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正面の壁には、7枚の絵や写真が掲げられている。中央の大きいものは、[[シャルル・ド・スチューベン]]の祭壇画『ゴルゴダで』の複製である{{Sfn|『レーピンとロシア近代絵画の煌めき』|2018|p=114}}{{R|真野|page1=62}}。上段の左側は、画家の[[タラス・シェフチェンコ]]の肖像であり、右側は、詩人の[[ニコライ・ネクラーソフ]]の肖像である{{Sfn|『新怖い絵』|2016|p=158}}{{R|真野|page1=62}}。
正面の壁には、7枚の絵や写真が掲げられている。中央の大きいものは、[[シャルル・ド・スチューベン]]の祭壇画『ゴルゴダで』の複製である{{Sfn|『レーピンとロシア近代絵画の煌めき』|2018|p=114}}{{R|真野|page1=62}}。上段の左側は、画家の[[タラス・シェフチェンコ]]の肖像であり、右側は、詩人の[[ニコライ・ネクラーソフ]]の肖像である{{Sfn|『新怖い絵』|2016|p=158}}{{R|真野|page1=62}}。


右側の壁には、大きな地図の他に写真が1枚掲げられている{{R|真野|page1=60,63}}。写真は、[[アレクサンドル2世]]が死の床に横たわっている姿をとらえたものであるが、セルゲイ・レヴィーツキー ([[:ru:Левицкий, Сергей Львович]]) が撮影した写真の複製であるとする説{{Sfn|『レーピンとロシア近代絵画の煌めき』|2018|p=114}}と、画家の[[コンスタンチン・マコフスキー]]が描いた『死の床のアレクサンドル2世』の写真であるとする説{{R|真野|page1=63}}がある。
右側の壁には、大きな地図の他に写真が1枚掲げられている{{R|真野|page1=60,63}}。写真は、[[アレクサンドル2世 (ロシア皇帝)|アレクサンドル2世]]が死の床に横たわっている姿をとらえたものであるが、セルゲイ・レヴィーツキー ([[:ru:Левицкий, Сергей Львович]]) が撮影した写真の複製であるとする説{{Sfn|『レーピンとロシア近代絵画の煌めき』|2018|p=114}}と、画家の[[コンスタンチン・マコフスキー]]が描いた『死の床のアレクサンドル2世』の写真であるとする説{{R|真野|page1=63}}がある。


== 脚注 ==
== 脚注 ==

2021年6月13日 (日) 09:07時点における版

『思いがけなく』
ロシア語: Не ждали
英語: They Did Not Expect Him
作者イリヤ・レーピン
製作年1884年 - 1888年
種類油彩キャンバス
寸法160.5 cm × 167.5 cm (63.2 in × 65.9 in)
所蔵トレチャコフ美術館モスクワ

思いがけなく』(おもいがけなく、: Не ждали, : They Did Not Expect Him)は、ロシアの画家イリヤ・レーピン1884年 - 1888年に描いた絵画である[1][2][3]。『予期せぬ帰宅』(英語: Unexpected Return)とも[3][4]:74-75。原題の «Не ждали» を直訳すると、「待っていなかった」となる[4]:74モスクワにあるトレチャコフ美術館に所蔵されている[5]

概要

『思いがけなく』 1883年 - 1898年

本作は、1884年にサンクトペテルブルクで開催された第12回移動美術展覧会(移動展)に出品されている[6][4]:57。革命家を主人公とした油彩画であり、レーピンは、他にも『懺悔の前』『宣伝家の逮捕』『集会』といった作品において、革命家を主人公に据えている[4]:51。この革命家のモデルは、ドミートリー・V・カラコーゾフ (en:Dmitry Karakozov) という実在の革命家である[4]:51。レーピンは、1883年から1898年にかけて、女性の革命家を主人公に据えた同名作品を製作している[4]:57。画家のワシリー・カンディンスキーは、本作に深い感銘を受けたとされる[7]:18

作品

革命家の男性が、突然に家の中に入ってきた様子が描かれている[1][3]。彼は、使い古された茶色いオーバーコートを身につけており、古びたブーツを履いている[8][4]:59。画面手前で立ち上がろうとしている老女は、革命家の母親であり、黒い服を身につけている[4]:58。ピアノの前にいるのは革命家の妻であるとされる。彼女は厚手のグレーの上着を羽織っており、黒色の服を中に着ている[4]:59

ドアを開けている人物は、召し使いと思われる女性であり、彼女は他の人物に比べて薄着で、白いエプロンを身につけている[9][4]:59。彼女の背後には、室内を覗き込む人物が描かれている[4]:59。画面の右端に描かれている少年と少女は、革命家の長男と次女であるとみられる[9][1][4]:58-59。学生服と思われる服を身につけている少年は、身体を反りかえらせており、歓喜と驚きの入り混じった表情をしている[1][8]。一方で、薄いピンクの衣服を着ている少女は、前かがみになって身体を強張らせており、訝しむような視線を向けている[1][4]:59

正面の壁には、7枚の絵や写真が掲げられている。中央の大きいものは、シャルル・ド・スチューベンの祭壇画『ゴルゴダで』の複製である[1][4]:62。上段の左側は、画家のタラス・シェフチェンコの肖像であり、右側は、詩人のニコライ・ネクラーソフの肖像である[10][4]:62

右側の壁には、大きな地図の他に写真が1枚掲げられている[4]:60,63。写真は、アレクサンドル2世が死の床に横たわっている姿をとらえたものであるが、セルゲイ・レヴィーツキー (ru:Левицкий, Сергей Львович) が撮影した写真の複製であるとする説[1]と、画家のコンスタンチン・マコフスキーが描いた『死の床のアレクサンドル2世』の写真であるとする説[4]:63がある。

脚注

参考文献

  • 籾山昌夫『レーピンとロシア近代絵画の煌めき』東京美術、2018年12月。ISBN 978-4-8087-1120-7 
  • 中野京子『新怖い絵』KADOKAWA、2016年7月。ISBN 978-4-04-104642-5