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:フランツ二世の弟。フランツ二世とは20も年が離れている。後のフランツ大公。マリー・ルイーゼ姫からは「おにいさま」と呼ばれている。ユキのことを慕っている。
:フランツ二世の弟。フランツ二世とは20も年が離れている。後のフランツ大公。マリー・ルイーゼ姫からは「おにいさま」と呼ばれている。ユキのことを慕っている。
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;[[アレクサンドル1世|アレクサンドル一世]]
;[[アレクサンドル1世 (ロシア皇帝)|アレクサンドル一世]]
:ロシア皇帝。金髪碧眼の美青年であるが、フランツ2世曰く「両刀使い」である。ユキに一目惚れをするが、素っ気無く振舞われる。
:ロシア皇帝。金髪碧眼の美青年であるが、フランツ2世曰く「両刀使い」である。ユキに一目惚れをするが、素っ気無く振舞われる。



2021年6月13日 (日) 08:07時点における版

楽聖少女
ジャンル ファンタジー
小説
著者 杉井光
イラスト 岸田メル
出版社 アスキー・メディアワークス
レーベル 電撃文庫
刊行期間 2012年5月 -
巻数 4巻(2014年4月1日現在)
テンプレート - ノート
プロジェクト ライトノベル

楽聖少女』(がくせいしょうじょ)は、杉井光による日本ライトノベルイラスト岸田メルによる。電撃文庫アスキー・メディアワークス)より2012年5月に刊行された。

あらすじ

音楽関係者の両親を持つ主人公・ユキは高校2年生の夏休み、嵐の日の図書室に現れたメフィストフェレスと名乗る女悪魔によって19世紀初頭のヨーロッパへと連れ去られてしまう。ユキは、悪魔と契約を交わしたという文豪・ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの新しい身体として連れて来られたという。メフィストフェレスに日本人としての本名すら奪われてしまったユキは、大作家ゲーテとして生活を送る傍ら、なんとか現代日本に戻る方法を探すが、その途上で1人の少女と出会う。その少女の名は、ルドヴィカ・ファン・ベートーヴェン。あまねく知られる天才音楽家と同名であった。

世界観

本作で描かれる19世紀初頭のヨーロッパ(おもにウィーンが舞台となる)は、電話や列車、飛行船や戦車など、本来この時代には存在しなかったはずであるものが存在しているなど、時代考証をすると文明が進みすぎている。だがメフィストフェレスによると、ここは別世界であるというわけではなく、同じ歴史の流れの中の支流の1つであるようである。

また、ゲーテやベートーヴェンをはじめ、シラーナポレオンなど、この時代に生きた皇帝や文豪や音楽家が多数登場するが、この作品内で登場する著名人は歴史的事実とは異なる性質を帯びていたり、性格などが著者の独自設定で決められているものが多い(例えば作中でのフランツ・ヨーゼフ・ハイドンは、音楽家であると同時に格闘家であるという設定になっている)。

登場人物

ユキ/ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
本作の主人公。この作品はすべてこの人物の一人称視点で語られる。高校2年生。母方の祖母にハンガリー人を持つ、いわゆるクォーターである。音楽家の両親や祖父を持つため、音楽については少なからず造詣が深いが、楽器演奏に関しては経験がない。作中の描写から、同作者の作品である『さよならピアノソナタ』の桧川直巳と蛯沢真冬の息子であることが示唆されている。
ある日、高校の図書館でゲーテの本を読み流しているときにメフィストフェレスと出会い、彼女によって突然1804年のヨーロッパ(ヴァイマール)に時間遡行させられる。というのは、文豪ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテが新しい身体を欲し悪魔であるメフィストフェレスと契約をしたからであり、その「新しい身体」として選ばれ連れてこられたのがユキだということである。よって作中では、ユキはヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテとして生活を送ることになる。なお、「ユキ」というのは本名ではなく、時間を遡行する際にメフィストフェレスに本名を奪われる中、なんとか記憶に残すことができた最後の2文字である。上述の桧川直己と蛯沢真冬の息子説を採る場合、本名は桧川 幸(ひかわ みゆき)。自らが関わることで歴史が変化してしまうこと、運命を知っている者たちと親しくなることを恐れ、最初は人と関わることを避けていたが、ゲーテの親友であるフレディやルドヴィカとの交流によって、徐々に心を開いてゆく。
音楽を心から愛し、特にベートーヴェンやウェーバーの曲は彼にとって非常に特別な存在である。音楽家達の生の演奏を聴いて何度もメフィストフェレスに契約完了をほのめかされるが、詩人としての自分に誇りを持ち、彼らの行く道を見届けようと決意する。
ルドヴィカ・ファン・ベートーヴェン
本作のヒロイン。年齢不詳。見た目は14歳から15歳ほど。腰ほどまである長い赤毛を持つ。通称はファーストーネームであるルドヴィカからとって「ルゥ」。
一人称は「ぼく」であり、理知的な話し方をする。性格はきついが可愛らしい少女であり、ファンクラブまで存在するが、本人は口煩い音楽関係者としか思っていない。
ユキのことをゲーテであると信じず、当初は冷たく振舞うが、徐々に彼を認め信頼していく。作品中でユキのことを「ユキ」と呼ぶのは通常、メフィストフェレスとこのルドヴィカだけである。
幼いながらも作曲・ピアノの技術は楽聖の名の通り、素晴らしい代物。耳や記憶力が非常に良く、一度聴いた未来の音楽までも楽譜に引き起こすことが可能。山道で遊ぶこともよくあるため、華奢な身体とは裏腹に体力もある。
メフィストフェレス
ゲーテと契約し、ユキを19世紀初頭のヨーロッパへと連れ去った女性の悪魔。ユキには「メフィ」と呼ばれている。ユキのことは「ユキ」と呼称する。
基本、トボけたお姉さんであり、ユキに悪魔らしくないと称されるほど。美人でスタイルも抜群であるが正体はでっかい黒犬。
当初はユキ以外と会話することはなかったが、単行本2巻ではルドヴィカと会話できるようになっている。
可愛い女の子に目がなく、ルドヴィカを始めとしてナネッテにまで手を出そうと目論見、ユキに叱られている。
カール・マリア・フォン・ウェーバー
ハイドンの一番弟子であり、悪魔ザミエルと契約している色白で細身の美青年。ルゥが賞賛するほどの歌声の持ち主であったが、ザルツブルクにおけるナポレオンとの戦いで瀕死の重症を負い、その際喉を潰して歌声を失くし、生きがいを見失う。以降、弾を失うかナポレオンが命を落とすと魂を引き払うという条件の下で悪魔ザミエルと契約し、ナポレオンへ復讐することを目論んでいた。
ザミエルによりユキの正体を知ることとなり、彼を「ファウスト」と呼んでいる。当初は計画を邪魔するユキのことを疎ましく思っていた。しかし自分を手助けしたユキに、徐々にではあるが心を開く。ナポレオンとの最後の決戦前に、以前食事を作ってくれたお礼という口実で、包丁を形見として手渡す。
ルドヴィカからは「マリア」と呼ばれているが、本人はそれを言うとひどく嫌がる。否定はしているものの、実はルドヴィカの曲は全て弾きこなせるほど彼女の曲のファンである。
ザミエル
カールと契約し、彼に魔銃を与えた男の悪魔。カールが生まれた時から彼の魂に目をつけ、ナポレオンにやられて瀕死となった彼に手を差し伸べる。弾を撃ちきるかナポレオンを殺害すれば、魂を売り払うという契約を取り付けた。カールに対して歪んだ愛情を注いでおり、契約の邪魔をするユキに殺意を抱いている。
ヨハン・クリストフ・フリードリヒ・フォン・シラー
歴史上ではゲーテと並び称される文豪。本作でもゲーテの親友として登場する。ゲーテとはファーストネームが同じであるため、「ヴォルフィ」「フレディ」という愛称で呼び合っている。結核を抱えているが、それを感じさせないほど見た目は非常に若々しく、ユキが呆れるほど楽天家で酒好きで女好き。ゲーテの親友であると同時に、ゲーテの作品の一番のファンである。ゲーテがいきなり若返り、ユキとなったことも平然と受け止め、彼の理解者となっていく。ヴァイマールの書斎でユキとともに暮らしていたが、ある日突然姿を消す。
ナネッテ
シュトライヒャー工房というピアノ工房の女店主。ピアノの製作調整技術は随一であるようで、非常に多くの顧客がおり、人気も高い。ルドヴィカを溺愛しており、彼女のためのピアノを製作するべく研究を続けている。溺愛のあまり、ルドヴィカの欲するピアノを作るために交戦中のフランスやイギリスに身一つで乗り込もうとするなど、彼女のことになると命知らずな面がある。料理は非常に苦手で、ユキに教えを請う。
ナポレオン・ボナパルト
有史上ではフランス帝国の初代皇帝である人物であるが、本作品上でも同じ境遇で登場する。ユキと同じく別の世界から肉体を呼び出されているが、ナポレオンの場合、ユキとは違って同じ時間を何度も繰り返すという現象に見舞われている。その輪廻から脱するため、自分を殺してくれる人物を探し続けている。本作品独自の設定では、神聖ローマ軍をたった一人で滅ぼすほどの力を持つが、無駄な殺戮は好まないということになっている。悪魔に乗っ取られている実の妹であるポリーヌ・ボナパルトが彼の力に大きく影響を与えているようだ。また、ルドヴィカの作った曲の奇妙な影響力を警戒しているふしがあり、ナネッテの新しい技術を使ったピアノの開発を阻止しようとする。
貴族連中
「ルドヴィカちゃんファンクラブ」を結成する変態集団。
闘魂烈士団
ハイドンを慕う、暑苦しい男集団。ハイドンを救ったユキにも尊敬の眼差しを向ける。
フランツ二世
神聖ローマ帝国の若き皇帝。ルイーゼの父であり、ルドルフの兄である。ユキを非常に信頼しており、よく未来のことについて尋ねる。
マリー・ルイーゼ 
12歳のキュートでお茶目なお姫様。ユキのことを慕っている。
ルドルフ
フランツ二世の弟。フランツ二世とは20も年が離れている。後のフランツ大公。マリー・ルイーゼ姫からは「おにいさま」と呼ばれている。ユキのことを慕っている。
アレクサンドル一世
ロシア皇帝。金髪碧眼の美青年であるが、フランツ2世曰く「両刀使い」である。ユキに一目惚れをするが、素っ気無く振舞われる。

既刊一覧

タイトル 初版発行日 ISBN
1 楽聖少女 2012年5月10日[1] ISBN 978-4-04-886566-1
2 楽聖少女2 2012年9月7日 ISBN 978-4-04-886896-9
3 楽聖少女3 2013年2月9日 ISBN 978-4-04-891375-1
4 楽聖少女4 2013年11月9日 ISBN 978-4-04-866106-5

コラボレーション

カプコンのオンラインシミュレーションRPG『百年戦記 ユーロ・ヒストリア』と電撃文庫がコラボレーションキャンペーンを行い、その第5弾として2014年5月8日から5月22日にかけてイベントクエスト“傭兵のソナタ”が開催され、ルドヴィカ・ファン・ベートーヴェンが作中に登場し、イベントクエストをクリアすると“運命の交響曲”や“緊迫のオペラ”などの固有スキルを持つ英雄“希代の天才音楽家 ルドヴィカ(晩成型)”や限定支援兵“電撃兵”が入手可能。

出典

外部リンク