXTREME』[5]がリリースされた。操作は、コーナー進入時にタイミング良くフリックすることが重要だが、タッチし続けることでアクセルON(放しているとそのまま減速して徐行状態になってしまう)というインタフェース(モバイルのレースゲーにはいくつか見られる方式だが)を採用しており、先行作品との差異化を狙ったものと見られる。しかし“運営の継続が困難になった”として、2017年11月29日をもってサービスを終了した[6]。
他機種での展開
現在は、関連会社の元気モバイルからNTTドコモ(iアプリ)、ソフトバンク(S!アプリ)、au(KDDI/沖縄セルラー電話)(EZアプリ (Java)、EZアプリ (BREW))、ウィルコム向けのアプリが提供中。モバイル版『首都高バトルOnline』はプレイヤー同士が対戦するゲームである。また、2011年よりmobageでも配信されていたが、2012年6月をもって運営が終了した。
このほか、Windowsをプラットフォームとしてプレイヤー同士のネットワーク対戦が可能な『首都高バトルOnline』のパッケージ版が発売され、オンラインサービスが行われたこともあったが、サービスは約2年間の運営の後、現在に至るまで休止状態(事実上の終了)にある。休止の理由は公表されていない。
ゲーム版『湾岸ミッドナイト』との関連
『湾岸ミッドナイト』関連のゲーム作品(詳細は湾岸ミッドナイト#ゲームおよび湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNEシリーズを参照)のうち、ナムコのアーケードゲームで「無印」等と通称されている「MAXIMUM TUNE以前」の2作(「湾岸ミッドナイト」と「湾岸ミッドナイトR」)、およびその系譜に当たる家庭用ゲーム専用機(ゲームコンソール)のシリーズは、製作が(家庭用は販売も)元気であり、初期には首都高バトルシリーズとほぼ同じゲームシステムでデータ等も多くを流用していると思われるものであった。MAXIMUM TUNEシリーズでは、変わってポリゴンマジックの名がクレジットに入ると同時に、ゲームシステムをはじめモーションエンジンや首都高のマップデータ等も一新されたが、メッセージやライバルマーカー等いくつかの要素にわずかに関連が感じられる。また近年のシリーズ作品(4から?)のスタッフクレジットには「Genki Corporation」の名があることから、何らかの関与があるようだが、公開された情報は確認できていない。
一覧
(系列シリーズの作品を含む)
据置型家庭用ゲーム機(ゲームコンソール)他
特記がない場合は元気による発売。
- 首都高バトル'94 ドリフトキング 土屋圭市&坂東正明
- 首都高バトル2 ドリフトキング 土屋圭市&坂東正明
- 1995年2月24日にBPSより発売。
- PlayStation
- 首都高バトル DRIFT KING 土屋圭市&坂東正明
- 首都高バトル外伝 スーパーテクニックチャレンジ
- 首都高バトルR
- 首都高バトル'97
- 首都高バトル
- イメージソング・Without... ZIGGY
- 首都高バトル2
- 2003年3月1日発売。首都高バトル0をベースとしている。オンラインサービスは2005年9月1日をもって休止されている[13]。
- PlayStation Portable
フィーチャーフォンアプリ・サービス
特記がない場合は元気モバイル(現・And Joy)による発売・運営。
- NTTドコモ端末
- 首都高バトルONLINE
- 首都高バトルNEO
- 首都高バトルEVOLUTION2
- 街道バトルCross Action
- UnderGroundRacing
- 首都高バトルEVOLUTION PLUS
- DRAG⇒400
- 首都高バトルDRAG2
- 首都高バトルEVOLUTION
- ソフトバンク端末
- 首都高バトルNEO
- DRAG⇒400
- 街道バトル
- 首都高バトルEVOLUTION
- au(KDDI/沖縄セルラー電話)端末
- 首都高バトルNEO ※Wi-Fi WIN対応(biblioおよびAQUOS SHOT SH006専用)版を含む
- 首都高バトルEVOLUTION
- ウィルコム端末
- 首都高バトルH"
- mobageサービス
- 首都高バトル ※2012年6月末をもって運営終了
スマートフォンアプリ・サービス
- (Android ※auとdocomo端末の一部のみ)首都高バトルA、元気モバイル
- (iOS/Android)首都高バトルXTREME、元気(2017年1月26日配信)※2017年11月29日をもってサービス終了
主要な登場人物
- 迅帝(じんてい)
- 本名は岩崎 基矢(いわさき もとや)。『0』以降の作品に登場するボスキャラクターで、本シリーズの代名詞的な存在である。全てのボスを撃破すると現れる、首都高の頂点に君臨する走り屋。
- 「一撃離脱」をモットーとし、使用するマシンのサイドには大きく「壱撃離脱」の文字が書かれている。
- 街道バトルシリーズでも一部作品において登場している。
- ???/UNKNOWN
- 全てのライバルを倒すと現れるラスボスキャラクター。「首都高に巣食う魔物」「伝説の走り屋の亡霊」など様々な説があるが、本名、性別、年齢の全てが謎に包まれた伝説の存在。
- 『01』のみ登場せず、代わりにプレイヤーの半透明の分身が「不明」としてラスボスを務めている。
- モチーフは漫画『湾岸ミッドナイト』の『悪魔のZ』。
- 搭乗車種…日産・フェアレディZ(S30系)
用語
- SPバトル
- 「SP(Spirit Point=精神力、体力ゲージにあたる)」を削りあう、最も基本的なバトル形式。両者の距離に差がつくほどSPは速く減り、先にSPが尽きた者の負けとなる。壁や障害物への接触でもSPは減少するが、作品によっては接触によるSP減少を無効にできるものも存在する。
- 十三鬼将/13DEVILS(じゅうさんきしょう/サーティーンデビルズ)
- 「0」が初出のボスライバル集団。伝説的走り屋「迅帝」の側近とされる13人の走り屋を敬意と畏怖を込めて呼び表したものである。メンバーは作品によって若干の変化がある。本シリーズのほか、同じく元気が製作したKAIDO-峠の伝説-やレーシングバトル -C1 GRAND PRIX-にも登場する。
- WANDERER(ワンダラー)
- どのチームにも属さないライバル。特殊な条件を満たすことでバトル可能となる。実力は通常のライバルより高い者が多く、勝利時に入手できるCPも通常のライバルより多く設定されている。条件はライバルによって様々で、曜日や走行距離、車種など多種多様だが、ライバルによっては「一切のチューンを施されていない車」「日付がゾロ目」など、バトル自体より条件のクリアの方が難しい者も存在する。
タイアップ
- 2015年、当時J2リーグに所属していた東京ヴェルディ・横浜FC・ジェフユナイテッド千葉・大宮アルディージャの4クラブが「首都圏バトル4〜じゃない4の逆襲〜」という合同企画を立ち上げた際、「名称が似ている」というつながりからコラボレーションを行った[16][4]。なお同社によれば、このコラボレーションは「もらい事故のようなもの」だという[4]。
- 2018年には上記企画の続編として、前述4クラブにFC町田ゼルビアを加えた5クラブで「首都圏バトル5 -新たな希望-」が行われることが決定した[17]。前回と同様に宣伝用グラフィック等で当シリーズとコラボレーションが行われることになっている[17]。
脚注
- ^ ゲームのタイトル自身に使ったりするのでなければ、商品の商標として誤認するおそれは無いので(その車メーカーが、「ゲーム中の車そのもの」を作って売っているものだと思うことはない)、知的独占権に関する法の上では全く問題は無い。
- ^ 他社の作品で「有名ブランドが出ない」著名なものとしては、排他的な独占契約を結んでいたため他社作品に許可を出せなかったポルシェなどがあったが、現在はおおむね解消している。ただし、Hondaが首都高バトルに許諾を出さなかった理由は明確にされていない。同じ元気から発売のレースゲーム、街道バトルシリーズでは実在の峠を舞台にしながらも、公道ではなくレースステージという設定だったため収録が許可された。近年でも、トヨタがポリフォニー・デジタルとの独占契約を結んでいた関係で、Forza MotorsportやNEED FOR SPEEDといった他車ゲームに登場しない、或いはSUVや一部レース用車種のみの登場となるといった事例が発生している。
- ^ Genki_officialのツイート(590342085904969728)
- ^ a b c d 「首都高バトル」シリーズの元気がJ2リーグ企画「首都圏バトル4~じゃない4の逆襲~」とコラボした経緯を聞く。そしてシリーズ復活の可能性は? - 4Gamer.net・2015年8月1日
- ^ http://www.sb-x.jp/
- ^ 「首都高バトルXTREME」サービス終了に関するお知らせ
- ^ 首都高バトル DRIFT KING 土屋圭市&坂東正明 商品情報
- ^ 首都高バトルR 商品情報
- ^ 首都高バトル 商品情報
- ^ 首都高バトル2 商品情報
- ^ 首都高バトル0 商品情報
- ^ 首都高バトル01 商品情報
- ^ 「首都高バトルOnline」,9月1日をもってサービスを一旦休止 4Gamers
- ^ 首都高バトル 商品情報
- ^ 首都高バトルX 商品情報
- ^ 「首都圏バトル4~じゃない4の逆襲~」×「首都高バトル」コラボレーション決定のお知らせ - 大宮アルディージャ・2015年4月10日
- ^ a b 南関東J2クラブ合同プロモーション企画 「首都圏バトル5 -新たな希望-」実施のお知らせ ジェフユナイテッド市原・千葉 2018年2月2日